我が家では、災害発生時の自主的な避難場所としてキャンピングカーを想定しています。小さいながらもキャンパー・アルトピアーノを災害発生時に活用できるように備えておきたいと考えています。

大規模災害発生時にキャンピングカーを自主避難場所にするのは理に適っています。「車中泊避難」は、手足を伸ばして横になれて寝返りも可能なことから「エコノミークラス症候群」の防止になりますし、飲料・食料の備蓄場所としても有効と考えています。
地震や自然災害などの大規模災害発生時には避難所生活を余儀なくされます。しかし、昨今ではコロナ禍の影響から避難所でもディスタンスを取る必要があり、その分、収容できる人数が減っているそうです。
また、人との接触や常に人の目がある状況がストレスとなることもあり得るので、家族だけになれるキャンピングカーを非常時の自主避難場所として想定しておくことは無駄ではないと考えています。
それにキャンピングカーに車中泊避難できれば、避難所の自分たちの分のスペースを空けることができ、その分だけ僅かながら避難できる人を増やすことができます。
キャンピングカーを自主避難場所にするメリット
車中泊避難には以下のようなメリットが考えられます。
これまでの大地震や大規模災害時でも、乗用車での車中泊避難をする方は少なくありませんが、報道などでも時々乗用車の車中泊避難によって「エコノミークラス症候群」を発症した事例などが報告されています。
長時間同じ姿勢で過ごすと血管内に血栓ができやすくなり、それが心臓や脳に飛んで重大な症状に至ってしまう「エコノミークラス症候群」は、車中泊避難の大敵です。
せっかく、手足を伸ばしてゆっくり就寝できる設備のあるキャンピングカーを持っているのだから、最低限の飲料・食料や寝具・衣類などを備えておくことで、「エコノミークラス症候群」のリスクの少ない避難生活が可能です。
キャンピングカーは就寝定員分の避難場所になり得る

キャンピングカーには、その車ごとの「就寝定員」分の就寝設備があります。それは、言い換えれば「就寝定員」の人数がキャンピングカー車内で避難生活ができることになります(就寝定員は乗車定員ではありません)。
乗車定員は法律で定められた人数しか乗車して走行することはできませんが、就寝定員は目安に過ぎません。メーカーが言う就寝定員よりも多くの人数が寝泊まりしても特に触れる法律はなく、単に「快適に寝られるであろう人数」です。
もし車内に、就寝定員分の寝具が備わっていれば、快適に寝られるであろう人数が避難生活を送れる人数になるというわけです。
就寝定員は車種によってさまざまで、我が家のアルトピアーノのような小型のバンコンでは大人2名就寝がやっとというケースもあれば、ハイルーフやポップアップルーフを利用した2段ベッドが可能であれば就寝定員は増やすことができます。
大型のキャブコンなどでは、ベッド展開できるソファーだけでなく、専用のベッドルームや、バンクベッドなどで、大人6~7名が余裕をもって就寝できますし、さらに大きなバスコンなどではもっと大人数の就寝が可能な車種もあります。
特に車中泊避難を想定しなくても、レジャーとしてのキャンプや車中泊でも、キャンピングカーに寝泊まりできるのは就寝定員であることは同じですので、車種選びは、何人で利用するのかが重要です。

手足を伸ばせるベッドで寝ていればエコノミー症候群を予防できるとは限りません。平らな処に寝ていても同じ姿勢を長時間続ければ血栓ができるリスクはあるそうです。ただ、平らなベッドであれば、クルマのシートにすっぽりはまって眠るよりも、寝返りや体を動かすことができるため、エコノミークラス症候群のリスク低減に繋がります。
プライバシーを守りやすく「密」「接触」を少なくできる
キャンピングカーでの車中泊避難は、手足を伸ばして眠ることができ、姿勢を変えやすいことから「エコノミークラス症候群」を回避できる点が多きなメリットですが、その他にも、「プライバシー」や「密」「接触」等の観点からも期待できそうです。
キャンプや車中泊の就寝時に使用するカーテンや遮光パネルなどが、外部からの視線を遮ってプライバシーを確保できるはずです。
自分や家族が車中泊避難をすることで、避難所の自分たちのぶんのスペースを空けることにもなり、それは、収容できる人数やディスタンスの面でもプラスに作用するはずです。
災害発生を想定した我が家の自主避難準備・備蓄事例
アルトピアーノ購入から来春(2024年)で5年目を迎えます。
この間、災害発生時の避難場所としての準備や備蓄を如何に効率よく準備しておくか…とを考えてきました。限りある車内ですし、普段の足として買い物や送迎、レジャーにも使用するので避難時のことだけを考えて何でもかんでも積み込んでおくわけにはゆきません。
以下は、この2年半で試行錯誤しながら至った、現時点での我が家の避難準備と備蓄状況です。
寝具も就寝人数分用意しておく~季節によって入れ替える

