今回は、BLUETTI製の小型軽量の新型ポータブル電源をレビューします。
実は、最近気になっていたポータブル電源がありました。BLUETTIの「AORA 100 mini」です。
このポータブル電源は、
- 小型軽量
- 大容量(サイズの割に)
- 縦長フォルム
という特徴を持っており、軽自動車に車両を変更した筆者にとって、積載スペースも取り回しも限られる中で「小型軽量ながら十分な容量を持つポタ電」は気になる存在でした。
自室やキッチン、庭への持ち運び、あるいは軽自動車での携行など、日常のさまざまなシーンで気軽に使える一台になり得るのでは?と感じたことが興味のはじまりでした。
今回は、そんな「AORA 100 mini」を、BLUETTI社の厚意でデモ機を貸し出して頂いて、実機を使った上で、そのメリットやデメリットなども率直にレビューしたいと思います。
実は筆者は、同社のAC70をとても気に入って愛用しており、新型「AORA 100 mini」と「AC70」を対比させながらレビューしたいと思っています。
なお、レビューにおいては、良くも悪くも感じたままを率直に記しているのはいつも通りです。

ただしレビューにあたって、充電できました、出力できました等の当たり前のことは記しません。当たり前なことはスルーします。このレビューでは湯沸かしテストを中心に筆者が感じた特徴やメリット・デメリット、手持ち機器との比較など「あえて書くべきこと」を記すようにしています。
AORA 100 minの外観チェック


AORA 100 miniの外観で目を引くのは、なんといっても独特の縦長フォルムです。
このコンパクトなボディからは想像しにくい「1,004.8Wh」という充電容量を備えている点に、まずギャップ(良い意味で)を感じます。
フロントパネルは出力ポートが機能的にまとめられており、操作しやすい配置になっています。USB-Cが2口、USB-Aが1口といったところに時代の流れを感じます。
ボディカラーは2色展開で、今回のデモ機は「ミントグリーン」という明るいグリーン系のカラーでした。従来の黒く武骨なポタ電のイメージと比べると、おしゃれ感があり、部屋に置いても他の家具と違和感なく馴染みそうです。
出力コネクタは、AC出力×3口、USB-A×1口、USB-C×2口(出力違い)、DCシガーソケット×1口、DC5521×2口という構成です。


サイド部分は、右サイドにAC入力用コネクタを配置。左サイドには特にコネクタ類はなく、通風孔のみとなっています。


持ち手は、ボディ後方に固定ハンドルを1基搭載しています。ただ、正直に言うと、筆者はこのハンドルの位置があまり好きではありません。持ち上げた際にボディが斜めに傾いてしまうため、狙った場所に一発で置くことができないのです。置いてから位置を微調整する…というひと手間が毎回発生します。
実はこのハンドル位置はAC70でも同様です。AC70のレビュー時にも同じ点をマイナス評価として指摘しましたが、AORA 100 miniでもこの仕様は変わっていません(→「AC70実機レビュー」はこちら(別窓で開きます)。
ただ、構造上はメリットがあることは素人目にも確かです。別途取り付けのハンドルに比べ、一体型の固定ハンドルは頑丈で故障破損しにくいメリットがありそうです。その辺りを優先しているのかもしれません。
背面はすっきりとしていて、他に特筆すべき装備はありません。
AORA 100 minの基本スペック

