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ポータブル電源選ぶならリン酸鉄リチウム!そのおすすめ理由とは?安全性と長寿命に秀でたおすすめ5機種

おすすめリン酸鉄リチウムイオンバッテリー14選 ポータブル電源・バッテリー
この記事は約24分で読めます。

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今回は、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用したポータブル電源がおすすめの理由について深堀します。三元系リチウムバッテリーも併売される中、どうしてリン酸鉄リチウムがおすすめなんでしょうか。

KAZ
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ポータブル電源はアウトドアで大活躍しますし、災害への備えや節電対策としても非常に有効です。あまり報道されませんが、毎年のように発火事故や爆発事故などが起きている現実もあります。そうした事故を起こしにくい新しい電池素材としてリン酸鉄リチウムが注目されています。

どうせ買うなら丈夫で長持ちでしかも危険性の少ないバッテリーを…と思うのは誰しも同じです。

そんなユーザーの要望・期待にピッタリなのがリン酸鉄リチウムイオン電池を採用したポータブル電源です。今回はリン酸鉄リチウムイオンバッテリーのおすすめポイントを深堀してみます。

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なぜいま『リン酸鉄リチウムイオン電池』がおすすめなのか

2022年以降、大手ポータブル電源メーカーも含めて新製品のほとんどが「リン酸鉄リチウムイオン電池(LiFePO₄)」を採用するようになりました。

なぜいま、リン酸鉄リチウム電池が注目されるのでしょうか。

その理由は大きく2つです。

(1)安全性が高い
(2)長寿命

この2点についてそれぞれ分かりやすく解説します。

理由① リン酸鉄リチウムは安全性が高い

画像出典:Bluetti.jp

例えば、iPhoneをはじめとするスマホやノートPC、モバイルバッテリー、ポータブル電源等に『リチウムイオン電池』が採用されていますが、一口に「リチウムイオン電池」といっても使われる素材によっていくつかの種類があり、安全性についても明確な違いがあります(図参照)。

「コバルト系リチウムイオン電池」は世界で初めて開発されたリチウムイオン電池ですが、熱暴走の可能性が高く現在ではあまり使われなくなっています。

この「熱暴走」は非常に重大な問題で、リチウムイオン電池の種類(使われる素材)によって熱暴走が起こりやすさ・起こりにくさに幅があります。

コバルト系の反対側、つまり熱暴走が最も起こりにくいのが『リン酸鉄系のリチウムイオン電池』で、電池の内部抵抗が低いため充電時などに発熱しにくく、仮に発熱した場合でも結晶構造が崩壊しにくく、安全性が高いことが特徴です。

反面、エネルギー密度が低く同じパワーを得ようとすると、三元系に比べてどうしても大柄になりやすいのは「ポータブル(持ち運び)」電源としては弱点になりますが、昨今では各メーカーの研究開発によってエネルギー密度が徐々に高まりつつあり、こうした弱点もいずれ解消されるはずです。

従来の三元系リチウムイオン電池では、高温になると正極に使用している金属から酸素が離脱しやすいため、発火・爆発が起こりやすくなりますが、リン酸鉄リチウムイオン電池では結晶構造が崩壊しにくいため、400℃の高温になってもガスを発生せず発火や爆発しないとされています。

時折、ニュースなどでリチウムイオン電池の発火によって火災が発生したり、スマホ電池が充電中に高温になり突然爆発した等の報道を目にしますが、リン酸鉄リチウムイオン電池はそうした危険性が極めて低い安全な電池というわけです。

KAZ
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ちなみにiiPhoneなどのスマホで採用されているリチウムイオン電池も発火・爆発の危険性があるのか…といえば、そうではありません。iPhoneが採用するのは図の下から2番目の「リチウムポリマー電池」で、こちらも充分に安全性の高い電池となっています。

理由② リン酸鉄リチウムイオン電池は長寿命

リン酸鉄リチウムイオン電池のもう1つの大きな特徴として「長寿命」が挙げられます。

リン酸鉄リチウムも含め、リチウムイオン電池は充電・放電(電気を使うこと)を繰り返すうちに『充電容量の減少』というカタチで劣化が現れます

ポータブル電源の仕様諸元表に「サイクル:800回(80%)」や「サイクル:3000(80%)」等の記載がありますが、これがその電源の「寿命」を表しています。

これは『所定のカウント方法で充放電を800回、あるいは3000回繰り返すと、(おそらく)充電容量が当初(新品時)の80%ほどになっているはずです』と言う意味になります。ちなみに、サイクルを正しく言うと「充電サイクル」といいます。



