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【Jackery 1000 Pro】は旧モデル「1000」と何が違うのか~EcoFlow DELTA2とスペック比較

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Jackeryから新モデル「Jackery 1000 Pro」が発売になりました。

KAZ
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今回は「Jackery 1000 Pro」の性能・機能をチェック、旧モデル「1000」と、価格や容量的にも直接のライバルであるEcoFlow「DELTA 2」とスペック比較をしてみたいと思います。Jackeryの新世代バッテリーは「2000 Pro」も発売されており、スペックが気になるところですね。

従来、Jackeryのポータブル電源は、個人的には「保守的」で「オーソドックス」というイメージでした。

よく言えば、基本に忠実で質実剛健、安定の性能・スペックを持つトラディッショナルな製品」といったところですが、片や、矢継ぎ早に最新機能を搭載して派手な動きを見せるEcoFlowと比べると、正直「地味」で「おとなしい」感じで、ピックアップするような特徴に乏しい…といった印象でした(あくまで個人の感じ方)。

その保守的な部分を、「安定」「安心」「定番」といった肯定的に捉えるユーザーも少なくありませんし、あの黒/橙の特徴的なカラーリングは、まさに「王道」「定番」といった風情を持っていることもまた事実です。

そんなJackeryから登場した新モデル「1000 Pro」はどんな性能・機能・スペックを持っているのでしょうか。旧モデルと、ライバルDELTA 2とも比較しながら見極めてみようと思います。

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Jackery 1000 Proの特徴とは

Jackery 1000 Proは、基本スペックを従来モデルのJackery 1000を踏襲しているので「大差ない」ように感じるかもしれませんが、注目すべき変更点がいくつかあります。

電池は三元素リチウムイオンを踏襲

EcoFlowやAnkerをはじめ、ポータブル電源界隈では「リン酸鉄リチウム」化の波が来ていますが、Jackeryは「リン酸鉄リチウム」に採用には慎重のようです。

「1000 Pro」でも従来同様「三元素リチウムイオン電池」を採用しています。

リン酸鉄リチウムが何でもかんでも優れている…という訳ではありません。三元素リチウムも小型軽量化できる、低温での利用に有利などのメリットがあるので、必ずしもリン酸鉄リチウム化が「正しい」「進化している」わけではないのです。

充電サイクルが1000回に大幅拡大

充電サイクルの拡大も「1000 Pro」の大きな特徴の1つです。

「1000」の充電サイクルは500回でしたが、「1000 Pro」では1000回に拡大され、単純に2倍の寿命を持つようになりました。

この『充電サイクル1000回』をどう捉えるかで、「1000 Pro」の評価は大きく変わってきます。

例えば、毎日ポータブル電源の容量100%を使い切るような使い方をした場合の寿命は、100%×1日×1000回=1000日、つまり約2年8か月後には寿命を迎えてしまいますが、1週間で容量を使い切るような使い方であれば、充電サイクル1000回は7,000日(約19年2か月)になります。
リン酸鉄リチウムは2000~3000回の充電サイクルで長寿命が「売り」ですが、実際の利用上でそこまでの長寿命が必要かどうか…は少々疑問なところがあります。

「1000 Pro」の、週1回フル充電での充電サイクル寿命(約19年2か月)は、使う人によっては必要十分な寿命であるともいえる訳で「何が何でもリン酸鉄」という風潮にJackeryなりの回答を出したと言えそうです。

KAZ
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ちなみに筆者の場合、キャンプや車中泊に出かける頻度が下がる冬場には、1週間で容量100%を使い切ることはありません。夏も暑すぎて同様です。気持ちのよい春秋で1週間に一度フル充電する…そんな頻度ですので、平均すると容量100%を使い切るのは「10日に一度」程度かもしれません。

とすると、Jackery 1000 Proの充電サイクル1000回を使い切るには「27年4か月」かかることになり、『寿命の長いリン酸鉄リチウムでなくても十分な寿命』ということになります。

充電サイクルが伸びた原因はBMSなどの電源管理の進化?

Jackery公式サイトには、『過充電や過放電を防止するバッテリーマネージメントシステム(BMS)を搭載』との記述があります。

これまでの製品でも、他社製品でも「BMS」は搭載されていましたが、おそらく、BMSを含めた電源管理の進化が、充電サイクルが2倍に伸長した要因ではないか…と想像できます。

バッテリーの劣化は充放電を繰り返すことで生じ、充電可能容量の減少として現れますが、同じ充放電でも、「フル放電を避ける」「フル充電を避ける」など、バッテリーの劣化を進める要因をできるだけ排除することで、電池の寿命を延ばすことができたのではないか…と考えられます。

充電サイクル(つまり寿命)が2倍になったことで、保証も見直され、購入日から3年の保証に加え、公式サイトからユーザー登録することで2年の延長追加、トータル5年間の長期保証が提供されるようになっています。

こうした安心要素もユーザーとしては有難い進化です。

充電容量、定格出力/瞬間最大出力は旧モデルと同等

充電容量:1,008Wh、定格出力1,000W/瞬間最大出力2,000Wは、旧モデル「1000」と同等で、ヘリもしない代わりに拡大もされていません。

この「容量」と「出力」という一番目につくスペックが同等なため、1000 Proは旧モデルと大差ないような印象を持たれがちです。

また出力ポートの数も大きな変更はありません(USB-A×2ポートは変わりませんが、2ポートともQickCharge3.0に対応しました)。

充電時間を大幅に短縮

例えば、AC100Vコンセントからの充電の場合、「1000」が満充電までに7.5時間を要していたところ、「1000 Pro」では1.8時間に短縮、約4.2倍早く充電できるようになっています。

