ポータブル電源・バッテリー

【実機レビュー】Bluetti AC60/B80~新世代小型ポータブル電源は質感大幅向上で大容量高出力を実現!

Bluetti AC60 リン酸鉄リチウムイオンバッテリー 新製品 ポータブル電源・バッテリー
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今回は、Bluettiから新発売となったコンパクトなポータブル電源「AC60」と、AC60に接続して容量を拡大できる拡張バッテリーである「B80」を実際に使用して感じた特徴やメリット・デメリットをレビューします。

KAZ
KAZ

今回、AC60/B80をレビューするにあたって、ブルーティパワーからテスト用のデモ機をお借りすることができましたので、実際のAC60/B80を使った上で特徴やメリット・デメリットなども忖度なしに感じたままをレビューさせていただきます。実機の提供に感謝します。

※本稿は広告リンクを掲載しています

現在筆者宅には、EcoFlow「EFDELTA」、「EB70S」「EB3A」のBluetti製品2台があり、新しいAC60/B80との比較や使い比べが楽しみです。

実際の使用状況は、EFDELTAは容量1260Wh、出力1600Wでほとんどの電気製品を出力不足を気にすることなく使用できますが、2020年6月から約2年使用してきたことから、最近は若干充電容量が減ってきたかな?ということで、普段使いせず災害時などの電力ストックに使っています。

EB3Aはよくできた電源ですが、容量が少ない(268Wh)なので家内の部屋でスマホやウォッチの充電用として使っています。

EB70Sは、容量716Wh、出力800Wが使い良く、自宅で節電対策(太陽光充電→スマホ充電や炊飯に使用)に毎日使用し、持ち運びも苦にならないサイズと重量なのでちょっとしたお出かけにも持ってゆく…という感じで現在はメインで使用している電源です。

充電は100Vコンセントからは一切行わず、100%アルトピアーノのルーフの200Wソーラーパネルからの太陽光発電で充電しています。

こうした環境下に「AC60/B80」を投入して、普段使っている電源との違いやメリット・デメリットなどを検証してゆこうと思います。公式WEBなどを読めばわかるような内容のレビューにはしませんので興味のある方はご覧ください。

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AC60・B80のおすすめポイント① 大幅な質感向上

宅配便で届いたAC60/B80を開梱してまず最初に感じたのは「質感」です。

我が家には「EB70S」「EB3A」の2台のBluetti製品がありますが、各機のレビューでも述べたように「質感」は正直、プラスティッキーであまり上質感を感じるものではありませんでした。ぶっちゃけ「チープ」です^^;

Bluettiの名誉のために言っておきますが、ポータブル電源の本質は容量や出力、各種端子、各種機能であって、見た目や操作感は二の次…、なのでBluetti製品が劣っているという意味ではありません。中身はかなり良い製品が多いと感じます。

もちろん、筐体を「コンコン」した際の音が安っぽい…などは電源の性能や機能には関係のない部分ですし、実際、筆者は「EB70S」「EB3A」いずれも気に入って使っていますし、特に「EB70S」はメイン電源として自宅内でもお出かけのお供としても1stチョイスです。

ところが今回のAC60/B80の質感は、過去のモデルを1ランクも2ランクも凌ぐ上質な質感を身に着けて登場してきました。

まず筐体の前後左右上面などを爪先で「コンコン」した際の音が全く違います。共振のない「コツコツ」した音や感触で、同じ樹脂製でもしっかりした厚みを感じる音です。実際に「AC60」と「EB3A」の筐体を「コンコン」した際の音はこちらです(注:音が出ます)。

動画だと大差ないように聞こえるかもしれませんが、実際に聞くともっと明確に違いがわかります。正直EB3Aはかなり安っぽい音がしています(肉厚が薄い感じ)。

KAZ
KAZ

車に制振材を貼る際に、コンコンして共振しやすい部分を探すじゃないですか。従来の電源は制振材を貼る部分、AC60は制振材を貼らなくてよいと判断する部分…というと分かりやすいですかね?逆に分かりにくくなったらすみません^^;

また新たに採用されたゴム系素材も質感アップに貢献しています。

AC60は質感が大幅に向上した

全体としてかなり「しっかり感」と「上質感」を感じさせる筐体を採用してきたな…という印象で、Bluettiがこの製品にかける意欲みたいなものを感じました。ゴム素材は背面やハンドルにも使われています。

