今回のテーマは、ポータブル電源の走行充電についてです。

キャンプ場へ向かう道中でポタ電を充電できたらいいのに

クルマの走行充電ってポタ電の充電にも使えるの?

走行充電して、クルマ側もポタ電側も壊れたり不具合出たりしない?
本稿は、そんな疑問をお持ちの方向けの記事になっています。
充電量が減ったポータブル電源に如何に充電するかはキャンプ後・車中泊後の関心事ですが、帰途に走行充電できたらいいな…と思い、我が家のポータブル電源EFDELTAをアルトピアーノのシガーソケットに繋いでDC12Vで走行充電してみました。
1260Wh/1600Wの大容量・大出力のEFELTA実際にシガーソケットとEFELTAを接続して走行充電をしてみました。
どの程度の充電ができたのか、走行充電後に不具合や故障はなかったのか、走行充電する際の注意点とは?など、実際に走行充電の様子や事後の様子をレポートします。
サブバッテリーとポータブル電源間で電気の交換ができたら便利
自分的には、サブバッテリーとポータブル電源との間で蓄電した電力をやり取りできるのが理想だと考えています。
サブバッテリーには走行充電という充電方法があり、ポータブル電源にはソーラー充電という充電方法があります(余計な機器を接続しなくてもパネルを繋げば充電できる)。
EcoFlowのポータブル電源には「X-Stream」という機能が備わっていて、充電量の80%を約1時間で充電できるため、例えばキャンプ当日の朝に充電していないことに気づいても、出発までの1時間で80%までリカバリーすることが可能です。
さらに、キャンプ場へ向かう車内で「走行充電」で上乗せできれば、さらに容量を稼ぐことが可能です。
キャンプなどで停車している状態では走行充電できないため、ポータブル電源のソーラー発電で充電できればサブバッテリーの容量減にも補充が可能です。
ポータブル電源のメリットは、コントローラーなどの機器が不要でソーラーパネルを接続するだけで簡単にソーラー発電・充電が可能なことで、AC出力から「外部充電」へ接続すれば、ソーラーパネルで発電された電気はパススルーされサブバッテリーへ蓄えられます。
つまり、走行充電でポータブル電源を充電でき、ソーラー充電でサブバッテリーを充電できれば、相互に発電した電気をやり取りできる…というわけです。
ポータブル電源への走行充電はシガーソケット出力
「走行充電」とは文字通り「走行してバッテリーを充電する仕組み」です。
通常、自動車のエンジンの脇に取り付けられた「発電機」があって、エンジンが始動するとこの発電機も回転を始めて発電し始めます。
時々、勘違いされている方がいるのですが、クルマに積んでいるバッテリーから電気を使うのは、原則としてエンジン始動の時だけで、ヘッドライトやウインカー、ストップランプやメーター類の照明など走行中の電気は発電機が発電した電気を使っています。
走行中に使用して余った分をバッテリーに保存しておいて、エンジン始動の際に利用するわけです。
キャンピングカーにはサブバッテリーが搭載されていて、こちらにも走行充電の機能があり、サブバッテリーを充電することが可能で、クルマが走行中に使用する電気、メインバッテリーの充電をして余った分がサブバッテリーに充電されるようになっています。
夜間や雨天などで電気の使用量が多い場合は、末端のサブバッテリーまで充電するだけの発電ができない場合には、サブバッテリーの充電は行わずにメインバッテリーを優先して充電します。
アルトピアーノの場合、運転席のダッシュボードに1カ所、リアの居住スペースのコントロールパネルに1カ所のシガーソケットが設けられており、いずれかから専用コードで接続することでポータブル電源に充電を行うことが可能です。
一応、発電機で発電された電気を充電する…という意味では「走行充電」ですが、本来のサブバッテリーへの充電とはまったく電気の量が異なります。
シガーソケットからの充電では、最大120Wしか充電できないので、充電能力が高いとは言い難いものがあります。
ポータブル電源の走行充電は運転席のシガーソケットから
走行中にポータブル電源に充電できる点ではメインバッテリー側も、サブバッテリー側もも同じですが、例えばサービスエリアなどでの休憩時にエンジンを停止した場合、運転席のシガーソケットからは電気が流れなくなるのでメインバッテリーに貯めた電気がポータブル電源に供給されることはありません。
