今回のテーマはポータブル電源の選び方についてです。ポータブル電源を選ぶ…といってもどのような使途、何を目的にするかで選ぶ基準が違ってきます。今回は特にレジャーユースやアウトドアユースを基準に考えてみようと思います。
防災備蓄、停電時の備えなどを目的としたポータブル電源選びは別記事にまとめていますので、ぜひそちらもご覧ください。
いまさらポータブル電源選びって…。好きなメーカーの気に入ったデザインで選べばどれも代替一緒でしょ?
と思われるかもしれないんですが、ポータブル電源を選ぶ際に『容量』で選んでいる方が多いように感じるので、ちょっと気になっているんです。自分はポータブル電源は「出力」で選ぶべき…と考えているので、その理由やおすすめ機種などをピックアップしてみようと思います。
ポータブル電源は出力優先で選ぶべき理由
ちょっと「おさらい」になってしまいますが、家電の消費電力と、ポータブル電源の定格出力の関係性って覚えていますか?
家電をポータブル電源からの給電(電気を供給すること)で動かす場合、以下が絶対条件になります。すなわち…
『消費電力<定格出力』です。
つまり、ポータブル電源は家電の消費電力よりも大きな出力を持っていないと家電を動かせない…です。
なかなか実際にはそういう電源は存在しないと思いますが、極端な事例として、容量は3,000Whという大容量なのに、定格出力が100Wしかないポータブル電源があったとすると、たかだか200Wの消費電力の小型炊飯器でさえ動かすことはできません。容量がどんなに余りあっても…です。
だから、筆者は「出力重視」を主張しているわけです。
以下は実話なんですが…
知人がポータブル電源を買って車中泊に出かけたけれど、使おうと思っていた電気ケトルでお湯が沸かせず、IHヒーターも動作しなかったので、予定していた食事もお茶もできなかった…と相談を受けました。ケトルもヒーターも帰宅後にコンセントに刺したら使えたのでポータブル電源の故障に間違いないと…。しかしAmazonで買った中国製だったのでどこへ返品を言えばいいか教えてくれという相談でした(「そこ?」という感じですが…)。
後日、その知人宅を訪ねた際に実際に電源を見せてもらいました。すると確かに中国製(というかポタ電のほとんどは中国メーカー製)ですが、そこそこ名の知れたメーカーの製品で、納品時がら故障しているとはにわかに信じがたい話しでした。
そこで、実際に持っていたスマホを充電させて貰ったところ、正常に動作してスマホを充電するので「動くけど」というと、「ものによっては動く」といいます。
勘のいい方は既にお気づきと思いますが、話しは簡単で、もちろん故障でもなく、単にケトルやIHヒーターを動かせるだけの定格出力を持っていないポタ電だったというわけなんです。
それと言うと「だってそんなこと商品説明のページに書いてなかった」といいます。確かに基礎の基礎すぎてメーカーもまさか…ということで書かれていなかったのかもしれません。
使用を予定している家電・電気製品の消費電力をチェックして、同時に使うなら足し算、別々に使うなら使う家電の中で最大の消費電力を上回る定格出力を持つポータブル電源を選んでください。
1つの方法として、定格出力1500W以上のポータブル電源を買っておけば、上記のようなことはほぼ起こりません。なぜなら、家庭の壁のコンセントが1500Wなので一般家庭で使用する家電は消費電力1500W以下に収められているからです。なので、定格出力1500W超の電源であれば家電が出力不足で動かない…ということにはなりません(2台以上を同時に使うと動かない場合はあります)。ただしこれは非常に無駄の多い買いもの(※)になる可能性があります。
※実際に使う際に1500W近辺の大消費電力家電を使わなかった場合は、高出力を得るために支払った代金は無駄になります(不必要に高出力を買った…ということ)。また、大容量高出力の電源は大きく重くなるので「携帯性」「移動性」などが犠牲になる可能性もあります。
使いはじめに大電力を必要とする場合がある(起動電力)
ポータブル電源の出力の記載を見ると、必ず「定格出力」とならんで「瞬間最大出力」という記載があると思います。瞬間最大出力ってどんな場面で役に立つのか確認しておきましょう。