スイッチ類も遊びのないミッチリした感覚

スイッチも防塵防水対策の副産物として、隙間(遊び)のないミッチリした感触でこちらも上質感を感じます。

AC60/B80の外観はこんな感じです。

【AC60の外観】

正面にはACコンセント×2、シガーソケット×1、USB-A×2、USB-C×1の出力端子と、電源・DC・ACのスイッチ、液晶パネルが配置されています。

左サイドには拡張バッテリーの接続端子が2つ。

右サイドには、AC100V、DC7909の入力端子、AC入力ヒューズ、アース端子が配置されています。

背面は大きめのライトとスイッチで、ライトの強弱と点滅、OFFをスイッチを押すごとに切り替えます。

【B80の外観】

正面には、シガーソケット、USB-A×1、USB-C×1の出力端子、電源スイッチと容量インジケーター、DC7909入力端子が配置されています。

左サイドには、AC60と拡張接続端子が1つ配置されています。

右サイド・背面には何もありません。

各面の樹脂にナナメにリブが入っているのも上質な印象ですが強度にも貢献しているのかもしれません。

AC60+B80のおすすめポイント② 基本性能・機能

メーカーEcoFlowBluettiBluettiBluetti
機種RIVER 2
MAX
AC60B80
拡張用
AC70
発売日2022/092023/052023/052023/10
通常価格64,900円89,800円89,800円84,800円
採用電池リン酸鉄リン酸鉄リン酸鉄リン酸鉄
充電サイクル3,0003,0003,0003,000
容量512Wh403Wh 806Wh768Wh
定格出力500W600W 1000W
最大出力1000W1200W 2000W
AC端子422
USB-A3212
USB-C1112
DC出力5521×2
シガーソケット1111
AC入力220W600W 850W
ソーラー入力220W/50V
XT-60
200W/28V
DC7909
200W/28V
DC7909
500W/12-58V
XT-60
USB入力100W
急速充電X-Streamデュアル急速
充電 600W
定電圧機能X-Boost
750W
電力リフト
1200W
電力リフト
2000W
拡張バッテリー
最大2015Wh

最大2816Wh
防塵防水機能IP65 IP65
スマホ操作
ワイヤレス充電
UPS30ms20ms20ms
静音45db45db
サイズmm269x259x196278x200x198290x205x234314×210×256
重量kg6.18.69.910.2kg
保証期間5年6年5年
容量単価126.8円/1Wh222.8円/1Wh111.4円/1Wh116.9円/1Wh
出力単価129.8円/1W149.7円/1W89.8円/1W

当面のライバルEcoFlow「RIVER2 Max」、及び1クラス上の「AC70」も含めたスペック表です。①~④の数字は「注目点」を表しており、下記の小項目で何が注目なのかを個別に解説しています。

AC60/B80はいずれも2023年5月の発売で、通常価格は共に99,880→89,800円(値下げ済)です。リン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、充電サイクルは3000回(80%残存)、保証期間は6年(B80は不明・未確認)です。

前項で述べたように従来製品とは一線を画す「質感」の高さを得ています。

また、EB3Aから受け継いだ「スマホ遠隔操作」は、Bluetoothを利用して接続可能で、容量確認、入出力確認や各種機能の設定・解除が可能です。

なお、設定は本体の「DC/AC」ボタンの同時長押しでも設定モードに切り替えられるので、本体から設定変更が可能です。

注目スペック① AC60/B80の容量と出力、定電圧機能

AC60の充電容量は403Wh、出力は定格600W/最大1200Wで、定電圧機能である「電力リフト」機能を備え、最大1200Wまでの消費電力の家電を動かすことができます(家電の消費電力を引き下げて稼働)。

容量403Whはこのクラスの電源としては少し少なめですが、拡張バッテリーで容量拡大が可能であるため特に大きなマイナス要素にはならないはずです。

一方の出力に関しては、定格600W/瞬間最大1200Wでこのクラスとしては大きめで、ライバルRIVER2 Maxが旧型より出力を抑えたことで、クラス随一の出力を持つ電源となっています。

「電力リフト」が起動している場合は「CW」の表示が出る
CW…Constant Power mode

さらに、定電圧機能「電力リフト」を備えているため、定格出力以上の消費電力の家電でも動作させることが可能です。電子レンジや電気ケトルなど大消費電力家電を常用しないのであれば、緊急対応的に使えるAC60で十分ではないか…と思います。