しかし、サブバッテリーの場合は、走行充電が止まるとサブバッテリーに蓄えた電気を供給してしまうため注意が必要です。
走行充電でポータブル電源を充電してみた
容量を消費した状態のEFDELTAを積み込んで往復100kmほど走行充電してみました。
目的地はアルトピアーノのふるさと「アルトピアーノ横須賀」です。

こんな感じで、サブバ側のDC12V端子とEFDELTAのDC充電を接続します。
先ほどの「走行充電は運転席のシガーソケットで」が原則ですが、写真の撮りやすさで今回はサブバッテリー側のシガーソケットに接続しました。
サブバッテリーの蓄電を供給してしまわないように、常にエンジンはかけた状態にし、休憩などでエンジンを停止する場合にはコードを外しました。

出発前の充電量は、60%未満でした。
走行充電による充電量は「120W」程度でした。
シガーソケットからの充電はこれで最大限です。

自宅へ戻って確認したところ、充電量は87%まで復帰していました。
5時間の走行として、29%ぶんが充電されたことになります。
EFDELTAの充電容量は1260Whですので、365.4Wが充電されたことになります。
1時間当たり73.8Wということになります。
走行充電中に本体や充電コードが熱くなるなどの問題は特にみられない
Amazonの評価欄だったか、充電中にコードやプラグが熱くなって、焦げたというような投稿を見た覚えがありますが、今回の走行充電では、そういった問題はまったく生じませんでした。
もちろん、プラグが焦げる等もありませんでした。
とはいえ、時間当たり73.8Wは、あまり多いとは言えない充電量です。
インバーターAC100Vでの走行充電はどうなんだろう?
今回も最初はAC100Vでの充電を試してみるつもりだったのですけど、我が家はドライバーが自分一人しかいないですし、スマホたカメラを固定するような撮影機材も特に用意していないので、走行中の状況を監視していられないんですよね。
EFDELTAは、AC100V充電では、80%までを1時間で充電する急速充電機能をもっていますが、それこそ、高負荷で熱くなる等が生じたら困るな~と思って、今回はDCにしたんです。
誰かにドライバーをやって貰って、監視しながら(写真も撮りながら)試してみたいと思っているのですが、いつになる事やら…^^;
【参考】
サブバのAC100Vによる走行充電に関しては、スシボーさんがYOUTUBEで動画にしてくださっていますのでご覧になってみてください。
この動画で、AC100V走行充電が可能である事が分かりますが、やはりサブバにはかなり負担になる様子も記録されています。
スシボーさんは「実験」として常に注目・監視しながら…ですが、うっかり買い物時に充電し放しでクルマを離れたり、エンジンを切ってしまうと最悪の場合にはサブバに致命的なダメージがありそうで怖いですね。
EFDELTAからサブバッテリーへの充電も試してみた
ここまでは、車載のサブバッテリーのシガーソケットからポータブル電源(EFDELTA)への充電について試していますが、逆向きにポータブル電源→サブバッテリーへ外部電源を通じて充電してみました。
外部電源接続用のケーブルのACコンセントプラグをEFDELTAのAC100V出力コンセントに接続、EFDELTAの出力スイッチをONにすると、すぐに充電が開始になり、80W前後の電気がサブバッテリーへ流れていました。
流れる電気が少ないのは、テストした際のサブバの電圧が12.4V(ほぼ満充電)だったためかもしれません。
とりあえず今回は、シガーソケットからの出力でポータブル電源への充電を試してみました。
5時間弱で365Wと充電量はあまり多くないので、キャンプ場へ向かう途中で充電しても到着までにフル充電にはならないかもしれません。
でも、ソーラー充電→ポータブル電源→サブバッテリー、そして、走行充電→ポータブル電源の充電が可能である事は確認できたことになります。
双方向で、都合の良い方向へ電気を移動させる事ができるのは便利かな…と思います。
それでは今日はこの辺で。
基本電源ユニットだけの場合「疑似正弦波」(非正弦波)なので充電できないのではないですか?