| 項目 | AORA 100 mini | AORA 100 |
| バッテリー容量 | 1,004.8Wh | 1,152Wh |
| 定格出力 | 700W | 1,800W |
| 電力リフト(瞬間最大出力) | 1,400W | 2,700W |
| 重量 | 10.7kg | 約16.4kg |
| 本体サイズ・容積 | 約235×215×290mm 約14.65L | 約340×247×317mm 約26.62L |
| 設置面積 | 約505.25cm² | 約839.8cm² |
| UPS切替速度 | 10ms以下 | 20ms |
| 急速充電 | ? | 最大1,440W、 80%/45分 |
| バッテリー種類 | リン酸鉄リチウム(LFP) | リン酸鉄リチウム(LFP) |
| サイクル寿命 | 6,000回以上 | 3,500回(公式ショップ表記) |
| 保証期間 | 3年 | 5年 |
| 出力ポート数 | 9ポート AC×3、 USB-C 140W×1、 USB-C 65W×1、 USB-A 15W×1、 シガーソケット×1、 DC5521×2 | 11ポート AC×4、 USB-A×4、 USB-C 100W×1、 シガーソケット、 |
| ワイヤレス充電 | 非搭載 | Qiワイヤレス充電15W |
おなじ「AORA100」を名乗っていますが、サイズ感や大きく異なります。またスペックについては後発製品のアドバンテージもありそうです。
こうして基本スペックを見比べてみると、オリジナルのAORA100に対して、容量は約13%ダウンしているのに対し、出力は定格・電力リフトともに約半分まで下げている点が、AORA 100 miniの最大の特徴であり、軽量コンパクトとのトレードオフと言えます。
→「AORA100実機レビュー」はこちら

設置面積(置いた時に占有する面積)で見ると、約839.8cm²→約505.25cm²と、約40%も小さい面積で設置することができます。
この設置面積の小ささこそ、今回、筆者がAORA100miniに注目した最大の理由です。この設置面積の小ささは、室内はもちろん、狭い車内においてはかなり重要なスペックになり得ます。
また、重量でも約35%減となっており、「軽さ・コンパクトさ」を最優先した設計思想がスペック全体から読み取れそうです。
筆者は2023年の購入以来、同社の「AC70」をメインの一台として愛用してきましたが、「AORA 100 mini」で最初に興味を引かれたのは、そのサイズ感でした。
AC70(768Wh)に対し、AORA 100 miniは1,004.8Whと容量が約30%増えているにもかかわらず、本体サイズはむしろ縮小されているのです。
具体的には、AC70の本体サイズは314×210×256mm(約16.9L)、AORA 100 miniは235×215×290mm(約14.65L)。容積で比較すると、AORA 100 miniはAC70より約12.9%小さいという結果になります。
さらに興味深いのは、室内や車内に設置した際に占有する床面積(底面積)では約23%も小さく、容積以上の削減率になっています。この差を生んでいるのが、AORA 100 mini特有の「縦長デザイン」です。横幅を抑えて高さ方向にボリュームを持たせることで、床の占有面積を効率的に削減している——このアプローチこそが、筆者が最も興味を引かれたポイントでした。
AC70と比較~なぜAC70をメインで愛用してきたのか

