アルトピアーノ実車見学・試乗

2021年式アルトピアーノレビュー~タウンエースバンモデルチェンジでベース車変更で何が変わった?

2021年版新型キャンパーアルトピアーノ アルトピアーノ
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タウンエースのモデルチェンジにより新型となったアルトピアーノ2021年モデルを見学・試乗してきました。

KAZ
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ベース車のタウンエースのモデルチェンジでアルトピアーノも2021年モデルに進化。アルトピアーノ横須賀にて新型アルトピアーノに試乗してきました。

キャンパアルトピアーノの聖地ともいえる「アルトピアーノ横須賀」(トヨタモビリティ神奈川)に予約の上で出向いて、新型となったベース車両としてのタウンエースバンや、アルトピアーノのキャンパーとしての装備などをチェックしてきました。

さらに店舗~観音崎の片道約7kmほどの試乗にて、走行フィールやアイドリングストップなども体験する事ができました。

軽快な走りで燃費も向上したアルトピアーノの新型ぶりをレポートします。

なお今回、商品開発室の方に色々とお話しを伺うことができました。感謝いたします。

※本稿は広告リンクを掲載しています
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ベース車両≪新型タウンエースバン≫への進化が最も大きな変化

今回、新型となった2021年型のアルトピアーノの最大の変更点はベース車両の「進化」です。

新型アルトピアーノを初見でパッと見た時に感じたのは「鋭さ」「厳つさ」でした。

すでにご存じの方が多いと思いますが、誤解されている方がいるようなので再確認しておきますと、キャンパーアルトピアーノは「トヨタ純正キャンピングカー」ではありません。トヨタ自動車がラインナップの1つとして販売している車ではないので誤解なきよう…。

アルトピアーノは、トヨタの商用バンであるタウンエースをベースに、神奈川県下の1販売ディーラーである「トヨタモビリティ神奈川」が製造・販売する小型簡易キャンピングカーです(ベッドやキャンパー装備を荷物として積んでいる4ナンバー車)。

従って販売は一部を除き神奈川県下のみで他府県のトヨタディーラーでは取り扱いがないケースがほとんどです。

トヨタモビリティ神奈川 キャンパーシリーズWEB

フロントフェイス~若干厳つく精悍なイメージ

2021年式新型アルトピアーノのフロントビュー

写真は新しいアルトピアーノのフロントフェイスですが、旧型のファニーな柔らかい表情から、ちょっと厳つい顔に変わりました。

新型アルトピアーノのヘッドライト

ヘッドライト形状が変わった影響が大きく、若干釣り目ぽく目つきが鋭くなった印象です。

ヘッドランプは、テールランプ・ストップランプ・リアフォグランプ(寒冷地仕様)などと共にLED化されています。

また「コンライト」機能も追加され、車外の明るさを感知して自動的にヘッドランプ等と点灯、消灯、さらにエンジン停止時にも自動消灯してくれ、バッテリー上がりを防止してくれます。

アルトピアーノ新型のドアミラー

ミラーは、DXグレードでは旧来の黒い縦長のミラーですが、GLグレードでは、ボディ同色のカラードミラーとなり、ターンシグナル付き、電動格納式になります。

試乗車はGLだったので写真のミラーでしたが、縦長の大きなミラーの方が視認性は良いと思いました。狭いキャンプ場のサイトアプローチなどでは特にそれを感じるのでは?と思います。

バンパー形状は、裾が外側へ開くような形になって、印象が変わっています。

ちなみにこのドアミラー。
旧型GLグレードでは有料でわざわざ下位DXの黒いミラーに交換されていましたが、2021年モデル以降はGLのミラーはカラード&ターンシグナル付となりました。

なお、バンパーは新型でもわざわざDXの黒バンパーに有料(44,000円)で交換されていますので、カラードのままにすればその分のコストが浮きます。

サイドビュー~リゾート感満載のコンパクトキャンパー

ルーフキャリアを装備したアルトピアーノのサイドビュー

サイドビューはこんな感じ。

純正のルーフキャリアを背負ってますね。まあまあ似合います。

以前の記事にもかきましたが、名前を言ってすぐに姿かたちをイメージできる国産キャンパーが少ない中、新型アルトピアーノでもこの「ツートーン塗装」がは非常に特徴的で、ある種アイデンティティになっていますね^^

