今回はバンコン車内で使えるインフレーターマットを探しました。

暑い夏も終わって、いよいよ車中泊が快適な時期になってきたので、従来の就寝装備に加えてさらに睡眠の質を向上すべく「マット」を新調しようと思います。
今回のマット選びの大前提は「バンコンで使う」です。
いわゆる車中泊というと、通常の車のシートをフルフラットにしてマットで凸凹を吸収するようなイメージもありますが、今回はそうではなくて、バンコン=つまり平らなベッドを作れるクルマでの使用を前提としています。
車種にもよりますが、我が家のアルトピアーノをベッド展開して就寝仕様にした場合、前半分はセカンドシートを倒しているので柔らかなクッションの上に寝ることになりますが、後ろ半分は、ボードに薄いクッション材を貼り付けただけの、固い『板の間』に寝ることになるのでマットが必要なんです。

これまでも薄手のインフレーターマットを使っていたのですが、「車内なんでそんなに厚さいらんでしょ?」という安易な基準で選んだ2~3cmのマットだったので、より安眠を目指してマット新調…というわけです。
当初は通常のワンボックスやミニバンのシートを倒したフルフラット座面の上に敷くのであれば8cmは欲しいところですが、バンコンの場合の厚さは最低5cmあれば十分だと考えましたが、評価や他所の記事などを参考に読ませて頂くと、「寝心地」に関しては8cmの製品に良い評価が集まっているようでした。
また、例によって「Amazonの激安商品」狙いですので、価格は1万円以内(できれば7000円上限ぐらい)のコストを想定して探しはじめました。
購入したいマットの条件は
ただ、厚さが5~8cmのあって、価格が1万円以内ならなんでもいいか…というと、実は調べてみると細かな注意点があることに気づきました。
マットの種類には3種類ある

一口に「マット」といっても大別して3つの種類があります。
(1)クローズドセルマット
上記画像の一番下(右)に映っている銀色のマットがクローズドセルマットです。
いわゆる銀マットで、製品は「Soomloom 寝袋用マット」で、安くて性能そこそこなので気に入ってはいて、柔らかな寝心地は期待できませんが断熱性に期待して、常に車内に常備しています。
(2)エアマット
空気だけを入れて使用するマットです。
空気を抜くと小さく収納できるメリットはありますが、ビーチマットと基本的には同じ構造なので就寝時のマットとしては自分的にはふわふわすぎる印象です。
ピンホールでも穴が開くと一巻の終わりです。
(3)インフレータマット
インフレータブルマットという言いかたもしますが、空気を入れる点ではエアマットと同じですが、ウレタンの芯が入っているので寝心地は和らかい中にもしっかり感のあるものです。
写真の下から2番目(右から2番目)が従来使用していたインフレーターマットですが、厚さ2~3cmなのでクッション性も断熱性も足りず、マット新調に至りました。
Soomloomのマットの下のアルトピアーノの後席ボードがとにかく硬くて寝心地が悪いのです。
ちなみに、この電気毛布はファンネル生地で肌触りがよくもふもふでお気に入りです。