では、リン酸鉄リチウムイオン電池の特徴である「長寿命」というのはどういう意味なんでしょうか。

電源における長寿命とは「充電容量の減少(=劣化)速度がゆっくりである」と言う意味になります

分かりやすくいうと、所定(80%等)の容量まで減少するまでに長い時間がかかるということです。

実際、三元系リチウムイオン電源のサイクル数は、500回や800回が多く、まれに1000回と表示しているメーカーもありますが、リン酸鉄リチウムでは2500回、3000回が一般的、最新モデルでは3500回という製品も登場してきています。

ポータブル電源の劣化は容量減少

三元系でもリン酸鉄でも、ポータブル電源に採用されている『リチウムイオン電池』は充放電を繰り返すことで劣化が進みますが、その症状は≪充電容量減少≫として現れます。つまり、充電して貯めておける電力容量が減ってしまうことが「劣化」なのです。

多くのポータブル電源は「サイクル○○回(80%残存)」等と記載されていますが、これは「充電サイクル」が○○回繰り返されると、充電容量が80%まで減少します」という意味です。

この『劣化=容量減少』『劣化の目安=充電サイクル』と言うことを念頭にこの先をお読みください。

電源の寿命を表す「充電サイクル」ってなに?

電池の寿命を表す「充電サイクル」は非常に誤解されやすいワードです。

「充電サイクル」とは、

  • 充電器に繋いだ回数
  • 100%の満充電になった回数
  • バッテリーを使い切った回数

と思われがちですが、実は違います。

充電サイクルの正しい理解は、

放電量の合計が100%になったら充電サイクル1回とカウント』です。

その意味は、例えば500Whの容量のポータブル電源があったとしてその電源の充電サイクルが『1000回(80%残存)』だった場合、放電量(容量の使用量)の合計が100%(この場合は500Wh)になるごとに、充電サイクルが1カウントされるということです。

補足すると、「放電」とは充電された電気を使うことです。

「放電量の合計が100%」とは、何回かに分けて使用した場合でも、使用量の合計が100&ぶんになったら充電サイクル1回とカウントするという意味です。

以下は、充電サイクルのカウントの仕組みを図解したものです。

画像出典:appleサポート

100%に充電されたiPhoneを、昨日75%使って、今日25%使うと、合計で100%使ったことになり、この合計100%になった時点で「充電サイクル」が1サイクルとカウントされることを表しています。75%使用と、25%使用の間に75%の充電が挟まっても関係なく、放電量の合計が100%になることだけをカウントして1サイクルになります。

図はAppleサポートがiPhoneに採用されているリチウムイオン電池の寿命について解説したページからの引用ですが、三元系でもリン酸鉄でも、ポータブル電源のリチウムイオン電池も同様の方法で寿命をカウントしています(メーカーに確認済み)。

リン酸鉄リチウムイオン電池は充電サイクル3000回と表示する機種が多いですが、週に1回、容量の100%分を使い切るような使い方を続けた場合、7日間で100%=1回なので、充電策来るが3000回に至るのは21,000日=57.5年後ということになります。

メーカーがよく10年と言っているのは、1.2日(1日と4時間)≒1日で100%分を使い切るような使い方を続けた場合に容量が80%に減少します…と言う意味になります。

充電サイクル3000回超えたらどうなる?

では、ポータブル電源の取説に記載の「充電サイクル」に至ったらどうなるのかが気になりますね。

筆者所有のEcoFlow EFDELTAの充電サイクルは800回です。例えば、1260Whの容量を毎日100%使い切るような使い方をした場合、約2.2年(2年2か月ほど)後に充電サイクル800回に到達することになりますが、EFDELTAはどうなるのでしょう。どんな症状が出るのでしょう?

