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BLUETTI AORA 300は防災備蓄電源として使えるか?日々の生活の中で実際に使ってみた結果

BLUETTI AORA 300は防災備蓄電源として使えるか?日々の生活の中で実際に使ってみた結果 ポータブル電源・バッテリー

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9月は防災について考える機会が増える時期です。

災害への備えというと、水や食料、簡易トイレなどを思い浮かべますが、現代社会を顧みれば_「電力の確保」も重要な備蓄と言えます。

停電すると、照明やスマートフォンの充電だけでなく、通信機器、冷蔵庫など、普段、当たり前に使っているものが影響を受けます。

そんな時のための「電力の備蓄」に役立つのがポータブル電源です。

今回紹介するBLUETTI「AORA 300」は、定格出力2,000W+充電容量3,014Whという高出力大容量をクラス最小・最軽量ボディに納めたコンパクトな新型ポータブル電源です。

ただ、実際にポータブル電源を使ってきた筆者が「防災用電源」について考えるとき、単純に「容量が大きければ安心」とは考えていません。

つまり…

電気は貯めておくだけではなく使った分を回復できてこそ意味がある

という点です。

また、防災用電源として必ずしも大容量1台にまとめる事が「是」ではないはずです。小〜中容量の電源を複数台に分散する方法にもメリットがあると考えますが、大容量を1台にまとめる意味とは何なのでしょう。

本記事では、まずAORA 300を防災・備蓄という視点から紹介したうえで、後半では実生活の中でAORA 300を使ってみて、筆者が感じたメリットやデメリットについても言及したいと思います。

※なお今回の実機テストにおいては、BLUETTIより「AORA300」のデモ機の貸し出しを受けています。ただし、記事の内容については、良いも悪いも筆者が感じたままを記事化するという当ブログのスタンスは変わりません。場合によってはメーカーにとっては気分のよいものではない点に言及するケースもあり得ますがご容赦ください。

  1. 災害時に電気が使えないと困る? 防災用電源の意味
  2. BLUETTI AORA 300のスペック~特徴をピックアップ
    1. クラス最小最軽量~3kWhクラスとしては異例のコンパクトさ
    2. 定格出力2000Wの高出力~電力リフトで4000Wまで対応可能
    3. 充電サイクル6,000回~リン酸鉄リチウム電池採用で長寿命
  3. 充電容量3,014.4Whが防災備蓄用電源として魅力的な理由 
  4. 電力は「備蓄」+「回復」のセットで考えることが重要 
    1. 電力回復に必要な発電量を確保できるソーラーパネルとは
  5. AORA 300の大容量をどう活かすか~小容量×複数ではダメなのか
    1. 容量は複数台に分散可能、定格出力は分散できない
    2. 大容量を1つにまとめる意義は長時間運転にある?
    3. 災害時こそ定格出力+電力リフトに意味がある
  6. 余談:高出力大容量電源は「使いすぎ」の罠に注意
  7. AORA 300を実生活の中で使ってみた
    1. 持ち運びやすいと言うけど実際に運んだらどうだった?
    2. ブレーカーが落ちる組み合わせで家電を同時使用してみた
    3. 自宅の冷凍庫をAORA 300で48時間連続運転させてみた
    4. 実際にソーラーパネルからの充電をしてみた
  8. 筆者が感じたAORA 300の良いところ・心配なところ
    1. 充電上限が決められるようになった【so good!】
    2. 容量3,014Whに対して定格出力2000Wは非力なのか?【I wonder…】
    3. 拡張バッテリーに非対応なのはデメリットなのか【I wonder…】
    4. USB-Cは2口では足りない【so bad】
  9. 【結論】AORA 300が向いている人、向かない人
  10. 電力備蓄から見たBLUETTI AORA 300 まとめ
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災害時に電気が使えないと困る? 防災用電源の意味

地震・台風や大雨など災害によって停電が発生すると、最初に困るのは夜間の照明やスマホの充電かもしれません。

スマートフォンは単なる連絡手段ではなく、災害情報を得たり、家族と連絡を取ったりするための重要な情報端末であり、もはやライフラインと言える存在です。照明も夜間の安全を確保するためには欠かせません。精神的な安心感の上でも「灯り」は重要です。

