ポータブル電源に搭載されている『スマホ遠隔操作』についてです。
この『スマホ遠隔操作』は、地味な機能であまり注目されることは少ないのですが、いざ使ってみると非常に「快適」「安楽」な機能で自分的にはポータブル電源選びの際の重要機能に位置付けています。「どこがそんなにいいわけ?」をぜひご覧ください。
旧RIVERシリーズは、EcoFlowの小~中容量を担うポータブル電源のシリーズで、定格出力600W/瞬間最大出力1200Wの出力値はシリーズ共通で、充電容量の異なるRIVER(288Wh)・RIVER Max(576Wh)・RIVER Pro(720Wh)という3モデルを展開しており、3モデルすべてに「スマホ遠隔操作」機能が搭載されています。
これは新「RIVER 2」シリーズにも踏襲されています。
また、2021年以降発売のEcoFlow「DELTA」シリーズ、Bluetti、ALLPOWERS等の各社のポータブル電源に採用されています。
そんな「スマホ遠隔操作」に今回は焦点をあててみようと思います。
スマホ遠隔操作ってなに?
スマホ遠隔操作とは、読んで字のごとく「ポータブル電源本体から離れた場所であってもBluetooth接続した専用スマホアプリから各種操作や確認が可能な」機能です。
キャンプや車中泊では、大抵の場合、ファンがうるさいとかファンの風が当たるのが嫌だ等で、電源は足元の方に離して置いているケースが多いものです。
そんな時に、想定していたよりぐっと寒くなってきたのでポータブル電源から電気毛布に給電したい…となった場合、せっかく温まっている寝袋から出てポータブル電源を操作しなければならないのは気が重いですよね。
そんな時に「スマホ遠隔操作」が可能なら、寝袋から出で寒い思いをせずとも、手元のスマホから電源をONにし、あらかじめ接続しておいた電気毛布に給電することができるわけです。
実はこの事例のシチュエーション、筆者がそのまんま経験したことなんです。
自分は山間部のキャンプ場へ出かけることが多いので、就寝中に思ったより寒くなる…といったことが少なくないのです。RIVER Maxのデモ機をお借りしての道志方面での車中泊キャンプの際に、万が一の時のために電気毛布を寝袋の上にかけておいて、深夜に急激に寒くなり電気毛布を使う…といったことが実際にあったんです。
あらかじめ電気毛布のコードをRIVER Maxに繋いでおいたので、手元のスマホから電源を入れて少しまっていれば電気毛布が発熱しはじめてぬくぬく…というわけです。
スマホ遠隔操作機能ってどんなことができるの?
専用アプリは、AppStore/GooglePlayStoreでDL~インストールして利用します。iPhoneであればAppStore、AndroidスマホであればGoogleStoreからアプリを入手します。
インストールしたアプリを立ち上げると、近くに同じメーカーのスマホ遠隔操作対応のポータブル電源がメイン電源ONの状態であれば、候補がひょうじされアクセスすることができます。
では、スマホ遠隔操作ではどのようなことができるのでしょうか。
- メイン電源のOFF(ONはできない)
- DC/ACの入出力のON/OFF
- 充電残量確認
- 入出力値の表示・確認
- LEDライトのON/OFF
- 充電モードの切り替え(急速・通常・静音など)
- 周波数切替え(50Hz/60Hz)
- 連続出力時間設定(待機時間やシャットオフタイマー)
以上が「スマホ遠隔操作」の基本的な操作・確認内容ですが、これらに加えて各社で独自の機能も盛り込んでおり、特にEcoFlowの遠隔操作はかなり緻密に様々な操作が可能になっています。
以下では、EcoFlow「RIVER」と、Bluetti「EB3A」の実際のアプリ画面を見ながら機能や操作を確認してみましょう。
EcoFlow RIVER(Max)
ここで言う「RIVER」は初代RIVERで、現行モデルの「RIVER2」ではありません。
アプリトップには充電量や充放電の状態など、現在のバッテリーの状況が表示され、ライトの点灯やAC/DC出力を操作でき、さらに、項目ごとの設定では最大充電量(※)を事前に設定できたり、イルミネーションの色や光るパターン等を設定しておけます。
以下は、実際のRIVERシリーズのアプリの画面です。
こちらはAC100Vコンセントから充電している時の画面です。いまコンセントから何Wで充電しているのかや、電池残量、本体の温度(熱くなりすぎてはいけない)、満充電までの目安時間などが表示されています。