家電を繋いでも動かなくなる
スマホを充電できなくなる
危険なので使わない方がよい

そんなデメリットが生じそうな気がしますが、実は何も起こりません

単に容量の減少(劣化)が進んで、充電しておける充電量がどんどん減るだけです。

『充電サイクル○○回(80%)』という表記には、書かれているだけの意味しかありません(どこにも不具合が出るとか、使えなくなるとは書かれていません)。単に「容量が80%まで目減りする」だけです。

その後も特に支障なく使い続けることは可能ですが、さらに容量の減少は進み、70%→60%→50%とどんどん貯めておける電力量が減って『実用性がなくなる…というのが劣化の症状』です。

しかも、充電サイクル○○回(80%)は、あくまで目安というか想定であって、必ずしも80%まで減少しない場合もありますし、逆にもっと劣化が進んで70%になってしまう可能性もあります(日々の充電方法や管理の仕方で大きく変わります)。

これをリン酸鉄リチウム電池(充電サイクル3000回)に当てはめてみると、もし毎日100%を使い切ったとしても8.2年(約8年2か月)後に容量が80%になる可能性があり、その後も容量は減少するがそのまま使い続けることができることになります。

さらに容量が減るまで使用し続ければ、もしかすると基板や配線といった他の部品や構造が劣化して別の不具合が生じる方が先かもしれません。

ポータブル電源の寿命には「容量」の影響が大きい

ここで問題です。

(A)容量500Whのリン酸鉄リチウムイオン電池採用で充電サイクル3000回のポータブル電源
(B)容量1,875Whの三元素リチウムイオン電池採用で充電サイクル800回のポータブル電源

(A)(B)いずれの寿命が長いと思いますか?

長寿命が特徴のリン酸鉄リチウムの(A)がより長寿命に思えませんか?

実は正解は『同じ』なんです。

検証するために電気使用量を定めましょう。(A)(B)いずれのバッテリーも『毎日(1日間)に500W消費する』ことにしましょう。

(A)のバッテリーは、1日間に500Wh使うと1日で全容量を使い切るので、1日で「充電サイクル」が1カウント進むことになります。3000回÷365=8.219≒8.2年後ということになります。

(B)のバッテリーは、1日間に500Wh使うと3.75日で全容量を使い切るので、「充電サイクル」1カウント進むのに3.75日かかることになります。800回×3.75日÷365日=8.219≒8.2年後となります。

いかがですか?意外と「目からウロコ」じゃないですか?

ここで注目すべきは「充電サイクルは≪%≫が基準」となっている点です。例えば500Whの電源と、1,875Whの電源の30%使用時の実際の消費電力量は異なります。当然ながら、元の容量の多い電源の方が同じ電力量を消費しても、その電源の容量に対する割合(%)は小さくなります。

このことから、ポータブル電源の「寿命」だけを考えるなら、単に充電サイクル数だけではなく、容量も加味して勘案すべきだということがわかります。

言い換えれば、購入した電源を少しでも長持ちさせたいなら、充電サイクル数だけでなく、充電容量の大きさも考慮すべき…ということになります。

もちろん、使う用途がないのに無暗に大容量電源を購入するのは無駄かもしれませんが、昨今では大規模災害発生の懸念や、電気料金高騰による節電対策として注目されていることを勘案すれば、やはり少しでも大容量の電源を検討すべきと言えるかもしれません。

三元系リチウムは危険で、リン酸鉄リチウムなら安全なのか

以上のような観点から見れば、充電サイクルのカウント進行がゆっくり(あまり使用頻度が高くない)場合には、800カウントの三元系リチウムバッテリーでも十分に持て余すほどの寿命を得られます。

安全性の面で言えばリン酸鉄の方が安全性は高いのは確かですが、だからといって絶対に手を出すべきではないほど危険ではないはずです。EcoFlowもJackeryもAnkerも、今まで危険なことを知りながら、素知らぬ顔をして三元系リチウムイオンのバッテリーを製造・販売してきたのでしょうか?そんなことはないはずです。

一方でリチウムイオン電池による事故は毎年のように発生しているのも事実です。

肝心なのは、きちんとした製品かどうか…ではないでしょうか。1つの「拠りどころ」として、日本法人を持つような「EcoFlow・Jackery・Anker」といった名の通ったメーカーの製品をきちんと保証付きで購入することなどが挙げられます。

逆に言えば、海外からAmazonに出品しているような名も知れぬメーカーのリン酸鉄バッテリーが、EcoFlow・Jackery・Ankerの三元系リチウムバッテリーより安全だと言い切れるのでしょうか?

