今回は、充電サイクル2000回超の長寿命を誇る、おすすめのリン酸鉄リチウム系ポータブル電源をピックアップしました。

これまでご紹介してきたポータブル電源は三元素リチウムイオン電池を採用した製品が多かったのですが、最近ではリンサン鉄リチウム電池を採用したポタ電が増えてきています。今回はリンサン鉄リチウム電池採用のポータブル電源をピックアップしてみることにしました。
リチウムイオン電池は、鉛蓄電池に比べてエネルギー密度が高く高出力です。
また、ニッケル水素電池と比べると「メモリー効果」が起きにくく長寿命で電圧が落ちにくいメリットを持っているため、スマホバッテリーやポータブル電源など様々な用途に利用されています。
リチウムイオン電池とは~なぜいま『リン酸鉄リチウム』なのか
iPhoneをはじめとするスマートフォンやポータブル電源などにリチウムイオン電池は採用されていますが、一口にリチウムイオン電池といっても使用されている素材によって種類があります。
iPhoneに採用されているのは『リチウムイオンポリマー電池』ですし、ポータブル電源でよく目にするのは『三元素リチウムイオン電池』です。

こちらは企業さんのHPに掲載の画像ですが、リチウムイオン電池といってもこれだけの種類があり、
下へ行くほどエネルギー密度が低く、安定していて事故(発火や爆発)が起こりにくい性格だそうです。
この表を見ると、リン酸鉄リチウムはリチウム電池の中でも最も安定性が高く安全な電池だというが分かります。
次世代のLiイオン2次電池の正極材として期待されている『LiFePO4(リン酸鉄)』は、携帯電話機用のLiイオン2次電池などで使われている既存の『LiCoO2(コバルト酸リチウム)』に比べ
- 400℃の高温下でも酸素を放出せず安全性が高い
- 材料コストが半分以下
- 結晶構造が強固で長寿命
という特徴があるんだそうです(【日経XTEC】の受け売り)。
自分を含めた一般人(というか若干「疎い方」)に分かりやすく言うと、
ってことになるんですかね?
以前の記事で「これからはリンサン鉄かも」と書いたことがあるんですけど、それは今までずっと『三元素リチウム』のポータブル電源を作り続けてきたEcoFlowやAnkerが、ニューモデルでリン酸鉄を採用したことで感じました。
安全で爆発や発火の危険性が低いことはコンシューマーユースでは非常に重要なことですし、同じ価格なら大容量・高出力モデルがいいし、逆に同じ性能なら割安な方がより歓迎です。

今は「リン酸鉄リチウムだ、それワッショイワッショイ」という感じですが、例えば「小型軽量にできる」「低気温でも動作しやすい」などの三元素リチウムにもメリットはあります。小型で持ち運び性を重視する小容量モデルでは、三元素リチウムをあえて採用するメーカーもあります(実際Jackeryは未だリン酸鉄リチウムモデルを発表していません)。何が何でもリン酸鉄というわけではないですが、ユーザーの立場に立てば「長寿命」は重要なスペックであることも事実です。
リン酸鉄リチウムと三元素リチウムならリン酸鉄一択なのか
例えば充電サイクル3000回で充電容量1500Whのリン酸鉄リチウム電池のポータブル電源と、充電サイクル800回で充電容量1500Whの三元素リチウム電池のポータブル電源があったとします。
容量を毎日使い切ると想定した場合、リン酸鉄の電源の寿命(充電容量80%)は3000日後=8.2年後、三元素の電源は800日=2.2年後にやってくることになります。
なるほどやっぱりリン酸鉄リチウムは長持ちするな…という印象ですが、キャンプや車中泊、災害時の備えなどで購入されたポータブル電源が、1500Whの電力を毎日使い切ることはあまりないと思われます。
そこで仮に週に1回、充電を使い切ると想定した場合の寿命を見てみましょう。
1500Whを1週間で使い切るので、充電サイクル3000回は21000日=57.5年後、充電サイクル800回は5600日=15.3年後に寿命となる計算です。