アルトピアーノと言えば、知っている人のほとんどが2トーンカラー塗装ありきの姿を思い浮かべると思います。そういう面では、国産キャンパーの中で稀有な存在感とも言えそうです。

横須賀の街中を走っていても、ちょっと気恥ずかしいぐらいに視線を集めていました。

また、ルーフキャリアを装着すると、さらにリゾート感が増強されますね(別途オプション)。

ただし、キャリアを装着すると車高が210cmを超えてしまうので立駐などは利用できなくなる可能性大ですのでご注意を。

※一般的な立体駐車場や屋内駐車場の高さ制限は210cmが多い

新型アルトピアーノのフロントタイヤ

タイヤは先代の13インチから、165/80R14となっています。

リアビュー~コンパクトでキュートなお尻

新型アルトピアーノのリアビュー

こちらはリアビューです。

旧型から大きな変更はありませんが、コンパクトなサイズ感がツートーン塗装でより締ってキュートに見えます。

旧型車では「TownAce」となっているエンブレムが「CAMPER ALTOPOANO」になっています。後続車からでもこのクルマがキャンパーであることがわかります。

このプレート、部品として購入可能かどうか気になります。

リアバンパーの左右には、新型タウンエースの新機能コーナーセンサーが装着されています(DX/GL標準装備)。

運転席は大きな違いはないがスマアシ搭載で新スイッチも

アルトピアーノ新型のメーター類

こちらは新型アルトピアーノのメーター類です。配置などに大きな変更はありませんが、速度計右側の各種情報を表示する「マルチインフォメーションディスプレイ」が見やすくなり、情報量も多くなりました。

アルトピアーノ(新型)のスイッチ類

ハンドル右下のスイッチ類は、新型タウンエースバンが「スマアシ」を搭載した関係で、各種安全支援機能のON⇔OFFスイッチがあります。「A」はアイドリングストップのON⇔OFFスイッチです。

アルトピアーノ(新型)のエアコン送風口とドリンクホルダー

待望のカップホルダーが助手席側にも装備されました。

センターコンソール周りはデザイン変更され、サイドブレーキ前方にあったカップホルダーは廃止され、逆側後方のスペースにカップホルダーが付きました。

ブレーキレバー下のトレーも、底面にファブリックが貼られてちょっとだけ上質に。

ベース車のタウンエースバンのモデルチェンジに伴って、外観や外装パーツ、運転席回りなどに旧型との違いが見られます。特に「スマアシ」が搭載されたことで安全面での進化が著しいものがあります。

キャンパーとしての機能・装備は先代モデルを踏襲

ベース車両が大きく変わったのに対し、キャンパー装備に変更はなく、2021年版アルトピアーノはキャンパーとしては「新型」とは言えません。

個々の装備については過去記事でも紹介していますので、さらっとおさらい的に紹介します。

新型アルトピアーノのリアシートはREVOシート

こちらは、アルトピアーノをキャンパーたらしめる「キャンパーパッケージ」の中核をなす「REVOシート」+オプションの「シートカバー」ですが、先代から受け継がれています。

写真の状態は通常の「走行モード」で、このモードで前向き乗車の場合に限り後席に着座して走行できます(後ろ向き着座での走行はNG)。

写真の座面を前側に立てて、背もたれを寝かす事で、後ろ向きの座席となり、テーブルを設置することでダイネットモードになり、家族4人(大人4人はちょっと窮屈)で対面対座で利用できます。

両方とも寝かせることでフルフラットとなり、テーブル部分にボードをはめ込んでベッドモードとなります(前後長2,050mm、横幅1,100mm(4WD車))。

シートカバーのデザインも変更なしです。

前席(運転席・助手席)カバーとも同デザインです。

キャンパーアルトピアーノ(新型)に装備された4連排気ファン

こちらは、リアシート右側のスライドドアの装着されるオプションの「4連排気ファン」です。

タウンエースバンは、リアクオーター窓が羽目殺しのためリア部分に空気が滞留しやすいので、排気ファンで強制的に空気を動かすことができます。暑さ対策に効果があります(リアハッチを開放した場合)。