※定電圧機能について詳しく知りたい方は別記事をご参照ください。

注目スペック② 拡張バッテリーで容量アップ

AC60本体の充電容量は少し少な目の403Whです。大消費電力家電を使用しない前提であれば1泊キャンプ・車中泊程度なら十分な容量ですが、正直もう少し容量があれば…いう気がしないでもありません。

しかし、その点はあまり大きなデメリットにはなりません。拡張バッテリーB80を接続することで容量アップが可能だからです。AC601台にB80は最大2台まで接続できるので、拡張時の最大容量は2,155Whにもなります。

2,155Whの容量は災害時の停電対策にも有効な容量ですが、その容量を得るには通常価格で10万弱の本体と拡張バッテリー、計3台で30万円近い出費になります。

エクストラバッテリーは容量確保の面では非常に有効な手立てですが、購入価格の面から見ると高額出費になりやすく、セールなどでいかに割安に購入できるかが重要になりそうです。

拡張バッテリーを接続した場合のAC60の容量表示は2台の容量の「平均値」が表示されます。

AC60/B80の接続は付属の専用ケーブルで行う

接続は付属の専用ケーブルで行います。コネクターはAC60/B80とも左側面に配置されています。

AC60は2台分の接続コネクターを備える

AC60は2台分の接続コネクターを備えます。左側がPort1、右側がPort2と記載がありますが、1台接続は必ずPort1から…というわけではなさそうです。Port2に繋いでも正常に動作していました。

隣のEFDELTAとの間にデッドスペースが生まれる
隣のEFDELTAとの間にデッドスペースが生まれる

ケーブルもプラグもかなり太くしっかりした作りで小さく折りたたむことはできないため、本体左側に14~15cmの空間ができてしまいます。自宅での使用では大した問題ではないですが、狭い車内での使用の場合はスペース効率が悪いかもしれません。

プラグを下向きに差し込むなどの工夫で、側面にデッドスペースを作らないようにできるといいのでは?と思いました。この点はちょっと「惜しい」と感じました。

でも、ファンによる内部冷却を考えれば、あえてすき間を作らせているのかも?とも思いましたが。

AC60/B80は縦に積み上げて使用可能

ただ、同じ2,000Whを本体内に蓄電できる大型電源1台は非常に大きな面積を占めますが、AC60とB80はコンパクトなサイズのまま上に積み重ねられるので、その意味ではスペース効率は良いともいえるかもしれません。

ではAC60とB80、どちらが上でどちらが下か…。

これは通常はAC60が上だと思います。AC60の天板にはスマホのワイヤレス充電機能があり、B80にはないためです。ワイヤレス充電を使わないのであれば、低い位置に操作系があった方が使いやすいのであればAC60が下でも構わないと思います。

逆転(AC60が下)がNGなのであれば、取説にその旨記載があるはずですが、見当たらないので特に問題ないのだと思います。

なお、AC60にB80を繋ぐ専用「拡張ケーブル」はB80に付属します。

KAZ
KAZ

ワイヤレス充電は出力が小さくて充電に時間がかかるからあまり使わない…と言う方もいますが、モバイル系のライターの自分から言わせると、ゆっくり充電することは電池にとっては良いことでダメージが少なく電池を劣化させにくい充電方法です。急ぐ場合は仕方ありませんが、時間に余裕がある場合は、あえてワイヤレス充電で少しずつゆっくり充電することをおすすめします。

注目スペック③ AC入力は最大600W、DC入力は最大200W

AC60の入力(充電)方法は2通りです。

AC60はACアダプター不要でACコンセントに直結で充電可能

1つはAC100Vコンセントにケーブルを接続して充電する方法で、画像のようにACアダプター不要でケーブル直結で充電可能です。

最大600Wの急速充電も可能で、約1時間でフル充電を完了する…と公式サイトに記載がありますが、403Whを600Wで充電するのなら実際にはもう少し早いのでは?という気がします。

2つ目の充電方法はDC7909コネクタによる充電です。

AC60とソーラーパネルはMC-4⇔DC7909で接続する
ソーラーパネル接続用の「MC-4⇔DC7909」接続コード
AC60、B80いずれにも接続して充電可能

こちらはソーラーパネルを接続するためのケーブルで、片側がMC-4、反対側がDC7909になっていて、AC60本体の7909コネクタに接続可能です。

また、B80の7909コネクタにも接続可能で、B80を単体で充電することも可能です。AC60/B80ではVmp28V以内のソーラーパネルのみ使用可能です。

ちなみに、車両ルーフのBougeRV製200Wパネルは「公称開放電圧:31.5±5%V」「最大動作電圧(Vmp):25±5%V」ですが、正常に充電されていました。

