最近、日本各地で地震が多発していて不安を感じている方も少なくないのではないでしょうか。また夏場の台風も大型化~線状降水帯などによる被害も甚大です。今回は、災害時の停電対策としてのポータブル電源&ソーラーパネルの選び方を考えます。
キャンプや車中泊用のポータブル電源と選び方は違うのかな
なにを基準にポータブル電源を選べばいいのかしら?
これまでも「ポータブル電源の選び方」について記事をアップしてきましたが、当ブログのテーマとしてどうしても選ぶ基準がキャンプや車中泊などのアウトドア向けになる傾向があります。
でも、今回の地震多発を機にポータブル電源関連記事へのアクセスを頂くようになったのは、アウトドアユースではなく、自身をはじめとする自然災害・地震など非常時・緊急時の対策としてポータブル電源に興味を持たれたのではないかと推察できます。
そこで今回は、普段とは少し違う視点で、自然災害・地震など非常時・緊急時向けのポータブル電源やソーラーパネルを何を基準に選べばいいのか…を考えてみようと思います。
内容はかなり初心者さん向けになっていますので、「ポータブル電源ってよくわからない」「詳しくない」という方はぜひお読み頂ければと思います。
アウトドア向けと災害対策で何が違う?
ポータブル電源を選ぶ際に、キャンプや車中泊などのアウトドアユース向けと、災害時の停電対策向けでは選び方や重視するポイントが若干異なります。
例えば、アウトドアユースでは「軽量」「携帯性」などは重要なポイントですが、災害時にはいかに電力を維持するか…が重要となるので、軽量でなくても携帯性が多少悪くてもいいので、できるだけ電力を多く貯めておけることを重視すべきでしょう。
また、ポータブル電源は「蓄電池」であり「発電機」ではない(つまり自分では電気を作り出せない)ことを勘案すると、自然エネルギーによる発電機能を保有しておくことも重要です。
自然エネルギー発電は、風力や地熱による発電もありますが、個人として最も身近なのは『ソーラーパネル』による太陽光発電でしょう。
天候や季節に発電量が左右される点はソーラー発電の弱点ですが、携帯性の高いソーラーパネルを用意することで、固定設置式にはない可動性が大きなメリットになるはずです。
ポータブルバッテリーの基礎知識
ポータブルバッテリーを選ぶには、基本的なことを知っておく必要があります。
ここでは、ポータブルバッテリーを選ぶ際に基準となるいくつかの基礎的な知識を解説します。
ポータブル電源選びの基本は、「容量」「定格出力」「定格消費電力」です。
それぞれの言葉の意味や、関係性が理解できるとポータブル電源選びがスムーズに進みます。
ポータブル電源の「容量」とは?
ポータブル電源を選ぶ際に、最も注目すべき点の1つが「容量」です。
容量とは何の量なのか…というと、ポータブル電源に貯めておける電気の量を指します。「水筒の容量は水筒に入れておける水の量」と同じで、ポータブル電源の「容量」とは充電可能な電気の容量の意味です。充電容量は「Wh」(ワットアワー)という単位で表されます。
「Wh」は1時間に何Wの電力を使えるか…と置き換えると分かりやすいかもしれません。例えば100Wの電球を1時間点灯しておける電力が100Whです。
当然ながら、より多くの容量を貯めておける方が、長時間にわたって電気を供給することができますが、ポータブル電源の容量は価格と比例するので、予算と容量の兼ね合いで製品を選ぶことになります。
例えば災害時の停電時に、夜19時から暗くなって朝5時ぐらいに明るくなるとすると1日で10時間点灯している計算となります。100Wの電球を夜間ずっと点灯しておくとすると、消費する電力は100W×10時間で1000Wとなります。
いくら電力を貯めておけるといっても、電気の無駄遣いをしてしまっては、1000Whの容量を持つポータブル電源でもわずか1日で蓄電量は枯渇してしまうので、眠る際には消灯するなどの「節電」をセットで考える必要があります。
ちなみに、同じ電源でもポータブル電源の容量は「○○Wh(ワットアワー)」で表しますが、モバイルバッテリーやすまほの電池は「○○mAh(ミリアンペア)」で表します。ポータブル電源からスマホに充電する際に容量の単位が違うと不便なので変換式を記しておきます。
小学校で習ったように「電力W=電圧V×電流A」で、スマホやモバイルバッテリーはリチウムイオン電池なので電圧は3.7Vなので、『1,000mAh(1Ah)=3.7Wh』となります。応用すると、例えば4000mAhのスマホをポータブル電源からフル充電した場合、ポータブル電源の容量は4000mAh×3.7V=14.8Wh減少することになります。
家族4人がそれぞれ4,000mAhのスマホを持っていて、災害時、毎日4,000mAh×4台充電するとすれば、1日あたり16,000mAh(59.2h)の電気量が必要になります。災害から3日間停電したとすると、16,000mAh×3日間=48,000mAh(177.6Wh)が必要となります。スマホ充電だけする場合でも178Whのポータブル電源が必要なのです。意外に電気の消耗って大きいんだな…と感じませんか?
