夏の車中泊はなかなかハードルが高いです。1つには「暑さとの戦い」があり、もう1つは「虫との戦い」です。今回は「虫に邪魔されない快適車中泊アイテム」を探しました。
車中泊を脅かす虫と言えばまず「蚊」です。自分は「蚊」が大嫌いで就寝中に耳元で羽音を聞いてしまうと退治するまで眠れなくなります(笑)。また、「虻(あぶ)」や「蚋(ぶよ)」もアウトドアの大敵。あとは名も知れぬ「羽虫」。別に刺されたりしないけどやっぱりいると気になるので、車内には入れたくありませんよね。あと意外に困るのが「這う虫」たちです^^;
アルトピアーノを購入して4回目の夏です。
毎年、「虫対策」をしながら夏の車中泊をしていますが、『涼しい高原のキャンプ場に行くと虫が多く、しかも強い』というジレンマに悩まされています。
そこで今回は、まだ自分では導入していないアイテムも含めて、夏の車中泊を快適に過ごすための「虫対策グッズ&アイテム」を探してみようと思います。
虫対策というと、誰しも思いつくのが「網戸」などの虫の侵入を防ぐ系と、「むしこなーず」や「皿テクと」などの虫除け系、さらに薬剤を使用する殺虫系でしょう。
車内への虫の侵入を防ぐ系のアイテム
上記に挙げた「系」の中で最も自然や環境にインパクトが少ないのは「虫の侵入を防止する系アイテム」です。
リアハッチ用防虫ネット
まず何よりは虫の車内への侵入を阻止する方法として、ネットや網戸を活用したいところです。
リアハッチを全開にしても全面をネットで覆って虫の侵入を防止しよう…というアイテムです。
筆者が使っている製品は、中央部のジッパーが開くのでリアからの乗り降りも可能ですし、荷物の出し入れも問題ありません。
外から見ると真っ暗に見えますが、実は車内から外を見るとこんな感じで、あまり閉鎖感はありません。
就寝時などはリアハッチをステーなどで人がすり抜けられない開口幅で固定しておけば安全面も担保できます。
リアハッチ用防虫ネットのメリット・デメリット
【メリット】
- 虫の侵入は大幅に減る
- リアハッチを全開にできる(ステーを使えば半開きにもできる)(※1)
- 外からは暗く見えにくく、中からの視認性は良好
- 畳むと(思っていた以上に)コンパクトになる
【デメリット】
- 密着するわけではないので虫の侵入を完全には止められない(※2)
- 風を通しにくいので暑い(※3)
リアハッチを任意の位置に止める(※1)
リアハッチのネットは、リアハッチを任意の位置で止めるステーとセットで使っています。
リアハッチステーは多くの方が自作していますが、自分はたまたまコーナンで見つけたこの市販品を使用しています。片方のフック部分がくるくる回って角度が自由にできるので使いやすいです。
短いサイズは就寝時にリアハッチを薄めに開けておくのにちょうど良いので重宝しています。
密着していないので虫の侵入を完全には止められない(※2)
ネット自体も車体と密着しているわけではないですし、リアハッチのステーの部分はどうしてもすき間が空いてしまうため、特に「這う虫」の侵入は弱点と言えます。
「蚊」「蠅」「虻」など飛ぶ虫の侵入には強いですが、ネットが車体に密着していないので「げじげじ」「ムカデ」とか「蟻」など這う・歩く虫は時々侵入してしまいます。
一度、山間部のキャンプ場での車中泊時「ムカデ」に侵入されたのにはビビりました。必ずしもリアハッチからの侵入ではないかもしれませんが、スライドドア部の網戸も密着していないのは同様なので、やはり「這う虫」には弱いと言わざるを得ません。
風を通しにくいので暑い(※3)
風を通しにくいのは自宅の網戸も一緒で、このネットも車内の空気が滞りやすい点はデメリットです。特にアルトピアーノのようなリア側にハッチ以外の開口部(窓)がない場合には特にその傾向が強いかもしれません。何らかの空気を動かす手段を講じないと就寝時は寝苦しさを感じます。
車内の暑さ対策にはまた別の対応が必要です。
今夏は自作の「気化熱クーラー」を使うべく、目下、施策を重ねている状態です。そのことはまた別途記事でお伝えしてゆきます(随時更新)。
スライドドア用網戸
バンコンの多くはラゲッジルームの開口部は、リアハッチ以外ではスライドドア部の窓だけですので、換気や車内温度のコントロールを考えればスライドドア窓を閉めきり…というわけにはゆきません。
必然的に夏場にはスライドドア窓用の網戸が必要になります。
画像は、アルトピアーノを購入する際にディーラーでサービスして貰って「スライドドア用網戸」です。両側分で2枚貰いましたが、片側は排気ファンがあるので装着できませんので片側だけの使用です。