要はリン酸鉄リチウムか、三元系リチウムか…ではなく、そのメーカーが信頼に足るかどうか、いざという時に日本国内の法に則って対応してくれるかどうかではないでしょうか(下記報道参照)。

そういった意味で、自分は、セール対象として値引額の大きさなども勘案すれば、安全性に配慮した使い方を心がけることで三元系バッテリーは充分選択肢になり得ると考えます。自分は2020年発売・購入の「EFDELTA」を現在でもメインに使っていますが、異常な発熱もなく安定して日々使用しています。

三元素かリン酸鉄か…への提案

それでもやっぱり「リン酸鉄だ!」という方への提案です。Bluettiなら他社がまだ三元素リチウム全盛だった2020~2021年当時にはもう「リン酸鉄リチウム」を採用していましたので、セールで割安な製品を買っても「リン酸鉄リチウム」です。

ポータブル電源も日本製がいい?海外製はNG?

ポータブル電源に限らず様々な分野で日本製品が安心であることは確かですが、ポータブル電源に関しては日本製はほぼ望めません

ポータブル電源の主要製造メーカーの多くは海外企業でありその拠点の多くは中国にあります。人気筆頭のEcoFlowも、AnkerもBLUETTIも中国の企業ですし、老舗Jackeryは元はアメリカ企業ですが生産拠点は中国です。

あくまで筆者個人の考えですが、ポータブル電源については特に国産にこだわる必要はないと考えています。中国企業の製品でもきちんとした性能・機能・品質を備えた製品はたくさんあります。とはいえ、中国製なら何でもいいのかというとその辺りは危険性もないとは言い切れません。

昨今のアウトドアブームに加え、災害時の備え、さらには電力需給逼迫時の節電対策向けにポータブル電源+ソーラーパネルの購入を検討される方が増えていますが、ポータブル電源は決して安い買い物ではないためどうしても「できるだけ安く購入したい」と考えるのは当然のことです。

〇mazo〇等のショッピングモールには海外の名も知れないメーカーの製品が激安価格で販売されて非常に魅力的に映りますが、こんな事例もあります。

これ以外でもスマホのバッテリー、モバイルバッテリー、ポータブル電源のリチウムイオン電池の発火や爆発の事例は少なくありません。

そうした事もあって電源としてより安定している『リン酸鉄リチウム電池』への転換が進んでいる面もありますが、ニュースのように出火原因が「バッテリー内部の絶縁体の劣化によるショート」なのであれば、リン酸鉄リチウムでも三元素リチウムでも関係ありません。

さらに言えば、災害対策などで充放電サイクルが長い場合、リン酸鉄リチウムに置き換わって長寿命となった結果、何十年も下手をすると100年近くもの電池寿命が持ってしまうケースもあり得るとすれば、電池は問題ないとしてもその他のポータブル電源を構成する部品や部材が劣化しないのか等に不安を感じる部分もあります。

アマゾンの問い合わせフォームを通じメーカーに連絡を取ったが、メーカー側は電話での対応に応じず、日本の法律には規定のない「家財損壊証明書」の提出を要求してきた』という記事から推察すれば、そのメーカーは日本法人を持たないメーカーのようです(日本法人があればAmazonを通す必要はなく、日本法人に直接連絡できるはずです)。

日本法人を持たない海外メーカーの中にも責任ある製品作りをしているメーカーもあるのかもしれませんが、少なくともショッピングモールで商品説明を読むだけではユーザーには見えません。そしてつい安さに釣られやすいのも事実でしょう。

しかし日本の現行法では販売者(この場合Amazon)の責任は問えないため、日本法人のない海外メーカーは容易に「とんずら」しやすい状況にあると言えます。というか日本の法律が及ばないところにいるわけです。

ということは逆を返せば、日本の現行法が及ぶ企業であることが原則だということになります。それはつまり「日本法人」と言うことだと思います。「日本法人」は日本の法律が適用されるので、最低限日本法人を設立しているメーカーであることを確認すべきです。

割安な価格で購入できるに越したことはありませんが、何か問題が起こった際にはそれなりのリスクも背負うことになる場合もあることは念頭に製品を検討すべきでしょう。

KAZ
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ポータブル電源を選ぶ際には、まずよく知られたメーカーであることが大前提です。EcoFlow/Jackery/Anker/Bluettiの4大メーカーであれば日本法人も設立していますし、サポート体制も整っています。さらにALLPOWERSやVTOMANなど新興メーカーも、せめて日本法人を設立していることを条件に選ぶべきと考えます。日本法人があれば絶対安心かと問われれば保証の限りではありませんが、少なくとも日本国内で地に足をつけて企業活動を行おうという意思と受け取れるのではないか…と思います。

