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ペットボトル氷で車内は冷えるか?暑い夏の車中泊の安眠対策!自作気化熱クーラーをテストしてみた

車中泊用DIY気化熱クーラー DIY・改造・快適化
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「暑くて眠れない」そんな車中泊しにくい季節になってきました。今年は凍らせたペットボトルを利用して少しでも涼しく車中泊する方法を探ってみたいと思います。

KAZ
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アルトピアーノを購入して4回目の夏が来ます。これまでは『そのうちクーラー取付けよう』などと頭の片隅で考えつつ、暑い時期の車中泊キャンプは高原のキャンプ場を利用するようにしていましたが、夏休みになればどこのキャンプ場も混雑して気に入ったサイトに入れるとも限らないので、2年目・3年目は『夏は車中泊はお休み』状態でした。

以前、水の間に風を通すことで冷たい風を出す的な冷風扇が一時流行った時期に自分も試したことがあったのですが、大して涼しくない上に最悪だったのが「湿度爆上がり」でした。

その後「冷風扇」のことは頭から消えていたのですが、YOUTUBE動画だったか、凍らせたペットボトルで温度も下がって、湿度も低下するというのを見て「なるほど」と思ったので、今夏は自分でも挑戦してみよう…という気になった次第です。

まだ何回かテストしている段階なので、自分的な満足は得られておらず、改善の余地は大幅にあると思いますが、とりあえず現段階までのテストの模様を書き留めておこうと思います。

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気化熱クーラーの仕組み

凍らせたペットボトルや保冷材の気化熱を利用したクーラーは、文字通り、氷の間に風を通すことで気化熱によって涼しい風になるのと、風が氷の間を通る際に冷えることで「結露」して空気中の湿気が見ずに代わり空気中の湿度は下がる、という2つの機能をもった冷風機です。

身体に冷風を直接当てて「涼しい」のではなく、できれば車内空間の気温自体を下げるまで効果があるといいな…と思っていて、その上「湿度」も下がるならジメジメせずにサラッと快適に眠れるかも…と期待しています。

テストは手軽な保冷剤を使って行いますが、車中泊で最低6時間~できれば8時間程度、冷風が出続けるようにしたいので、最終的には表面積が小さくなる2Lペットボトル氷を使う予定です(現時点では4本程度を想定)。

例によってミニマリストの自分は「買わない」(笑)。今自宅にあるものでテストをして「これだ」というものが見つかったら、それに必要なものを購入する…というスタイルで行きます。

よくある発泡スチロール製のクーラーボックスを改造してファンを取り付けて…という方向へは行かない予定です。1つには車中泊する現場までの『保冷』のために別途クーラーボックスや冷蔵庫が必要なのは狭いアルトピアーノでは避けたいこと。2つには冷凍ペットボトルが4本入るような発泡スチロール製のクーラーボックスに穴あけなどした場合の強度が心配(車内で水漏れなど絶対に避けたい)なこと。

そこで、自宅のクーラーボックスと段ボールである程度のカタチまでテストをしてみようと思います。

自作気化熱クーラー1号機テスト

気化熱クーラー初号機

やってみなければ何もわからない。

ということで、まずは自宅にあった小型(12L)のクーラーに凍らせた保冷剤を入れて、扇風機で風を出してみるみるところから実験をスタートしましたが、意外と涼しい風がきます。保冷材の周囲の冷たい空気を扇風機が引っ張り出している感じです。

何とかなりそうな雰囲気は分かったので、次は、扇風機の風をしっかり冷気を含んだ風にすることと、結露による湿度低減を促進するためにクーラーボックス内を風が通り抜ける構造を考えました。

段ボールでクーラーボックスの開口部を塞ぎ、数センチのすき間を開けて「吸気口」にし、ファンをPC用の小型ファンに替えて「排気口(冷風が出てくる)」としてみました。

これも涼しい風が出てきて「これはいけそう」と感じましたので、マスキングテープでファンを固定する工作をしてみました。それがこちら。

気化熱クーラー1号機

ファンの大きさ・形に合わせて「受け」を作りました。電源はモバイルバッテリーを使用していますが、最終形ではおそらくポータブル電源かサブバッテリーを使うことになるはずです。