また、自宅が倒壊せずに残っている場合には、冷蔵庫内の食品はそのまま備蓄になるので、できれば冷蔵庫への通電も継続しておきたいところです。

暑い時期の扇風機や、寒い時期の電気毛布や温風ヒーターなど生命や健康に関わる家電も少なくありません。

そうしたことを勘案すると、食料品や飲料、身の回りの雑貨類やリネン関係、そしてスマホ等と共に「電力」も重要な備蓄品だと言えます。

災害時に備えて電力そのものを確保しておく必要があり、その1つの方法として、ポータブル電源は、非常時の電力を家庭で備えておくための有効なツールとなります。

BLUETTI AORA 300のスペック~特徴をピックアップ

製品名BLUETTI AORA 300
バッテリー容量3,014.4Wh
バッテリー種類リン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)
定格出力2,000W
電力リフト最大4,000W
AC出力100V / 20A
ACコンセント数4口
USB-C2口
USB-A2口
DC出力12V/30A ×1
シガーソケット1口
ポート数合計10ポート
AC充電入力最大1,500W
ソーラー入力最大1,200W(12V~60V・最大22A)
AC充電時間約2.3時間(満充電)
ソーラー充電時間約4.1時間(満充電)
AC+ソーラー充電0→80% 約78分
UPS切替時間10ms以下
サイクル寿命6,000回以上(初期容量80%維持)
拡張バッテリー非対応
サイズ366 × 305 × 297.5mm
重量約26.3kg
アプリ対応対応
充電方法AC・ソーラー・車載・発電機・AC+ソーラー
発売日2026年3月3日

クラス最小最軽量~3kWhクラスとしては異例のコンパクトさ

AORA 300の最大の特徴は、なんといってもそのコンパクトさです。

AORA 300は、2,000Wの高出力、3,014Whの大容量を「366x305x297.5mm」という非常にコンパクトなボディに収め、さらに、26.3.kgという異例の軽量化を実現しています。

30kg超えも珍しくない中、3kWhクラスとしては「世界最小・最軽量」を実現し、『持ち運びやすさ』を意識したモデルと言えます。

26.3kgは5kgの米袋約5個分以上。「軽い」とは言える重さではないし、持ち運びしやすいとは言い難いですが、従来の30kg超の各社同クラスモデルに比べれば、はるかに「ポータブル」であることは間違いありません。

AORA300とAORA100の大きさを比較

こちらは、AORA 300をAORA 100と並べて大きさを比較したものです。

・AORA 300 366×305×297.5mm 26.3kg
・AORA 100 340x247x317mm 16.4kg

AORA 100と比べて、AORA 300は奥行き(+58m)はありますが、横幅と高さはほとんど変わりません。重さは1.6倍です。

それでいて充電容量はAORA 100(1152Wh)に対して、AORA 300(3014.4Wh)と2.6倍となっています。

いかにAORA 300が大容量をコンパクトに納めたか…がよく分かります。

定格出力2000Wの高出力~電力リフトで4000Wまで対応可能

AORA 300の定格出力は2000Wです。

つまり電力供給している家電の消費電力の合計が2000Wになるまで同時に使うことができる出力を持っているということです。

家庭の壁のコンセントの出力は1500Wなので、一部特殊な機器を除いて、家電(家庭で使う電気製品)の消費電力は最大1500Wです。

例えば扇風機は50W程度ですし、冷蔵庫は150〜200W、小型電子レンジで900〜1200W、湯沸かしポットやコーヒーメーカーなど「発熱」系で1200〜1400W程度です。

つまり家電のほとんどが使用可能で、ものによっては、複数台を同時に駆動する出力を備えているわけです。

さらに、BLUETTI独自技術である「電力リフト」は、家電の消費電力を下げて、AORA 300の定格出力内で駆動する技術で、家電の消費電力の合計が4000Wまで同時に駆動させることができます(出力は抑えられるので温め時間が余計にかかる等はあります)。

この「電力リフト」は常時使うことは想定していませんが、本来動作できない消費電力の家電を曲がりなりにも駆動できる点で災害時等では緊急的な電力供給が可能になります。

例えば、消費電力1,300Wの湯沸かしポットは、定格出力1,000Wのポータブル電源では駆動させることができず湯沸かしできませんが、「電力リフト」を備えていれば、沸騰までに少し長く時間がかかるけれど、湯沸かしは可能となる…そんな技術です。

電力リフトの詳細はこちらhttps://enjoycamper.info/camp-goods/constant_voltage_function/

充電サイクル6,000回~リン酸鉄リチウム電池採用で長寿命

BLUETTIは、他社がリチウムイオン電池を採用する中、2020年から発火爆発の少ない「リン酸鉄リチウム電池」を採用し続けてきた、言ってみれば「リン酸鉄リチウム電池の老舗」です。これまでの経験や、BMSによる徹底した電源管理などによって、充電サイクル=6,000回という驚異的な長寿命を実現しています。