ところで「起動電力(きどうでんりょく)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
起動電力とは、電気製品の使いはじめに定格出力よりも大きな電力が必要なことを指し、一部の家電製品で必要な起動電力に対応するのが「瞬間最大出力」です。
ノートPC、テレビ、電気ケトル、ホットプレート | 1倍 |
扇風機、電子レンジ、電動ドリル、電動ノコギリ | 1倍~2倍 |
かき氷機、冷蔵庫、エアコン、ポンプなど | 2倍~3倍 |
こうして起動電力が必要な電気製品を見ると、モーターが回転するような機器が起動電力が大きめな印象です。大きなタイヤが回る際には最初の「一ころがり」が最も大きなパワーが必要なのと似ているのでしょう。
もしポータブル電源の瞬間最大出力が「ない」または「小さい」場合には、最初の起動時の電力を賄い切れずに動作できない場合もあります。
ちなみに「起動電力」は「突入電力」と言う場合もあります。
容量は使用時間を加味して検討する
では「容量」はどうやって選べばいいんでしょうか。
家電に記載されている消費電力は「1時間に○○W消費します」という意味なので、1時間以内の使用なら書かれている消費電力を、充電容量が上回っていれば「容量不足」「バッテリー切れ」は起こりません。
しかし、家電によっては1時間を超えて連続使用するものもあります。
例えば、冬の車中泊の必需品「電気毛布」は、消費電力自体は50~70W程度で最小クラスの容量200~300Whでも使うことができます。
しかし、寒い夜の就寝時に電気毛布を1時間だけ使う…ことはなく、5~8時間程度は連続使用することになります。その場合には、『消費電力×使用時間』で実際に消費する電力がわかります。
消費電力50Wの電気毛布を7時間使った場合の実際の消費電力は50W×7時間=350Wとなり、前出の最小クラス200~300Whのポータブル電源では途中で電気切れを起こし、非常に寒い明け方になりそうです。
逆に1000Wなどの大きな消費電力を持つ電気ケトルや電子レンジは使用時間が短いので意外に電気を食いません。例えば1000Wの電気ケトルでお湯を沸かすのに3分かかった場合には「50W」しか消費しないのです。
消費電力とは1時間に消費する電力なので、1分間なら消費電力の1/60しか消費しないのです。この場合、1時間に1000W消費するケトルを3分間使うと、1000W÷60×3分=50Wということになるのです。
つまり、消費電力が小さい家電でも使用時間が長ければ実際の電力消費は大きくなりますし、逆に消費電力が大きな家電でも使用時間が短ければ実際の電力消費は意外に少ないのです。
上記事例で言えば、わずか50Wの電気毛布でも7時間使えば350Wを消費し、1000Wの電気ケトルは沸騰まで3分間で50Wしか消費しないのです。
カップルが二人で冬の車中泊をするのに電気毛布を1人1枚ずつ7時間使う…と想定すれば、最低でも700Whの容量が必要ですし、スマホも充電(※)する、LEDランタンも充電する、電気ケトルで湯沸かししたい…と、使途をピックアップすることで、自分が必要な容量が算出できます。
※5000mAhのスマホの充電は「18.5Wh」に換算できます。
ポータブル電源の選び方を、レジャー用と防災用に分けた理由がここにあります。災害時の停電対策で備えて置く場合、とにかく大容量高出力が「第一義」になります。災害への備えの場合、行政の救援の手が届くまでに72時間(3日間)と言われいますし、停電がいつ復旧するかもわからないので、できるだけ多くの電力を確保しておくべきだから…なのです。
もちろんレジャーにも災害対策にも…という場合はできるだけ大容量高出力の電源が望ましいですが、アウトドアレジャーをしない方もいるので、あえてレジャー用・災害対策を分けています。
車載前提なら大きさ・重さ・ハンドルの有無もチェック
車載前提ということは、自宅⇔車両の移動があるほか、車内で膝をついたり中腰での設置や移動を考えるとあまり重いのは「腰」をやりそうで怖いですよね^^;実際に車内で重たいものの移動はかなり大変ですし、限りある車内空間を無駄に占拠しないためにもサイズや重量は重要なスペックです。
筆者所有のポータブル電源のサイズと重量は以下の通りです。
EFDELTA | EcoFlow | 400x210x270mm ≒22.7L | 14.0kg |