ちなみに、充電サイクルとは充電回数ではありません。充電サイクルについて知りたい方は別記事にて紹介しています。
「長寿命」という観点ではリン酸鉄の57年は「凄い」の一言ですが、電源そのものがそんなに長期間持つものなんでしょうか。自分的な感覚で言えば、三元素の15年で買い替えてもいいような気がします。
15年の間には、また新たな技術が登場して、現在の『リン酸鉄か三元素か』だけではない選択肢が生まれてくる可能性もあるんじゃないか…と思います。
実際、リチウムではなくナトリウムを使った電池の開発も進んでいるというニュースを読んだことがあり、その電池は日本の大学で研究が進められているそうで、希少金属を使わない電池が実用化される日もそう遠くないかもしれません。
また、こと『寿命』に関して言えば、三元素リチウムはリン酸鉄に勝てませんが、現実を見ると、充電サイクル3000回まで必要なのかな…と疑問が湧くのも事実です。
例えば、Jackeryの新しいポータブル電源は、未だ三元素リチウムを採用していますが、様々な管理システムを導入・ブラッシュアップすることで三元素でありながら充電サイクル1000回を実現しています。
1週間で容量を使い切る使い方で充電サイクル1000回なら寿命は19.2年になります。これでも十分すぎる長寿命と思えます。
他社が続々リン酸鉄リチウム化に走る中、老舗のJackeryが未だに採用しないことに、自分としては興味を抱いています。Jackeryはなぜリン酸鉄リチウム化しないんでしょうね。
余談ばかりで申訳ないですが、現在のリン酸鉄リチウム祭りには、製造コストの問題もあるのかもしれません。
三元素リチウム電池は電極に『ニッケル』『コバルト』『マンガン酸リチウム』の希少金属を使用するため(特にコバルトが)高価で、ポータブル電源自体の価格も高くなりがちですが、電極にリン酸鉄を使った場合は、割安なコストで製造できます。
今の時代、なんでもかんでも値上げの中、不思議とポータブル電源は値上げの嵐が吹き荒れているというニュースは耳にしたことがありません。
もしかすると、新モデルの価格を旧モデルなみに抑えても、電池をリン酸鉄に置き換えることでメーカーの利幅は減らないのかも?などとも思えます。
ポータブル電源の寿命は「容量」を加味して検討すべき
«リン酸鉄リチウムイオン電池採用の電源は『充電サイクル3000回』なので長寿命だ»
そのことに異論はありませんが、以下のようなケースもあります。
(A)容量500Whのリン酸鉄リチウムイオン電池採用で充電サイクル3000回のポータブル電源
(B)容量1,875Whの三元素リチウムイオン電池採用で充電サイクル800回のポータブル電源
さあ、(A)(B)いずれの寿命が長いでしょうか。
正解は『同じ』です。
充電サイクルは(A)3000回は(B)800回の3.75倍ですが、容量は逆に(B)1,875Whが(A)500Whの3.75倍です。
ポータブル電源の寿命を図る物差しである「充電サイクル」は、容量を100%使い切るごとに1回がカウントされますが、ポータブル電源の充電容量でみると、(A)の100%は500Wh、(B)の100%は1,875Whであり、(B)にとっての500Whは26.7%に過ぎません。
(A)は充電サイクル3,000回到達時までに使用できる電力量の合計は150万Whで、1週間に1000W消費するような使い方をした場合の3000サイクル到達は10,500日≒28.8年後です。
➡ 7×(500Wh÷1000Wh)×3000サイクル=10,500日≒28.8年
(B)は、充電サイクル800回到達時までに使用できる電力量の合計は同じく150万Whで、1週間に1000W消費するような使い方の場合の800サイクル到達も10,500日≒28.8年後です。
➡ 7×(1875Wh÷1000Wh)×800サイクル=10,500日≒28.8年
つまり、ポータブル電源の寿命は単に充電サイクルの回数だけで決まるのではなく、充電容量も加味して勘案すべきというわけです。
平たく言えば、小容量のポータブル電源は充電サイクルが長いリン酸鉄リチウムイオン電池が向いていて、2000Whクラスの大容量電源であれば三元素リチウムイオン電池でも十分に長期間の使用が可能というわけです。
もちろん、大容量のリン酸鉄リチウムイオン電池であれば、圧倒的な長寿命となります。
➡ 7×(1875Wh÷1000W)×3000サイクル=39,375日≒107.8年
しかし、他の部品の耐用年数はそこまで長くないでしょうし、人の寿命より長い電源の寿命に何か意味があるのか…と考えるとちょっと微妙なところがあります。
ポータブル電源の寿命がきたらどうなるの?
ポータブル電源の寿命=つまり充電サイクルが所定回数に達したらどうなるのか。
気になるところですが、それはスマートフォンで考えてみると分かりやすいと思います(モバイル系のライターなのでたとえがすぐにそっち方面へ行くのはご容赦を)。
例えばiPhoneはリチウムイオンポリマー電池を採用しており、充電サイクル500回で充電容量80%と想定していますが、充電サイクル500回を超えたら電源が入らなくなったり、通話や通信ができなくなったりすることはありません。
iPhoneの場合は、バッテリーが劣化してくるとiPhoneが正常に機能するために求める電力を供給し切れなくなり、予期しないタイミングでシャットアウトするなど、使い勝手が悪化する形で劣化が表面化してきます。
ポータブル電源も同様で、充電サイクルが所定回数に達してもいきなり使えなくなることはありませんが、当初の容量を充電しておけなく(使える電力が減る)なったり、充電に時間がかかるなどの不都合が生じてくるようです。
※EcoFlow公式サイトで『ポータブル電源の寿命』についての記事が掲載されています。電源の寿命に関するEcoFlowの公式見解と見てよいでしょう。
※ポータブル電源の寿命や製品の引き取りなどについてメーカーに聞いてみました↓
海外メーカーの製品は安心できるのか(追記)
ポータブル電源の製造メーカーの多くは海外企業であり、その多くは中国メーカーです。
EcoFlowもAnkerもBLUETTIも中国の企業ですし、Jackeryはアメリカ企業(生産拠点は中国)です。
昨今のアウトドアブームや災害時の備え、さらには電力需給逼迫時の節電対策向けにポータブル電源の購入を検討される方が増えていますが、ポータブル電源は決して安い買い物ではないためどうしても「できるだけ安く購入したい」と考えるのは無理からぬことです。
ショッピングモールには海外の名も知れないメーカーの製品が激安価格で販売されて非常に魅力的に映りますが、こんな事例もあります。
これ以外でもスマホのバッテリー、モバイルバッテリー、ポータブル電源のリチウムイオン電池の発火や爆発の事例は少なくありません。
そうした事もあって電源としてより安定している『リン酸鉄リチウム電池』への転換が進んでいる側面もあるのでしょうが、ニュースのように出火原因が「バッテリー内部の絶縁体の劣化によるショート」なのであれば、リン酸鉄リチウムでも三元素リチウムでも関係ありません。
さらに言えば、災害対策などで充放電サイクルが長い場合、リン酸鉄リチウムに置き換わって長寿命となった結果、何十年も下手をすると100年近くもの電池寿命が持ってしまうケースもあり得るとすれば、電池は問題ないとしてもその他のポータブル電源を構成する部品や部材が劣化しないのか等に不安を感じる部分もあります。
『アマゾンの問い合わせフォームを通じメーカーに連絡を取ったが、メーカー側は電話での対応に応じず、日本の法律には規定のない「家財損壊証明書」の提出を要求してきた』という記事から推察すれば、そのメーカーは日本法人を持たないメーカーのようです(日本法人があればAmazonを通す必要はなく、日本法人に直接連絡できるはずです)。
日本法人を持たない海外メーカーの中にも責任ある製品作りをしているメーカーもあるのかもしれませんが、少なくともショッピングモールで商品説明を読むだけではユーザーには見えません。そしてつい安さに釣られやすいのも事実でしょう。
しかし日本の現行法では販売者(この場合Amazon)の責任は問えないため、日本法人のない海外メーカーは容易に「とんずら」しやすい状況にあると言えます。というか日本の法律が及ばないところにいるわけです。
一方では通り一遍に『中国製だから質が劣る』という偏った考えには賛同できません。
いまや中国製スマホの実力は多くの方がご存じなようにテクノロジーの進歩はすさまじいものがあります。ただ«玉石混淆»というか、良いものもあればダメなものもゴッタ混ぜの状態で、それがほとんど見分けがつかないところに怖さもあります。そういった点においても日本法人を構えていることが1つの判断材料でしょう。
当ブログでは「セール情報」等の「安さ」に関連した記事では、基本的に日本法人を持つメーカーの製品を記事に載せるようにしています。安さを求めて購入する場合には日本法人を置く企業であることが「せめて」もの保険になり得ると考えるためです。
当記事ではEENOURとVTOMANを紹介していますが、日本法人を持っていないことは念頭に読んで頂ければと思います。それ以外のEcoFlow/Jackery/Ankerは日本法人を設立しています。
割安な価格で購入できるに越したことはありませんが、何か問題が起こった際にはそれなりのリスクも背負うことになる場合もあることは念頭に製品を検討すべきでしょう。

