ポータブル電源・バッテリー

Jackery 1500~リチウムイオンバッテリー採用の大容量大出力ポータブル電源

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今回は、Jackery 1500を取り上げます。

Jackeryと言えば、ダーク系のボディに鮮やかなオレンジ色を配したデザインが印象的で、ポータブル電源と言えば多くの人が思い浮かべる、まさに定番といえるシリーズです。

昨今、中華メーカーのポータブル電源が増えていますが、Jackeryはアメリカのメーカーで、会社創立メンバーには元アップルのバッテリー開発者が加わっていたとのことです。

Jackeryからは様々な容量のポータブル電源が発売されていますが、今回は、そんなシリーズの中でも最も新しく、そして最も大容量で様々な新機能を授かった「Jackery 1500」を取り上げます。

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大容量大出力ポータブル電源「Jackery 1500」とは

Jackery1500DELTA MAX 1600BLUETTI AC200P
メーカーJackeryEcoFlowBLUETTI
価格179,800円187,000円219,880円
セル三元素リチウムイオン 三元素リチウムイオン リン酸鉄リチウム
充電サイクル800回800回2500回
容量1,534Wh1,612Wh2,000Wh
1Whあたり117.2円116.0円109.9円
出力/瞬間最大1,800W
3,600W
2,000W
4,200W
2,000W
4,800W
出力1Wあたり99.9円93.5円109.9円
出力AC100V×3
シガーソケット×1
USB-A×2
USB-C×1
AC100V×6
シガーソケット×1
USB-A×2
USB-A急速×2
USB-C×2
DC5521×2
AC100V×6
シガーソケット×1
USB-A×2
USB-C×2
DC×1
入力 AC/DC/ソーラーAC/DC/ソーラー AC/DC/ソーラー
外形寸法(mm)335x265x253497x242x305420x280x380
重量16kg22kg27kg

Jacker 1500と、同クラスの容量を持つポータブル電源2機種と諸元を比較してみました。

この3機種の中ではJackery1500が最も安価ですが、容量や出力も小さいことがわかります。

容量当たり、出力当たりの単価をみると、あまり割安な設定ではありませんが、本体価格自体は最安です。

Jackery 1500の外観・サイズ感・重量など

サイズ的には、Jackeryが最も小さく、私が持っている1クラス下のEFDELTA(400x210x270mm)と比べても、奥行きは55mm大きいですが、幅で65mm、高さで17mm小さいので、正面から見た目はコンパクトかもしれません。

重量は16kgと3モデルの中では最軽量ですが、16kgという重さが軽いか?と言えば、決してそんなことはなく、そこそこの重量で頻繁な移動は億劫に感じるのではないかと思います。筆者が使用しているEFDELTAは14kgですが、アルトピアーノと自宅の移動は「重いなあ」と感じますので。

単純に考えて、5kgの米袋3つを持ち上げると考えてみれば重さが想像つくと思います。

もちろんハンドル(持ち手)があるので、米15kgより持ちやすいはずですが。



何と言ってもJackery1500の外観上の特徴はそのデザイン(カラーリング)です。

まさに「ポータブル電源然」とした「これぞポタ電」といった感じのデザインは好感を持ちますね。

このデザインは、まさにJackeryの製品であることのアイデンティティですので、見た目から信頼感を持てるという点でもこのデザインのポタ電を持つ意味がありそうです。

また、すべての操作を前面のみで行える点も自分的には美点と考えます。EFDELTAは操作系が3面に散らばっていて状況によっては使いにくさを感じることがありますので。

出力端子が若干少なめなので、同時にいくつもの機器への電力供給はある程度制限がありますが、EFDELTAを使っていて、例えばAC100Vコンセント6カ所すべてに機器を接続したことは1回もありません。

多くてもせいぜい3~4口が埋まるぐらいですので、AC4口は絶対的に足りないとは感じないのではないかと思います。

まあ自分はソロばかりなので、ファミリーユースだと6口でも埋まっちゃうかもしれませんが。

Jackert 1500は容量1500Wh超×定格1800Wの大容量大出力ポタ電

2021年7月に登場した「Jackery 1500」(PTB152)は、容量1500Wh超×定格1800W(瞬間最大3600W)の大容量大出力ポータブル電源です。