AC70 | Bluetti | 314x200x256mm ≒16.1L | 10.2kg |
EB70S | Bluetti | 320x216x220mm ≒15.2L | 9.7kg |
EB3A | Bluetti | 255x180x183mm ≒8.4L | 4.6kg |
比較的小さいサイズの電源が多いのですがサイズ感は数字では掴みにくいかもしれません。いちおう体積も計算して載せておきましたのでご参考までに。
重量はおおよそ見当がつくと思います。5kgの米を持ったことがあれば分かりやすいかと。EFDELTAは5KG袋3個分、AC70とEB70Sは2個分、EB3Aは1個分です。
どれも持ちあがらないほど重くはありませんが、狭い車内で中腰で、あるいは膝をついた状態で移動するとなると、EFDELTAはかなり骨が折れます。さらに両サイドの2ハンドルなので片手で持ち上げることは難しいです。
いちばん最近購入した「AC70」は10kgなので何とかなりそうですが、ハンドルが中央にないのでバランスを取りにくいです。同じ10kgでもEB70Sのように垂直に持ち上げられると持ちやすいのですが。EB3A程度であれば車内移動でも苦にはならないです。
電池素材に注目~リン酸鉄リチウムイオンがおすすめ
現在、ポータブル電源に使われる電池はリチウムイオンが主流です。
一時期、某国のスマートフォンの電池が発火・爆発したとの報道がよく見られたことがあったように、実はリチウムイオン電池は、取り扱い方によっては発火や爆発の危険性があるので注意が必要です。
現在出回っているポータブル電源の多くは「三元素(ニッケル・マンガン・コバルト)」リチウムイオン電池を採用していますが、今年に入って徐々に「リンサン鉄リチウム」の採用が増えてきています。
BLUETTIのラインナップはほぼ「リンサン鉄リチウム」ですし、AnkerやEcoFlowでも最新モデルに「リンサン鉄」を採用し始めています。
「リンサン鉄リチウム」電池は、エネルギー密度が低く安定しているため、より安全性が高い上、三元素リチウムイオンの充電サイクルが500~800回であるのに対して、リンサン鉄リチウムの場合は2000~3500回と長寿命も特徴です。
充電サイクルは、放電(電気を使う)量の合計が100%ごとに1回とカウントします。充電コードを繋いだ回数や満充電にした回数ではありません。例えば充電サイクル2000回の場合、ポータブル電源を週1回の車中泊1泊ごとに容量100%を使い切ったとすると、2000泊の車中泊ができるわけです。「充電サイクル」や「寿命」の詳細は別記事にてまとめています。
日本法人があり所在地や連絡先などが明記されている
自分的にはこのことはちょっと重視しています。
当ブログで紹介しているEcoFlow、Jackerey、Anker、BLUETTI、SmartTapはいずれも日本法人が登記されています。
やはり国内に日本法人を設置するということはそれだけ製品やサービスに責任を持つという意味合いが強まると思いますし、日本語が怪しくない公式サイト(日本人スタッフがいる)があり、所在地や連絡先などが明記されていることが重要と考えます。
ちなみに、Smart Tapは日本企業、Jackeryは米国企業、Anker、EcoFlowとBlueTTIは中国企業、「LACIRA」というブランドは「株式会社ポスタリテイト」という日本企業が運営しているようです。
これ以外で、日本法人があるポータブル電源のメーカーはほとんどない状況ですが、日本語の公式サイトがまあまあちゃんとしているのは「EENOUR」、海外サイトがあるのは「GOLABS」「ALLPOWERS」ぐらいです。
「EENOUR」は製品保証にも言及していますし、問合せフォームも用意しているので大丈夫かも…とも思いますが、いざとなると現地とのやり取りになるんだろうな…と思います。
何かあった時のことを考えるとやはり日本法人が設立されていて、日本人スタッフいるというのは大きな安心感にはなるんじゃないかと思います。
当然ですが、当ブログで紹介している5社は、製品保証やサポート体制などもしっかり明記されています。これって大事じゃないかな…と思っているので、当ブログでご紹介する製品もこの5社の製品が中心となっています。
PSE認証を取得したポタ電を選ぶべき?