インフレータマットの厚さをどうするか

エアマットは却下で、インフレーターマットを新調ということで決定ですが、マットの厚さをどうするかかなり悩みました。
アルペン・アウトドアなどでも実際に触ってみましたが、正直、確定的なことは何もわかりませんでしたが、出した結論は「8cm」にしました。
凹凸の問題であれば5cmで十分か?
マットの厚さは睡眠の質に大きな影響があるので、検討してみたのですが、車内ベッドに凹凸がないので最低5cmあれば十分ではないか…と考えました。
クッション性や断熱性が足りないよりオーバークオリティの方が良いようにも思えるのですが、自分は基本的に固い寝心地が好きで、柔らかすぎると身体が凝って痛くなってしまうので、正直8cmは身体の痛さが怖いです。
反面、横向きに寝る(睡眠時無呼吸のため)必要もあり、仰向けよりも、方や腕でマットが凹む度合いが大きいとも考えられるので、5cmで底づきするのも嫌だなあ…と思います。
そうなると8cmでしょうか。
断熱性はクローズドセルマット併用で
車内の冬場の寒さを「冷気の侵入」という表現を使いますが、たしかに、断熱材皆無のアルトピアーノでは天井からも床からも冷たい空気がじわじわと押し寄せてくる感じがしますが、もう1つ「伝導」も寒さの要因の1つです。
例えば車内の気温を上げたとしても、外気と触れる鉄板はずっと冷たいままですが、そこに寝袋や衣類を通して接していると、冷たさが伝わってきてしまいます。
そうした床やベッドの冷たさの伝わりを遮断しないと、いくら着込んでも、寝袋や毛布を強化しても冷たさから逃れることはできませんので、クローズドセルマットと厚めのマットでで冷たさの伝わりを遮断する方法が必要があります。
そうなるとやはり8cmですかねえ。
手間や場所を取らないのも重要な性能
あとは手間のかかり方です。
インフレータマットは空気を入れて使いますが、手持ちの3cmのマットは空気を口で吹き込んでパンパンにしても底づきを感じるので、5cmも同じかな…と思います。
8cmあれば、弁を開いて放置していてもウレタンだけでしっかりクッションが効いてくれるのではないか…という期待も持てます。その都度、空気の追加をするか、しないか…は結構手間に感じるような気がします。
逆に収納時は薄手の方が片づけやすいのは自明の理です。
収納性や片付けの容易さでは5cmですが、展開時に空気を追加しなくていいのはかなり楽です。
価格は1万円以内、できれば7,000円程度までで購入したい
最後の要素は価格です。
自分は「良いものは高い、それは当たり前。当たり前じゃないものを見つけたらかなり嬉しい」と考えている人なので、失敗に懲りずにAmazonの激安品を購入してしまいます^^
で、今回は1枚あたり上限1万円で、できれば5,000~7,000円ぐらいで購入できればと考えました。
夫婦で二人分なので、2つで1万5千円が目指すコストです。
バンコンで使えるインフレーターマット7選
そんな感じで迷いつつ選んだ候補が以下の8製品です。
すべて8cm(1点7cmあり)で、ちなみにAmazonユーザー評価はすべて「4.5」以上です。
VASTLAND インフレーターマット 8cm
・サイズ:192cm×65cm×8cm 2.7kg
・収納時:63cm×φ22cm(φファイは直径を表す)
・材質:ポリエステル、ウレタンフォーム
・2バルブ自動膨張
・R値:記載なし
・強度:硬め
・5カラー
ユーザ評価で特に気になるマイナスポイントの書き込みは見当たりません。今回の候補の中で最安クラスの5,000円台です。
我が家のアルトピアーノはシンクや冷蔵庫の収納棚を撤去してしまったため室内幅135cm+αあるので、65cm幅のマットは二枚並べて敷くのにジャストサイズです。
商品説明にも『192cm×65cmのサイズ感は、車中泊で使用することを想定しました。』とあるのでサイズ感は問題なさそうです。
KAKURI インフレーターマット 7cm
・サイズ:196cm×63cm×7cm 2.5kg
・収納時:67cm×φ18cm
・材質:ポリエステル、ウレタンフォーム
・1バルブ自動膨張
・R値:記載なし
・強度:記載なし
・1カラー
ハニカム柄とスエード調の2種類の表皮を持つ角利産業のインフレーターマットです。
ほとんど悪い評価は見当たりませんが、1点気になったのは、スエード調表皮の側だと思いますが、芝がくっつくという評価をしている人がいました。収納時の手間に繋がるかもしれません。
Amazon価格は最安クラス5,000円台です。
VENTLAX インフレーターマット 8cm
・サイズ:190cm×63cm×8cm 2.5kg
・収納時:60cm×φ20cm
・材質:ポリエステル、ウレタンフォーム
・2バルブ自動膨張
・R値:記載なし
・強度:軟らかめ
・3カラー
波状ウレタン素材を採用していて寝心地がよいとの評価が多い製品です。
購入から360日間のメーカー保証付きの国内メーカー製のマットです。「初期不良」はもちろん使用中でも不具合の程度や状況によっては保証(修理・交換)が適用されるとのことで、安心感がありますね。
こちらも価格は、5,000円台です。
WAQ キャンプマット 8cm
・サイズ:190cm×60cm×8cm 2.2kg
・収納時:65cm×φ20cm
・材質:ポリエステル、ウレタンフォーム
・2バルブ自動膨張
・R値:2.0
・強度:軟らかめ
・4カラー
「ひし形打ち抜きウレタンフォーム」を採用したWAQのインフレータマットで、3分で80%まで自動膨張するとのこと。ルーズな寝心地が良ければそのまま、パンと張った状態が良ければ空気を足せば好みの張り具合になるとのことです。
価格帯は6,000円台後半です。
※下記に実際にWAQマットを購入&レビューしていますのでご覧ください
DaLaCa キャンプマット 8cm
・サイズ:185cm×66cm×8cm 2.3kg
・収納時:66cm×φ19cm
・材質:ポリエステル、ウレタンフォーム
・1バルブ自動膨張
・R値:記載なし
・強度:軟らかめ
・2カラー
国内ブランド「DaLaca(ダラカ)」のインフレーターマットですが、長辺が185cmと他社製品より5cmほど短く、重量が若干軽めです。
他社にはあまりないアイボリーカラーがきれいです。
こちらも価格帯は6,000円台後半です。
LUXCOL インフレーターマット 8cm
・サイズ:196cm×68cm×8cm 2.3kg
・収納時:65cm×φ20cm
・材質:表・ニット+TPU、裏・コーティングナイロン紡績+TPU、ウレタンフォーム
・1バルブ自動膨張
・R値:5.2
・強度:硬め
・3カラー
今回の候補の中で唯一「枕」を備えるマットで、枕部分の高さは13cm×長さは33ccmあります。表皮も通常のポリエステルではなく、表面はニット素材+TPU(熱可塑性ポリウレタン)、裏面は耐摩耗に優れた素材を使用しているようです。
R値(熱抵抗値))は5.2と優れています(※)が、通常の車中泊でここまでのR値は必要ないような気がします。しかも表皮がニット素材なので保温効果もありそうです。
冬用には良いかもですし、寒がりの方、冷え性の女性などにもいいかもしれませんね。