国内メーカーということでは、『Power ArQ(SmartTap)』の加島商事は福岡県の企業ですが、製品の製造も国内で行っているのかは不明(一部商品に製造:中国の表記確認)なことと、機能面でも他社に比べると最新機能の面で特徴が少ない事などからあまり紹介する機会がありません。その辺りを一度詳しく調べてみてもよいかもしれません。
三元素リチウムは危険なのか
ある事象を説明する際に、それと対比される事象が必要以上に悪いイメージを持たされてしまうケースがあります。
ポータブル電源の場合、リン酸鉄リチウム電池を採用したことをアピールする際に用いられるキーワードは主に2つです。『長寿命』と『安全性』です。
長寿命については上記の通り、確かに長寿命ではあるが、そこまで長寿命である必要がないケースもあって、さらに電源を構成する部品・部材の劣化も勘案すれば、どんな場合でもリン酸鉄リチウム一択ではなさそうです。
一方の『安全性』についてはどうでしょうか。
リン酸鉄リチウムイオン電池は、エネルギー密度が低く、熱分解温度が高く熱安定性や化学変化に対する安全性に優れるため、過充電や短絡(ショート)などの場合でも発火や熱暴走を起こしにくい特性を持っていることから「安全性の高いポータブル電源」として喧伝されています。
そのことに異論はありませんが、対する従来の三元素リチウムイオン電池が、ことさら「危険な電源だ」といったイメージが独り歩きし始めている印象があります。
これは正しいイメージなのでしょうか。
もし三元素リチウムが危険なのであれば、ポータブル電源各社はこれまで危険と知りながら製品を宣伝して販売してきたことになりますが、そうではないはずです。BMSなどの管理システムを併用することで、コンシューマーユースでも十分な安全性を担保できると判断した上で製造販売してきたはずです。
『リン酸鉄リチウムはより安全性が高い』ことは重要ですが、かといって『三元素リチウムは危険だ』というのもどこか違う気がします。上記の事故事例でも三元素リチウムが原因ではなく、部材の劣化によるショートが原因とあります。
リン酸鉄リチウムに比べれば、コバルトを使う三元素リチウムは危険度が高いのも確かでしょうが、『三元素リチウム=安全、リン酸鉄リチウム=より安全』と考えた方が妥当なのではないか…と思います。
リン酸鉄リチウム電池採用のポータブル電源を探してみた
今回、選んだのがこちらの5機種(+派生モデル)。
今年になって「EcoFlow」「Anker」といったある程度名の通ったメーカーが続々とリン酸鉄リチウム電池採用のモデルを発売していますし、長年リン酸鉄系の電源を作ってきた「BLUETTI」、少しずつ名前を知られてきている「Eenour」、あとは製品内容が気になったのであまりメーカー名を知らないメーカーの製品も含めています。
また機能的に興味を惹かれた「VTOMAN」についてもピックアップしています。
ある程度、Amazonの評価を読んで、☆の数もそうですが書かれている内容があまり酷いものは除外しました。
1台1台の説明や感想を記していますが、比較対象はEFDELTAであったり、RIVRE Maxなど筆者がこれまでに使用経験のあるEcoFlow製品です。
メーカー | モデル | 価格 | サイズ(mm) | 重量 | 定格出力/サージ | 容量 | 1Wh当り |
EcoFlow | DELTA2 | 143,000円 | 400/211/281 | 12.0kg | 1500W/2250W | 1024Wh | 139.6円 |
Anker | 757PPS | 169,900円 | 463/288/237 | 19.9kg | 1500W/2400W | 1229Wh | 138.2円 |
BLUETTI | AC200P | 219,880円 | 420/280/380 | 27.0kg | 2000W/4800W | 2000Wh | 109.9円 |
Eenour | P2001 | 218,800円 | 394/279/330 | 22.0kg | 2000w/4000w | 2027Wh | 107.9円 |
VTOMAN | JUMP1000 | 138,600円 | 360/270/280 | 17.0kg | 1000W/2000W | 1408Wh | 98.4円 |
メーカー | モデル | AC100V | USB-A | USB-C | DC | AC100V 入力 | ソーラー 入力 | 充電 サイクル |
EcoFlow | DELTA2 | 6 | 4 | 2 | 2 | 1200W | 500W | 3,000回 |
Anker | 757PPS | 6 | 4 | 2 | – | 1000W | 200W | 3,000回 |
BLUETTI | AC200P | 6 | 4 | 1 | 2 | 500W | 700W | 3,500回 |
Eenour | P2001 | 6 | 4 | 2 | 3 | 1100W | 500W | 3,500回 |
VTOMAN | JUMP1000 | 6 | 4 | 2 | 2 | 200W | 200W | 3,000回 |
EcoFlow DELTA 2/RIVER 2シリーズ
2022年8月発売の「DELTA2」、同10月発売の「RIVER2」、いずれも新モデルでリン酸鉄リチウム電池を採用しました。
最上位機種「DELTA Pro」に続き2機種目・3機種目のリン酸鉄リチウムイオン電池採用のニューモデルで、EcoFlow躍進のきっかけとなった名機「EFDELTA」及び「RIVER」の進化版後継モデルです。
これまでEcoFlowが生み出してきた「X-Stream」「X-Boost」「スマホ遠隔操作」などの新世代技術に加え、『リン酸鉄リチウム電池』『エクストラバッテリー』(※)等も加えて、現在考えうるEcoFlowの最新鋭モデルに生まれ変わりました。
※RIVER 2にはエクストラバッテリーは設定されませんでした。
DELTA2は今後のベンチマークになり得る電源