定格出力/瞬間最大出力、定格消費電力とは
次は、ポータブル電源の「出力」と、電気製品の「消費電力」の関係について解説します。
この「出力」と「消費電力」の関係が分からないと必要なポータブル電源を選べないので、ちょっと面倒ですが理解できれば簡単なことなのでぜひお読みください。
定格出力
ポータブル電源の「定格出力」とは、そのポータブル電源が継続的に出せるパワーの強さです。
例えば定格出力500Wのポータブル電源は、容量が残っている限り、ずっと500Wの電力を供給し続けられる…と言う意味です。
定格消費電力
一方、電気製品には「定格消費電力」が個別に決まっていて、その電気製品を使用する際に消費する電気の総量です。
ちょっと誤解されやすいのですが、500Wの温めが可能な電子レンジは「消費電力500W」ではありません。電子レンジは温めのほかにも、庫内照明やターンテーブルの回転、液晶パネルの点灯などで電気を消費しますが、これらをすべて合算して、その製品が消費する電力の総量を「消費電力」といいます。
前項のポータブル電源の「定格出力」と、電気製品の「定格消費電力」の関係は、必ず
『定格出力』>『定格消費電力』
出なければなりません。
瞬間最大出力
同じ出力でも「瞬間最大出力」というのもあります。
「瞬間最大出力」(サージともいう)は、一瞬の短い時間なら最大ここまで電気を供給できるという最大出力です。
というのも、一部の電気製品は使いはじめの一瞬に大きな電気を必要とする製品があり、これを「起動電力」と言います。最初の一瞬の「起動電力」は定格出力では耐えられない大きな電力なので、これに耐えられるように「瞬間最大出力」が設定されており、概ね、定格出力の2倍あれば問題ないとされています。
ただし「起動電力」は全ての電気製品で発生するわけではなく、一部の(特にモーターを回転させる系の)電気製品にのみ発生します。
定格出力と定格消費電力の関係
定格出力はポータブル電源が供給する電気の量であり、定格消費電力は電気製品が必要とする電気の量ですので、前述のとおり【定格出力>定格消費電力】でないと電気製品は動きません。
つまり、ポータブル電源の選び方の基本は、使用を想定している電気製品のうち最も大きい定格消費電力を上回る定格出力のポータブル電源を選ぶ必要があるということになります。
例えば、災害時の停電中の食事を備蓄のカップ麺で凌ぐ場合に、1200Wの消費電力の電気ケトルで湯沸かしを想定するなら、1200Wの消費電力のケトルを動作させるには、定格出力1200W以上のポータブル電源が必要…といった具合です。
定格消費電力と容量の関係
例えば上記事例の「1200Wの電気ケトルでお湯を沸かした」場合、実際に消費する電気の量はどのぐらいでしょうか。
消費電力1200Wなんだから1200Whを消費するんでしょう?
