料理とレシピ、キャンプめし

ガスバーナーでメスティン炊飯のご飯を美味しく炊くコツ~ちょっとした工夫で白飯の旨さが全然違う

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今回はガスバーナーを使った炊飯です。

なんで今さらこんなことを記事にするのかというと、いろいろなサイトさんの記事を拝見していて「あれ?みんなと炊飯方法が違う」と気づいたからなのです。

かなり多くのサイトさんで、メスティンやクッカーを使ったアウトドア、キャンプ向けの炊飯方法として「はじめ強火で沸騰させ、湯気が出なくなったら弱火」と書かれています。

これが自分が昔から普通にやってきた炊飯とちょっと違うなあというわけなんです。

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アルコールバーナー炊飯でも同じような記事を書いたが…

ガスバーナーでメスティン炊飯

以前に、アルコールバーナーを使った同じような記事を書いたことがあったのですが、今回はガスバーナーでの炊飯ということで改めて書いてみます。

アルコールバーナーとガスバーナーの決定的な違いは、2つあると思います。

(1)火力調節ができる

(2)燃料切れで自動的に消火しない

アルコールバーナーも蓋をズラすことで一応火力調節ができますが、そう細かな調節はできませんが、ガスバーナーは、強・中・弱程度の調節ならはっきり分けることが可能です。

あとは、よく「自動炊飯」と言われて、適量のアルコールを計って燃やすことで、燃料切れ=炊き上がりが可能ですが、ガスバーナーはできません。

できないとどうなのか…というと、音や香り、湯気の量や色などの五感を使って炊き上がりを判断しなければなりません。

もちろんアルコールバーナーも湯気の様子や焦げ臭くないかなどは気にしていますが、基本的に自動炊飯だと思っているので警戒心が薄いですよね。

そんなわけで、今回はガスバーナーで白飯を美味しく炊こう!というわけです。

炊飯前の下準備~浸水は美味しいご飯を食べるための必須作業

炊飯時、水の軽量は大事です

もう常識ですが、ご飯はいきなり炊いてもあまりおいしく炊けません。

まずは、必ず米を水に浸し「浸水」させてやることが必要です。

キャンプ地近くの湧水…なんてシチュエーション的には抜群ですが、なかなか実現しにくいので、市販のミネラルウオーター(軟水)を使用します。

浸水の時間は、短くても30分、自分の場合はできれば1時間は浸しておきます。

この浸水させた水のまま炊飯しますので、浸水時の水量は炊飯に見合った水量です。

米1合に対して200ccの水」が基本ですが、無洗米の場合には気持ち多めにした方が、炊き上がりがふっくらして、ツヤも出るように思います。自宅では硬めに炊いたご飯が好きですが、アウトドアで硬めご飯はなんか侘しい気持ちになっちゃうので、自分はコメの銘柄によって1合:220~240ccの割合で炊くようにしています。

元々柔らかめの米(コシヒカリやユメピリカなど)は「気持ち多め」ぐらいですが、硬めの粒立ちのはっきりしている米(つや姫や新之助など)は230~240cc入れることが多いです。

画像は自分1人分の米0.75合(3/4合)に対して、水220mlとかなり多めの水量です。

この割合で末尾の炊き上がりになります。

 

炊飯時には、酒や味醂、蜂蜜などを少量入れて炊くとより美味しくなりますが、アウトドアの場合は、アウトドアのエッセンスが効きますので、わざわざ調味料や蜂蜜を持参する必要もないと思います。食事メニューで使うために持参しているなら使ってみるとよいと思います。

ちなみに、トランギアのメスティンの場合、蓋摺り切り一杯でだいたい米1合、ハンドルの取り付けリベットが全部被るところまで水を入れて約200ccです。

トランギア以外のメスティンはリベット位置なども違いますので、一度、米1合と水200ccを計量して入れてみて、どの位置まで水が来るのか確認しておくとよいと思います。

最近は目盛りが切ってある親切メスティンもありますね。自分はよく使う他社メスティンには米と水量のところに傷をつけちゃっています。

炊飯時「はじめちょろちょろなかぱっぱ」は炊飯の基本

ガスバーナーでメスティン炊飯

「はじめちょろちょろ」は、炊き始めは弱火で加熱するという意味です。

調べてみると、ちょろちょろ炊きの時間については諸説あって、初めの数分間だけ…という説と、沸騰してゴボゴボ言い始めるまで…といういう説があります。

また、これはアウトドア炊飯ということではなく、家庭での日々の炊飯時を対象にしている美味しいご飯を炊く方法の指南として「水の一部を氷に置き換える」や、「米を水に浸した内釜を冷蔵庫などに入れて冷やす」など、水と米が冷たい状態から炊き始めることを推奨しているケースもあります。