RIVERには充電時の「静音モード」が搭載されており、充電圧を下げファンを静かに回します。ここでは110Wまで下げてファンを動かさずに充電しています。
表示の「待機時間」とは出力ONの状態を維持する時間です。例えば電気毛布を使用する場合に連続して出力する時間を決めることができます。使い方によってはタイマーとして使用することが可能です。
「LCD待機時間」とはバッテリー本体の液晶画面の点灯時間を表します。任意の時間でオートオフにすることができますが、あまり短いと視認による情報量が減りますし、長すぎると無駄に電気を食ってしまいます。
こちらはちょっと重要な機能で、充電容量の上限を設定します。
リチウムイオン電池は、三元素系であってもリン酸鉄系であっても、フル充電やフル放電を嫌い劣化の原因となりますが、ここで充電の最大容量を90%と定めておくことで、それ以上の充電を行わずバッテリーの消耗劣化を防ぐことが可能です。
ちなみに、スマホでもポータブル電源でも同じですし、三元素でもリン酸鉄でも同じですが、リチウムイオン電池は満充電を嫌いますし劣化の原因になります。また100%近くまで充電されることも実はあまり得意ではないため、電力を落としてゆっくり充電する「トリクル充電」という仕組みを採用しています。スマホの場合では80%を超える充電は電力を落としますし、ポータブル電源でも急速充電を行っていても70~90%程度でトリクル充電に切り替わるようになっています。
従って、アプリで充電容量の上限を低めに設定しておくことは、電源の劣化や寿命を考えると非常に重要な機能といえるわけです。
EcoFlow製ポータブル電源は、基本的に(旧)「RIVER」シリーズ以降に発売されたモデルの多くに「スマホ遠隔操作」が搭載されています(DELTA1000除く)。
Bluetti EB3A
こちらはBluetti「EB3A」のスマホ遠隔操作画面です。
中央に現在の容量が85%であることが表示され、上側2つはソーラーパネル(PV)とAC100V(グリッド)からの入力(W)を表し、下側2つが「DC」(USBやシガーソケット)への出力、「AC」(コンセント)への出力(W)を表します。
その下の「電源マーク」はアプリから電源を完全にOFFにできます(アプリとの接続も切れます)。
さらにその下「DC」「AC」はそれぞれ、DC/ACへの出力のON/OFFです。家電などをあらかじめ接続しておけば、必要な場面で「AC」をONにすれば電源からの出力が開始されます。
画面右上の歯車マークから「設定」画面を開くことができ、充電モードの選択・ECOモードのON/OFF、シャットダウン時間(電源がきれるまでの時間・タイマー代わりに使える)の設定などが行えます。
「電力シフト」とは、EcoFlowの「X-Boost」と同類のいわゆる「電力ブースト機能」です。「電力ブースト機能」とは、電源の定格出力を上回る消費電力の家電を繋いだ場合、通常であれば動作させることはできないところ、家電の消費電力を下げて定格出力内の電力で動作させる機能です。
電力をさげて運転するので本来の能力よりも劣る(温めに時間がかかるなど)面はありますが、本来うごかないはずの家電を曲がりなりにも動かせるのは大きなメリットです(あと10W足りなくて動かないより10W能力が下がっても動いた方がいい…といった感じ)。
充電モードを「静音」に設定すると、充電電力を控えてファン音を抑えることが可能です。
充電モードを「高速」にすると、可能な最大限の電力で充電を行いますが、その分ファンも最大限で稼働します。
Bluetti製ポータブル電源では、EB3Aの他にも「アプリ遠隔操作」機能を搭載したモデルがあります。
ALLPOWERS S2000
こちらはALLPOWERS「S2000」の公式WEBに掲載されたアプリ遠隔操作に関する画像です。
これを見ると、残量確認・入力/出力ON/OFF・電源ON/OFF・50Hz/60Hz切換などの機能を持っているようです。
※ALLPOWERSのポータブル電源は実機を使用したことがないので、あくまでWEB記載の紹介です。
スマホ遠隔操作まとめ
今回は、「アプリ遠隔操作」をピックアップし、実際のアプリ画面のスクショを使って簡単にですが操作の様子を紹介しました。
あまり「アプリ遠隔操作」に注目している人はいないようなんですが、自分的には、あるとないとでは利便性に大きな差があると感じていて、次もしポータブル電源を買い替える際には、こだわりたい機能の1つです。
それでは今日はこの辺で。
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