充電サイクル6,000回は、毎日フル充電を行っても16年以上にわたって、初期容量の80%を維持でき、「一生もの」というべき異例の長寿命となっています。

災害時、いざ使おうと思ったら容量の目減りが進んでいては「備蓄」になりません。16年もの長期間にわたって初期容量の80%を維持してくれる安心感は何にも換えがたいメリットと言えます。

※充電サイクルとは
充電サイクルは、放電量(使用量)が100%になるたびに1カウントされます。例えば、今日60%明日40%を分けて使っても合計100%の時点で「充電サイクル=1」となります。言い換えると、充電サイクル6,000回は容量の600,000%を使用することになり、毎日100%使用した場合、1年365日で換算すると16.4年になります。

充電サイクルの詳細はこちらhttps://enjoycamper.info/camp-goods/battery-charge/

充電容量3,014.4Whが防災備蓄用電源として魅力的な理由 

災害への備えでは「72時間(3日間)」という言葉を耳にすることがあります。

参考:https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h22/09/news_05.html?utm_source=chatgpt.com

救命救助率が極端に低くなるまでの72時間が特に重要だとされています。また、発災から72時間=3日を目途に行政の救援の手が個々の被災者に届く…という観点から、それまでは「自助」「共助」が重視されるという考え方です。

自助とはまさに自らの命や生活を自分で守る…ということであり、そのための食料品や飲料、身のまわりの必需品の備蓄が必要とされているわけです。

そうした「自助」において、現代で重要視されるのが「電力」であり、自らの命や生活を守り維持するための「電力」を蓄えておく必要もあるのです。

BLUETTI AORA 300は、3,014Whの大容量をクラス最小最軽量ボディに納めており、「自助」のための防災用電源として非常に有効です。

使用機器BLUETTI公表値
冷蔵庫(120W)18.3時間
扇風機(50W)37.5時間
電子レンジ(600W)4時間
洗濯機(500W)4.8時間
スマートフォン(15Wh)79回
炊飯器(800W)3時間

こちらは、BLUETTIが公表している、災害時に使用しそうな電気機器をAORA 300でどれだけ駆動できるか…の一覧表です。

これを見ると、AORA 300があれば3日間の電力をすべて賄える…ということではないものの、電気消費の多い家電をかなり長時間使用できることがわかります。

もしかすると、容量の大きなポータブル電源を備えておくことで、行政の救援の手が届くまで「電力」を維持して、自分や家族の生命や生活を維持できる可能性が高まるかもしれません。

そういった意味で、普段、自宅内に保管していても従来品と比べてコンパクトなAORA 300は、保管しやすいポータブル電源と言えますし、いざ使用する際の移動も比較的容易な電源と言えそうです。

電力は「備蓄」+「回復」のセットで考えることが重要 

発災直後の72時間をどう乗り切るかは重要ですが、だからといって「3日分の電気を備蓄しておけばそれで必要十分」と考えるのは早計です。

なぜなら、72時間が経過したからといって、電力各社の電力網が必ずしも復旧する保証はありませんし、行政の救援が届いても電力の供給を行えるかどうかも不確定です。

おそらく、避難所などで電力供給やスマートフォンの充電支援が行われることはあっても、在宅避難を続ける家庭に対して個別に電力を供給することはないと思われます。

自分は、2020年に車中泊キャンプをはじめて以降、ポータブル電源を使ってきて痛感していることがあります。それは…

ポータブル電源は回復してこそ持続的に利用できる

ということです。

平常時にキャンプや車中泊にポータブル電源を持参する場合であれば、家庭のACコンセントから充電することは、「自宅の電気をアウトドアへ持ち出す」という意味でポータブル電源の存在価値があります。

しかし停電時にはACコンセントからの充電はできないため、充電容量を使い切ってしまえばポータブル電源は「重たい箱」に過ぎません。

それゆえに、必要な電力を自ら回復できてこそ『持続的な電力確保・供給』ができると考えます。

ポータブル電源の充電用としての発電は、例えば、カセットガスやガソリンなどを使った「発電機」なども考えられますが、騒音・排気・可燃性燃料の保管などを考えると、やはり手軽なのはソーラーパネルによる「太陽光発電」でしょう。