実は、これまでJackeryのポータブル電源は、容量1002Wh×出力1000W(サージ2000W)の「Jackery 1000」が最大の容量・出力で、他社が続々1200~1300Wh超の製品を発売する中で、正直、大容量クラスは弱いイメージがありました。

筆者が現在使用している車載電子レンジは、できるだけ消費電力が小さい製品を探して購入したものですが、それでも800W(50Hz)/1050W(60Hz)ですので、よりパワーの出る60Hzでは駆動できません。

また、電気ケトルは1300W、コーヒーメーカーは1400W超の消費電力なので、Jackery 1000ではピクリとも動かないため、購入時の候補にはまったくなり得ませんでした(外観は好きなんで検討はしましたが、最終的な候補には残りませんでした)。

しかし、Jackery 1500は、容量は1,534.68Wh(426,300mAh)に大型化され、さらに、定格出力は 1800Wまで対応可能となり、瞬間最大出力も3600Wと大幅に強化されています。

ここへきて(といっても2021年春)やっと、電子レンジや電気ケトル、コーヒーメーカーなどでも余裕で駆動できる電源が登場したという感じです。Jackeryファン待望って感じでしょうか。

※ 電子レンジにも色々あってポタ電で使うには選び方があります
【改訂版】車内で使う車載電子レンジの選び方



筆者のEFDELTAを、容量でも出力でも上回っています。

定格出力1800Wは、余程大型の家電でない限りほとんどすべての家電を駆動できる出力ですし、それに伴って、瞬間最大出力も3600Wに強化されており、家電製品の使い初めに大電流が流れる「起動電力」にも十分耐えられるようになっています。

筆者のEFDELTAは出力1600W(サージ3100W)で、出力不足で使えない家電にであったことはこれまで一度もないので、さらに200W大きいJackery 1500ならさらに「まったくもって心配ご無用」になるはずです。

自分的には、今まで、EcoFlow製品に比べて「出力がひ弱」というイメージのあったJackeryですが、「ついにきた」と感じる、頼もしさを感じる製品という印象です。

セルはリチウムイオン電池を採用、800回以上の充電サイクルを確保していますが、「リチウムイオン電池で800サイクル」は、今のポータブル電源の標準的な仕様といえます。

【充電サイクルとは】

充電サイクルとは、バッテリーが製品が求める電力を充分供給できなくなる=つまり「寿命」までの期間を表す概念です。

充電サイクルは、放電(電気を取り出すこと、使うこと)の合計が100%になつごとに「1サイクル」とカウントします。

例えば、一昨日50%使用、機能30%使用、今日40%使用すると、合計120%の使用量になりますが、今日の使用中の100%になった段階で「充電サイクル1回」がカウントされます。

120%の放電なんてあり得ないので、当然、途中で充電しているわけですが、「充電サイクル」をカウントする放電量の合計には途中の充電は関係ありません。

あくまで放電量の合計が100%ごとにカウントされます。

この考えはスマホのリチウムイオン電池でも同じで、AppleはiPhoneのバッテリーの寿命を500サイクルが目途であることを公表しています。

よく誤解されているのは、

・充電した回数(充電コードを接続した回数や充電後にコードを抜いた回数)
・満充電になった回数

などが「充電サイクル」だと思っている方がいますが、本当の意味は「放電合計100%」です。

今回取り上げているJackery1500は800サイクルが目安なので、言い換えれば、100%×800回=80,000%で寿命がくるということになります。

※バッテリーの正しい充電方法や取り扱いの注意点をまとめています
リチウムイオンポータブル電源の寿命を延ばす充電方法~充電サイクルや充電深度とは

Jackery 1500の特徴的な機能について

Jackery 1500には目新しい機能がいくつか搭載されています。

Twin Turbo(ツインターボ)システム

「Twin Turbo(ツインターボ)システム」は、ACアダプター×2を使用することで最短4時間でのフル充電を可能にする機能です(コンセントからコードを2本繋ぐ)。

Jackery1500に付属のACアダプターは1個なので、別売品を買い足す必要はありますが、充電時間を短くする機能としては役立つかもしれません。

ただ、充電が早いという意味では、EcoFlow社の「X-Stream」技術は、ACアダプター不要(AC100Vコンセントからコード直結)で、1時間で80%までの充電を可能にしており、急なキャンプでも出発までに1時間あれば充電容量は80%になります。