裏側から見るとこんな感じ。ファンは外周は四角ですが、ファン部分は丸いので隙間を作らないため下側は丸くしてあります。1枚段ボールが立っているのは、「吸気口」から「排気口」へ空気を流す際に、空気の流れが下方を回るようにするための「整流板」です。

クーラーボックスの横幅に合わせてピッタリはまるサイズになっています。上方と下方の開口部の大きさを調整することで、最も効率のよい風の流れにできるんじゃないかな…と思っています。

設置した状態はこんな感じで、整流板は現時点ではかなり下の方まで空気が回るようになっています。クーラーボックスの底には、結露で出た水が保冷材の直接触れないよう(溶けるのを早める)、下駄を履かせています(100均キッチン用品の流用です)。

実際にアルトピアーノ車内でテスト。この日はまだ5月上旬の日の午後で、良いお天気で車内温度は27℃超え、真夏の30℃超えまではいきませんが車内で過ごすには十分暑いと感じる気温です。湿度は低め(40%程度)、午後3時頃なので太陽光による温度上昇はない時間帯(上がるとすれば筆者の人体の熱)。

風の動きはPC用ファン1台のパワーで「吸気口」のスリットから空気を取り入れ、クーラーボックスの下部を回ってファンで吐き出されるイメージです。

クーラーボックスの奥には排出した涼しい風を拡散するための扇風機が回っています。

このテストでは、クーラーボックス内には目いっぱい保冷剤が入っていました。

【テスト結果】

涼しい風は出るが空間は冷えない。気温を維持するパワーもない(気温が上昇する)。

【このテストでわかったこと】

  • 保冷剤を詰め込み過ぎ
    保冷剤を多く入れると風の流れを遮ってしまい風量が落ちる
    空気の流れを遮らない保冷材の置き方も要検討
  • ファンのパワーが小さすぎる
    涼しい風は出ていても風量が少なく空間を冷やせるほどではない

自作気化熱クーラー2号機テスト

気化熱クーラー2号機

気化熱クーラー2号機はこちら。

1号機で使用したPC用ファンのパワーが足りなかったので、小型扇風機に変更しました。

この扇風機はアルトピアーノ購入1年目・2年目に実際に車内で使用していたものですが、首がおれてしまい道具箱の隅に放置していましたが、ファン穴にまさかのシンデレラフィット!

USBのコネクタを接続し、外観が丸型なので空気漏れを防ぐため周囲を段ボールで覆っています(写真桃丸部分)。

「全然涼しくならないなあ」と思い、ふと思いつきで扇風機の向きを逆にしてみたところ、この方が風量が多いことがわかりました。

この思い付きが、3号機へ繋がりました。

【テスト結果】

涼しい風は出るが空間は冷えない。気温を維持するパワーもない(気温が上昇する)。扇風機に変更するも大勢に影響なし。まだまだパワー不足。

【このテストでわかったこと】

  • クーラーボックスが小さすぎる
    空気が流れる隙間が少ないので、そうでなくてもパワー不足の上にスムーズな流れを阻害してしまっている。クーラーを大型に変更する必要あり
  • 扇風機のパワーが小さすぎる
    涼しい風は出ていても風量が少なく空間を冷やせるほどではない
  • 背面を吸うより前面を押し出す方が高効率
    ファンや扇風機の背後の冷気を吸い出すより、前方の冷気を押し出す方が風量が大きいことがわかった

自作気化熱クーラー3号機テスト

気化熱クーラー3号機(現時点の最終形)