ポータブル電源とソーラーパネルをセットで備えておくことで、使った電力を回復しながら「持続性のある電力確保」が可能になると考えます。

電力回復に必要な発電量を確保できるソーラーパネルとは

この計算は単純です。

1日の日照時間×ソーラーパネルの発電量=1日の充電量(回復量)

・1日の日照時間

庭やバルコニー、自宅前の道路などで、1日に何時間、ソーラーパネルに直射日光を当てることができるか。

・ソーラーパネルの発電量

ソーラーパネルには発電できる上限があって、多くの場合、その6〜8割程度しか発電できません。例えば200Wのソーラーパネルであれば、120〜160W程度が現実的な発電量です。

もちろん曇天の場合にはさらに発電量は落ちますし、場合によっては雨天でなくてもほとんど発電できない場合もあります。

晴天の場合であっても「現実的な発電量×日照時間」が、1日に充電できる電力量になります。

200Wのパネルで6時間日照時間があれば、120W〜160W×6時間=720W〜960Wの発電が可能ということになります。

パネルの発電量実際の発電量
(約60%)
日照量1日の発電量
(回復量)
100Wパネル60W6時間360W
200Wパネル120W6時間720W
400Wパネル240W6時間1440W

とはいえ、たとえ400Wのソーラーパネルをもってしても、AORA 300の大容量を1日ですべて回復することはできません。

それでも、ただ使うだけなら3日間で枯渇するはずの3,014Whが、日々少しずつでも回復できれば、3,014Wh容量を延命しつつ「電力の枯渇」を先延ばしにすることも可能…という考え方もできます。

AORA 300の大容量をどう活かすか~小容量×複数ではダメなのか

ここまで、「大容量」がAORA 300のメリットというニュアンスで書いてきましたが、実際にはこの大容量をどう活かせばいいのでしょうか。

例えば、家族4人のスマホを繰り返し充電し、夜間に灯りを煌々と灯すのが目的であれば、3kWhが1台にまとまっている必要はありません。

同じ充電容量なら、複数台の持ち運びしやすい小型軽量ポータブル電源を、異なる場所で異なる用途で使い分ける方が効率的ですし、フレキシブルです。

容量は複数台に分散可能、定格出力は分散できない

AORA 300の充電容量は3,014.4Whです。

いくらクラス最小最軽量だと言っても、26.5kgは重いと感じませんか?

そう思う方に1つ提案です。

1つ前の記事で紹介した「AORA 1000 mini」の容量は1,004.8Whです。3台あれば合計で3,014.4Whの容量になります。

実は充電容量は、1台で備えても、複数台で備えても同じ量を使うことができます。

もし「AORA 1000 mini」を3台なら、持ち運びは非常に楽になりますし、3か所で同時に別々の使い方が可能という点で、筆者的にはAORA 1000 mini×3台の方がフレキシビリティは圧倒的に上と感じます。

さらに、前出の200Wのソーラー充電を使用する場合も、1台が充電注でも他の2台は使用可能となる点も、筆者が「小中容量電源複数持ち」を押す理由です。

つまり、3,000Whの容量だけ考えるなら必ずしも1台で賄うだけが選択肢ではない…ということです。

created by Rinker
定格出力700W 瞬間最大1,050W 電力リフト1,400W パススルー 0.01秒のUPS機能 45分で80%充電 アプリ遠隔操作 耐熱防火設計

大容量を1つにまとめる意義は長時間運転にある?

別々の用途で使用して、トータルの充電容量が3kWh必要なのであれば、前項のように、AORA 1000 mini等の小型軽量モデルを複数台使用する方が向いていますが、長時間にわたって電力を供給する場合にこそ、まとまった大容量が必要です。

例えば、災害発生による停電時の「冷蔵庫」や「冷凍庫」がそれに当たります。

冷蔵庫や冷凍庫には食材が保存されており、これは災害発生時の備蓄として活かすことができますが、電気の供給が止まれば、長くても1日程度で庫内の温度は上昇してしまうため、停電直後から、できるだけ長く電力供給できることが、庫内の食品を備蓄として活かす方法です。

もちろん、小容量であって_電力の供給は可能ですが、就寝中に容量が尽きてしまうなど、長時間安定的に給電できるのはやはり大容量電源です。

災害時こそ定格出力+電力リフトに意味がある

小型コンパクトなAORA 1000 mini×3台では実現できないこともあります。

それは、700Wを超える消費電力を持つ家電を動かすことです(この場合「電力リフト」は使わない前提でお話しします)。

つまり、AORA 300(2000W)なら楽々湯沸かし可能な消費電力1300Wの電気ポットを、AORA 1000 mini(700W)では動かすことができません。