DELTA2は基本的に容量・出力は縮小傾向です。
容量は、DELTA2ではEFDELTAの1260Wh→1024Whに、出力はEFDELTA:定格1600W/最大3100W→DELTA2:定格1500W/最大2250Wと縮小されています。
正直言えば、容量も出力も旧モデル「EFDELTA」同等か、若干上回って欲しかったところです。
ただ価格もEFDELTAの約16万円(発売当時)よりも2万円ほど割安になっているので、納得できないこともない、ちょっと微妙なコスパ感です。
また、DELTA 2では「エクストラバッテリー」の接続が可能となったことで、DELTA2専用エクストラバッテリーで+1024Wh、Max2000用エクストラバッテリーで+2016Whの容量アップ(最大3040Wh)が可能です(もちろんその分のコストもかかります)
出力については、EFDELTAの定格出力1600Wから若干少ない1500Wに縮小となりましたが、家庭のAC100Vコンセントが1500Wであることを勘案すればほとんどの家電が駆動可能ですし、「X-Boost」によって消費電力最大1900Wまでの家電なら(1500Wで)動かすことが可能です。
さらに、EcoFlow独自のACアダプター不要の急速充電システム『X-Stream』が進化して充電完了がより早まっている点も、地味ですが実用的な改善と言えます。
以上から、DELTA2は充分なスペックを持ちながらも、コストの安いリン酸鉄リチウム採用し、容量・出力を控えめにしたことなどで本体価格は抑えめ(14万円台)となっており、ポータブル電源購入を検討中のユーザーにとって比較的手が出しやすい価格帯に収まった高コスパモデルと言えそうです。
欠点と言えば、価格と容量・出力から受ける印象として、EFDELTA後継というよりもどちらかというとEFDELTAの廉価版として登場した「DELTA 1000」の後継機のような印象が残念ではあります。
また、出力・入力端子が3面に分散して配置されており、狭く余裕のない車内での取り扱いなどでは若干使いにくさを感じる部分があります。
旧モデルと比べた場合、容量や出力の縮小は価格ダウンで相殺、その代わり「エクストラバッテリー」や「X-Boost」といった技術的な面で縮小・不足のスペックを補うような進化を遂げ、さらにその他の機能も軒並み進化しており、どれを取っても過不足ないスペックで、おそらくこのクラスのポータブル電源のベンチマーク的な存在になるのではないか…と予想でき、充分におすすめのポータブル電源と言えます。
RIVER2シリーズは旧モデルほどの魅力に欠けるか