我が家の200Wパネルではギリギリ充電可能でしたが、製品によっては使用不可な200Wパネルもあるかもしれません(他社製品の場合。Bluetti製なら問題ありません)。

AC60とシガーソケットもDC7909で接続する
シガーソケット⇔DC7909

シガーソケットとDC7909の接続コードも付属します。車内のシガーソケットから走行充電が可能です。

B80は「T200」ACアダプターで充電可能
ACアダプター「T200」→DC7909でACコンセントからB80を充電可能

B80の場合にはDC充電がもう1系統可能で、他のBluetti製品に付属していたACアダプタ(T90/T200)からDC7909へ接続することで、ACコンセントからB80を直接充電することが可能です。

※AC60でもACアダプターから7909経由で充電可能と思いますが、そもそもACアダプターなしの直結でAC100V充電が可能なので、あえてACアダプタを介して充電する意味はないと思われます(故障でAC充電できなくなった場合には有効な手段かもしれません。未確認ですが)。

注目スペック④ 防塵防水機能 IP65

AC60はポータブル電源には珍しく「防塵防水」機能をもっています。これはいままでにないチャレンジだと思いますし、ちょっとした雨天程度なら心配いらないという点では非常に安心感があります。

等級は『IP65』です。防塵機能がレベル「6」、防水機能がレベル「5」であることを表しています。

画像出典:softbank.jp/sbnews/ 拡大可

こちらは防塵レベルを表しており、「6」は最高レベルで「粉塵」の侵入も許さない等級です。

画像出典:softbank.jp/sbnews 拡大可

こちらは防水レベルを表し、「5」は『あらゆる方向からの噴流水による有害な影響が出ない』レベルです。スマホのほとんどはIP68レベルで「継続的に水没しても内部に浸水しない」レベルですが、絶大な信頼を寄せるほどには防水し切れませんので、過信は禁物です。

コネクタの蓋は防塵防水仕様
AC60のシガーソケットの蓋

AC60/B80の各コネクターには、防塵防水を意識したシッカリ目の蓋が付属していて、紛失しないように1つ1つ繋がっていて、とても手が込んでいます。

カバーが閉じていれば防塵防水機能を発揮する
AC60のAC出力コネクターの蓋

ACコネクタにプラグを差し込んだ状態を横から見ると、上からの多少の雨なら避けてくれそうですが、雨量が多くなったり、風で横から吹き込んだらプラグの隙間に水は容易に入り込むはずです。

つまり「IP65」の防塵防水機能は、すべてのコネクタの蓋(カバー)が完全に閉じている状態で性能を発揮するのであって、1か所でも蓋が開いている状態でも「防水だ」などと考えるのは過信と言えます。

アウトドアで使用していて急な雨で濡れてしまった、子供たちが遊んでいたら水鉄砲の水が当たってしまったが、「その程度なら大丈夫」「そういう時の保険」程度に考えておくのが安全策でしょう。実際に強い雨天の中で使用しても大丈夫なのかもしれませんが、相手は電気ですので本来水は遠ざけるべきという原則は変わらないと思います。また使わない時は蓋をすべて閉じておくことも重要かと思われます。

KAZ
KAZ

他サイトを拝見していたら「1m程度までなら水没にも耐えられる」という記載を見つけましたが、これはとんでもない誤解です。水没は絶対に無理です。1つレベルが上の「6」でも水没は無理ですので充分にご注意ください。
※その後、記載は改善されたもようです。

AC60/B80を実際に使ってみた

普段の生活の中でAC60/B80を使ってみました。従来は、EFDELTAとEB70Sを使い分けていた部分をそっくりAC60/B80に置き換えてみました。

筆者宅では節電対策として、お茶やコーヒーを淹れるお湯を沸かすケトルと、ご飯を炊く炊飯器は太陽光充電したポータブル電源から給電する…と決めています。

1.5合の小型炊飯器の消費電力は約200Wで炊飯時間は約20分、3合炊きの炊飯器は消費電力700Wで炊飯時間は25分、電気ケトルは消費電力1000Wで湯沸かし時間は約1~3分(湯量による)です。