気化熱クーラー3号機はこちら。

扇風機の向きを逆にして扇風機前面の冷気を押し出すようにしたので、「吸気口」と「排気口」が逆になります。2号機までと異なりスリット部分が「排気口」になります。

変更点は

(1)クーラーボックスを大型(25L)に変更

このクーラーボックスには2Lペットを横倒しにして4~6本入れることが可能ですが、空気の流れる隙間が少ないように思います。

(2)扇風機を家庭用に変更

「弱・中・強」の切り替えが可能なタイプで、ペットボトルを入れない空の状態でのテストでは、「強」であればと音はかなりうるさいですが「これなら」と思える程度の風量になりました。

しかしペットボトルを4本入れると風量はかなり減じてしまいます。

下駄を履かせて底に空気が流れるスペースを設けることで「風量維持」できればと考えています。結露の水滴にペットボトルが直接触れない役割もあるので、少し多めのスペースにする必要がありそうですが、そうすると6本収納はできなくなります。

もう1つ試したことがあります。

気化熱クーラー3号機「改」

こちらは「排気口」の大きさの変更です。

少し排気口の間口を狭めることで、空気の流速が増していきおいよく冷気が出てくるようになりました。「風量」は変わっていないので、出口を狭めたことで空気の勢いが強くなったのでしょう。

風量変わらずでい気温が増すことが冷房能力に影響があるのかは未だ不明ですが、カーエアコンの「2」ぐらいの風がでています。

KAZ
KAZ

現時点では「3号機」で何とかなるのでは?と思っています。この気化熱クーラーの他に車内の空気を拡散する扇風機がもう1台必要かな…と思いますが、現時点でこれ以上に冷たい空気を出せる仕組みはないのでは?と感じています。とりあえず段ボール製の気化熱クーラーで車内温度の推移データを取ってみたいです。

2Lペットボトル氷をどこで作るのか

「そもそも」の話しをすると、2Lペットボトルを4本どこで凍らせるのか…が問題です。いくら満足のゆく風量の気化熱クーラーができたとしても、ペットボトル氷ができないのでは絵に描いた餅です。

我が家の家庭用冷蔵庫の冷凍室では2Lペットはストックが少なめの時でも2本が限界ですので、もう2本を凍らせる術を考える必要があります。

そういう意味では「気化熱クーラー」の最大のネックはこの点かもしれません。

具体的には冷凍庫を購入する必要がありますが、どんなタイプの冷凍庫がいいのでしょうか。

(1)車載用ポータブル冷蔵庫

車載用のポータブルクーラーでは、凍ったペットボトルを車中泊の現地まで溶かさずに運ぶことはできても、2Lペットボトルを水から凍らせることは無理なんじゃないか…と思うんですよね。

家庭用冷蔵庫の冷凍室で4本凍らせて、食品ストックをポータブル冷凍冷蔵庫に移して保管することはできなくはないかもしれませんが、出かける時には食品ストックを戻してペットボトルを詰めて持ってゆくか、食品ストックは入れたままお留守番させるか…の二者択一になりそうです。

(2)家庭用冷凍庫

家庭に置いてゆくなら何も車載用ポータブル冷蔵庫でなくてもいいわけで、家庭用の冷凍庫を買う選択肢もあります。

そうすれば食品ストックが溶ける心配はありませんし、ペットボトルを4本同時に凍らせることもできそうですが、車中泊やキャンプの際には持ち出せませんので2泊目にはまったく役に立ちません。



「どっちもどっち」の状態で、既に半月ぐらい悩んでいます。

そうこうするうちに何もせずには車中泊できない時期が間近なので、早急に答えを出す必要があります。

他にも欲しいものはあるので資金をそこだけに集中したくないですし、ミニマリスト的には同じような製品を2台買うなんてあり得ないという意識もあって決めかねています。



というわけで、今回はペットボトル氷使用を前提にした「気化熱クーラー」の実験をレポートしました。

見た目こだわらなければ段ボール製で全然問題ないし、なんなら、南アルプス天然水の段ボールなんで清涼感さえ感じる?ぐらいのもんです。

近々にペットボトルを凍らせて、車内での冷房実験をしたいと思っています。その節はまた追記します。

それでは今日はこの辺で。