「PSE認証を取得しているモバイルバッテリーを選びましょう」
そんなことを耳目にしたことはありませんか?
モバイルバッテリーのPSE認証制度は、モバイルバッテリーの爆発や発火などの事故が相次いだことを受け、2019年12月1日以降は「PSE認証マーク」を取得していない製品は販売してはいけないことになりました。
電気によって動いている製品は「電気用品」として、経済産業省が管理している「電気用品安全法(PSE)」という法律によって規制されており、事故の多発を受けてモバイルバッテリーもその規制対象となったというわけです。
では、モバイルバッテリーの親分のようなポータブル電源もPSE認証を取得している製品を選んだ方がいいじゃん…と思って色々しらべたところ、なんと、ポータブル電源はモバイルバッテリーとは違うんだそうです。
経済産業省の電気用品安全法「モバイルバッテリーに関するFAQ」にこんな記述があります。
▽▽ここから▽▽
Q.4 交流100Vも出力できる、いわゆるポータブル電源の扱いは?
A.4 蓄電池の出力は原理上直流に限られており、交流が出力できるポータブル電源は蓄電池に該当しないため、モバイルバッテリーとして扱わず、非対象。
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/mlb_faq.html
△△ここまで△△
ちょっと驚きました。ポータブル電源は蓄電池じゃないんですって。
自分はポータブル電源こそが蓄電池で、その子分というか弟分がモバイルバッテリーなのかと思ってました。
なので、多くのポータブル電源は「PSE認証」を取得していない、というかそれを求められていないということのようです。
いや、Jackeryのポータブル電源はPSE認証を取得していますよ
と仰る向きがあるかもしれませんが、自分が調べたところ、Jackeryの「PSE認証」はバッテリーに取得したのではなく、充電時に接続する「ACアダプター」が電気用品安全法の規制対象なので、ACアダプターで取得しているようです(中には製品として取得しているものもあるかのしれませんが)。
EcoFlowの場合には、「X-Stream」技術によってACアダプター不要で充電可能なので、ACアダプターでPSE認証を所得する必要がないようです(EFDELTAやDELTA MAXのように製品として取得しているものもありますが)。
たとえポタ電であってもPSE認証があった方がいいのかもしれませんが、規制対象ではないので取得していない製品がほとんど…というのが実情のようです。
PSE認証については「取得」前提で探すと、かなり狭き門になってしまいそうです。
EcoFlowかJackeryかBLUETTIか
あとはどのメーカーが好きか…って話しになるのかもしれませんね。ここからはあくまで筆者の感覚というか、感じていることなんですが…。
EcoFlow
ここ数年のことを思い返してみると、2020年にEcoFlowがEFDELTAを発売したのを皮切りに続々と新製品を送り出しました。同年秋には人気シリーズ「RIVER」の初代モデルが登場しました。初代RIVERは、斬新な新機能をふんだんに盛り込んだ野心的なモデルでした。
急速充電機能の「X-Stream」はすでにEFDELTAから搭載されていましたが、定電圧機能「X-Boost」や「スマホ遠隔操作」「拡張バッテリー」などを搭載した最初のモデルでした。RIVERは中~小クラスのベストセラーとして長期間人気を得続けました。
それらの新機能は、RIVER以降のEcoFlowのポータブル電源を特徴付けてきました。さらに、EFDELTAを祖とする「DELTA」シリーズは、大容量高出力モデルとして業界を牽引し、2022年の前半ぐらいまでは、筆者が見る限りEcoFlowの独壇場といった様相でした。
正直に言って、今のポータブル電源が市民権を得たというか、認知を拡げたのは間違いなくEcoFlowです。性能・新機能・人気のどの側面でもトップの存在であることは確かです。