消費電力1000Wの電気ケトルで湯沸かししてみた

AC60/B80で電気ケトルを使う

定格出力が600Wしかないのに、消費電力1000Wの電気ケトルで湯沸かしができるのが「電力リフト」機能のスゴイところです。

電気ケトルをEFDELTAで動作させると960W以上の出力となる
電気ケトルをEFDELTAで動作させると960W以上の出力となる

実質的な消費電力は1000Wを少し欠ける値ですが、定格出力600WのAC60にとっては数Wの違いは大きな問題ではありません。それでも電力リフトが効いて時間はかかりますがちゃんとお湯は沸きます。

AC60で消費電力1000Wの電気ケトルが使える
AC60で消費電力1000Wの電気ケトルを588Wで運転している

特筆すべきは静音性で、EFDELTAは960W超を出力の際にファン音がかなり大きくなりますが、AC60は588W出力時でも静かで驚きました。

毎日の生活の中に組み込んだのでテストのための数回限りの湯沸かしではなく、毎日何回となく同じ条件(一人分200ccか二人分400cc)で繰り返し湯沸かししましたが、一度も「OverLoad」になることなく、湯沸かしできていました。

KAZ
KAZ

電力リフトを含め「定電圧」機能は、高消費電力家電を使えるのはメリットだが、容量を食ってしまうのでマイナス…という評価もあったのですが、拡張バッテリーで最大2000Wh超の容量を持つAC60+B80なら電力リフトの弱点を克服した…と言えるかもしれませんね。

消費電力800Wの電子レンジを使ってみた

今度は車載している電子レンジを動かしてみました。

AC60をアルトピアーノ車内へ持ち込む
AC60をアルトピアーノ車内へ持ち込む

AC60は、ダイネットテーブルの上に…

AC60で車載電子レンジを駆動する
AC60で車載電子レンジを駆動する

車載電子レンジはダイネットテーブルの下に設置しています。

定格出力600WのAC60でも消費電力800Wの電子レンジが動作する
定格出力600WのAC60でも消費電力800Wの電子レンジが動作

筆者のポータブル電源選びの基準の1つが、この「山善」製の電子レンジが動作するかどうか…です。

この電子レンジは50Hz時800Wの消費電力で動作するので、出力があまり大きくないポータブル電源でも動作してくれるので、電源購入のコスト面でかなり予算を浮かせることができるんです。

実際、日ごろメイン使用の「EB70S」は、定格出力800Wなので辛うじて電子レンジが動作するので重宝してメイン使用しています。

EB70Sよりも定格出力で200Wも小さいAC60/B80でも電子レンジは温め時間は長くなりますが、正常に動作していました。

AC60/B80を実際に使ってみて感じたこと

実際にAC60/B80を使ってみていくつか感じた事がありました。「これはいい」「これはすごい」と拍手したいような部分と、逆に「ここはちょっと」と感じる部分がありました。

拍手ポイント① 折りたたみ式ハンドルは上方空間を活かせる

AC60にもB80にも折りたたみ式のハンドルが付属しています。これ、あまり目立たないけど実は「拍手ポイント」です。

特にAC60には天板にワイヤレス充電機能が備わっていることもありますし、拡張バッテリーとの重ね置きのこともあって、天板が平らでなくてはなりません。

他社製品でハンドルが固定仕様の場合がありますが、上に何も乗せられないので狭い車内での使用の場合にはポータブル電源の上方空間がデッドスペースになってしまいます。それにハンドルの分だけ余計にスペースを食います。

たぶん、可動式のハンドルって重量を支える強度を出すのは固定式より大変だと思いますし、その分、コストもかかるんじゃないかと思います。

持ち運びの際にも、左右に1台ずつハンドルを持って運べるので、拡張バッテリー1台接続なら1度に移動させることが可能です(1台の重量はいずれも10kg以内)。

そんなわけで、可動式(折りたたみ式)ハンドルであることに拍手したいと思います。

拍手ポイント② DC入力端子を7909に統一

他のモデルも含めて、DC入力は7909端子に統一しているのは使い勝手が良いと感じました。

そのおかげで、EB70Sに付属のACアダプターを使ってB80をACコンセントから充電できますし、EB3AやEB70S用に車両のルーフから引き込んだソーラーパネルのケーブルも交換不要でそのままAC60/B80に差し込むことができます(機種に跨ってケーブルを共用可能)。

逆側も汎用性の高いMC-4にしてあることも手伝って、テスト期間中、ソーラー充電する際のケーブルの繋ぎ直しがほとんどなく(EFDELTAに繋ぐ時だけ)非常に手間を省いてくれた印象です。