と思われるかもしれませんが、実は、実際に消費される電力は使用時間によって変わります。
消費電力1200Wというのは、1時間で1200Wの電力を消費する…という意味なので、電気ケトルでの湯沸かしが3分間で沸騰するなら、1時間のうちの3分間のぶんだけ消費することになるのです。
消費電力1200Wのケトルであっても、3分間で湯沸かしが完了する場合には、
1200W÷60分×3分間=60W
となり、実際に消費される電力は60Wに過ぎないことになります。
ややこしいんですが、まず大前提として【定格出力>定格消費電力】でなくては電気製品は動きません。そして実際にポータブル電源の蓄電量を減らすのは【定格消費電力÷60×〇分】によって計算できます。つまり、
- 定格消費電力が大きくても短時間の使用の場合の電気消費量はあまり多くない
- 定格消費電力が小さくても長時間連続して使用する場合の電気消費量は多くなる
というわけです。
ポータブル電源選びの基本は容量・出力・消費電力の関係
ここまで見てきたように、ポータブル電源選びの基本は以下の3点のみと非常にシンプルです。
- 定格出力>定格消費電力
- 実際の消費する電気量は【消費電力×使用時間】で決まる
- 使用を想定した電気製品の消費電力の合計を超える「容量」が必要
ちなみに家庭で使っている家電をすべて使いたい場合には、定格出力は最低で1500W必要です。なぜなら家庭のコンセントが1500Wなので、家電は基本的に定格消費電力1500Wまでで作られているためです(一部例外除く)。
ただし、複数の家電を一度に動作させる場合には1500Wで必ず足りるとは限りません。同時使用する家電の消費電力の合計分の定格出力が必要です。
一般的な電気製品の定格消費電力をチェックしてみる
電気機器 | 一般的な消費電力 | 想定電力 | 起動電力 |
スマートフォン | 4,000mAh(3.7V) | 14.8Wh | |
LEDランタン | 15,000mAh(3.7V) | 55.5Wh | |
ノートPC | 5100mAh(9.8V) | 50Wh | |
IHヒーター 20分間使用 | 1,300~1,400W | 460W | |
電気毛布 6時間使用 | 50W | 300W | |
液晶テレビ 4K・40インチ以下 | 120~400W | 300W | |
炊飯器(5.5合) 60分間 | 1,000~1,400W | 1,400W | |
炊飯器(2合) 30分間 | 200~300W | 150W | |
ポータブル冷蔵庫 | 45~60W | 60W | |
冷蔵庫(小型) | 50~130W | 120W | 400W |
冷蔵庫(大型) | 200~350W | 300W | 1000W |
電気ケトル 3分間使用 | 1,200~1,400W | 70W | |
扇風機 | 20~60W | 50W | 100W |
エアコン 8畳用以下 | 460~580W | 500W | 2000W |
電子レンジ 3分間使用 | 1,000~1,300W | 65W | 2000W |
オーブントースター 5分間使用 | 1,100~1,400W | 110W | |
ファンヒーター 1時間使用 | 500~1,000W | 800W | 1600W |
ドライヤー 15分使用 | 1,000~1,400W | 350W | 1600W |
具体的な電気製品の消費電力が分からない…と言う方向けに、代表的な家電を一般的な使用時間使った場合の消費電力をまとめました。
あとは、この「想定電力」を基準に、何人分なのか、何時間使うのか、何日間使うのかをご自身で計算して頂ければ、必要な電気量がわかり、必然的に必要なポータブル電源の容量がわかる…という表です。
想定シミュレーション
何らかの災害によって3日間停電が起こった場合を想定してみます。
- 4,000mAhのスマホを4人家族で1日1回×3日間充電する(=177.6Wh)
- 15,000mAhのLEDランタンを1日1回充電する(=55.5Wh)
- 消費電力50Wの電気毛布(扇風機)を1日6時間×3日間使う(=240.0Wh)
- 消費電力200Wの小型炊飯器で1日2回3日間炊飯する(=600.0Wh)
(炊き上がり30分を想定) - 消費電力1000Wの電子レンジでおかずの温めを1回3分、2食×3日間加熱する(300.0Wh)
このような使い方をした場合の必要な電気量は3日間で「1373.1Wh」になります。
意外と多いと感じるか、少ないと感じるかはそれぞれですが、食事回数を2回/日にして電気消費は減らしているつもりの想定でも1500Wh近い電力を消費してしまうのです。
もちろん、もっと削れるところはありますが、意外に必要な容量は大きいということは覚えておいた方がよいかもしれません。