まずは容量ですが、
- RIVERは288Wh→256Wh
- RIVER2 Maxでは576Wh→512Wh
- RIVER2 Proでは720Wh→768Wh
と、「RIVER Pro(未発売)」以外はすべて容量が縮小しています。
定格/最大/X-Boost時の出力を見てみると
- RIVER:600/1200/1200W→300/600/450W
- RIVER Max…600/1200/1200W→500/1000/750W
- RIVER Pro…600/1200/1200W→800/1600/1000W
と、「RIVER Pro」以外はスペックダウンとなっています。
定格出力も最大瞬間出力とともに、筆者がRIVERシリーズの一番の眼目と考えていた「X-Boost」機能も縮小されてしまい、RIVER2/RIVER2 Maxでは電子レンジや電気ケトルの使用ができなくなってしまった点は残念でなりません。
また、旧モデルでは最小サイズの「RIVER」に専用エクストラバッテリーを追加することで容量アップとなり、それをもって「RIVER Max」となっていましたが、RIVER2/RIVER2 Maxにはエクストラバッテリーの設定がなく、本体容量を拡大することはできなくなりました。
価格面では、ベースモデルRIVER2が旧モデル対比で1万円近く値下げとなり、通常価格で3万円を切ったプライスで登場したことは「入門機」として大いに敷居を下げたと感じます。
Maxは価格据え置きなのに旧モデルよりスペックダウンし、X-Boostで電子レンジが使える等の特徴も失ってしまったことであまり特徴のない平凡な500Wクラスの電源になってしまった感があります。
いまだ未発売ですが、フラッグシップとしてスペックアップしたRIVER2 Proがこのシリーズのイチオシになるのではないかと感じます。

筆者的には、現時点でのポータブル電源のトップメーカーはEcoFlowだろう…と感じています。モバイルバッテリーの老舗「Anker」も2022年以降、意欲的な製品を送り出していますが、利用者の希望にマッチした諸機能を有しているという点で『EcoFlowを買っておけば大きなハズレはない』と言えそうです。
Anker 757 Portable Power Station

「Anker757」は、2022年5月に発売になったAnkerの新しいシリーズ『Portable Power Station』の看板モデルと言える製品です。
リン酸鉄リチウム採用で充電サイクルは3,000回(残存80%)、定格出力1500W/瞬間最大出力2400W、充電容量1229Wh、出力/容量は「EFDELTA」に近い数値ですが、重量は5kg以上も重い19.9kgです。入力はAC100Vで最大1000W、ソーラーパネルから最大200Wです。
入出力端子はAC100V・USB-A・USB-C・シガーソケットなど標準的、5521などのDC出力はありません。また、定格よりも大きな消費電力の家電を使える「電力ブースト」機能や、スマホ遠隔操作などの機能は搭載されておらず、そうした新機能を積極的に採用するEcoFlowとはまた違ったカラーのポータブル電源です。
すべての入出力口や操作系が前面に集中しているのは狭い車内で使いやすいそうです。全高も低めに抑えられておりバンコンなどのシート下にも収まるサイズ感です。
老舗「Anker」ブランドの信頼感・高性能感はなかなかのものですし、そうした期待に応えうる基本に忠実で堅実な製品作りが最大の魅力と言えます。

ちなみに、Ankerのポータブル電源はパススルー充電を使用してもバッテリーの劣化がありません。ポータブル電源を充電中に家電への出力を行うことができる『パススルー充電』は、多くのメーカーで推奨されていない使用方法ですが、Ankerの製品に関してはメーカーが「劣化しない」と明記しているので安心してパススルーでの使用が可能です。
BLUETTI EB3A/EB70S
自分の中では「リンサン鉄リチウム」というとBLUETTIなんですが、ちょっと「デカすぎる」というイメージもあります。そんなBluettiも近年では小型モデルのラインナップも増えていて使い勝手のよい製品があるので要注目です。
EB3A

EB3Aは、大容量バッテリーが得意なBluettiの中で最も小型なポータブル電源ですが、他の同社製品にはない様々な機能を盛り込んだ意欲的な製品です。
この製品のスペックや機能を見ると、おそらく旧RIVERへの対抗を狙って開発・発売されたものと容易に想像できます。しかし、EB3AがEcoFlow製品への対抗として搭載した諸機能は、新シリーズへ進化したRIVER2ではその特徴を失ってしまったため、逆にこのクラスのそうした機能を備えるのはEB3Aだけになってしまいました。
結果的に、現時点ではスペックや機能面で対抗していたはずの「RIVERシリーズ」よりも突出した存在になっているのは面白いところです。