道中、追加で走行充電してゆけばフル充電に近い充電量が得られることを考えると、ACアダプタを必要とする点、フル充電に4時間かかることなどを考えると、「充電が早いから」という理由でJackery1500を選ぶ理由としては厳しい感じがします。

また、Jackery1500は、ACアダプター2台で500Wで充電可能としていますが、DELTA MAXは、ACアダプター不要でACコンセントから最大1500Wで充電が可能です。

コスト的なことに目を向ければ、EcoFlowの方は高速充電(80%まで1時間)を実現するのに追加費用は不要ですが、Jackery 1500で高速充電(フル充電4時間)を実現するためには、ACアダプター1個を追加購入する必要があります。

SolarSaga 100(ソーラーパネル)を4枚接続可能

これは新しい機能ということではありませんが、Jackery 1500は「充電が早い」ことを売りにしたいのかもしれません。ソーラーパネルを付属のアダプター経由で4枚接続することで、1枚だと22時間かかるところ、5~10時間でフル充電可能だとしています。

さらに、新製品「SolarSaga 200」を接続することで、1枚で13時間でフル充電が可能としています。

車載ポータブル電源、車内利用電源としてJackery 1500はどうか

これは筆者の勝手な印象ですが…。

「保守本流のJackery、革新改革的なEcoFlow」

そんなイメージをもっています(実際には知りませんよ、あくまでわたしのイメージです)。

オーソドックスで基本的な機能をしっかり守って堅実な印象のJackeryと、次々に新しい技術を開発して特徴ある個性的な製品を続々送り出すEcoFlow…、そんな感じです。

それがいいのか、悪いのかはわかりません。

所詮、製品なんて使う人それぞれで良し悪しが違うものですから、いくらわたしが「いい」言っても「確かに」と思わない方もいるでしょうし、逆に「ダメ」といっても「これはいい」と感じる方だってたくさんいるはずですし、それが正常な姿だと思います。

どんな使途で、どんなシチュエーションで利用するかで「これがベスト」なポータブル電源は異なってきますので、1人1人異なる結論でも何も不思議はありません。

ただ、ポータブル電源の選び方って実は非常にシンプルです。

  • 利用したい電気製品の中で最大の消費電力の製品を動かせる定格出力を持っているか
  • どんな電気製品を何時間使用したいのかで充電容量を判断する
  • 必要な出力端子を備えているか(AC100V、USBなど)
  • 充電方法が複数あるか(AC100V意外に、ソーラー充電やDC走行充電)
  • デザイン、大きさ、重さ
  • これらを得るために必要な金額(価格)

要は、電気の大きさ(出力)・量(容量)が満たされていれば、あとは好みの問題ということです。

そんな言いかたしたら実も蓋もないですが、実際そうだと自分的には思います。

そういう意味でいえば、Jackeryは十二分の出力と余裕のある大容量を持っている時点で選択肢に入る資格はあるわけで、あとは、機能や端子の種類や数、大きさ、重さ、見た目などで選び、最終的にはその価格に納得できるかどうかです。

もし自分だったらどうか。

EFDELTAを所有していない前提で、大出力大容量ポタ電の購入を検討するなら、Jackery 1500は選択肢に入れるでしょうし、おそらく最終選考に残るのではないかと思います。

※他社製品も含めポータブル電源を選ぶならこちら



今回は、Jackery 1500を取り上げてみました。

決して安い買い物ではないですが、車中泊はもちろん、災害時の電力確保の面からも、選択肢として充分ありだと思いました。

それでは今日はこの辺で。


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■ 著者紹介 この記事を書いたのは…
KAZ

「喜田宗彦」としてWEBライターをしています。ライター歴は10年超です。本ブログの記事は、自分自身の実際の体験や経験、ライターとして取材や調査で得た知見、懇意にしてくださるメーカーさんなどから得た知識・情報等を反映した記事を執筆・掲載しています。アウトドアについては1982年ごろからオートキャンプを開始しキャンプ歴は40年超になります。2020年にはバンコンタイプの小型キャンパーを購入し車中泊の楽しさに目覚めました。
また食べることが好きで食べ物関連の記事多めです。特に安くて美味しいものに目がありません。地元グルメやチェンめしも好物です。
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