おすすめリン酸鉄リチウムバッテリー

本項では、筆者が現時点でおすすめしたいポータブル電源を5機種選びました。

容量を基準にしていて、2000Whクラス・1000Whクラス・700Whクラス・600Wクラス・300Whクラスからそれぞれ1機種ずつ選んでいます。

2000Whクラス~Jackery 2000Plus

ついにJackeryがリン酸鉄リチウムイオン電池採用ポータブル電源を発売しました。

Jackeryは正解初の「三元系リチウムイオンバッテリー」を市販化したメーカーなので、三元系にこだわりが強いのか、2022~2023年はじめにかけては従来モデルを進化させた「Pro」シリーズを展開していましたが、三元系の老舗もついにリン酸鉄系をラインナップ開始しました。

「2000 Plus」の特徴は何といっても、出力の大きさと、拡張時の桁外れな容量です。

従来は、2000Whクラスの定格出力は2000W程度であることが多く、本項で紹介しているEcoFlowもAnkerもいずれも定格2000Wですが、2000Plusは3000Wです。

この3000Wという出力は、「X-Boost(定電力機能)」を使って2700Wまで対応を謳っていたDELTA2 Maxを、「素」のまま超えている高出力です。しかも、価格は容量2000whクラスとして設定されているので、出力1Wあたりの単価はわずか95円と高コスパです。

拡張用バッテリー「Battery Pack 2000 Plus(2042.8Wh/175,000円)」を最大5台まで接続可能で、最大時の容量はなんと12,000Whを超えます。さらに2000Plus2台を専用ケーブルで並列接続し、各々に5台の拡張バッテリーを接続した状態では24,000Wh超というとてつもない容量を確保でき、この場合には200V仕様の電気製品が使用可能です。

3000W出力の電源が20万円台というのは「破格」の値付けではないか…と感じました。

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1000Whクラス~Jackery 1000 Plus

続いて、1000WhクラスでもJackeryの新しいラインナップから「1000Plus」を選びました。

『Jackery 1000 Plus』は、「2000Plus」に続いて登場したJakceryのリン酸鉄リチウム電池採用の新世代ポータブル電源の第2弾で、容量1,264Whに対して定格2000W/瞬間最大4000Wの高出力電源として登場しました。

2000Plus同様に、容量を拡張した際にも出力不足とならないよう定格出力は1クラス上のパワーが与えられています。他社の容量2000Wh/定格2000Wクラスの電源が25万~30万円の価格帯であることを勘案すれば、定格出力2000Wで通常価格168,000円はかなり割安な設定と言えます。

良心的だな…と感じるのは、1000Plusと拡張バッテリー「Battery Pack 1000 Plus(1,264Wh/117,600円)」をセット購入すると合計285,600円となり、他社容量2000Wh/定格2000Wクラスと同等価格に収まるため、拡張バッテリーを別途後日購入しても、負担額は容量2000Wh/定格2000Wクラスと同等です。

つまり、「1000Plus」なら、容量2000Wh/定格2000Wクラスの電源を、まず168,000円で定格出力のぶんだけ先行して購入できる…というわけです。

KAZ
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話が分かりにくいかもしれませんが、通常、2000Wh/2000Wの電源を購入しようと思えば、最初から25~30万円のコストがかかるが、1000Plusなら、最初は168,000円のコストで定格2000Wを確保することが可能で、後日117,600円の追加で残りの容量1264Whを追加し、2000Wh/2000Wの電源を完成させることが可能…というわけです。それでいて最終コストは他社2000Wh/2000Wクラスの25~30万円以内に収まる…というわけです。

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800Whクラス~Bluetti AC70

容量800Wh弱、出力800W/最大1600W、X-Boost時1000Wのスペックで、10万円以下のクラスで人気となっている「EcoFlow RIVER 2 Pro」ですが、ついに強力なライバルが登場してきました。

実はこのクラスは2023年春に登場以来、「RIVER 2 Pro」の独壇場でした。唯一競合するのはBluetti EB70Sだけでしたが、発売からかなり時間が経過しているため、昨日でも性能でも及ばない現実がありました(とはいえ筆者は気に入って使っていますが)。

そのEB70Sの後継として、2023年10月に登場したのがBluetti「AC70」です。

実はRIVER 2 Proは、拡張バッテリー機能を廃止したり、X-Boostで対応できる消費電力を引き下げるなど、初代モデルに比べて「縮小」イメージがありますが、AC70は逆に全モデルをパワーアップして登場し、俄然人気となっている新型ポタ電です。