AORA 1000 miniの電力リフトは最大1400Wなので、ほとんどの家庭用電気製品を動かすことは可能ですが、2台同時に…など、高出力が必要となるシーンでの活用はできない点で、それが可能なAORA 300と決定的な違いとなります。

つまり、AORA 300のメリットというと、コンパクトボディに詰め込んだ大容量にばかり目が行きがちですが、実は、AORA 300を選ぶ理由は、実は2000Wの定格出力と、4000Wの電力リフトではないかと思うのです。

もちろん、AORA 300以外にも、BLUETTIには高出力モデルが他にもラインナップされています。

・AORA 200
定格出力2200W+電力リフト3300W

・AORA 100 V2
定格出力1800W+電力リフト2700W

・Apex 300
定格出力3200W+電力リフト6400W

ただ、ここで効いてくるのが、AORA 300のコンパクトボディです。

「小さいのに力持ち」という観点で選べば、AORA 300は1STチョイスとなるはずです。

参考:https://www.bluetti.jp/pages/bousai?utm_source=chatgpt.com

余談:高出力大容量電源は「使いすぎ」の罠に注意

ここまで見てきたように、AORA 300は、電力備蓄の面で災害・防災観点から良い選択肢であることがわかります。

しかし、高出力・大容量バッテリーは電気の「使いすぎ」「無駄遣い」に要注意です。

3000Wh超の容量は「余裕たっぷり」に感じますし、実際の使用でも、2000Wの定格出力は「あれもこれも使える」と感じて、ついつい「使いすぎ」「無駄遣い」に走りやすい可能性があります。

もし、AORA 1000 miniであれば、以下に電力消費を押さえて電力を節約するか…と考える場面でも、AORA 300だと「まだまだ大丈夫」と使ってしまうかもしれません。

そう考えると、自制のブレーキを踏みやすい小中容量バッテリー×複数台という選択肢の方が、同じ充電容量でも長持ちする…なんて事もあり得るかもしれません。

いずれにしても、先ほどソーラー充電の項で見たように、1日に回復できる電力量には限りがあり、1日で消費した分を必ずしも回復できるとは限りません。

しかも天候に左右されるソーラー充電は必ず毎日同量を充電できる保証もありません。

その辺りを勘案して、例え高出力大容量のAORA 300であっても、節電に配慮して、限りある電力を有効に利用するのはもちろん、できるだけ長持ちさせることが重要と言えそうです。

AORA 300を実生活の中で使ってみた

では実際に筆者の生活の中にAORA 300を置いた場合にはどんな感じになるのでしょう。

いくつかの場面で感じたAORA 300に対する「実感」をレポートします。

持ち運びやすいと言うけど実際に運んだらどうだった?

AORA 300の「売り」は、3kWhクラス最小最軽量のコンパクトさで、26.5kgに抑えた重量は持ち運びも可能…というものです。

では実際の持ち運びはどうなんでしょう。

筆者は腕っぷしはある方だと思いますが、正直、軽々と…というわけにはゆきません。

確かに持ち上がるし、持って移動することも可能だと思いますが、「平坦な場所を移動するなら」という条件付きでの話だと思います。

また、移動の途中に扉がある場合は要注意です。片手でぶら下げてもう片方の手で扉を開けるのはかなり厳しいです。自動開閉扉で勝手に閉まる扉…なんてとても無理です。

長距離を移動する場合や、途中に扉がある場合には台車が必須ではないかと思いました。

また、車両に積載する場合には、屈んだ姿勢で持ち上げるのは、かなり腰への負担が大きくぎっくり腰のリスクがありそう…と感じました。

前述のように、充電容量だけの問題なら、1,000〜1,500Whクラスの電源を2つないし3つ運んだ方が運びやすいし、腰への負担もかなり軽いと思います。

筆者的には「確かに持ち運べるけど、軽々と…というわけではない」と結論しました。正直、筆者はそうたびたびAORA 300を持ち運びたいとは思いませんでした。

ただ、デモ機を借りて日々テストしてゆくうちに「重さに慣れた」部分はありました。最初は重くて移動させるのが正直嫌でした^^; しかし何度か移動させているうちに、力の入れ方や持ち方のコツを覚えたのか、最初よりもあまり重さを意識しなくなったように思います。