が、こちらもリアハッチのネットと同様に密着性が悪いため、「這う虫」にはかなり弱いです。
網戸をつけたいということであれば、YOUTUBEに「これ良さげ」と思った動画があったのでご紹介しておきます。ミルトンさんという方のDIY動画です。
密着性のよい自作網戸を作れば「這う虫」にも強くなりそうです。
こちらの動画では、蚊よりも小さな吸血性の虫も通さない目の細かな網戸を作っていますので参考になります。100均アイテムでできるのもいいですよね。
虫を近づけないアイテム
効き目についてはちょっと「どうなのかな?」と感じる部分もありますが、数多くのぶら下げタイプの「むしこなーず」的な虫除け製品がドラッグストア店頭に並んでいますし、身体に塗って虫を寄せ付けない系のアイテムなど、色々選択肢があります。
※「むしこなーず」的なものは皆さんよくご存じかと思いますので、ここではあえて説明は省きます。リアハッチなどにぶら下げておくと効果が期待できるかもしれません。
ハーブを使って網戸の効果をアップする
虫(特に蚊)はハーブが嫌いです。
我が家の庭にミントやローズマリー、レモンバームなどのハーブを鉢植えで育て始めたところ、庭で蚊に食われることがかなり減ったことから、車中泊の際にも活用しています。
家内にハーブを使った「蚊よけスプレー(チンキ)」を作ってもらい、リアハッチネットやサイドドア網戸に吹きかけておきます。
このハーブの忌避効果は「這う虫」にも有効なので、虫自体が近づかなくなりネットや網戸をより効果的にしてくれます。
市販品もあるようですが、直接呼気で吸い込む可能性もあるのでできれば自作した方が安心です。
チンキを作るのはさして難しい作業ではありませんが、それでも面倒な場合は手で葉を揉んで足や腕に香りをつけるだけで断然効果があります。
蚊連草やゼラニウムなどの鉢植え
車中泊やキャンプに行く際に、「蚊連草」や「ゼラニウム」の鉢植えを持参する…というのはどうでしょう。
左右のスライドドアに1鉢ずつ、リアハッチ左右に1鉢ずつ置いたら忌避効果があるかもしれません。
蚊連草の香りは、人間が出す二酸化炭素の匂いを消す効果で蚊が寄ってこなくなるそうです(ということはたまたま近所にいた蚊は撃退できないことになるのかな?)。
蚊連草ウオーターって作ったら効果あるんでしょうか。
ゼラニウムは様々な色があるので単に庭で愛でる花としても楽しめますし、挿し木で簡単に増やせるので、庭で育てておいて車中泊の際に4~5鉢持参してクルマの周囲に置き、さらにハーブスプレーも併用すれば、化学物質に頼らない虫の忌避ができるのではないか…と期待できます。
この方法はまだ試したことがないのですが、今年やってみようと思っている対策の1つです。あまり大きく育ってしまった鉢植えは持ち運びに不便なので、挿し木で増やしてコンパクトなサイズを持ってゆければ…と思っていますが、そううまいこと運ぶかは不明です。
おにやんま
こちらも今年から試そうと思っている「おにやんま」くんです。
昨年は「トンボのおもちゃで虫除け?効果あるの?」なんて思っていたんですが、調べると、少なくとも「虻」や「蚋」には一定の効果があるようなので、今年は採用してみようか…と思っています。
「蚊」に対しては、効果ありとする意見もありますが、「効果なし」とする意見もあって、その辺りを確かめるためにも今年は何匹か購入してみようと思います。
同じリアハッチにぶら下がっているなら、薬剤の染み込んだ「こなーず」的なものより、おにやんまの方がナチュラルだし、安全そうだし、もし効果があったらなんだか楽しいですね。
それに、ゼラニウムの鉢植えより遥かに現実的な対策と言えます。
虫除けスプレー
いわゆるサラテクト的な人の肌に塗布するようなアイテムです。我が家にもスプレーと貼るパッチのような製品がありました。さらにミサンガ状のものや、塗布クリーム的なものもあります。
これまでの経験上、効果は確かにあって塗布して庭仕事をしていても蚊に食われることは滅多にありませんが、これらの製品の難点は「ベタつき」です。
画像のスプレーには「パウダー入り」とあってサラサラ感はありますが、そのまま就寝する気にはなれません。やはりベタつきはありますし、時間が経てば経つほどパウダー効果薄れて、ベタベタした感じが強まります。
しかも天然成分ではないこともあって、あまり積極的には使いたくない意識があります。例えばベタつきを水で地面に流したとして、自然への影響はどうなんだろう…なんてちょっと気になりますから。