「R値」は熱抵抗値のことであり、断熱性能を表す数値です。数値が大きいほど断熱効果が高いことになります。通常のいわゆる春・夏・秋の3シーズン用で「2.0」前後、初夏用なら「1.0」で十分、冬用で「3~4.0」、厳寒用で「5.0以上」が目安とされています。
この性能で6,000円台後半の価格帯です。
クイックキャンプ 車中泊マット 8cm
・サイズ:198cm×63cm×8cm 2.5kg
・収納時:65cm×φ20cm
・材質:ポリエステル、ウレタンフォーム
・1バルブ自動膨張
・R値:記載なし
・強度:記載なし
・3カラー
今回の候補の中で唯一二枚セットです。1枚単位では今回の候補では最安クラスの5,000円台(それでも安い)ですが、二枚セットだと2割以上のディスカウントになっています。
おそらく8cm厚のマットでは最安値ではないかと思いますが、ユーザ評価も比較的良好で悪い評価がほとんど見当たりませんでした。
クイックキャンプブランドの製品は何種類か購入経験がありますが、あまり酷い商品に当たったことはありませんので、高評価も概ね信じてよいのではないか…と期待できそうです。
予算を7000円以内として7つの候補に絞り込みました。いずれもAmazonユーザー評価で「4.5」以上の評価を得ている商品ばかりで、正直迷ってしまいますが、現時点で選び方を2つ想定しています。
1つは完全にコスト最優先で「クイックキャンプ 車中泊マット 8cm」の二枚セットを購入する選択肢、もう1つは、硬い寝心地が好きな自分と、柔らかい寝心地が好きな奥さんとで別々のマットを購入するという選択肢です。
後者の選択肢は当然コスト面では前者に負けてしまいますが、夫婦個々で満足感を高められるというメリットと、2種類のマットを試すことができるという点ではブログ記事的に「あり」かもしれません。
WAQキャンプマット8cmを買ってみた
実際にWAQのキャンプマット8cmを2個購入しました。
WAQは「軟らかめ」と表示されていたので奥さん用で、硬めの寝床が好きな自分用には別の製品を購入しようと思っていたのですが、「硬め」を購入するのはかなり怖くて結局のところWAQを2個購入しました。


同じものを2個購入。袋には余裕があって自分で巻いた際に多少大きくても入る配慮でしょう。
本当に8cmに膨らむのか?
バルブは2カ所あり、片方ずつでも両方同時でも使えます。吸排気を兼ねます。


2枚を広げて自然吸気で膨らませます。他社製品では強制的に空気を送り込む(ポンプ等)タイプもありますが、WAQはバルブを緩めて放置しておくタイプです。最初は時間がかかるとのことなので、空き部屋で放置です。
当然ですが、バルブを開けた直後はまだペッタンコです。


約1時間後と、翌朝まで放置した状態の写真です。
一晩放置した結果、自然吸気だけで7.3cmにまで膨らんだので、公称8cmにあと一息といったところ。
何回か使ううちに膨らみやすくなるようなので、8cmになるかもしれません。
WAQマットをアルトピアーノで使ってみた
膨らみ実験とは別日に実際にWAQマットをアルトピアーノで使ってみました。