ソーラーパネルからの充電では、ソーラーパネルからの入力が180W→800Wに拡大されたため、200Wパネルを4枚使用した場合、最短で1.8時間で満充電となります(「1000」の4.4倍)。

パネルの接続可能枚数も、2枚→4枚に拡大しています。

急速充電は、うっかり充電し忘れなどをリカバリーする際に非常に役に立つので、ジュ見ながら大きな進化と言えるでしょう。

直接のライバル「EcoFlow DELTA 2」とスペック比較

Jackery 1000Jackery 1000 ProEcoFlow DELTA 2
三元素リチウム三元素リチウムリン酸鉄リチウム
容量1,002Wh1,002Wh1,024W
定格出力1,000W1,000W1,500W
瞬間最大出力2,000W2,000W2,250W
X-Boost時1,900W
満充電時間AC100V7.5時間1.8時間約1.3時間
満充電時間ソーラー最短約8時間最短約1.8時間3~6時間
AC出力3ポート3ポート6ポート
シガーソケット1ポート1ポート1ポート
USB-A102
USB-A(急速)122
USB-C222
DC出力5521(100W)x2
50/60Hz自動切換×切り替え可
LEDライト付き×
ソーラー入力W数Max180WMax800WMax500W
サイクル数5001,0003,000
保証期間3年5年5年
サイズ34.0×26.2×23.5cm33.2×23.3×24.3cm40.0×21.1×28.1cm
重量11.5kg10.6kg12kg
エクストラバッテリー
スマホ遠隔操作
定価139,800円149,800円143,000円

「Jackery 1000」「Jackery 1000 Pro」「DELTA 2」のスペックを一覧にしてみました。

容量・出力・充電関連

1000W×1500Wの定格出力の500Wの差は数字としては大きな差に感じないかもしれませんが、使い勝手には多少影響するかもしれません。また、DELTA 2には「X-Boost」という奥の手もあるので、消費電力1900Wの家電まで動かせるのは有難い機能です。

AC100Vからの充電では「X-Stream」を搭載するDELTA 2の方が充電時間が短くて済みますが、ソーラー充電では、1000 Proが最大800W対応となったので、ソーラー充電でも最短1.8時間で満充電となります(ただしソーラーパネル4枚での事なのでパネル購入費はかさみます)。

本体容量はほぼ互角ですが、DELTA 2はエクストラバッテリーを接続可能で、DELTA 2専用で容量2倍、DELTA Max用EBを接続することで最大3,040Whまで容量拡大が可能です。

出力端子

AC100Vコンセントが、1000 Proでは3個、DELTA 2では6個の違いがあります。

ただ、定格出力が1,000~1,200Wなので、家電を一度に6台も動かすことは出力的に無理なので、コンセントを付け替える手間がかかるか、つけ放しでいいか…程度の差でしかないように思います。

USBは、1000 Proでは旧来のUSB-Aを廃止しました。2ポートとも「Quick Charge 3.0」対応です。DELTA 2は旧来のUSB-Aも残しつつ、USB-A急速も別途2ポートあります。

USB-Cは2個ずつで差はありません。

DELTA 2には「5521」タイプのDC出力が2ポート用意されています。

サイズ・重量

大きさ・重さに関しては、DELTA 2の方が横幅が大きく奥行きは薄い、重さはほぼ同等だが若干DELTA 2が重いです。

その他

50Hz/60Hz切換えについては、1000 Proが自動切換え、EcoFlowは手動切り替えのままのようです。

家電によっては50Hzで運転した方が消費電力が少ないものがあるので、手動切り替えであればユーザーが指定して50Hz/60Hzを使い分けることができます。DELTA 2は本体のほか、スマホアプリから遠隔操作で50Hz/60Hzを切り替え可能です。

あとは、やはりプラスアルファの機能はDELTA 2の方が豊富です。

DELTA 2には、「X-Boost」「エクストラバッテリー」「スマホ遠隔操作」など、使い勝手を向上する機能が搭載されています。特に、リン酸鉄リチウムになって長寿命になった上に、エクストラバッテリーで容量アップが可能ということは、将来、容量不足になった際にも長寿命の本体はそのままに、エクストラバッテリー追加することで容量増が可能ということになります。




今回は新たに登場したJackery 1000 Proを取り上げ、旧モデルや、価格でも容量・出力でも直接のライバルとなるEcoFlow DELTA 2とスペック比較をしてみました。

ここでも、トラディッショナルでオーソドックスなJackeryと、革新的で多機能なEcoFlowの図式が当てはまっていたように感じました。

それでは今日はこの辺で。


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■ 著者紹介 この記事を書いたのは…
KAZ

「喜田宗彦」としてWEBライターをしています。ライター歴は10年超です。本ブログの記事は、自分自身の実際の体験や経験、ライターとして取材や調査で得た知見、懇意にしてくださるメーカーさんなどから得た知識・情報等を反映した記事を執筆・掲載しています。アウトドアについては1982年ごろからオートキャンプを開始しキャンプ歴は40年超になります。2020年にはバンコンタイプの小型キャンパーを購入し車中泊の楽しさに目覚めました。
また食べることが好きで食べ物関連の記事多めです。特に安くて美味しいものに目がありません。地元グルメやチェンめしも好物です。
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