「なぜ?」を探ってみると、目指しているところは同じで「沸騰するまでの時間をできるだけ長くする」ことを意図しています。

 

自分の炊飯は…というと、実は普段は面倒くささが先行して、規定量の燃料が燃え尽きることで「放たらかし炊飯」が可能なアルコールバーナーを使うことが多いのですが、本気で旨い米を炊きたい時にはガスバーナーを使います(あんまりないけど…^^;)。

焚き火や炭火も含めて、火力の調節がしにくい熱源では「はじめちょろちょろ」が実践しにくいからです(まあ、俺はできる…という方もいると思いますが、自分は思うような火力調節はできないです)。

ガスバーナーであれば、少なくとも「ちょろちょろ」と「ぱっぱ」程度の火力の違いはつけられるので、「これ旨いよ」と貰った銘柄米なんかをサイトに持ち込んだ場合などは、ガスバーナーで本気炊飯をすることがあります。

 

という訳で、「はじめ強火で一気に沸騰させる」は、自分の炊飯方法には馴染まないです。

「はじめ弱火でじっくり加熱」が俺流になります。

さらに、水と米を冷たくすればさらに沸騰までに時間がかかって、より甘くふっくらしたご飯になるはずですので、クーラーボックスなどに入れておくこともおすすめです。

冬キャンプでは戸外に放置しておくだけで十分冷たくなりますからあえてクーラーには入れないでOKです。

「なかぱっぱ」は沸騰したら強火にして圧をかけ100℃超まで加熱

「なかぱっぱ」は、自分的には「ゴボゴボ言い始めたら強火にする」と理解しています。

ただ経験則として、ガスバーナーの場合、炎が一カ所に集中して当たるので、あまり強火にしすぎると炊き上がりに「ムラ」ができやすく、水量が減ってきた段階で部分的に焦げてしまう印象があるので、中強火ぐらいにしています。

炊飯に用いる容器の温度が、部分部分であまり温度差なく全体的に上がってゆくのがいいんじゃないかと思います。

メスティンのようなアルミ製のクッカーは熱伝導が良いので「ムラ」はできにくいと思いますが、あまりに一点集中より、メスティン全体から加熱できるようなイメージで炊くようにしています。

 

そして重要なのは必ず「圧をかけて100℃以上にする」ことです。

「なかぱっぱ」と言われた時代は、鉄釜に木製のデカい蓋が乗っかっているイメージですが、あの蓋って、頭でっかちでアンバランスに見えますが、きっと重さを出して圧をかけているんじゃないかと思うんです(この点については調べておらず想像です)。

メスティン炊飯の際にも、「蓋が浮いてしまわないように」という理由で重しをしますが、「圧をかける」意味ではちょっと重いものを乗せるのがいいじゃないか…と思います。

あとは「赤子泣いても蓋とるな」です。

炊けたかどうだか見てみよう…なんてことで蓋を開けてはいけません。

じっと我慢が肝要ですが、でも、自分は蓋を取って中を見ることを何回かしています。

湯気がぶわーっと出ている段階、湯気が減ってきた段階、ぱちぱち・プチプチ音がしている段階などで蓋を取って中の様子を見たことが何回かあります。

中を見たことがあるので、今は、蓋を取らなくても今メスティンの中がどうなっているか想像しながら待つことができているんじゃないかと思います。

練習段階では、何回か蓋をあえて取って、中を観察しておくのは無駄じゃないかな…と思います。

ちなみに、1回の炊飯で3回蓋を取るんじゃないですよ、1度蓋を取ったら、そのあとは、蓋を取った後の経過になるので、3回別々の炊飯で、タイミングを変えて中を見る…ってことです。

「ジュウジュウいったら火を引いて」は徐々に火力を弱めてゆく

「はじめちょろちょろ」と「なかぱっぱ」は有名ですが、その後ろに続く文言はあまり知られていないですが、「じゅうじゅういったらひをひいて」と続き、さらに「ひとにぎりのわらもやし」と続きます。

「じゅうじゅういったらひをひいて」は、沸騰して水(湯)が溢れてきたら少しずつ火力を弱めると理解しています。

沸騰すると、蓋の隙間から湯気とともに水(湯)が噴出してきますが、そうしたら徐々に弱めることで、粘りやツヤが増すのだそうです。

炊き上がりまでずっと強火で一気に弱火…ということではなく、徐々に…が肝のようです。

とはいうものの、ガスバーナーでもそこまで細かく火力調節できませんので、段階的に弱めるんですが、「沸騰してから20分程度は加熱されている状態が続くこと」が必要なので、あまり拙速に炎を弱めてしまうのは逆にNGです。ある程度の火力は維持しつつゆっくり徐々に弱火に…です。