就寝定員の人数で車中泊避難をする場合、寝具も人数分の用意が必要です。
基本は「寝袋各自1個」で、暑い夏場には寝袋を使わずに過ごすタオルケットなどがよいかもしれませんし、寒い時期にはベッドマットや毛布など、寝袋に暖かさをプラスする寝具が必要です。
キャンピングカーの車内温度は、冷暖房をしなければ外気とほぼ同じです。
避難生活の場合には「この日まで」という終わりが決まっていないため、冷暖房や電気毛布などをレジャーの車中泊と同様に使用するわけにはゆきません。そんなことをすればたちまち電力が底をついて、車中泊避難をより困難なものにしてしまいます。
できるだけ電力を失わずに快適に就寝できる準備を考えておく必要があります。
我が家のレジャーでの車中泊では、最悪の場合のために電気毛布を用意しておきますが、避難生活では電気毛布を使わずに寒さを凌げる用意が必要と考えています。
衣類・リネン
小型キャンパーに何でもかんでも積み込んでおくことはできないので、衣類やリネン関係はどうしても最小限になりがちです。
下着上下1~2組とタオルと歯磨きセット、予備のティッシュ程度ですので、我が家では、キャンパー車内とは別に、自宅に非常持ち出し用のバッグを1つ用意して置き、この中に衣類やリネン、その他雑貨類をまとめています。家屋が倒壊してしまわない限り、このバッグを持ち出せば車内の備蓄よりも避難生活が楽になるはずです。
飲料水・食料品は夫婦二人最低3日分を備蓄
大地震や大規模災害が発生してから、被災地に行政の救援の手が届くのに3日かかると言われます。つまり、発生から最初の3日間は「自力」で生き延びなければならないということです。
これを「自助」といいます。
自分自身と最低限家族の安全と生存を自力で維持できなければ生き延びられないということです。
続いて地域の知人・友人が助け合う「共助」があって、最低3日かかってやっと「公助」としての救援の手が届く…といった具合です。
その辺のことは、内閣府災害担当からも情報が発信されています。
寝る場所の確保と同じぐらい重要なのが、飲料水と食料の確保です。
公助の手が届くまでの期間、最低3日間を自力で生き延びるための飲料水は1人3リットル/日が推奨されていますので、3日間で1人9リットル、2人分で18リットルということになります。
食料は、できれば1人3食/日×3日分を確保しなければなりません。
小型キャンパーに理想の飲料食料備蓄をするのは難しい

実際問題として、狭いキャンピングカー車内に3日分27リットルを確保しておくのは難しいですし、食料も18食分を車内に備蓄しておくのは難しい現実があります。
現実問題としてアルトピアーノ車内にギリギリ備蓄して置ける分量として以下を備蓄しています。
という自主ルールを定めて、これだけは常に確保しておくようにしています。
災害発生時に、車内の備蓄しか利用できない状況はかなり大規模な災害で、建物が倒壊していることを意味しますが、建物に立ち入れるのであれば、自宅内の備蓄を併せて利用できるので、その分は余裕となると考えています。
車内に備蓄している飲料水(ペッボトル)は、日ごろの車内飲食時などでお茶やコーヒーを淹れて消費~新しいものを補充することでローリングストックにしています。
飲料・食料は半年ごとに入れ替えてローリングストック