自宅の壁コンセント(正弦波)で充電できるのに、車載サブバッテリーのコンセントから充電できないのであれば、そういうことではないかと思います。
自宅の壁コンセントからも充電きないのであれば、DELTAの故障と考えられます。
自分は1500Wインバーターを装備しているので、出力は「正弦波」になります(ただし写真はシガーソケットから出力しています。AC100Vではありません)。
アルトピアーノのデメリットはこういう部分ですね。
販売がキャンピングカービルダーではないので、キャンパー特有の機能や装備についてキチンと説明して販売できないんです。
私もそうでしたが、自分で知識を集めていかなければならないので最初は分からないことがやまほどありました。
ご丁寧にありがとうございました。
もう1点だけ。
AC電源でも充電できないのですが、なぜでしょうか。
画像拝見するとサブバッテリーからDELTAへ充電しているようですが。
よろしくお願いします。
モチヅキさん
ご訪問&コメント、ありがとうございます。
充電できない原因として考えられるのは、①配線接続が間違っている
②サブバッテリーが故障している
③ポータブル電源が故障している
です。
①配線接続が合っているか確認する
サブバッテリーの「シガーソケット」からポータブル電源の「DC入力」に接続されていますか?
DELTAminiに付属のシガーソケット⇔XT60プラグ(黄色い端子)で接続されていますか?
②サブバッテリーが故障しているかを確認する
運転席にあるシガーソケットから、TX60入力に接続してみる。
これで充電されれば、サブバッテリーが故障している可能性が高いのでディーラーに持ち込みましょう。
③ポータブル電源が故障している
運転席にあるシガーソケットから、TX60入力に接続してみる。
それでも充電されない場合は、DELTA側が故障している可能性が高いと思います。
(余談)
もし、サブバッテリーシガーソケットから充電できるようになった場合でも、運転席のシガーソケットから充電することをおすすめします。
運転席のソケットは、エンジン停止(AC-OFF)で通電が切れるので、オルタネーターの発電から充電して車載のバッテリーの充電量を食いませんが、サブバッテリーはエンジン停止でも出力し続けるので、高速道路の休憩などでも充電し続けてサブバッテリーに負荷がかかり続けます。
記事では写真の撮りやすさでサブバに接続していますが、自分が普段実際に走行中に充電する際には運転席のシガーソケットから充電しています。
ポータブル電源をラゲッジルームに置いておきたい場合には、シガーソケットの延長コードが市販されています。
上記、一旦回答させて頂いたのですが、よくよく考えてみたら「基本電源ユニット」ではシガーソケットからの充電はできないことを思い出しました。
アルトピアーノのカタログでも確認しました。「基本電源ユニット」の項の注釈※2にて「シガーライターは使用できません」とあります。
つまり、基本電源ユニットだけの装備の場合、シガーソケットは通電していないので当然ポータブル電源への充電もできないことになります。
上記のように運転席のシガーソケットから充電することをおすすめします。
すいません、教えてください、どうしてもわからないので。
【サブバッテリーからDELTAに充電できない】
アルトピアーノキャンパーに乗ってます。基本電源ユニットのみです。(1500wインバーターは付けてません)
ポータブル電源はDELTAminiです。
サブバッテリー側からDELTA miniに充電しようとしてもうんともすんとも言いません。
DC電源=DELTA側は何の反応もなし
AC電源=DELTA側は何の表示もせず、内部でカシャカシャと音がする
基本的な事なのかもしれませんが教えてください。よろしくお願いします。
こんにちわ>中村さん
以前にもサブバッテリー関連の質問でコメントを頂いており、私自身がちゃんと理解しているか疑問であることを前提に、私の思うことをお返事させて頂いております。その際には「優しい充電方法」の記事でした。
毎度申し上げますが、私は素人で、調べた事やEcoFlow社に教わった事を記事化していますので、信ぴょう性については甚だ「?」である事をご理解の上でお読みくださいね。
>その方式だと本来サブバッテリー充電に回るものが<EFDELTA>に回ってしまう事になりサブバッテリーが充電できなくなっている
実際にやられた際にいかがでしたか?サブバの電圧、上がっていませんでしたか?