なぜ、AORA100ではなく、AC70と比べるの?
実は筆者は、「AORA100」も所有しています。
しかし、どこへ持っていくにも、1stチョイスとして手が伸びるのは決まって「AC70」でした。正直、AORA100では大きすぎるし、重すぎると感じてしまうんです。
やはりアウトドアに連れ出す電源には「機動力」を期待します。機動力とは移動させやすく、気軽に手軽にヒョイと持って好きな場所へ移動できること…です。
その点でAC70は、出力・容量・サイズ・重量のバランスに秀でていて、どこへ持っていっても何をしても過不足なく期待に応えてくれる。それが、AC70を1stチョイスにしていた理由です。さらに価格もお手頃で購入しやすいのもメリットです。
| 項目 | AORA 100 mini | AC70 |
| バッテリー容量 | 1,004.8Wh | 768Wh |
| 定格出力 | 700W | 1,000W |
| 電力リフト(瞬間最大出力) | 1,400W | 2,000W |
| 重量 | 10.7kg | 約10.2kg |
| 本体サイズ・容積 | 約235×215×290mm 約14.65L | 約314×210×256mm 約16.9L |
| 設置面積 | 約505.25cm² | 約659.4cm² |
| UPS切替速度 | 10ms以下 | 20ms |
| バッテリー種類 | リン酸鉄リチウム(LFP) | リン酸鉄リチウム(LFP) |
| サイクル寿命 | 6,000回以上 | 3,000回 |
| 保証期間 | 3年 | 5年 |
| 出力ポート数 | 9ポート AC×3 USB-C 140W×1 USB-C 65W×1 USB-A 15W×1 シガーソケット×1 DC5521×2 | 7ポート AC×2 USB-A×2 USB-C 100W×2 シガーソケット |
スペックの比較表の中で、定格出力・充電容量の違い(逆転)以外にも特徴的な項目がいくつかあります。
- 重量
体積は13%少ないのに重量はほぼ同等 - 設置面積
AC70より24%少ない - サイクル寿命
3000回→6000回
つまり、コンパクトな筐体で背の高い特徴的なフォルムによって、設置面積を小さく室内・車内でのスペース効率が改善されている。ただし、出力は少ない反面、充電容量は増加しており、それが重量に現れているようです。サイクル寿命の伸長によって、長寿命な「リン酸鉄リチウム」がより長寿命化しています。
なぜAC70をメインで愛用してきたのか~ライトなチョイス
現在は、筆者は軽自動車に乗っていますが、前車はコンパクトなライトキャンパー(いわゆる車中泊仕様の商用バン)「アルトピアーノ」でした。
1~2泊程度のライトな車中泊に出かけることが多く、高出力・大容量の大型ポータブル電源は必要なく、それよりは、数値は控えめでも手軽に積み下ろしができる「AC70」の使い勝手が良かったのです。
他にも他社製品や、AORA100など大容量バッテリーも所有していますが、どれも大きすぎるし重すぎる。容量もそこまで必要ない…ということになると、決まって「AC70」出番…というわけです。
アルトピアーノには、電子レンジや電気ケトルも載せていましたが、大電流を使うキッチン家電でも使用時間が短いので、AC70の768Whという容量でも十分でした。他には、夏場は扇風機、冬場は電気毛布など、消費電力が大きくない電気製品を使う分には全く問題ありませんでした。
つまり必要な出力と容量のバランスがよく、サイズ的に機動性のあることがAC70のメリットと捉えてきた…ということになります。
そういう観点で「AC70」を1stチョイスとして選んできた筆者としては、出力を700Wに抑えつつ容量を増加させたAORA100miniをどう見るか…が焦点になります。