シャワーできない際などにおすすめなのが電子レンジで作る「熱いおしぼり」です。身体全体を拭うことで汗や虫よけスプレーをふき取ってさっぱりしますし、蚊の誘因も若干抑えられる印象です。
殺虫剤
最後は殺虫剤に頼らざるを得ない…なんて場面もあります。
冒頭にも書きましたが、自分は蚊の羽音が何よりキライで気になります。就寝時に「ぷ~~~ん」なんて音が聞こえたら、もう眠れません。起きて灯りをつけて蚊を退治するまで安心できません。
でも、そういう時の蚊ってなかなか見つからないもの。
そういう場合には最終手段として殺虫剤を使用することになります。
筆者がここ数年ずっと愛用しているのがこちら「どこでもベープ未来」。
腕時計より少し厚みがある程度の小さなボディに、専用の殺虫シートを装着、乾電池(単4×2)でファン(黄色い部分)を回して薬剤を拡散する…という製品です。
乾電池で動くので電源が要らないこと、小さいのに効果ははっきりしていて狭い車内ならものの数分で蚊を退治できます。少し匂いがするので、ずっとつけ放しにせずに「スィッチを切る」ことを忘れないのもメリットだと思います(ずっとつけ放しで眠ってしまうのは避けたいので)。
ちなみに、よく電気製品におまけで付いてくる電池パックを取っておいて使っています。電池容量が小さいので電気製品に使ってもすぐになくなってしまいますが、蚊取り器程度ならかなり長時間使えます。それにラミネートされているので保存しやすいのも〇です。
こちらはワンプッシュしておくだけで持続的に蚊を退治してくれる殺虫剤で、自宅で時々使用していますが効果はかなり高いです。蚊だけでなく他の虫も殺虫します。
車中泊の際にも効果的だとは思いますが、もともと広い自宅の部屋用なのでバンコンやキャンピングカーで使用するには効果が強すぎるのでは?と感じます。
外遊びをしている間にワンプッシュしておいて、就寝前に換気をする…といった、少し手間をかけた方が良いかもしれません。自分は車内ではほとんど使いません(自宅内では効果的)。
こちらは昔ながらの「蚊取り線香」です。
これまで蚊取り線香を使う際には車外に置くようにしていたのですが、今回本稿を書くにあたってちょっと調べてみたところ、蚊取り線香の殺虫成分よりは「タール」がちょっと問題なことがわかりました。
蚊取り線香の殺虫成分は「ピレスロイド」です。この「ピレスロイド」は、昆虫や甲殻類、魚類、爬虫類、両性類などには有効ですが、人間を含む哺乳類にはほとんど影響がないそうですので、殺虫成分は蚊取り線香を車内で使わない理由ではありません。
それよりも「タール」が問題だそうです。蚊取り線香を立てておくスタンドに黒い油のようなものが付いているのを見たことがあると思いますが、あれです。「タール」と言えばタバコ害が有名ですが、蚊取り線香も燃える際にタールが僅かながら発生します。車内で締め切った状態での蚊取り線香の使用は避けた方がよいそうです。
というか、車内で蚊取り線香を燃やすと煙いだけでなく、車内に独特の匂いが染みついてしまうので、ちょっと車内では使いたくないですけれど。
車中泊時の虫対策まとめ
今年の車中泊時には以下の方法で虫対策してみようと思っています。
【基本の対策】
- 防虫ネット&スライドドア網戸で侵入を阻止する
- ハーブウオーターでネット&網戸の忌避効果アップ
- 「おにやんま」設置でさらに忌避効果アップ?
【追加対策】
- 「どこでもベープ」を短時間使用
- 車外でBBQ等する場合は蚊取り線香を使用する
ただし、キャンプなど自然の中ではできるだけ人工的なものは使いたくないので最後の手段です。
できれば【基本対策】までで対処できるのが理想です。自分自身の身体や環境にも影響がほとんどない対処方法ですし、繰り返し使えるアイテムと、自家製ハーブウオーターの組み合わせはかなりのエコです。
車内に虫が侵入してしまった場合にはやむを得ず薬剤を使う方法で対処しますが、任意にスイッチOFFできる製品なので、できるだけ短時間の使用で済ませたいと思います。
社外の場合は蚊取り線香で問題ないと思います。
できるだけ「虫除けスプレー」と「ワンプッシュ」は使いたくないと思っています。前者は身体のベタつきが嫌だから、後者は車内で使うには効果が強すぎるキライがあるためです。
今回は車中泊時の「虫対策」を考えました。
虫がまったくいない自然なんてかえって気味が悪いですが、かといって、虫だらけ…というのでも困ります。虫たちや環境にあまりインパクトを与えない範囲で適度な距離を保てるのが一番で、できるだけ化学薬品的な対処はしたくないので、何とか「基本対策」で効果があると良いのですけれど。
では今日はこの辺で。