私の場合は、EFDELTAにシガーソケットから充電中にも、サブバッテリーの電圧が上がっていたので多少分散しているのかな…と考えています。
もしサブバに充電が回っていなくても、私のクルマはサブバッテリーから常時電気を取り出していない(冷蔵庫もOFF)ので特に問題ないのですが、もし、冷蔵庫を走行中も常時稼働しているようなら気を付けた方が良いかもしれませんね。
電子レンジやFFヒーターは走行中には使わないので、特に走行充電がすべてEFDELTAに行ってしまっても問題ないですよね。
キャンプ場に着いた際に、13V近くになっていれば良いので、途中でEFDELTAの充電を止めて走行すればよいのでは?と思います。
>またAC100V充電を試されるとありますがこれはサブバッテリーが電源元のコンセントを利用しての充電という事
はい、そうです。サブバのインバーターのACコンセントからEFDELTAに充電してみたのですが、すぐに止めました。
というのも、充電を開始すると、12.8Vあったサブバの電圧がみるみる下がって、数十秒で12.2Vまで下がったので「ヤバい」と止めました。
>EnjoyCamperさんは<EFDELTA>と<サブバッテリー>の接続は具体的にどうやられていますか?
別に特別な事は何も。
外部電源に接続するコンセントをEFDELTAに繋ぐだけです。外部充電を行う要領でACコンセントがEFDELTAのAC100Vに代わるだけです。
せっかく外部充電の仕組みが乗っているのですから活かせばよいかな…と思いまして。
サブバが満タンに近い状態だったので、減っている場合も同じか分かりませんが、80W前後出力していた記憶があります。
12.4Vだったサブバが、充電中は14Vぐらいの表示になり、充電を止めると13.1Vになっていたので充電されたものと考えています。
サブバッテリー収納庫なんて見たこともないです、見てもわからないので。
あくまで素人の私見ですので念のため。
こんにちは。中央区月島でキャンピングカー<セレンゲティ>に乗っている中村と申します。ひょっとすると以前もメッセージさせていただいたかもしれませんが年のせいか記憶が定かではなく2度目であればお許しください。さて昨日、念願の<EFDELTA>を入手いたしました。その際こちらのブログも参考にさせていただいたことは言うまでもありません。参考になる記事ありがとうございました。昨日、試しに走行充電の基本であるシガーソケットDC12V充電したところこちらにもあるように110~120W程度で無事充電できました。そこでお聞きしたいのは①EnjoyCamperさんのDC12Vはサブバッテリー側のDC12Vのようですがその方式だと本来サブバッテリー充電に回るものが<EFDELTA>に回ってしまう事になりサブバッテリーが充電できなくなっているという事ではないでしょうか?私の方はそれを踏まえフロントのシガーソケット(メインバッテリー側)を使おうと思ってるのですが。またAC100V充電を試されるとありますがこれはサブバッテリーが電源元のコンセントを利用しての充電という事でしょうか?ご見解をお聞かせください。②あと最大の目的である<EFDELTA>で<サブバッテリー>を充電したいと思っています。理由は車内ACコンセント、冷蔵庫、電子レンジ、FFヒーターなどすべてサブバッテリーに接続されているからです。うちの車両は外部充電プラグが車体側面にあるのでそこにつなげばよいのですがあくまでも外部なのでそれをなんとか車内でできないか模索中です。私も電気系弱いのでサブバッテリー収納庫を眺めても何が何だかさっぱり分かりません。EnjoyCamperさんは<EFDELTA>と<サブバッテリー>の接続は具体的にどうやられていますか?長文で申し訳ありませんがご教示頂ければ幸いです。