ポータブル電源からの給電で家電を使用する場合はAC100Vで出力することになりますが、DC(直流)で蓄電されている電気をAC(交流)に変換する際に「変換ロス」という形で約20%が失われてしまいます。上記の「必要容量1373.1Wh」に変換ロス20%ぶんを見込むと、1647.7Whの容量が必要ということになります。DC→ACの変換では20%もの電力が失われてしまうので電源選びの際は容量には余裕を持たせた方が良さそうです。
※災害時の自主避難について考えました。こちらも併せてご覧ください。
なぜシミュレーションが3日間想定なのか
上記の試算は3日間で計算していますが、それには理由があります。
3日間=72時間は、災害発生から行政の支援の手が届くまでの時間がおよそ3日間(72時間)といわれているためです。
生存率が著しく落ちる期限が72時間(3日間)だということはご存じだと思いますが、行政などもその期限を目途に救援・救助体制を急いで整えるため、個人に救援の手が届くのも3日(72時間)経過後と考えられるためです。
その3日間を自力で生き延びることを「自助」といいますが、当然、電力確保の観点においても最低3日間を目途に電力を確保することが必要になります。
内閣府災害担当が作成した資料でも、災害発生から最低3日間は自力で生き延びられる準備をするよう呼び掛けています。
同じ「ご飯を食べる」場合でも、生米から炊飯器で炊く場合には150Wかかりますが、パックご飯を電子レンジで加熱すれば、同じご飯1食分でも65Wで済みます。電気を何にどう使うかを検討したうえで、備蓄食料なども用意した方がよいでしょう。
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/chikubousai/pdf/160818.pdf
最新ポータブル電源のおすすめポイント
ポータブル電源選びの基本は「容量・定格出力・消費電力」ですが、最新のポータブル電源は安全性への配慮やコスト面での工夫が見られます。
安全性を高めるリン酸鉄リチウムイオンバッテリー
従来、ポータブル電源に採用される電池は「三元素リチウムイオン電池」が主流でしたが、昨今では、電池としての安定性が高く、万が一の場合にも発火・爆発を起こさない「リン酸鉄リチウムイオン電池」を採用した製品が増えています。
何らかの理由で電池が高温となり「熱暴走」した場合でも、リン酸鉄リチウムイオン電池であれば最悪の場合でも、発火や爆発に至らないため安全性の高いバッテリーとされています。
災害用ポータブル電源は比較的長期間「保管」されることが多いため、より安全性の高い「リン酸鉄リチウムイオン電池」の購入を検討されることをおすすめします。
※リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのおすすめ機種を、クラスごとに紹介しています。
容量を倍増させる拡張バッテリー
ポータブル電源の中には、電源本体の他にも別体の蓄電池を用意して、充電容量の拡張が可能なモデルがあります。EcoFlowでは「エクストラバッテリー」、他社では「拡張バッテリー」と呼ばれます。
例えば、EcoFlowの「DELTA 2」本体の容量は1024Whですが、専用エクストラバッテリーを接続することで2048Whと2倍の容量を使うことができます。
Bluettiの新機種「AC60」は、本体容量403Whの比較的小型モデルですが、803Whの拡張バッテリー「B80」を2台まで接続可能で最大2015Whの大容量電源に変身させることが可能です。
本体と拡張バッテリーが別体であることには以下のようなメリットがあります。
- 本体自体の容量は少ないため本体価格が割安になること
- 必要な時に拡張バッテリーを追加購入して容量を増やせること
- アウトドア等の際には本体だけ持ち出して拡張バッテリーの方は自宅に残す等の使い分けが可能
しかし一方では、本体と拡張バッテリーいずれにも購入コストがかかるため、コスト増になる傾向があり、コスパの面では良好とは言えません。
定格消費電力を下回る出力で家電を動かせる定電圧機能
「定格出力>定格消費電力」が原則だと書きましたが、技術的に原則を覆しているポータブル電源があります。
『定電圧機能』と呼ばれる機能で、EcoFlowの「X-Boost」、BLUETTIの「電力リフト」などが該当します。
定電圧機能とは、定格出力より消費電力が大きい電気製品の消費電力を、定格出力以下に抑えることで、本来動かないはずの家電を動作させる技術です。
具体的には、Bluetti EB3Aは容量268Whの最小クラスのポータブル電源で、定格出力は大きめの600Wですが、それでも本来なら1000Wの電子レンジは動作させられないはずです。しかし、「電力リフト」機能によって、電子レンジを600W以下の電力で動作させることが可能です。
電力を下げて動作させているので、温め時間などの能力は低くなりますが、本来動かない製品を動かして利用できるのは非常に大きなメリットです。