しかし、2022年以降はEcoFlow以外のメーカーも注目されるようになってきていると感じます。ぐいぐい来ている感じです。EcoFlowが人気の面でもいまだトップの企業であることは変わりませんが、他メーカーもこのところ存在感が増しているように感じます。
Jackery
世界初の三元系リチウムイオン電池採用のポータブル電源を世に送り出したJackeryは、リン酸鉄リチウム化へのシフトが最も遅かったメーカーですが、リン酸鉄リチウム電池採用のポータブル電源のラインナップを充実させてきています。
他社も含めてリン酸鉄リチウム採用と並行して「拡張バッテリー」システムを採用するメーカーが増えました。これは三元系は3~5年で買い替えが期待できましたが、リン酸鉄リチウムは10年以上、ヘタすれば一生もの…というほどの長寿命を誇ります。
そこで各メーカーはポータブル電源の容量を控えて、足りない部分は拡張バッテリーを購入してもらうことで売り上げを確保しようと考えたようです(あくまで筆者の想像です)。それが証左に最近のポータブル電源の容量はみな少な目で、そうした電源ほど必ず拡張バッテリーが用意されています。
拡張バッテリーはそうした「目論見」だけではなく、例えば、レジャーに持ち出すのは本体だけで、拡張バッテリーは「災害対策」や「節電」目的で自宅内で使う…といった使い分けが可能になったり、拡張バッテリーを複数台接続することで、とてつもない容量を確保できるなどのメリットがあることもまた事実ですので、一概に「目論見」だと断定はできないんですけれど…。
そんな拡張バッテリーを採用したポータブル電源は、定格出力が小さい場合があって、拡張バッテリーで容量は増やせても出力は後から増強はできないので、拡張後の出力不足が懸念されます。JakceryのPlusシリーズは拡張後の容量に見合った出力を備えており、出力不足の懸念を払しょくしています。さすが老舗メーカー、ユーザーフレンドリーだな…と感じます。
※Jackery 1000 Plusの容量拡張後に見合った出力…については別記事にまとめています。
Bluetti
Bluettiは元来、大容量高出力のポータブル電源が得意なメーカーでしたが、容量・出力とも1000Wh/1000W以下の電源も堅実で使いやすい製品をラインナップしていました。筆者的には、最小クラスの「EB3A」は『名機』といっても良いとさえ思っています。
しかしBluetti製品は、EcoFlowと比べるとどこか垢抜けないイメージがあって、製品の質感ももう一息な部分があったと思います。しかし今年2023年に発売した新世代とも呼べるニューモデル(AC60/AC70/AC180)は、そんな「チープ」さを感じさせない仕上がりで、大幅に質感をアップさせて登場してきました。さらに…。
2022~2023年にかけてEcoFlowがRIVERを第2世代に進化させましたが、初代が持っていた「突き抜けた性能と他にない機能」の『唯一無二』感が失われてしまいました。
RIVER2は、拡張バッテリーを廃止、X-Boostの対応範囲を縮小したことで、リン酸鉄リチウム化と高質感以外に目を引くスペックが見当たらなくなったのに対し、Bluettiの新生代モデルは逆に、定格出力を拡大し「電力リフト(X-Boostと同様の定電圧機能)」を採用・拡大、バッテリー拡張を採用などで、存在感を高めてきました。
同価格帯の「RIVER2 Pro」と「AC70」を比べたら、自分なら圧倒的に「AC70」が欲しいと思います(実際にAC70は発売日に即決して購入しました)。
10万円以内で容量700~800Whのこのクラスの電源が欲しくて、当然RIVER2Proも検討したのですが、踏み切れずにいたところへ「AC70」が登場、内容をチェックして迷わず購入しました。定格出力が1000Wになったのが大きかったです。