ブレーカーが落ちる組み合わせで家電を同時使用してみた

我が家には電気ケトルが3台あります。

・山善YKG-C800(1000W)
・HAGOOGI GEK-1701 (900W)
・山善DKE-100(1200W)
合計消費電力3100W

自宅コンセントは1500Wなので、この3台のケトルを同時に使う(3100W)ことはできません(ブレーカーが落ちます)が、AORA 300の定格出力は2000Wで、電力リフト作動時には最大4000Wまでの消費電力に対応可能なので、同時使用が可能なはずです。

写真は3台の電気ケトルに同時に給電している様子です。

定格出力は超えていますが、電力リフトが効いていて、問題なく3台とも動作しています。電力リフトの特性上、所定の温度に達するまでの時間は、本来より長めになるはずですが、全く動作できないのと、時間がかかっても動作できるのとでは大違いです。

定格出力の数値も大事ですが、いざという場合を勘案すると「電力リフト」の存在は大きいと感じました。特に災害時などでは代替手段が限られてくるので、「辛うじて動かせる」は大きなメリットであり安心感に繋がりそうです。

一方で少し機になったのは騒音の問題です。冷却のためのファンの動作音です。

まあまあ大きな音がするので、防災用と考えた場合には、使用するタイミングや場所によっては周囲への影響を勘案する必要があるかもしれません。

自宅の冷凍庫をAORA 300で48時間連続運転させてみた

我が家では、冷凍冷蔵庫のほかに、単機能の冷凍庫を使用しています。

アイリスオオヤマの「IUSD-9B-W」で容量は85L、定格消費電力は50Hz時68W、60Hz時73Wです。

単純計算すると、3014.4WhのAORA 300は、50Hz時44.3時間の連続運転が可能なはずですが、冷蔵庫や冷凍庫はそう単純ではありません。

コンプレッサーが稼働している間は定格消費電力程度の電力を消費しますが、庫内が設定温度以下の場合にはコンプレッサーは稼働しません。つまり消費電力「0」の時間があります。さらに、コンプレッサーの稼働は、庫内温度次第で、気温や扉の開閉頻度などに左右されるため、一定ではありません。

そこで、実際には冷凍庫を何時間運転できるのか…を確かめるべく、AORA 300からの給電のみで連続運転テストを実施してみました。

特に難しいテスト向けのルールは作らず、普段通りに食材の出し入れのための扉の開閉は随時行いますし、途中で追加充電を行うことなく、ただ淡々と給電を行いました。

こちらはテスト開始時(22:24)と、9時間経過後(7:43)のアプリによる容量確認です。

容量89%から開始し、9時間後に75%に減少、概算で14%≒422Wh消費した事になります。

もちろん庫内はキンキンに冷えていて、電源の動作音もほとんど気になりません。発熱もほとんどないので夏場でも問題ないかと思います。

こちらは、さらに時間が経過して、約24時間後と48時間後の容量確認です。

24時間経過時点で残量は53%(スタートから36%減≒1085Wh消費)でした。

丸2日目、48時間経過時点の残量は14%(スタートから75%減≒2260Wh消費)となったところでテスト終了としました。

89%からのスタートだったので、容量フルで何時間持つのか…は計算上のデータになってしまいますが、1時間に何Wh消費するのかを算出すると、

2260Wh÷48時間=47.1Wh/1時間

となり、3014.4Whの容量で64時間(2日と16時間)の運転が可能となる(はずです)。

もちろん、気温や扉の開閉頻度によって変わってくるので、一概に断定はできませんが、少なくとも我が家にある冷凍庫の場合は、もし災害で長期間の停電があった場合でも、AORA 300がフル充電の状態でスタンバイできていれば、2日と16時間は冷凍庫の食材を設定温度に保つことが可能…ということが分かりました。

これ、かなり心強いです。

実際にソーラーパネルからの充電をしてみた

本編でもお話ししたように、筆者はポータブル電源は回復してナンボと考えています。どんなに大容量であっても「使いきれない」容量はありません。いつかは使い切ってしまいます。

災害発生時には、限りある容量をいかに有効に活用するか、残存容量をいかに減らさないかも重要ですが、可能な限り効率よく回復することが「持続性」にとって最も重要だと考えます。

【ソーラー充電によって72時間の食料備蓄が可能に】

我が家はマンションで大規模なソーラー発電システムは設置できませんが、庭の外扉に100Wのソーラーパネルを設置、ケーブルを自宅内に引き込んでポータブル電源に充電が可能です。