BLUETTIにも小容量クラスのリン酸鉄リチウム採用ポータブル電源があります。中でも「EB3A」は、家電の消費電力を抑えて動作させることができる「電力リフト」機能(EcoFlowの「X-Boost」に似た機能)を搭載するなど、BLUETTIの新世代モデルです。
※スペックや使用感などは「実機レビュー」をご覧ください↓
EB70S

EB70Sは、容量716Wh、定格800W/瞬間1400Wのスペックを持つBluettiの中堅クラスのポータブル電源で、スペックや価格的にEcoFlow「RIVER Pro」に競合するモデルです。
実は、容量1000Wh/定格1000Wのクラスと、容量500Wh/定格500Wのクラスに挟まれたこのクラスのポータブル電源の選択肢はあまり多いとは言えません。
今ほど「リン酸鉄リチウム」が持てはやされる前から、Bluettiはリン酸鉄リチウム電池採用のポータブル電源を製造しており、その安全性やサイクルの長さをアピールしてきましたが、2022年にEcoFlowやAnkerなどの大手が続々とリン酸鉄採用に動いたことで、今さらにBluettiに注目が集まっている印象です。
バンコン乗りの筆者が考えるこのEB70Sのおすすめポイントは3つです。
- 価格が安い
定価で約8万円、セールで6~7万円で購入可能 - 定格800W/最大1400Wの出力
この800Wの定格出力で、当ブログ読者にはお馴染みの電子レンジ「山善YRL-F180」が動きます。おそらく6~7万円以内で買える電源で800W/50Hzの電子レンジを動かせる唯一の電源かと思います(無名の中華製品は知りませんが)。 - 長寿命+安全性
リン酸鉄リチウムイオン電池採用で充電サイクル2500回超の長寿命、熱暴走による発火・爆発のしにくい安全性など
電力ブースト機能やスマホ操作などの最新機能は持ち合わせていませんが、割安な価格でリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを希望していて、車載の電子レンジ使用を前提としているなら「イチオシ」のポータブル電源と言えます。
詳細は「実機レビュー」でご覧ください↓
EENOUR P2001

EENOUR P2001は、定格出力2000w/瞬間最大出力4000wで、容量2027Whのリン酸鉄リチウム電池です。
サイズ的には、394/279/330mmの大きさはちょっとかさ張る感じで、重量は22.0kgとヘビー級、価格も218,800円となかなかのお値段です。
P2001は、AC100Vx6口、USB-Ax2口、USB-A(QC3.0)x2口、USB-C(PD 100W)x2口、シガーライターx1口、DC5521x2口、XT60x1口の合計16個の出力端子を持っているので、給電できない機器を探す方が大変かもしれません。
こちらの製品は入力系統別の充電時間が明記されていて、AC100V+ソーラー入力併用だと約1.5時間、ACアダプターのみでの入力では約1.8時間、ソーラー入力は約5時間(定格500W時)、車シガーソケットは約23時間、発電機入力は約1.8時間となっています。
充電時間が短くて済むというのは実際に使ってみるとかなり重要なファクターですので、AC100V単体で1000W1.8時間で充電完了は有難いです。
充電サイクルは3,500回ですが残存量は70%となっていました。
このP2001は同じような製品が多いです。どこかの製品が大元(おそらくEENOUR)でOEMか何かで供給されているのかもしれませんが、どこが製造元なのか自分にはわかりません。
- OUKITEL P2001 … 定格出力2000w/瞬間最大出力4000w、容量2027Wh
- EENOUR P2001 … 定格出力2000w/瞬間最大出力4000w、容量2000Wh
- ASAGAO AS2K-JP … 定格出力2000w/瞬間最大出力4000w、容量2028Wh
- AFERIY … 定格出力2000w/瞬間最大出力4000w、容量2000Wh
VTOMAN JUMP1000/1500X

こちらのポータブル電源はかなり個性が強い製品です。筆者がポータブル電下に求めるスペックや機能のほとんどを網羅している製品なので、少し詳しめにピックアップします。
外観はコンパクトな印象ですが、重量は重めで内容が詰まっている感じのポータブル電源です。
JUMP 1000は、容量は1408Whありますが、出力は1000W/サージ2000Wです。
JUMP 1500Xは、出力は1500W/サージ3000Wありますが、容量は828Whです。
またシリーズモデル「JUMP 1500」は、出力1500W/サージ3000W、容量1548Whと出力と容量を兼ね備えたモデルです(今回は1000/1500Xに絞って紹介)。
VTOMANの特徴①~定電力機能
VTOMAN 1000をここにピックアップした最大の理由がこの「定電力機能」です。
VTOMANの「定電力機能」とは、『AC出力ポートに接続された電気製品の作動総電力が定格出力を超えた場合でもAC出力は自動的に切断せず、高出力電化製品の「電圧を下げる」ことで作動させる』機能(公式Twitterにて確認済み)とのことで、EcoFlowの「X-Boost」と同じような機能のようです。
JUMP1000の場合は最大1600Wまで電力供給が可能と書かれています(JUMP1500にも搭載は明記されていますが最大出力は記載がありません)。