新生代シリーズの初号機として登場したのが「AC60」ですが、筆者はBluettiさんにお願いして拡張バッテリーB80とセットでお借りしてテストさせて頂いたのですが、こちらはAC70よりももっと高質感で、本来の意味(容量を統合できる)での拡張バッテリーで小さいくせに1000Wh超の容量を使えるスグレモノでした(でも自分が欲しいのはこのクラスではなかったんですよね^^;)。
※AC70/180の場合は容量を統合することはできず、充電端子を介して拡張バッテリーから電力を補充するようなカタチの拡張です。
※Bluetti「AC70」「AC60+B80」の実機レビューもぜひお読みください。
もう1点、Bluettiがおすすめの理由は、他社がまだ三元系リチウムが主流だった頃から、Bluettiだけはリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し続けてきました。なので、2020年~2021年に発売された比較的古いモデルでもリン酸鉄リチウムなんです。例えばセールなどで安くなった旧モデルを狙う場合でもBluettiならリン酸鉄リチウム電池が採用されているというわけなんです。その辺りを別記事にまとめているので興味があったらぜひお読みください。
結局おすすめメーカーは?
2020年にEFDELTAを購入して非常に気に入って丸3年使ってきたので、当初は「EcoFlow推し」を公言していました。けれど最近は、あまり目新しいことをしなくなりすっかり大御所的になったEcoFlowより、果敢に攻めているJackeryとBluettiに好感を持っています。
筆者が欲しかったミドルクラスの新製品を出していなかったのでJackery製品は購入していませんが、2000Wクラスを買うなら「Jackery 1000 Plus」が最有力候補になるはずです。自分が欲しいレンジにドンピシャの製品を投下したBluettiは即決購入してしまいました。狙い目は、現時点では1000W以下のクラスはBluetti、1000W、2000WのクラスはJackeryといった感じでしょうか。
シーン別おすすめのポータブル電源
冒頭にもお話ししたように、どのポータブル電源を選ぶか、購入するかは『何に使うか』によって決まります。
サブバッテリーありきの車中泊なら
これは筆者と同じ状況です。
バンコン車内にサブバッテリーがあって車中泊の基本的な電力供給はサブバッテリーが担います。あるいはすでに大きめのポータブル電源を持っている場合も同様です。筆者のサブバッテリーはリン酸鉄リチウムで1,280Whの容量があります。出力も1,280Wです。
電気ケトルも電子レンジもサブバッテリーで動くので、レジャーに持ち出すポータブル電源にはさほど大容量高出力を求めません。基本性能・基本機能がしっかりしていて使いやすく丈夫で長持ちしてくれるのが一番…ということで、旧EB70Sが非常に使い勝手がよかったので、今回「AC70」に即決しました。
リン酸鉄リチウムイオン電池採用で安全性と長寿命を担保した上、容量768Wh、定格1000W/最大2000W出力、電力リフト2000Wで、容量を充電式で拡張できます。まさに必要十分な性能と機能をもっていて、しかもコンパクトで価格も10万円以内です。
同じような状況で選ぶならイチオシ電源です。
消費電力が大きな家電(ケトルや電子レンジ、IHヒーターなど)をあまり使わないのであれば、AC70を1台体制で使用しても非常に使いやすいと思います。768Whの容量はガジェットの充電・給電は余裕ですし、車中泊時の扇風機や電気毛布などによる50~70W/時間の消費でも10時間以上の連続使用が可能です。
ガジェット充電がメインなのでコンパクトなモデルが欲しい
車中泊で家電などは使わないし、災害対策や節電といった条件もなしで、スマホやタブレット、ノートPC、スマートウオッチなどのガジェットへの充電が主と言う方には、名機「EB3A」がおすすめです。
もちろんリン酸鉄リチウム電池採用で安全性と長寿命はしっかり担保しつつ、容量268Wh、定格600W/最大1200W、電力リフト1200Wのコンパクトクラスのモデルです。