ソーラーパネルの発電量は晴天時でも60〜70%程度です。

  • 100Wパネル…60~70W
  • 200Wパネル…120~140W

我が家のソーラーパネルは最大100W発電なので、60~70%で「60~70W」程度、1日の日照時間が約6時間あるので、日に360〜420Wの発電・充電が可能です。もし200Wパネルであれば、6時間日照で720~840Whの発電・充電が可能です。

AORA 300の容量3014.4Whに加え、1日あたり400Wのソーラー発電による充電が可能だとすると、約4日間の冷凍庫の連続運転が可能となるはずです。

曇天や雨天では追加充電は望めませんが、晴天ならば…という条件付きながら、ポータブル電源の容量を少しずつ回復しながら「電力備蓄」を先延ばしにすることが可能です。

そう考えると、AORA 300(3014.4Wh)とソーラーパネルの組み合わせは、災害による停電時に、冷凍庫や冷蔵庫を行政の救援まで持たせることができるかもしれない…という点で、非常に頼もしく思えます。

BLUETTI AORA300 3kWhクラス最小&最軽量モデル
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3014.4Wh 2000W定格 4000W電力リフト 1.6時間満充電 充電サイクル6,000回(80%維持)

筆者が感じたAORA 300の良いところ・心配なところ

実際にAORA 300を使ってみて感じたことがいくつかあります。

充電上限が決められるようになった【so good!

これは、筆者が過去のレビュー記事でも繰り返し訴えていた事なのですが、充電容量の上限が設定できるようになりました。

図では上限を「90%」に設定しています(なので冷凍庫のテストが89%スタートだった)。

残念なのは、上限と同様にバッテリーの大きなダメージになる「下限」も決められるともっとよかったのに…と思います。ただこの点は、表示で「0%」になっていても完全には0にはなっていないとサポートに教わったことがあるので心配ご無用なのかもしれません。

また、充電サイクル6000回を誇るAORA 300でも、フル充電・フル放電を避けてバッテリーダメージに配慮する必要があるのか?とも思いますが…。

ポータブル電源をはじめ、スマホの電池や、モバイルバッテリーなど「蓄電池」のすべてに当てはまりますが、100%充電・0%放電(使う)は電池にとって非常に大きなダメージとなるため、20%~80%の範囲で充電・放電を行うようにすることで、電池をいたわり劣化を遅らせることができます。

容量3,014Whに対して定格出力2000Wは非力なのか?【I wonder…

機種AORA 300AORA 200AORA 100
定格出力2,000W2,200W1,800W
充電容量3,014.4Wh2,073.6Wh1,152Wh 
1Whあたりの出力1.51W0.94W0.64W

「1Whあたりの出力」は特に意味のある数字ではありませんが、定格出力の大きさと容量のバランスをみるために算出してみました。

これを見ると、AORA 100やAORA 200の1W未満に対して、AORA 300は1.51と、容量に対して出力の値が小さいことが分かります。

確かに、AORA 300は容量の割に出力が小さい…と言えそうです。

これについては、あくまで想像でしかありませんが、AORA 300はクラス最小最軽量を実現したことによって、当然、内部の部品配置や放熱設計には厳しい条件が出てくるはずです。

加えて、これ以上、大きく重くもできないという制約の中でギリギリの出力が2000Wではなかったのかな…と思います。 

現実問題として、家庭のコンセントは1500Wなので、家電を使う限り定格出力2000Wを備えていれば充分に対応できます。しかし、複数の家電を同時に使用するという状況では、消費電力の合計が定格出力2000Wを超えてしまうケースもあり得ます。

もちろん、もう少し出力が高ければな…と思う場面があるかと思いますが、それで、これ以上大きく重くなってしまっては、AORA 300の最大の特徴がスポイルされることになれば意味がありません。

そこは「電力リフト」をうまく利用してやり繰りするか、別々に動作させて定格出力内で使用するしかないのでしょう。

BLUETTI AORA300 3kWhクラス最小&最軽量モデル
created by Rinker
3014.4Wh 2000W定格 4000W電力リフト 1.6時間満充電 充電サイクル6,000回(80%維持)

拡張バッテリーに非対応なのはデメリットなのか【I wonder…

以前に、同じくBLUETTIに「AC60」(403Wh)と拡張バッテリー「B80」(806Wh)を借りてレビューしたことがありますが、その際、さほど大きな電源ではないのに、接続する専用ケーブルが太くてゴツくて取り扱いにくさを感じました。