高出力・大容量のポタ電の方が高級機・高性能機で、どんな場面でも優位性が高いと思われがちですが自分はそうは思っていません。家に据え置きで使用する場合には高出力大容量のメリットが生きますが、アウトドアに持ち出す場合には「機動性」や「フレキシビリティ」も重要な要素です。重くて移動しずらく大柄で車内で場所を取り、設置場所も選ぶような大型電源はアウトドア向きとは言い難いと考えています。
行動予定に見合う容量と出力を確保した上でできるだけ小型で軽量であることが、筆者の考えるアウトドア向きのポタ電です。そういう観点だと「AC70」はまさに筆者にとってのベストチョイス…というわけです。
AORA100miniの出力700Wは後退なのか?~電力リフトが鍵
さて、そんな筆者が「AORA 100 mini」を見ると、どう感じるのか。
コンパクトさでは優秀で文句なしです。
筆者は、一定の容量と出力を確保した上で、できるだけ小型軽量であることが「是」と考えます。
そうした目でAORA100miniを見ると、出力・容量のバランスに注目する必要があります。
つまり、AC70との比較において、充電容量は768Wh→1,004.8Whに拡大しているものの、出力は1,000W→700Wと縮小している部分をどう捉えるか…ということです。
定格出力が1,000W→700Wに下がった点は、数値だけ見ればAC70から「後退」したと映ります。
ただ、実際のポータブル電源の使用は単に「数値の大きい方が勝ち」ではありません。また、その数値を常用するのか、一時的に使えればいいのか…によっても変わります。
そこで注目したいのが、BLUETTI独自の定電圧機能「電力リフト」です。これは、定格出力を上回る消費電力の家電を、定格出力の範囲で動作させる機能のことで、AORA 100 miniでは、700Wの定格出力に対して最大1400Wの消費電力まで定格出力内で動作させることが可能です。
例えば、消費電力800Wの電子レンジであっても「電力リフト(※)」を使えば、加熱時間が多少長くかかりますが、それでも700W以内の出力で動作させることができます。
ちなみに、家庭のコンセントは1500Wなので、1400Wまで対応ということは、家庭で使っている家電の多くが利用可能ということになります。ここは重要なポイントです。
では容量の消費についてはどうか。
消費電力800Wの家電を3分程度使用した場合、消費する電力量は「800W×(3分÷60分)=40Wh」に過ぎません。
※Whは1時間あたりの消費電力を基準にした単位のため、3分間は3/60として計算します。
(→「消費電力1000W以下の電子レンジ選び」はこちら 別窓で開きます)
同様に、消費電力1,000Wの電気ケトルで3分間お湯を沸かした場合も、消費電力量は「1,000W×(3分÷60分)=50Wh」程度です。
(→「消費電力1000W以下の電気ケトル選び」はこちら 別窓で開きます)
AORA 100 miniの1,004.8Whという容量からすれば、こうした短時間・高出力の使用であれば、十分に余裕を持って対応できる計算になります。
スマホの充電や扇風機、電気毛布などの使用であれば定格出力700Wは全く問題ありません。また、1000Wクラスの電子レンジや電気ケトルでも、筆者の感覚からすれば、頻繁に使用するのでない限り「電力リフト」の助けを借りることで充分に実用的と感じます。
次項では、アルトピアーノに実際に車載していた電子レンジ(800W)や電気ケトル(1000W)を使って、実際に大消費電力家電が使えるかどうかを検証します。
電力リフトとは?
「電力リフト」は、BLUETTI独自の定電圧制御機能で、定格出力を超える消費電力の家電製品を、一定の範囲内で動作させることができる機能です。
通常、ポータブル電源は「定格出力」を超える電力を要求する家電を接続すると、過負荷(オーバーロード)として出力が停止してしまいます。しかし電力リフトを使うと、出力電圧を一時的に引き上げることで、定格を上回る消費電力の家電でも動作させることが可能になります。AORA 100 miniの場合、定格出力700Wに対し、電力リフトを使うことで最大1,400Wまでの消費電力の家電に対応できます。
ただし、あくまで「動作させられる」という機能であり、加熱時間や動作速度が通常より長くかかる場合がある点には注意が必要です。それでも、「動かせないよりはるかにマシ」という実用性があり、特に災害時など、手持ちの家電を諦めずに使いたい場面で心強い機能と言えます。
→「電力リフト等の定電圧機能とは?(解説)」はこちら(別窓で開きます)
3機種を同じ条件下で湯沸かし実験
ここでは、山善製の電気ケトル(消費電力900W)を使って、以下の3つのポータブル電源から給電しながら『湯沸かし実験』を行います。
- AORA100
1800W/1150Wh - AC70
1000W/768Wh - AORA100mini
700W/1004.8Wh
実験の条件は以下の通りです。
- 水が沸騰するまでの時間を計測
- 水温は常温(27~28℃)
- 水量は200CC
- 消費した電力量(%)を見る
この実験で何が見たいのか…というと、電気ケトルの消費電力を通常出力で賄える「AC70(1000W)」と「AORA100(1800W)」に対して、『電力リフト』の助けを借りて、自身の定格出力以内で加熱する「AORA100mini(700W)」が
- 沸騰までに余計に時間がかかるのか
- 沸騰までで消費する電気量は増えるのか
という2点です。
あまりに多くの時間がかかるようでは、いくらエマージェンシー機能だとは言え現実的ではありませんし、あまりに余計な電気を消費してしまうのであれば、これまた現実的ではありません。
言い換えると、一方の結論としては、定格出力を700Wに落とした「AORA100mini」は、所詮AC70やAORA100と比較すべき存在ではなく、下位グレードのポタ電だということなのか…ということ。
もう一方では、定格出力を700Wに落としながらも、電力リフトの助けを借りつつ、余計な時間や電力消費がさほど大きな差でないなら、小型軽量化のメリットを活かせる実用的なポタ電と見ることができる…ということです。

なぜ湯沸かし実験?ということですが、電気ケトルでの湯沸かしでは到達点が「沸騰」というポイントに3機種同じに揃えることができるためです。電子レンジでは比較するタイミングを揃えることがむずかしいので採用していません。
※テストに使用している消費電力1000Wの電気ケトルは、山善電気ケトル「YKG-C800」です。
→「山善電気ケトルYKG-C800レビュー」はこちら(別窓で開きます)
AORA100(1800W/1152Wh)で湯沸かし