慣れるしかない「炊き上がり」の見極め

メスティンでふっくら炊けた白飯

固形燃料やアルコールバーナーの自動炊飯に慣れていると、自分の鼻や耳で炊きあがりを判断することが難しいと感じるかもしれませんが、実はなれると、結構わかるものです。

特に、ぱちぱちと音がしている状態で蓋を取って中の状態を確認しておくことで、炊き上がりの見極めはかなりうまくできるようになります。

 

強火から徐々に弱火にして加熱していて、湯気の量が少なくなったり、最初は連続的に「ぷしゅー」と出ていた湯気が、断続的(途中で途切れる)になったら「そろそろかな」と心の準備をします。

真白い湯気が少しグレーぽくなったかなと感じたら結構やばいです。強い火力を維持し過ぎかもしれません。すでに焦げが始まっているかも。

自分は少し焦げがあった方が好きなので、逆にこのグレーぽくなった?と微妙に変化するタイミングで火を止める事が多いです。

あとは音と匂いです。

その時点ではすでにメスティン内から「プチプチ」や「ぱちぱち」といった音が聞こえているはずですが、音が少し減ってきたタイミングで香ばしい香りがしたらベストタイミングかな…という感じです。

ぱちぱち音がする前では早すぎますし、完全に焦げ臭くなってからでは遅すぎます。

難しいですがこればっかりは慣れるしかありません。

「ひとびぎりのわらもやし」は、クッカー内の水分を飛ばすイメージで火を止める直前に一気に強火にする…と理解しています。

炎の小さなガスバーナーでこれをやると、1点集中で焦げを助長すると思うので自分はあまりやらないです。

 

火を止めて、10~15分蒸らします(この間にオカズの用意をします)。

上下をひっくり返して、ショックを与えて中のご飯が蓋側に寄るようにする…って、飯盒炊爨で習いましたので最初は実践していたのですが、最近はひっくり返しません。

ご飯を蓋側に寄せて、食べる際に元に戻そうとしても、綺麗に落ちず米がメスティンの内周や蓋にくっついて見た目美しくないし、米粒も残りがち(我が家の4代前は新潟で米農家だったらしく子供のころから米は一粒たりとも残してはいかんと躾けられたので)、必然的に後始末も大変というわけで、ひっくり返さず蒸らします。

メスティン炊飯は底の方に少しおこげがあった方が旨い

どうでしょう。

自分的には、いい感じかな~と思います。

気持ち焦げている部分があって、水多めのせいかふっくらしていて美味しいご飯が炊けました。

冒頭の画像のように、米0.75合に対して240mlもの水を入れていますが、メスティンは吹きこぼれる水も多いですし、無洗米は水多めが旨いので、この割合でも「おかゆ」にはなりませんし、しっかり焦げを作ることもできます。

【今回使ったお米】

今まで色々な銘柄のお米を試してきたのですが、今回は初めて「きたくりん」というお米をつかってみました。ホクレンが販売しているので、安心して購入できたのですが、思っていたより美味しくて「みーつけた」という感じです^^;

コシヒカリと同様、柔らかめ+もっちり系のお米に分類されていますが、甘みが強くて口当たりがよく好きなタイプのお米でした(もちろん無洗米使用)。

値段もあまり高くないので一度試してみても損はないお米かと思います。

今なら「ふるさと納税」で新米を入手可能なので、今年の「ふるさと納税」はこれにしようと考えています。

 

今回はガスバーナーを使った俺流メスティン炊飯でした。

俺流っていっても誰もがやっている炊飯方法だと思うので、特にオリジナリティはないですし、「最初から強火で…」という炊き方には反しますが、結果的に自分が旨いと思う米が炊ければよいので、つきつめるところ、自分流の炊飯術を身につけることが重要なんだと思います。

アウトドアや、キャンプってそういう試行錯誤や失敗、失敗を経た成功、それらすべてを楽しむものだと思うので、逆に最初から偶然上手に炊けちゃっても何も感動ないですしね。

それでは今日はこの辺で。


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■ 著者紹介 この記事を書いたのは…
KAZ

「喜田宗彦」としてWEBライターをしています。ライター歴は10年超です。本ブログの記事は、自分自身の実際の体験や経験、ライターとして取材や調査で得た知見、懇意にしてくださるメーカーさんなどから得た知識・情報等を反映した記事を執筆・掲載しています。アウトドアについては1982年ごろからオートキャンプを開始しキャンプ歴は40年超になります。2020年にはバンコンタイプの小型キャンパーを購入し車中泊の楽しさに目覚めました。
また食べることが好きで食べ物関連の記事多めです。特に安くて美味しいものに目がありません。地元グルメやチェンめしも好物です。
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