「4連排気ファン」装着のためには、オプションの「基本電源ユニット」の装備が必要です。

キャンパーアルトピアーノ(新型)に装備されたサブバッテリー、コントロールパネル

こちらは進行方向右側に設置される「集中スイッチパネル」です。

写真では、ベース車が2WDのため、パネル下が小物入れになっていますが、4WD車の場合にはタウンエースバンの装備である寒冷地仕様の「リアヒーター」がここに設置されるため小物入れはなくなります。

パネルは、左からバッテリー残量表示(上:メインバッテリー、下:サブバッテリー)、ルームランプ・シンク&シャワー・アクセサリーUSB電源・4連ファンのON/OFFスイッチ、ファン風量調節、100Vコンセントスイッチ、コンセント、シガーソケットとなっています。

OPの1500Wインバーターを装備することで、1500Wまでの消費電力の家電の利用や、走行充電によるバッテリー充電を行う事ができるようになります。シガーソケットからの出力でポータブル電源へのDC12V走行充電も可能です。

新型アルトピアーノに装備のシンクと給水シャワー

今回の試乗車には、OPのシンク&シャワーがチョイスされていました(冷凍冷蔵庫と二者択一OP)。

シャワーヘッドを、写真左上のホルダーに刺せば、車外からの利用が可能となります。



以上のように、キャンパーとしての機能や装備は先代モデルとほとんど同じものを装備できますが、一部装備では価格が上昇しています。スタッフの方の話しでは、使用する機械を変更する等してグレードアップを図った部分もあるようですが、相対的に物価上昇分の値上げと見てよいかもしれません。

また、新型アルトピアーノとしての価格は、ベース車の価格アップの影響もあって、「キャンパーパッケージ」装着時で先代よりも20万円ほどの価格アップになっています。

車両価格や、オプション品の取捨選択後の合計額などは、次回以降で「購入シミュレーション」を書いてみたいと思っていますので、そちらで詳細を記すことにいたしますので、価格関連については、金額等をまとめますので少々お待ちください。

先代にはなかったオプションが増えてよりキャンパーらしさアップ

新型アルトピアーノのカタログには、よりキャンパー色を強めたオプションが掲載されています。

※カタログから転載

こちらは「カーサイドタープ」(サイドオーニング)で、ベースキャリアや工賃込みで税込7万円弱の手が届くコストで装着可能。

タープを張った方が雨風の影響は受けにくいですし、直射日光も遮りやすくなりますが、手軽さで行ったらサイドオーニングタイプの圧勝です。ちょっと魅力的かもと思いました^^

※カタログから転載

こちらは出力1000W・容量1002WhのJVC製ポータブル電源です。

※カタログから転載

こちらは、ポータブル電源に使用できるソーラー充電パネルです。

こんなオプションを見ていると、アルトピアーノのキャンパーとしてのカラーが増した感じです。

【試乗】軽快で意外にパワーがあるような… 燃費向上で航続距離アップも

「アルトピアーノ横須賀」のある『リヴィン横須賀』から観音崎灯台の入口までの往復で約14km程の距離を試乗させていただきました。

新型アルトピアーノが止めてあったコインパーキング内で最初に走り出した際に、アクセルが敏感で少し踏むとグイっと前にでるのでギクシャクした動きになってしまいました。

この辺は慣れの問題だと思いますが、意外にパワーがあると言うか、操作に機敏に反応する印象でした。

一般道に出てごく普通にアクセルを踏んでも、交通の流れに乗れるというか、若干リードできる程度に軽快に走る事ができました。

少し足回りの固さを感じますが、これでキャンパーとしての装備を積むことで重量が増せば挙動が落ち着くのではないかと感じました。

自分が運転、奥さんが助手席に、スタッフさんが後席に乗車で、大人3名乗車での試乗でしたが、海岸線の若干強めの勾配でも力不足を感じずに走れました。筆者の普段の感覚よりもかなり早めのキックダウンでエンジン回転を落とし過ぎず勾配を登っていました。