まず最初は、定格出力1800Wの「AORA100」で湯沸かし実験を行いました。定格出力的には必要十分以上で、もちろん「電力リフト」の力を借りる必要はまったくありません。「素」のまま加熱することが可能です。
実際に沸騰までの時間を計測した結果は以下です。

| 60℃到達(緑茶) | 59.96秒 |
| 90℃到達(コーヒー) | 1分31.85秒 |
| 100℃到達 | 2分21.29秒 |
| 消費電力量(※) | 3% 34.56Wh |
使用した電力量の推移は以下です。

※ただし、総容量1152Whを基準に、公式アプリに表示された残量(%)の減少分が何Whに相当するのか単純計算しただけですので、あくまで参考値としてご覧ください(残量を正確に測定していません)。
AC70(1000W/768Wh)で湯沸かし

次に、定格出力1000Wの「AC70」で湯沸かし実験を行いました。電気ケトルの消費電力とほぼ同等の定格出力を持っており、特に「電力リフト」を使わずとも湯沸かしが可能です。こちらも「素」のまま加熱することが可能です。
実際に沸騰までの時間を計測した結果は以下です。

| 60℃到達(緑茶) | 1分00.05秒 |
| 90℃到達(コーヒー) | 1分31.80秒 |
| 100℃到達 | 2分12.56秒 |
| 消費電力量(※) | 5% 38.4Wh |
AORA100と比べると、60℃到達は0.08秒遅いですがこれは誤差範囲でしょう。90℃到達はほぼ同等、100℃到達は7~8秒ですがAC70の方が早いという結果になりました。注目点は、コンマ何秒の差ではなく、消費電力ギリギリの定格出力1000WのAC70が、同1800Wで余裕のあるAORA100と同等の出力であることです。
使用した電力量の推移は以下です。

アプリの表示で見ると、AORA100の出力が959Wなのに対して、AC70は、定格出力上限ギリギリの986Wを出していました。
ただし、残量表示は5%減少で、充電容量から換算すると、38.4Whを消費した事になります。消費電力の量としてはAC70の方が4Wほど多く消費したことになります。
※ただし、総容量768Whを基準に、公式アプリに表示された残量(%)の減少分が何Whに相当するのか単純計算しただけですので、あくまで参考値としてご覧ください(残量を正確に測定していません)。
AORA100mini(700W/1004.8Wh)で湯沸かし

最後に注目の「AORA100mini」(定格出力700W)で湯沸かし実験を行いました。AORA100miniの定格出力は電気ケトルの消費電力1000Wに300Wほど足りません。そこを「電力リフト」機能の助けを借りて、どの程度の時間で湯沸かしが完了(沸騰)するのかが注目点です。
実際に沸騰までの時間を計測した結果は以下です。

| 60℃到達(緑茶) | 1分06.32秒 |
| 90℃到達(コーヒー) | 1分53.62秒 |
| 100℃到達 | 2分28.18秒 |
| 消費電力量(※) | 5% 38.4Wh |
さすがに、定格出力でケトルの消費電力を賄える「AORA100」「AC70」とは異なり、それぞれの温度までの到達時間や沸騰までの時間は少し長めの結果となりました。
一覧表にしてみます。
| AORA100 | AC70 | AORA100mini | |
| 60℃ | 59.96秒 | 1分00.05秒 | 1分06.32秒 |
| 90℃ | 1分31.85秒 | 1分31.80秒 | 1分53.62秒 |
| 100℃ | 2分21.29秒 | 2分12.56秒 | 2分28.18秒 |
いかがでしょう?
「AORA100mini」は、どの温度でも到達までは他の2機種より遅いのは確かです。でも思ったほどの差ではないと思いませんか?自分は意外に差がない事に驚きました。
もちろんわずか200CCの湯沸かしですから、もっと多い(例えば1Lとか)であればもっと明確な差がついたかもしれませんが、それにしても、200CCが沸騰するまでに約7秒~15秒程度の差しかない…というのは正直予想していませんでした。