我が家のアルトピアーノの車内は大改造しています。
進行方向右側にあった冷蔵庫の収納庫(OP選択によってはシンクの設置場所)を撤去しています。
撤去の理由は、購入以来2年半で1度も車載冷蔵庫を使ったことがないので、大きなスペースを割いて冷蔵庫と収納庫を設置しておく理由がない…そう判断したためです。
車中泊やキャンプで『冷蔵』が必要な際には、昔ながらのクーラーボックス+冷凍保冷剤で十分だし、車内に固定されていないので移動が自由だし、不要な時には自宅に持ち帰ることができるのでクーラーボックスで十分事足りるんです。
この収納庫の幅が25cmほどあるので、撤去することで車内幅が25cm拡がるということなんです。
すると、こうなります。

幅65cmのWAQのインフレータマットを2枚横並びで置けます。
写真の手前左端で、元のベッドスペースよりマットがはみ出しているのがわかります。
棚を撤去したことでむき出しになる鉄板はクッションでガードしています(冬場はこれでは冷気を防ぎきれませんので何らかの対策が必要になると思いますが今はこれで十分です)。

スライドドアから撮影するとこんな感じ。
緑丸の部分に収納庫があったのですが、もともと冷蔵庫が収まっていただけなので収納庫を撤去しても車内の「収納力」は変わりません。なくなってすっきり広々車内…となります。
夫婦で並んで仮眠しましたが、もちろんスペース的にも十分です。
幅は一人分65cmで十分ですし、長さも190cmあるので自分でも20cmちかい余裕がありますし、奥さんはもっとです。

ただし、この幅65cmというのは2枚を繋げるためのホックが付いたビラビラを入れての話しなので実質的なマット幅は60cm弱です。2枚前の写真でベッドボード(110cm)よりマットがはみ出していますが、20cmも出ていないのが分かると思います(60cmx2で10cmはみ出します)。

最初の画像で10cmはみ出す部分は身体を支えてくれないのでは?と思うかもしれませんが、2ndシート(REVOシート)は120cm幅あるので身体が落ちてしまうことはありません。
写真の下部で、2ndシートとマットの幅がほど同等なことがわかると思います。
使わない冷蔵庫にスペースを無駄遣いさせておかないで撤去してしまって正解…って思っています。
タウンエースバンの狭い車内を有効に活用できるようになって良かったと思います。
実際にWAQ8cmマットを使った印象は
今回は、伊豆のバラ園での秋バラ鑑賞に出かけたのですが、朝の渋滞を嫌って前日夜に現地近く(伊東)まで移動、仮眠のための車中泊でWAQマットを使ってみました。
自宅を出発する際にバルブを開いて広げた状態で移動したので、伊東に着いた頃には十分膨らんでいて、到着後に待たずに横になることができました。
初めて使ってみた印象は、Amazonの製品説明に「軟らかめ」とありましたが、決してふわふわということはなく、しっかり体重を受け止めてくれますし、自然に膨らんだとは思えない弾力(押し返し)もあるので、あまり「軟らかめ」は意識しない方がよいかもしれません。
また、マットの表皮はあまり感触が良いとは言えないので、大きめのタオル地のシーツ的なものがあるとさらに安眠できるのではないかと思いました。
撤収時もただ端から丸めていって空気を抜くだけなので作業としては難しくありません。
空気を抜きながら丸めるにはある程度の力が必要ですが、体重をかけて押しつぶすように抜くと比較的楽に空気をぬくことができ、最後まで丸めたらバルブを閉めることで空気が逆流することはなく、付属のゴムバンドで止めておけば「円柱」状にまとまった形を維持します。
収納は、横幅60cm+ビラビラの22~23φの円柱状になり、しかも円柱状なので上に積むことができないのである程度のスペースを占有されます。
我が家のアルトピアーノのような小さい室内ではかなり邪魔ですが、クルマを使わず持ち運ぶのはかなり邪魔くさいのではないかと思います。
実際の寝心地はどうなの?
Amazonの商品紹介に「軟らかめ」と記載されていたので底づきが心配でしたが、実際に寝てみると、横向きでも肩や尻が底づきすることなく、クッションが効いた状態で寝られました。
ただし、強制的に空気を送り込んでパンパンにしているわけではないので、脚やヒザで立つと底づきしてまうのは致し方ないのかもしれません。WAQのメリットは放っておけば膨らむ「手軽さ」ではないかと思います。
銀マットと組み合わせれば冬季でもベッド面の冷たさが伝わらずにねられるのではないかと思います。
今回は、7000円以内で買える激安8cm厚インフレータマット7選でした。
実際に使用してみたところ、8cmの厚さがあればまず「底づき」することはなく、床やベッドの冷たさも遮断してくれました。さらに寒くなればキャンプマットとの併用でさらに防寒性はアップするものと思います。
車中泊用にインフレーターマット、おすすめです。
それでは今日はこの辺で。