定格出力が電気製品の消費電力に及ばずに動かすことができないのは困ります。しかし家電消費電力を上回る定格出力を持たせれば製品価格は高くなります。製品価格を上げずに、対応可能な家電の守備範囲を広く持たせられる「X-Boost(EcoFlow)」「電力シフト(BLUETTI)」「定電力機能(VTOMAN)」といった機能は、小~中クラスの製品にこそ有用でしょう。
VTOMANの特徴②~ジャンプスタート機能
この製品の最大の特徴である「ジャンプスターター機能」は引き継いでいて、スタートピーク電流は、JUMP1000で3000A、JUMP1500Xで2000Aを発揮します。
7.0L以下ガソリン・5.5L以下のディーゼル12V車両に対応しているそうです。
人里離れて車中泊をするシチュエーションで怖いのはメインバッテリー上がりですが、この製品があればバッテリーのあがったキャンパーのエンジンをスタートできます。
VTOMANの特徴③~拡張バッテリー

「拡張バッテリー」(EcoFlowで言うところのエクストラバッテリー)による容量アップはJUMP1000の大きな特徴であり、最大2956Whまで拡張可能です。あとから容量を拡張できるのもこのモデルの大きな魅力です。
拡張バッテリーを買い足すことで、容量を拡大できるため本体の容量を落としているのかもしれません。
VTOMANの特徴④ その他
充電サイクルはリン酸鉄リチウムとしては標準的な3,000回(残存量80%)です。
ただ問題は入力です。AC100V・ソーラーパネルいずれも最大200Wでしか充電できません。
ソーラーパネルはまだしも、AC100Vから200Wは満充電にするのはちょっとしんどいかもしれません(ただこれはEcoFlowのX-Streamによる急速充電に慣れている筆者の感覚かもしれません)。
カタログデータによればAC100Vで満充電まで8時間かかるそうです。「X-Stream」で容量80%を1直に内に充電するEcoFlow製品と比べると見劣りしてしまいますが、まあ前日の夜から充電しておけば問題ないようにも思います。緊急的な急速充電リカバリーはできない相談です。
ただこのモデルには、『ジャンプスターター』『定電力機能』『拡張バッテリー』といった機能が備わっており、日ごろ先進技術の投入を好感しておすすめしているEcoFlowと似た印象を持ち、俄然、興味が沸いてきました。
新型RIVERでは、旧RIVERの魅力になっていた多くの特徴を捨ててしまった感があり、ますますVTOMANの存在感が魅力的に見えます。
EcoFlowのニューモデルとスペック比較
実は、本記事内のリン酸鉄リチウム電池採用のポータブル電源の中で、筆者的にイチオシというか、最も興味を惹かれたのが、このVTOMANの製品です。
JUMP1000 | DELTA2 | JUMP1500X | RIVER2Pro | |
容量 | 1408Wh | 1024Wh | 828Wh | 768Wh |
定格出力 | 1000W | 1500W | 1500W | 800W |
瞬間最大 | 2000W | 2250W | 3000W | 1600W |
AC100V | 6口 | 6口 | 6口 | 4口 |
USB-A | 3口 | 2口 | 3口 | 2口 |
A急速 | 1口 | 2口 | 1口 | 1口 |
USB-C | 2口 | 2口 | 2口 | 1口 |
シガー | 1口 | 1口 | 1口 | 1口 |
AC入力 | 200W | 1200W | 200W | 940W |
ソーラー入力 | 200W | 500W | 200W | 220W |
定電圧機能 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ジャンプスタート | 〇 | × | 〇 | × |
予備バッテリー | +1548Wh | +1024Wh | +1548Wh | × |
スマホ遠隔操作 | × | 〇 | × | 〇 |
サイズ(cm) | 36*27*28 | 40*21.1*28.1 | 36*27*28 | 26.9*25.9*22.6 |
重量 | 17.5kg | 12.0kg | 15.7kg | 7.8kg |
Amazon価格 | 138,600円 | 143,000円 | 76,800円 | 88,000円 |
1Wh単価 | 98.4円 | 139.6円 | 92.8円 | 114.6円 |
上表は『JUMP1000:DELTA2』と『JUMP1500X:RIVER2 Pro』のスペックを一覧にしたものです。
最初に価格の話しをするのは少々下世話ですが、VTOMAN製品の容量1Whあたりの単価の安さが目立ちます。1500Xの92.8円はかなり高コスパです。逆に、EcoFlowは(特にDELTA2)はコスパがあまり良いとは言えない価格設定です。
VTOMAN・EcoFlowともに、家電の消費電力を抑制して定格出力で動作させる機能~VTOMANは『定電圧機能』、EcoFlowは『X-Boost』を備え、予備バッテリー(EcoFlowはエクストラバッテリー)を接続可能な点もよく似ています。
VTOMANだけの特徴としては、何と言っても「ジャンプスタート」機能です。自然の中でキャンプや車中泊をする際に心配なバッテリー上がりでエンジン始動できないことですが、VTOMAN製品であれば指導が可能です。
一方、VTOMANが持っていないのは『スマホ遠隔操作』です。この機能は実際使ってみるとかなり便利なのでかなり「惜しい」と感じます。その他、重量が重い、AC/ソーラー入力が200Wと小さいことなどが弱点と言えます。
ただ相対的に見て、EcoFlowの新モデルでガッカリした方にとっては代替機としてかなり高ポイントなのではないかと思います。新DELTA、新RIVERが「こう進化して欲しかった」を具体化したような内容ではないかと感じます。
充電に時間がかかるのと、スマホで操作できない点が「絶対に嫌だ」ということでなければ、充分、購入検討になり得ると思います。
セール対象になりやすく、値引が大きいのも買いやすいポイントでしょう。