こちらは、AORA100miniが消費した電力残量で、容量から換算すると、1004.8Wh中の2%=20.1Wしか使用していないことになります。
※もちろんこちらも、総容量を基準に公式アプリに表示された残量(%)の減少分が何Whに相当するのか単純計算しただけ数値ですので、実際の消費電力量ではありません。あくまで参考値です。
だとしても、筆者の予想では、出力が小さい分だけ沸騰までに相当時間がかかり、その分だけ電力を消費する…と考えていました。予想値として5~10%程度は消費するのだろう…と思っていたので、この結果もまた驚きでした。
ちなみに、電力リフトが作動して、1000Wの消費電力のケトルを「564W」で駆動して湯沸かししていることが分かります。AORA100やAC70は900W超の出力でしたので、その差400Wもあったのに、この時間差の少なさ、消費電力量の少なさにはかなり驚きました。
→「消費電力1000W以下の電気ケトル選び」はこちら (別窓で開きます)

ただしこの計測はアナログで公式アプリの表示とiPhoneのストップウォッチ機能に依存したもので、厳密なデータではありませんので念のため。
その上で感じたのは『700Wにダウンした出力の影響は意外なほど少ない』でした。
消費電力800Wの電子レンジももちろん正常動作

以前、アルトピアーノ車内で使用していた消費電力800Wの電子レンジは、何ら問題なく正常動作で温めが可能でした。

コーヒーカップに注いだ200CCの水を2分間加熱しましたが、途中でオーバーロードすることなく、加熱終了まで正常動作でした。加熱中の出力は、625~629Wあたりを維持していました。
→「消費電力1000W以下の電子レンジ選び」はこちら(別窓で開きます)
定格出力700W+電力リフト1400Wの筆者所感
テスト前は、定格出力700Wではちょっと役不足ではないか…と考えていました。多くのこれからポタ電購入を検討している方も同様だと思います。
が、テスト後の感想は違います。
現時点では「必要十分な出力とそれを補う電力リフトがグッドバランス」と評価します。
確かに、多くの家電製品が消費電力700W以上ですし、小さめのものでも1000Wは必要です。そういう意味では、スマホの充電や扇風機・電気毛布などの小さな電力で動作する製品にしか使い道がないと思われがちですが、実は、そこは実にうまく考えられていてバランスを取ったな…と感じます。
もちろん、1000W~1500Wの家電を常用するような使い方には向きませんが、車中泊で1~2回の電子レンジ利用や湯沸かしであれば十分に対応しますし、容量を大きく消費することもありません。また緊急時・災害時を勘案すれば、「電力リフト」がなく全く動作しない…というより、何とか動作させることが可能なのとでは雲泥の差です。
いざとなれば1400Wまでの家電を動作させることができる「余白」を持ちつつ、普段は700Wの定格出力内で活用する…そうした使い方において、AORA 100 miniは良い選択肢と言えそうです。