またポータブル電源は定格出力が大きくなればそれだけ価格もアップするので、定格出力を低く抑えて定電圧機能で高出力部分をカバーする方法は、ポータブル電源の購入価格を引き下げる(つまり低出力の電源を買っていることになる)効果を期待できます。
出力と価格は比例するので高出力モデルは高額です。定電力機能付きであれば低出力モデルで間に合わせることが可能なのでお財布にも優しい新世代技術と言えます。
※「定電圧機能」についての詳細は別記事をご参照ください。
ソーラーパネルとセット購入がおすすめ
ポータブル電源の弱点は、電気を貯めること(蓄電)はできても、電気を生み出すことはできない点にあります。いくら大容量電源であっても、日がたつにつれて蓄電量は減る一方で勝手に蓄電量が増えることはありません。
アウトドアなどのレジャーユースであれば帰宅後にAC100Vコンセントから充電すれば済みますが、災害による停電時にはACコンセントからの充電は望めません。天候に左右されてしまう弱点がありますが、無料でクリーンな太陽光発電による蓄電量の回復が重要となってきます。
電源とソーラーパネルを別々に購入しても問題ありませんが、初心者の方は同じメーカーの電源とソーラーパネルのセット購入をおすすめします。
なぜセットか…というと、メーカーごとでコードと本体の接続プラグの形状が様々で余計な手間がかかることや、電源とパネルの電圧値によっては使用不可の場合もあるのです。同じメーカーの製品であればプラグの違いもありませんし、電圧もマッチした製品をセットしています。
筆者の経験則で言えば、ソーラーパネルは定格出力の60~80%発電できれば良い方です。天候や設置方法に大きく左右されるため、例え200Wパネルでも200Wを生み出せることはほとんどありません。ポータブル電源に使用可能な最大限の発電量のパネルを選ぶことをおすすめします。ソーラーパネルについては以下の記事もご覧ください。
容量は回復できるが、出力は購入後には増やせない
どれだけ多くの家電を、どれだけ長く使えるかは「容量」の大きさで決まります。
そうなのね、それなら重視するのは容量なのね?
出力は大きな消費電力の電気製品を使わなければいいけど、小さな消費電力でも長時間利用する場合には大容量が必要…と考えると、どうしても「容量」重視になりがちです。
でも、容量は多少なりとも回復することができます。拡張バッテリー接続可能な機種もありますし、ソーラー発電による充電も可能です。車両の走行充電によっても充電量を回復可能です。
しかし、出力(定格出力)については、後から出力アップできまないため、購入時に使用する家電や状況を検討した上で、できるだけ出力の大きな機種を購入すべきです。
ポータブル電源を購入する場合には、あとからリカバリーができない分、ある程度の定格出力も見込んでおかないと、容量は満タンなのに出力不足で使えない…といったことが起こってしまいます。
ポータブル電源を選ぶ際の注意点
容量が必要なだけあって、定格出力が1500W以上だったら安ければ安いほどいい…。
この考えはちょっと危険かもしれません。
かもしれないというのは、物事は何ごとも「必ずしも…」だからです。注意して頂きたいのは、ポータブル電源は、その製造元の多くが中国であることも手伝って、出回っている製品の中には粗悪品も混じっている、いわば「珠玉混交」状態である点です。
日本法人を設立しているか確認する
当ブログで紹介やレビューしている「EcoFlow」「Jackery」「BLUETTI」「Anker」「Smart Tap」といったそこそこ名が知れていて、もう何年も日本で製品を販売しているメーカーであれば、とりあえずは安心して購入できるのかな…と思います。
海外メーカーの場合には、少なくとも日本法人が設立されているメーカーがおすすめです。
名も知れぬ、そして激安な製品は当ブログではおすすめしませんが、どうしても気になる場合にはよくよく吟味の上で購入を判断してください。
絶対に正弦波の製品を選ぶ
「正弦波」とは、AC100Vコンセントから流れる非常に波形の整った「由緒正しい」電気です。
激安ポータブル電源の中には、容量も出力も、付属機能も充実しているのに「この値段?」と驚くような好条件で販売されている製品がありますが、その場合は、「正弦波」であるかどうかを確認してください。
精密機器や、電気製品の中には「正弦波」以外(※)では動かない、正常に機能しない場合があるためです。
ACコンセントからの電気で動かすことを前提に開発製造された家電は、正弦波以外は受け付けないケースも少なくありません。
※「疑似正弦波」や「矩形波(くけいは)」など
防災視点のポータブル電源選び まとめ
今回は、地震や自然災害による停電時の電力確保の観点から、ポータブル電源の選び方や注意点などをまとめてみました。
最近の地震多発は大いに不安ですが大きな地震が起きないことを願うばかりですが、いざという時のための準備は心がけておいた方が良いのは言うまでもありません。
それでは今日はこの辺で。
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