最近、新世代の4番手「AC3A」が発表されて「Bluetti最小」は名乗れなくなり、発売から時間も経過していて到底最新モデルとは言えませんが、基本性能の確かさや必要十分以上のスペックはまだ負けていません。
RIVER 2が脱落して以降、このクラスで最大1200Wの家電まで使える電源は他にありません。
外出時はコンパクトな本体、自宅では拡張バッテリーで大容量
外出時など気軽に持ち出せるコンパクトな電源が欲しいが、何かあった時のために拡張バッテリーで容量を拡張できるような一石二鳥のポータブル電源が欲しい…ということであれば、BLuetti「AC60+B80」のセットがおすすめです。
AC60はBluettiの新世代電源のトップバッターで登場し、Bluettiもかなり力を入れて開発したと思われるモデルです。同じ新世代シリーズでも、後発のAC70よりもかなり質感が高く気合入っている感がハンパありません。
容量403Wh、定格600W/最大1200W出力、電力リフト1200Wと「EB3A」の後継モデルといえるようなスペックですが、レンジとしてはEB3Aより1つ上のクラスになります。
拡張バッテリーB80は、容量806Whで自らもDC出力のみ可能です(ACはAC60経由)。最大2台までB80を接続できるので、AC60は最大2,015Whまで容量を拡大可能です。このクラスで2,000Wh超は他に類を見ません。
セット購入が割安ですが、まずAC60を買っておいて後からB80を追加することも可能です。外出時は9.1kgのコンパクトな本体のみ、自宅では最大2,015Whの大容量で災害や節電に備える…といった使い分けが可能です。
拡張バッテリー購入前提で2000Wクラスを狙うなら
定格出力は大きいのを買っておきたいけれど、あまり予算がないので、やむなく出力が小さいモデルを買おうかな…という方におすすめなのが「Jackery 1000 Plus」です。
1000Plusの本体容量は1,264Whですが、定格出力は2000Wあります。
通常、容量1000Whクラスのポータブル電源の定格出力はだいたい1,000W程度が相場です。昔はそれでよかったのですが、拡張バッテリーという仕組みを取り入れた場合には、拡張後に出力不足になるのが目に見えています。
一般的に2000Whの出力の相場は2000W前後ですが、拡張バッテリー採用のモデルでは、拡張バッテリーで容量を2倍(2000W)にした場合でも、後から定格出力や瞬間最大出力は増やせないためです。
拡張バッテリーを採用していない当時のままの感覚で定格出力を定めているメーカーは意外に多いです。例えば、EcoFlowのDELTA2は、本体容量1,024Whで定格出力1400Wです。拡張バッテリーを追加購入して容量を2倍の2,048Whにしても出力は1400Wのままです(それでも多い方)。
これに対して、Jackery 1000Plusは、容量1,264Whに対して定格出力は2,000Wを備えています。本体スペックだけを見ると明らかにオーバースペックですが、1000Plusは、拡張後の出力を勘案している設定ではないかと思います。
それでいて価格は容量1,500Whクラスの標準的な価格に収まっていますし、。もちろんリン酸鉄リチウム電池採用です。今は予算がないのでとりあえず本体だけ買っておいて、のちのち拡張バッテリーを追加して容量を増やしたい…という方にベストマッチな電源ではないかと思います。
大容量高出力モデルを安く買いたい
最新機能は特に必要ないので、基本性能がしっかりしていて「大容量高出力」であれば多少古くてもいいので割安に購入したい…という方には、Bluetti「AC200P」をおすすめします。
まずおすすめポイントの1つめは、2020年発売モデルなのに「リン酸鉄リチウム電池」を採用している点です。前述のとおり旧モデルでもリン酸鉄リチウム電池を採用し続けてきたBluettiの製品で、発売からすでに3年経過しておりセールなどではかなり割安に入手できます。