まだ新車のせいもあると思いますが、静粛性も少し向上しているかな?という感じでした。

また、新型では標準装備となった「アイドリングストップ」がONになっていましたが、座席下にエンジンがあるせいか、商用車なのでそこまで快適性を重視していないのか分かりませんが、エンジン停止→再始動の際に音や「ぶるん」という揺れは強めに感じました。

ずっとアイドリングストップを使った場合のバッテリーの劣化が良く問題にされていますが、新型アルトピアーノでもその点は心配で、自分的には切ってしまうように思いました。

ちなみにアイドリング時の静粛性が高く、アイドリングストップOFFで信号で停止している際に、走り始めにエンジンがかかっているか分からず、ON/OFFスイッチを確認した事がありました。エンジンの静粛性はかなり向上したように思います。

※カタログから転載

こちらは新型タウンエースバンの燃費です。

「JC08」モードでの2WD/4ATの燃費は15.0km/L、同4WD/4ATは14.1km/Lです。先代の燃費は2WD/4ATで12.2~12.8km/L、4WD/4ATで11.6~12.6km/Lですので、各々2.2~2.8km/L、1.5~2.5km/Lの燃費向上となっています。

燃料タンクは42Lで変更ありませんので、92~117.6km、63~105km遠くまで走れる事となり、航続距離にすると、2WD/4AT車で512.4~537.6km、4WD/4AT車で487.2~529.2km走行できる事になります。

筆者の4WD/4ATの先代モデルでは420kmがせいぜいでしたが、60km長く走れるなら有り難いですね。




今回は、2021年版新型アルトピアーノのレポート第1弾として、外観・運転席、そして試乗した際の感想などをまとめてみました。

相対的に気持ち車格が上がったかな…という印象で、走行フィールや操作性も改善された印象を受けました(筆者的には先代までのファニーな顔つきも好きなんですが…)。

ただ「変化」の主体はベース車の変更であって、アルトピアーノとしてのキャンパーの使用や機能などについては先代までの装備やオプションを踏襲しており、旧型車を中古で購入してもキャンパーとしての差はないものと思います。

中古車に関していえば、キャンピングカーの中古車は専門店に集まり、一般の中古車市場には出てこないことが多いですが、アルトピアーノはトヨタディーラーで販売されたタウンエースバンなので、一般の中古車市場に出てきやすい車両です。
中古車情報サイトでも見つけることができますし、車両自体はノーマルのままのタウンエースの特装車なので点検整備・車検などはどこでもできます。

なお、過去記事で「アルトピアーノをもう一度買うなら」と言う事で、最初に購入した時に分からなかった本当に必要な装備について考察しています。

新型アルトピアーノでも、キャンパーとしての装備は基本的に2020年までを踏襲していますので、オプション装備の取捨選択には多少なりとも参考にして頂けるものと思います。宜しければこちらもお読みください。

参考になれば幸いです。

それでは今日はこの辺で。

コメント欄は最下段にあります。
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■ 著者紹介 この記事を書いたのは…
KAZ

「喜田宗彦」としてWEBライターをしています。ライター歴は10年超です。本ブログの記事は、自分自身の実際の体験や経験、ライターとして取材や調査で得た知見、懇意にしてくださるメーカーさんなどから得た知識・情報等を反映した記事を執筆・掲載しています。アウトドアについては1982年ごろからオートキャンプを開始しキャンプ歴は40年超になります。2020年にはバンコンタイプの小型キャンパーを購入し車中泊の楽しさに目覚めました。
また食べることが好きで食べ物関連の記事多めです。特に安くて美味しいものに目がありません。地元グルメやチェンめしも好物です。
ブログ運営者について

  1. KAZ Enjoy Camper より:

    コメントが反映されずご迷惑・ご不快をおかけして申し訳ございませんでした。

    8月納車であれば、もうお手元に届いたでしょうか。
    あまり出かけられない状況ではありますが、許される範囲で満喫されてください。

    エンジンは聞き漏らしましたかねえ。

  2. march05 より:

    はじめまして。
    アルトピアーノを契約(8月に納車予定)し、いつもこのブログを参考にさせてもらっています😊

    記事中のエンジンについてですが、確か新開発のエンジンではなかったでしょうか?
    アルトピアーノ横須賀の店長より、ダイハツ開発のエンジンからトヨタ開発のエンジンだと聞いたような。。。