現在の備蓄食料はご覧の通りです(夫婦2人を想定しています)。
- ご飯パック6食
- 袋ラーメン4食
- 無洗米1.5合(二人分)×3回
- レトルトカレー6食
- 鯖缶2個、シーチキン2缶
(1)~(3)で主食系炭水化物が16食分になります。夫婦1人に8食ぶんずつです。
(4)カレー6食でパックごはん6食を食べる想定です。夫婦1人に3食ぶんずつです。
(5)の缶詰でたんぱく質を補充と共に、無洗米を炊飯した際のおかずにもなります。
実はこの構成では「おかず」が少し足りないのですが、場所を取らない個食のふりかけをいくつか入れてあるので、炭水化物だけになってしまいますが何とか食いつなごうという算段です。

小さなクーラーにストックしていますが、もう少しスペースがあるので薄型の缶詰を増やすとともに、「魚肉ソーセージ」などを加えようと思っています。

車内にはストックできませんが、自宅内にはカレーの缶詰を大量にストックしています。夫婦ともカレー好きなのでカレーさえあれば何とかなる的な安易な考えですが、緊急時にこそ好きなものを食べられれば活力も湧くのかなあと思っています。
食品については、消費期限が6か月以上のものをストックしておくようにし半年ごとの入替え作業が恒例になっています。ストック食料は半年ごとに、期限が近いものやすでに期限が過ぎているものは自宅で食べて、新しいストックに入替えを行うことでこちらもローリングストックとして期限を切らさないようにしています。
食料備蓄に乾麺やカップ焼きそばはNG
自分のカップ焼きそば(ペヤング)好きはこのブログで再三書いていますが、防災備蓄としては不向きと考えています。なぜなら、カップ焼きそばや、乾麺は貴重な水をゆで汁として捨てることになるためです。
同じ理由でカップ焼きそばも保存食料には向かないと考えています。
それだったら、同じ水でご飯を炊いた方が蒸発する分は除いても、米が吸った水分を摂取することができるぶん貴重な水を無駄にしにくいと思います。
また袋麺も、チキンラーメンのようなお湯を注ぐだけで食べられる製品がよいかもしれません。
調理器具・食器・カトラリー

日常での使用の際には、湯沸かしや調理は、電気ケトルや電子レンジなどの家電製品を、ポータブル電源からの給電で使っていますが、避難時にも基本は同じと考えています。
避難場所は、それ専用の施設ではないので、必ずしも火を起こして煮炊きができるわけではないと思うので、車内で完結できる煮炊きを想定しておくべきだと思います。
我が家のポータブル電源『EFDELTA』は1260Whの容量があり、併せて110Wのソーラーパネルも常載していますので、使った分すべて…は無理としても電力を補いながら数日間は過ごせると踏んでいます。
ただ、もし屋外で炎を使える状況にあれば対応できるよう、メスティンを中心に煮炊きできる道具や、食器やカトラリーを備ています(これらは通常のキャンプ兼用です)。
電源確保と電力自給
非常時には電源の確保も重要な問題です。というか現代においては電力確保は必須です。
電力の使途として考えられるのは…
これらの用途に電気を消費すれば、どんなに節約しても最低でも1日300~500Wh程度の電力は使ってしまうはずです。500W/日と考えると、3日で1,500Wh、1週間3,500Whの電力が必要です。
2023年11月現在、我が家には4台のポータブル電源があり、合計容量は3,032Whです。おそらく節約しながら使えば4~5日は持たせられる電力量だと思いますし、車内には1,260WHのサブバッテリーもあるので併せれば4,292Whになり1週間は大丈夫ではないかと踏んでいます。
ただし電源の容量は最大でも80%程度に抑えているので、ふいの停電時に確保できるのはそこまで多くないかもしれません。最大80%と見ても3,433Wh、夜間など電力を使った状態で異常が起これば、60%として2,500Wh程度しか確保できない可能性もあります。