『VTOMAN』というメーカーはあまり有名とは言えず「ちょっと不安」という方もいるかもしれません。そういう場合は、担当者さんと話してみると安心できるケースもあります。VTOMANはTwitterに『公式アカウント』と『VTOMAN JP 営業部担当 佳子』というアカウントを開設しています。筆者も本記事作成時に知りたいことがあり、『VTOMAN JP 営業部担当 佳子』に問合せをしてみましたが、気さくに丁寧に回答して頂けました。もし不安要素や疑問点があれば佳子さんに質問してみてはいかがでしょうか。ただしVTOMANは日本法人を置いていません。
【11/27追記】VTOMAN Jump1500X購入
11月27日、『VTOMAN JUMP1500X』を購入しました。
11/30納品だそうなので、また実機レポートを書きたいと思います。
日本法人がないのが気がかりです、その辺りの信頼性なども含めてレビュー出来たらと思っています→その後『VTOMAN JAPAN』が設立されています。
【11/30追記】VTOMAN Jump1500X購入~返品
11月30日 午前10時すぎ「VTOMAN Jump1500X」が届きましたが…

箱に貼ってあったシール、書かれていたのは
『Attention Do check the SEAL intact before SIGNING! If the SEAL damaged, please check carefully before SIGNING!』
『注意 署名する前に、シールが無傷であることを確認してください。 シールが破損している場合は、署名する前に注意深く確認してください。』
そのシールが何とカットされて、その上に同じシールが貼られて、さらにその上から透明の梱包テープが張られている状態でした。
怪しい!怪しすぎる…ってことで、Amazonカスタマーサポートと、VTOMANのTwitterアカウントにダイレクトメッセージで問い合わせたところ、Amazonは「Amazonでは当該シールの存在を認知しておらず(知らない)Amazonで貼ったものではない」とのことで、「開封済み品=中古品ということで返品可能」とのことでした。
VTOMANのTwitterにも、おそらく税関で検査の際に開封したと思われると、すぐに返信がありました。

配送用の箱を開いてみると…

Amazonに連絡し「一旦開梱して中身を確認してからでも返品OK」の言質を貰ってから製品の箱も開封…、すると

モールに剥がれがあり、中古品でも新品でも関係なく返品…と心が決まりました。内容やスペック的には魅力を感じていただけに残念です。

これは返品商品だったのではないか…と思います。おそらく「モール剥がれ」で返品になった製品をきちんと分別していなかった等で再出荷されてしまったものと思います。税関云々ではなく、開梱したのは最初の購入者ではなかったかと思います。「封入シール剥がれ」と「不用品返品」が重なってしまいこんな結果になったものと想像しています。
リン酸鉄リチウム電池採用ポータブル電源 まとめ
今回は、リン酸鉄リチウム電池縛りでポータブル電源を探してみました。
安定性・安全性が高く、比較的安価で長持ちするリン酸鉄系ポータブル電源は、おそらく、1度買えば一生ものではないか…という気がします。
反面、ここまでリン酸鉄リチウム祭りで「一択」状態になると、それでいいの?というへそ曲がり気質が顔をのぞかせて、ちょっと「異」を唱えてみたくなります。
EcoFlow-LOVEな自分ですが、スペックダウンばかりの昨今の新モデルはどうにも手放しで万歳できない何かモヤモヤを感じます。
ぶっちゃけ言えば『サッカーのレジェンド』や『著名なアーティストとコラボ』など必要なの?と思います。そのぶんのコストって当然製品価格に反映するはずですので、どこか違う方向へ進み始めた感じがしてなりません。「EcoFlowよ、どこへゆく…」的な。
また、リン酸鉄と言えば…の「BLUETTI」が新モデルを投入せずこのまま黙っているのか、「Jackery」は今後もリン酸鉄リチウム化しないのか、やっぱり安定の「Anker」か、それともEFDELTAでEcoFlowが躍進した時のように全く別のメーカーが現れるのか…等々、気になることがいっぱい過ぎて、ポータブル電源からちょっと目が離せません。

そんな中、まったくの無名ながら、かなり「いい線いっている」VTOMANには興味が沸きます。ただVTOMANをチョイスすることでの気がかりは、このメーカーが日本法人を設立していないという点です(「VTOMAN日本」を名乗っていますが、所在地は中国です)。
何かあった時に日本法人がないということはユーザーに非常に不利に働きますのでその点はリスクを背負う覚悟や決断が必要かな…と思います。そこが問題ないのであれば、スペックや機能にはかなり魅力を感じます。
それでは今日はこの辺で。
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