前モデルでは採用がなかった「拡張バッテリー」に対応し、「電力リフト(X-Boostと同様の機能)」も新採用で最大2000Wまで対応、質感も大幅にアップして魅力満載の小型ポタ電として登場してきました。

容量716→768Wh、定格出力800W→1000W、瞬間最大出力1600W→2000W、電力リフト新採用2000Wまで対応、スマホ遠隔操作新採用など、このクラスとしてはかなり高スペックを与えられています。最近のBluettiは力が入っていて、非常におすすめです。

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400Whクラス~BLUETTI AC60

Bluetti AC60

充電容量400~500Whクラスは、モデル分布の薄いクラスです。

初代RIVERシリーズでは「RIVER Max」と、Bluetti EB55がそのクラスの代表モデルです。昨年(2022年)にはRIVERが「2」に進化したのに対し、「EB55」は旧モデルのまま販売が継続されていましたが、ここへきてようやくBluettiにも新モデルが登場しました。

AC60はBluetti伝統のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用し、充電サイクルは3000回、保証期間は6年間という長寿命モデルとして登場しました。

AC60の容量は403Whで、拡張バッテリー「B80」を最大3台接続して2,015Whの容量を確保できます。容量は拡張バッテリー依存ということで本体の容量は抑え気味…という点は最近のトレンドに則っています。

出力は定格600W/最大1200Wで、電力リフトで最大1200Wまでの家電が使用可能となっています(出力や電力リフトの数値はEB3Aと同等)。

出力値はもう少し(800W程度)あっても良かったか?と思いますが、このクラスの電源が拡張バッテリーで最大2000Wh超の容量を持てるのは大きな特徴です。実際の出力は抑えられてしまいますが、電力リフトで最大1200Wまでの家電を使えることと相まって、普段使いでの使い勝手はかなり良さそうです。

従来のBletti製リン酸鉄リチウムバッテリーの弱点だった「充電サイクル」と「保証期間」も3000回+6年保証にスペックアップしています。6年保証とはこの製品に並々ならぬ自信がありそうです。

KAZ
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「AC60・B80」のデモ機をお借りして、実機を使用してレビュー記事をアップしています。容量やスペックも大きな進化を見せていますが、何よりも驚いたのは、その質感の向上です。1クラスも2クラスも上位のモデルと思える厚みがあり高級感のある外装に注目です。

200Whクラス~BLUETTI EB3A

もはや「名機」といっても過言でないほど、多機能高性能なコンパクトポータブル電源です。

「EB3A」は、初代RIVERに対抗すべく与えられた容量268Wh、定格600W/最大1200W、定電圧機能(電力リフト)最大1200Wというスペックは、現行RIVER2を凌いでしまいました。

EB3Aは、大容量バッテリーが得意なBluettiの中で最も小型なポータブル電源ですが、他の同社製品にはない様々な機能を盛り込んだ意欲的な製品です。

この製品のスペックや機能を見ると、おそらく旧RIVERへの対抗を狙って開発・発売されたものと容易に想像できます。しかし、EB3AがEcoFlow製品への対抗として搭載した諸機能は、新シリーズへ進化したRIVER2ではその特徴を失ってしまったため、逆にこのクラスのそうした機能を備えるのはEB3Aだけになってしまいました。

結果的に、現時点ではスペックや機能面で対抗していたはずの「RIVERシリーズ」よりも突出した存在になっているのは面白いところです。「AC60」が登場した後でも、容量200Whクラスの中では断トツの高コスパモデルであることは変わりません。

現在は、発売から時間が経過してきたこともあって値下げされているので、非常に購入しやすいポタ電です。はじめてのポタ電におすすめです。

リン酸鉄リチウムバッテリー まとめ

今回は、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのおすすめポイントを深堀りしました。

安定性・安全性が高く、比較的安価で長持ちするリン酸鉄系ポータブル電源は、おそらく、1度買えば一生ものとなるはずですが、反面、基板や配線の劣化が気になるところではあります。

また後から容量を拡大できるのはメリットですが、そのたびに新たなコストが発生するため、経済的な負担が三元系よりも大きいという点はデメリットです。その点、拡張後の出力を持ち、価格は容量クラス並みの良心的価格設定のJackeryに注目です。