非常時には「電力の自給」も大事ですが、現在ソーラーパネルが5枚あって総出力は920Wになるので、フルに活用できれば600W(総出力の70%相当)程度は発電できるので、1日に使用する分は何とか発電・充電できるので、1週間を超えても何とかなるのかなと考えています。
しかし、梅雨の時期などで1週間まったく太陽が出ないなどが生じれば、その時に確保できた電力で救援の手が届くのを待たねばならず、「電力は大丈夫」と言い切れるほどの余裕はない状況です。
現状の電源の容量に加えて、ストック用として2,000Wh程度の電力を常に確保しておける電源を新たに購入したいと考えているのですが、非常用備品はなかなか手が出ないのが実情です。
いざとなれば自走して離脱可能な機動力
キャンピングカーでの車中泊避難のよいところは、突き詰めるところ、最後の最後は自走して離脱できる機動力にあるんじゃないか…と思うんです。
もちろん、道路が走行不能だったり規制されている場合や燃料切れでは無理ですが、手足を伸ばせる、プライバシー保護、飲食料の確保などの他のメリットとともに、「自走」という機動力は大きな魅力です。
災害発生直後にはやたら動くべきではないと思いますが、数日経過して状況がわかってきて別の場所へ移動した方がよいと判断した場合に、自走して移動することができるのと、できないのとでは大きな違いです。
その移動の際にも、移動先に宿泊場所を探して確保する必要がないことも、移動をしやすくする要因です。
小型キャンパーでは実現できないこと
キャンパーでの車中泊避難にメリットが多いことは分かりましたし、実際、我が家では災害発生を想定して寝具やリネン関係、飲食料品、煮炊きの道具や食器・カトラリーなどを備蓄していますが、限られたスペースのキャンピングカー車内での避難では困難なこと、叶わないこともあります。
特にアルトピアーノのような小型キャンパーは、スペースの問題もあって「できないこと」が意外に少なくありません。
トイレ問題
車内スペースに余裕がないのでトイレを置けないし、クローズのトイレスペースを作れないし、匂いや音の問題もあって、小型キャンパーにトイレはちょっと無理でしょう。
しかも、日ごろのキャンプ車中泊では、各所にトイレがあって切実に困らないのでまったく対策できていないこともあって、災害時でもトイレ問題は正直お手上げ状態です。

緊急用の「固める」系の携帯トイレは20回分積んでいるけど、これじゃ本質的には何も解決できそうもありません。
現状では避難所にお世話になるしかありません。
シャワー・風呂問題
トイレ問題ほど大きく深刻ではないけれど、夏場だとやはりシャワーや風呂の問題も無視できません。
しかし、トイレ問題と同じ理由で、小型キャンパーに身体を洗えるシャワー設備を付けるのは難しいです。
身体を拭くシートは用意しているし、レンチンで蒸しタオルを作って身体を拭うという方法もアリだと思うけれど、この問題も避難所頼みにならざるを得ません。
その他~洗濯・食器洗い・ゴミ問題
このほかにも、避難生活が長期化すれば、衣類の洗濯や、食器や調理器具の洗浄も自力で解決できない問題になりそうですし、さらに徐々に溜まってゆくゴミの問題も深刻化しそうです。
これらの事も含めて、避難所を利用する、つまり行政の支援を待つしかないのかもしれませんが、一人一人が負担量を減らさないといけないなあ…と思います。
できるだけゴミを出さない避難生活をするとか、食器を洗わずに済む方法で使うとか、どうすべきかを考えておくべきかと思います。
こうした問題もクリアしたいなら大型のキャブコン購入を
トイレもシャワーも付いていて、生活用水を大量にストックできる大型のキャンピングカーなら、こうした問題もクリアでる可能性があります。
大容量のバッテリーも搭載しているので、電力についても小型バンコンよりは余裕がありますし、ルーフに装備したソーラーパネルも大きく充分な発電量を得られそうです。
しかし、避難生活が長期化すれば、大型キャンパーであっても限界はありますし、いろいろなものが底をついてしまう点では同じです。
日ごろの使い勝手の良さや、手軽さを加味すると、必ずしも大型キャンパーが万能か…というと、そうでない部分もあるので、選択は難しいですね。
だとすれば、自分たちでできることは、行政の救援の手が届く3日目までを「自助」で乗り切れることを考えて備えておく…、そこに尽きるのではないかと思います。
今回は、キャンピングカーを自主避難場所として想定し、大地震や大災害発生時には車中泊避難について考えました。
これらについては、キャンパーの大きさに関わらず、車中泊避難のメリットです。
これらは、事前に準備をしておけば…という条件付きながら、キャンパー車内で避難生活を送るメリットです。
しかし、小型キャンパーでは敵わないこともあります。
これらの問題については対策するのは難しい面があることもまた事実です。
いずれにしても、大小に関わらずキャンピングカーを持っているなら、準備をしておくことで、いざという時に対処が可能です。
それでは今日はこの辺で。