それにケーブルで接続すれば、ケーブル自体により損失もあるはずで、その辺りも勘案すると拡張バッテリーって、あまり効率の良い仕組みではなかったのかもしれません。

今回のAORA 300のクラス最小最軽量の技術は、もしかすると、拡張しなくても本体に拡張分も納められる」という意味もあるんじゃないかと想像しています。

その点は、BLUETTIには問い合わせていませんが、従来は分割せざるを得なかった「3kWh」をAORA 300本体に納められたので、効率の悪い拡張機能に非対応なのかな…などと勝手に推測しています。

筆者の推測が当たっているとすれば、拡張バッテリーに非対応であることはデメリットではないのかな…と感じました。

USB-Cは2口では足りない【so bad

AORA 300を実際に使用していてイマイチと感じたのは、USB-Cポートが2つのみという点です。

iPhoneがLightning→USB-Cに移行したことで、現在のスマホのほとんどがUSB-Cケーブル経由での充電となっていますが、災害向けと考えるのであれば、家族4人のスマホ充電を想定してUSB-C×4口が必要ではないかと思います。

我が家でも、夫婦それぞれ、iPhoneとApple Watchを使っているので、4口のポートが必要ですが、イマドキ、USB-A×2+USB-C×2の構成はちょっと弱いと感じました。

USB-Aの2口を1つにして、USB-Cを3口、できれば4口装備して欲しいと感じました。

写真は、ACアダプターやシガーライターソケットで、USB-Cポートの数を稼いでいる様子です。

4口あればいいけれど、ないものはしょうがない…。できる方法で対処するしかありません。

USB-Cを増やしたい場合、ACAアダプターより、シガーソケットプラグの使用をおすすめします。ACアダプターは、DCで蓄えられた電力を電源内部のインバーターでわざわざACに変換し、さらにACアダプターでDCに戻しており、それぞれに変換ロスがあります。シガーソケットはDC→DCなので変換ロスがなく効率がよいためです。

BLUETTI AORA300 3kWhクラス最小&最軽量モデル
created by Rinker
3014.4Wh 2000W定格 4000W電力リフト 1.6時間満充電 充電サイクル6,000回(80%維持)

【結論】AORA 300が向いている人、向かない人

実際にAORA 300を使ってみて筆者が感じた「向いている人」「向かない人」です。

【AORA 300が向いている人】

  • 大容量をできるだけコンパクトにまとめたい人
    例えばキャンピングカーへの搭載や自宅への据え置き利用など
  • 腕っぷしに自信があり腰の強い人(笑)
    26.5kgは3kWHとしては画期的だが、持つには重いのは事実
  • 家電の長時間連続運転が必要な人
    冷蔵庫や冷凍庫など家電を長時間連続運転する必要がある人
  • ポータブル電源を毎日使用する人
    充放電の繰り返しが頻繁でも約16年間の長寿命

【AORA 300が向かない人】

  • 大容量を分散して使用したい人
    家族それぞれに1台や、使途によって使い分ける等
  • 消費電力の大きな家電を使わない人
    使途がスマホ充電や照明程度なら高出力は不要
  • 移動や持ち運びが頻繁な人
    気軽に持って運べる重さではない
  • ライトキャンパーやバンコンなど
    腰を屈めて運べる重さではない

電力備蓄から見たBLUETTI AORA 300 まとめ

今回はBLUETTIの最新モデルにして、クラス最小最軽量のAORA 300を、防災や電力備蓄の観点から見てみました。

高出力大容量をコンパクトなボディに収め、26.5kgという持ち運び可能な重量で仕上げたことは、BLUETTIの技術力だと思いますし、また、長年「リン酸鉄リチウム電池」を採用、研究開発を続けてきたメーカーとしての安心感は多大なものがあると感じました。

高出力・大容量を1台で賄いたいと考える方にとっては、このコンパクトさは大きなメリットであり、間違いなく1stチョイスとなるはずです。

容量という点だけで考えるなら、AORA 1000 miniのような小中容量バッテリーを複数所有することにも少なからずメリットがあることも事実ですが、「災害による停電」を前提に考えた場合には、連続給電のメリットは大きいと感じます。

また、冷蔵庫や冷凍庫などの給電に利用することで、行政の救援までの目安の3日間_食料備蓄を確保できる可能性も感じました。それには、ソーラーパネル等による電力の回復が重要であり、ポータブル電源を備えるなら、併せてソーラーパネルも用意しておくべき…と改めて強く感じた次第です。