中~小型クラスでは、新世代ポタ電を矢継ぎ早に投入しているBluettiが魅力的です。進化&パワーアップした機能・性能に加え、外装の質感もグッとアップしています。

自分は依然はEcoFlow推しであることを公言していましたが、ここ1~2年では、JackeryとBluettiが躍動している感じで気になっています。実際、EcoFlowも含めて吟味に吟味を重ねて購入したポタ電はBluettiでした。

スペックを重視するのか、メーカーの信頼性を取るのか、最新モデルなのか、定評のある定番モデルなのか…、選び方によって出てくる答えは様々ですが、日本法人を持つメーカーの製品がおすすめである点は共通です。

※もっと細かくクラスごとに比較しながら選びたい場合には以下の記事をご覧ください

それでは今日はこの辺で。

記事へのご意見・ご質問等はメールではなくコメント欄にお書きください。
※コメント欄は最下段にあります。
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■ 著者紹介 この記事を書いたのは…
KAZ

「喜田宗彦」としてWEBライターをしています。ライター歴は10年超です。本ブログの記事は、自分自身の実際の体験や経験、ライターとして取材や調査で得た知見、懇意にしてくださるメーカーさんなどから得た知識・情報等を反映した記事を執筆・掲載しています。アウトドアについては1982年ごろからオートキャンプを開始しキャンプ歴は40年超になります。2020年にはバンコンタイプの小型キャンパーを購入し車中泊の楽しさに目覚めました。
また食べることが好きで食べ物関連の記事多めです。特に安くて美味しいものに目がありません。地元グルメやチェンめしも好物です。
ブログ運営者について

  1. KAZ Enjoy Camper より:

    コイケさん
    こんにちわ。

    >メーカーがNGを出している以上は自己責任ということですね
    仰る通りです。その辺は致し方ないところですが、うまくゆけば「めっけもん」ですね^^
    いまくゆくことをお祈りしています。
    貴重なご意見ご報告、他の読者さんにも参考になると思います。ありがとうございました。

  2. コイケ より:

    ご丁寧にご回答いただき、ありがとうございます!

    DELTA2もR600も入力が60Vまでですが、
    メーカー回答は
    DELTA2は、直列接続できます。
    R600は、直列接続できません。
    と回答がそれぞれ分かれているのは、各社の基準としている部分が違うのかもしれません。EcoFlowのいう分圧ということを考えるとR600も接続可能ではないかと思うのですが、メーカーがNGを出している以上は自己責任ということですね。
    車体ルーフのパネルが動作電圧からするとポタ電の入力範囲内、開放電圧では上回っているという記事の内容も含め、自己責任ですが僕もいけるんじゃないかなぁと思っています。

    並列での接続またはポタ電の容量アップも検討してみようかと思います。

  3. KAZ Enjoy Camper より:

    コイケさん
    こんばんわ。ブログへのご訪問&コメントありがとうございます。

    ソーラーパネルのご質問ですね。
    わたしは某メーカーのサポートに問い合わせた際に「開放電圧」ではなく「動作電圧(Vmp)」で判断せよと教わりましたので、それに従ってブログ記事を書いております。

    わたしも、コイケさんと同じく、「R600」でVmp:25.4Vのパネルを直列で接続できると思います。
    少なくともわたしはそう教わりましたし、実際に開放電圧では上回ってしまう車体ルーフのBougeRV製200Wパネル(開放31.5V、動作電圧25V)で、Bluetti EB70S/EB3Aを充電していますが特に問題なく使えています(EB70SもEB3Aも12V-28V,Max200Wです)。もしかすると目に見えない部分で劣化している可能性はありますが、目に見える部分での影響はありません。
    そういった意味で、Vmpで判断されているコイケさんのお考えには同調いたします。

    ただ、問題は「理屈」ではないと思うんです。
    たかが1つのブログ上で理屈として何が正しいかを論争しても無意味で、結局は、その製品のメーカーがどう考えどう発言するか…じゃないかと思います。
    お問い合わせになって、「ダメです」「開放電圧で判断してください」と言われれば、いくら、「他社は違う」あるいは「某ブログではそうは言っていない」…と主張したところで、その製品の開発製造販売会社が「だめだ」と言っているものをどうあがいても覆せません。