拡張バッテリーなしでも容量2,000Wh、定格出力2000Wを確保しており、新生代の拡張バッテリーとの接続も可能で、B230(2,048Wh)、B300(3,072Wh)と接続可能で、容量最大5,072Whまで拡大可能です。
現在実施中のセールでは14万円ほどで販売されており、まさに大容量高出力を割安に購入できるモデルといえます。もちろんリン酸鉄リチウムです。
ポータブル電源の選び方 まとめ
結局、何に使うかで選ぶ電源は変わります。
考え方は人それぞれで、例えば筆者は、最初はできるだけ大容量高出力な電源が欲しくてEFDELTAを購入しました。当時は1,260Wh、16000W/3100Wでもかなり大きかったんです。
でも2台目以降はちょっと考えが変わって、1台の大容量電源を持っているより少しコンパクトな電源を複数持っていて、それぞれ別々の用途に使い分ける方が効率がよい…と考えるようになりました。その結果としての今回の「AC70」購入につながるわけです。
記事後半では、5つのシチュエーションを想定して5台のポータブル電源をおすすめしてみました。5台中4台がBluetti製品になってしまいましたが、それだけBluettiの新世代シリーズが「いい」と言うことですし、ずっと昔からリン酸鉄リチウムにこだわってきたことが今、実を結んでいるということだと思います。
お断りしておきますが、本記事はけっして「御用記事」ではありません(笑)。筆者が思うことをそのまま書いているにすぎないのですが、今は筆者がBluettiの新生代電源がいいなあ…と思っているということなんだと思います。実際にAC60/B80も、AC70もかなり良いですから。
ポータブル電源の購入を検討されている方は、まず「何に使うか」を考えて、そこから容量や出力、付加機能などを選んでゆけば、自ずと自分にあったポータブル電源に出会えると思います。
それでは今日はこの辺で。
こんばんわ>156さん
清書ありがとうございます^^
なんと、素人目線のころから…ですか、感謝感謝でございます。
10日でポタ電2台ですか、なかなかやりましたねえ。
でも、DELTAとRIVERはよいチョイスだったんじゃないかと思います。
DELTAが出張るほどではないシーンではRIVERは手軽でよいですし、逆のシーンもありそうです。
洗脳できたなら「やりぃ」ですけれど(笑)、確かに1-2でのフィニッシュですね^^
いま、EcoFlowは人が足りないみたいですよ、担当の方が人を募集しているようなこと仰ってました。
たぶん、ですけれど、日本人スタッフが足りないんじゃないかなと思います。
折りがあればそんな声もあったことはお伝えできればと思います。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
ローソンかしこまりました。ゆっくりお待ちいただけますように…。
清書(ハードル↑)ですw
はじてまして。
素人目線のスマホライフからROM専門でしたが、垂らされた釣糸にパクっと、させていただきました。
年末の黒金セール案内の記事に導かれw、素のRIVERを楽天黒金セールで購入。好感触なれど(好感触ゆえ?)容量がもっと欲しくなり、増設バッテリー追加でMAX化を思案。そこにAmazonタイムセールがあり、ついDELTAminiを…
いくら貴サイトで洗脳(失礼)されてたとはいえ、僅か10日でEcoFlow2台も購入するとは、やり過ぎてしまいましたw
そんな中、お勧めでの1-2(MAXではありませんが)。投稿ネタができた、と大喜びしました次第ですw
ただ個人的にはEcoFlowさんのサポートはもう少し頑張ってほしいな、という感じです。人気があり中の人が足りないのかもしれませんが、もう少しレスポンスが早いといいなと思います。(EENOURさん、対応早かったです。)
それはさておき、2022年も楽しみに拝読させていただきます。
(2番ローソンでお願いします。)