新しいモデルでは異なる接続方式を採用してしまう製品もある中で、大幅な刷新を行ったにも関わらず、もし他製品を持っているならそのケーブルも活かすべく「7909」に統一してくれたことに拍手です。

拍手ポイント③ USB-Cを2つ使える

各端子の蓋をマスキングテープで留めています

AC60のDC出力端子は、USB-A×2、USB-C×1ですが、実はUSB-Aは3つ、USB-Cは2つ使えます。

AC60とB80を繋げて拡張状態にしていなければなりませんが、B80にも、USB-AとUSB-C、シガーソケットが1つずつ設けられているので、あわせてUSB-Aは3つ、USB-Cは2つ、シガーソケットは2つ使えるんです。

拡張バッテリーに出力端子を設けるのはあまり見かけないので、これはナイスなアイデアと感じました。モバイルが専門の自分としては、USB-Cを使う機会がやたら多いので、USB-Cを2つ使えるのは大歓迎、拍手ポイントです。

拍手ポイント④ 45dbは超静か~過去最も静かな電源

AC60は静音性能も優れていて、静音設定時にはわずか45dbしか音を出しません。45dbというと「図書館」内がだいたい40dbと言われているので、かなり静かであることがわかると思います。

黙って置いてある状態で静かなのは当たり前で、逆に何かの音がする方がおかしいですが、充電時や大出力時にファンが回った時にどれだけ静かか…というのは、キャンプや車中泊の就寝時に大きく影響します。

2020年製のEFDELTAはファンがうるさくて、就寝時に消費電力の大きな家電は使用できません。充電もしかりです。そういった意味では、自分的にはこんな静かな電源は初めてお目にかかったので、驚きましたし、ちょっと感動すらしてしまいました。拍手ポイントです。

残念ポイント① 定格出力はもう少し欲しかった

今回のテストの中でも、電気ケトルや電子レンジを使ってみましたが、600Wの定格出力はもう少し大きいといいのに…と感じた場面が何度かありました。

自分としては、普段重宝して愛用している「EB70S」に電力リフト(1500W程度)と拡張バッテリー機能が乗ってくれれば、それが「一番欲しい電源のスペック」になると思っているので、あと200W欲しかったなあ…というのが本音です。

Bluettiさん、お願い!AC80、出してください!

残念ポイント② 価格はすこし割高~セール狙いは必須

403Wh、600W/1200W、電力リフト1200Wの電源で、通常価格が99,880円=ほぼ10万円は少々割高では?と感じます。

現在は先行予約の特別価格で69,800円で購入可能ですが、このセール価格このクラスの価格帯ではないかと思います。

確かに、IP65クラスの防塵防水機能のために設計から見直したそうですし、質感は何ランクも向上していますし各部の動作や操作感も上質です。静かだしミッチリ詰まった感じもします。端子の数や配置、接続方法の集約などUIにも文句ありません。「お金をかけたな」と感じますし製品としての完成度も高く、その値付けも頷ける部分もあります。

でも、それでも、やはり容量や出力からクラス分けした際にはどうしても割高感があるのは否めないのかな…という印象です。

ここはメーカーにどしどしセールして貰って、いい製品をお得感のある価格でゲットできたらいいな…と思います。

Bluetti AC60/B80実機レビューまとめ

今回は、ブルーティパワーからお借りした、新製品「AC60/B80」のデモ機を実際に使用して、自分なりにレビューしてみました。

まったく忖度せず思ったことは率直に書くのが信条ですので、メーカーさんにはちょっと煙たい記事になったかもしれませんが、この製品の良さ、上質さは伝わるのではないか…と思います。

それでは今日はこの辺で。

記事へのご意見・ご質問等はメールではなくコメント欄にお書きください。
※コメント欄は最下段にあります。
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■ 著者紹介 この記事を書いたのは…
KAZ

「喜田宗彦」としてWEBライターをしています。ライター歴は10年超です。本ブログの記事は、自分自身の実際の体験や経験、ライターとして取材や調査で得た知見、懇意にしてくださるメーカーさんなどから得た知識・情報等を反映した記事を執筆・掲載しています。アウトドアについては1982年ごろからオートキャンプを開始しキャンプ歴は40年超になります。2020年にはバンコンタイプの小型キャンパーを購入し車中泊の楽しさに目覚めました。
また食べることが好きで食べ物関連の記事多めです。特に安くて美味しいものに目がありません。地元グルメやチェンめしも好物です。
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