    お手持ちのソーラーパネルが「R600」で使えるかどうかを問い合わせた先がALLPOWERSであるなら、ALLPOWERSが「だめ」と言っている以上、従うしかないと思います。
    メーカーが言うように、1枚接続で充電される方がよろしいと思います。もし何かの故障や不具合が起こった場合、メーカーの指示や言い分を順守していない場合、保証の対象にならない等の不利益が生じる可能性があります。

    それにメーカー各社で、開放電圧だというメーカーもあり、Vmpでいいというメーカーもありで正直、そのメーカーがどのように考えているかによって回答はちがってきます。各々のメーカーなりの考えあってのことと思いますので、そのメーカーの製品を使用するのであればメーカーの言うことを守るべきかと思います。問い合わせに技術者が直接回答していることはないと思います。ということは会社の考えに従ったマニュアルに基づいて回答しているはずですので、そこを突っ込んでもサポートにも分からないのではないでしょうか。「ウチは○○です」とした言いようがないんじゃないでしょうか。

    もしR600でどうしても2枚使いたいのであれば並列接続を検討されては如何でしょう。
    これは先ほどとは別のポータブル電源メーカーから教わったことですが、そのメーカーのポータブル電源には逆流防止機能が搭載されているので、別途逆流防止ダイオードを配線に噛ませる必要はないとのことでした。
    ALLPOWERSに並列接続は可能かを合わせて、R600に逆流防止機能は搭載されているかを問い合わせてみては如何でしょう。
    このあたりはかならず電源の方のメーカーへお問い合わせの上でご判断ください。

    余談ですがRは出力は大きめですが、容量は299Whしかありません。
    もちろん用途によっては使い勝手のよい電源ですが、使用する電力量が多めの場合は容量不足が心配です。
    お手持ちの220Wパネルで70%(154W)の発電ができた場合、約2時間で満タンになってしまう容量です。
    せっかく発電量の多いパネルをお持ちなので、500~600Whクラスの電源であれば3~4時間と1日の日照量でちょうど満タンになるぐらいの蓄電ができそうです。

    あまりお役にたてなかったかもしれません。
    以上よろしくお願いいたします。

  4. コイケ より:

    突然すみません!
    ブログ、色々と参考にさせていただいてます!

    自宅に京セラのソーラーパネルが2枚余っており、何かに活用できないかと思い太陽光で発電してポタ電に充電できれば!と素人ながら色々と調べているところです。
    ブログの中で「入力電圧」>「出力電圧」が大前提と書いてあり、ソーラーパネルの出力とポタ電の入力の関係について、調べていた中ですごく分かりやすく、ぴったりの内容だったので助かりました。
    ブログの内容からすると接続に問題がないと思うのですが、組み合わせ的に問題点なさそうなのか相談に乗っていただけますと助かります。

    手持ちのソーラーパネル↓

    京セラパネル(KHM220P-3MD6CG)
    最大出力(Pm):220W
    開放電圧(Voc):31.5V
    短絡電流(Isc):9.10A
    最大出力動作電圧(Vpm):25.4V
    最大出力動作電流(Ipm):8.67A
    最大システム電圧:450V

    2枚を直列で繋ぐと
    開放電圧でみる場合、31.5×2=63.0V
    動作電圧でみる場合、25.4×2=50.8V

    EcoFlowのDELTA2を当初検討していました。
    入力規格:ソーラー充電入力
    最大500W、11〜60V DC、15A

    メーカーにも直列での接続が可能か問い合わせたところ、

    (メーカー回答:一部抜粋)
    ソーラーパネル2枚を直列で繋ぐことができます。2枚を直列で繋ぐ場合は分圧しますので、 開放電圧は63.0V未満の状態となります。

    との回答であったため、安心したのですが「分圧」というのが???でした。
    また、金額的にもいいお値段であったため、こちらで紹介されていたALLPOWERSのR600を1台目として再検討中です!
    こちらも、12-60V 12Aのため問題ないのでは?とメーカーに問い合わせましたところ、

    (メーカー回答)
    電圧電流につきましては開放電圧、電流を参考にすることを推奨しております。記載いただきましたソーラーパネルでございますが400W以上になりR600の規格を超えて過電圧、過電流保護が作動すると推測されます。 また、規格以上のものを接続すると故障する可能性がございますので一枚での使用をお願い致します。

    と回答がきてしまったため、助言をいただけますと助かりますm(_ _)m
    動作保証等から同一メーカーのパネルが望ましいとは思いますが、、、