もし筆者宅にAC70とAORA100miniがあったとしたら、1~2泊の車中泊に出かける際に選ぶのは、AORA100miniになるのではないか…と思います。
なぜなら、筆者は車中泊の際に、700W超~1500Wの家電を多用することはなく、食事の際に電子レンジを数回動かし、コーヒーを淹れるための湯沸かしを数回する程度です。主な使途は、スマホやモバイルバッテリーの充電や、扇風機や電気毛布への給電に使用するはずです。また、狭い車内で省スペースな点を重視すれば、定格出力の不足は電力リフトで補いつつ、容量1000Whを確保できる「AORA1000mini」をチョイスするのではないか…と思う次第です。
AORA 100 miniのメリット・デメリットと余談
AORA 100 miniにはいくつかの明確なメリットを感じました。
- 小型軽量コンパクト
持って移動するという点で高い「機動性」を感じました - 設置面積の小ささ
室内・車内の限られたスペースを効率よく利用する点で、上方の空間を活用して(つまり縦長デザイン)設置面積を小さくしている - 充分な充電容量
コンパクトなのに容量1,000Whを確保している - 必要十分な定格出力+電力リフト
定格出力の不足は電力リフトでカバー(するような使い方が向いている) - USB-C×2口
iPhoneとAppleWatchで2系統のUSB-C充電が必要なので - 明るいボディカラー
ミントグリーンのボディは暗い車内でも見つけやすそうと感じました(家具とマッチするなって意見もあるようですが実用目線で…)
一方でデメリットと感じたこともありました。
- 定格出力700W
必要十分でグッドバランスといえど、やはり1000Wあると安心(ただしその場合コンパクトさに影響する可能性あり) - 保証期間3年
バッテリー寿命が6000サイクル(毎日フル充電でも16年超の寿命を誇るのに保証期間は他製品より短めの「3年」はちょっと気になる
デメリットと言えそうだけど、あながちそうも言いきれないこと…もありました。
- ポート数の減少
USB-Aが2口→1口、ワイヤレス充電が省略。しかし最も使用するであろうスマホ充電は今やUSB-Cが多数派だし、ワイヤレス充電は遅くて実用性に乏しいので大きなデメリットとは言えなそう - 持ち手の位置や固定ハンドル
本体が斜めに傾き、設置場所の修正が必要という点も、製品の耐久性やコスト面を考えればあながちマイナス要素ばかりではない
最後に「耐久性」に関しては、デモ機の貸し出しでは判断できない点も申し添えておきます。
【余談】筆者だけ?ソーラー充電時の充電量が多め


こちらは、ソーラー充電時の、APRA100miniと、他社ポタ電の入力値の違いです。
同じソーラーパネルからのケーブルを繋ぎ換えてみると、ポタ電によって充電量が異なる場合があります。このケースでは、AORA100miniが70Wで充電しているのに対して、他社製品では63Wとなっています。
実は、こうした現象はAORA100miniに限った事ではなく、AC70でも、AORA100でも、他のBLUETTI製ポータブル電源でも同様です。つまり、筆者の体感として「BLUETTI製ポータブル電源は充電効率が良い」という認識があります。
科学的な実証をしたわけではないので、あくまで余談であり「参考まで」に過ぎませんが、筆者が所有するポータブル電源の中ではBLUETTIのソーラー充電時の高率が良いと感じます。
使用しているソーラーパネルはBLUETTI製ではなく社外品で、複数のメーカーのパネルを使っても、BLUETTI製のポタ電に充電した際により多くの充電量が表示されるという体験を幾度となく経験しています。
本件についてBLUETTIに問い合わせてみましたが、特に特別なことはしていないし、他社製品のことは分からないので、回答のしようがない…というもので、わざわざ技術部門へ問い合わせてくれるなど、誠実な対応をしてくれたことを申し添えておきます。
定格出力700Wは絶妙~AORA 100 mini実機レビューまとめ
今回は、BLUETTI社の厚意により、気になっていた「AORA 100 mini」のデモ機を借りて実地に製品を使ってみることができ、このレビューを執筆しました。
実際使ってみて思うのは、使う前とは印象が全く違う…という点です。
それも良い方へ大きく違います。
もともと、見た目のトールスタイル(縦長デザイン)や、設置面積を稼げそう…という部分から気になっていたのですが、定格出力が700Wに落とされていることで、小電力向けのポタ電なんだろう…という印象を持っていました。
しかし、実際に使ってみると、意外に『定格出力700W+電力リフト1400W』は実用性があり、増加した容量1004.8Whを有効に生かせるうまくバランスを取った製品という印象に変わりました。
実際のところ、この製品が自宅にあれば、車中泊の際に連れ出すのは、長年愛用してきたAC70ではなく、このAORA100miniになるのではないかと思います。
もちろん、1000~1500Wの消費電力の家電を常用する前提で選ぶべきではありませんが、1~2泊の車中泊やキャンプにおいて、数回のキッチン家電(弟子レンジやケトル)利用なら十分に対応可能というエマージェンシー性を持ちつつ、通常はスマホやモバイルバッテリーの充電や、扇風機や電気毛布など省電力な電気製品への給電を得意とする小型軽量コンパクトなポータブル電源と言えます。
そうした使途において、AORA100miniは良い選択肢となり得ると実感しました。




