メスティンを電子レンジ加熱で温めたいと思ったことはありませんか?本来はアルミ製のメスティンをレンチンするなどできない相談ですが、今回紹介する電子レンジ調理器「レンジクック」なら、マイクロ波を遮断して加熱できるので、アルミ製のメスティンでも問題なく加熱温めが可能です。

メスティンってレトロでお弁当箱としてもとても可愛くスタイリッシュですが、電子レンジで温められないのが玉にキズ…ですが、今回紹介するレンジクックを使えば、金属製の容器でも問題なくレンチンして温め可能です。
なぜメスティンを温める必要があるの?
そもそも…の話しをすれば、キャンプに行った時に、帰途の途中でどこかに立ち寄って、景色の良い場所で弁当を食べたいということで、容器としてキャンプでは定番の「メスティン」に詰めたんですが、昼食時には冷めてしまってガチガチだったんです。
アルトピアーノ車内には電子レンジを積んでいるのに、無垢のアルミ製のメスティンを温めることはできず、食べるのに硬くて冷たくて難渋して「メスティン弁当を温める方法を考えなきゃ…」と思ったのでした。
電子レンジOKのお弁当箱にすればいいだけなんですが、それじゃ何だか面白みがないしキャンプっぽくない。最後までキャンプの余韻を味わいたいじゃないですか。それにお弁当用のご飯を炊いたメスティンをそのまま弁当箱にすれば詰め替える手間、洗い物を増やさずに済むというのもメスティン弁当になった大きな理由です。
で、自宅へ戻っていろいろと温め方法を考えた末に編み出したのが「第1弾」だったというわけです。
この方法はかなり有効で、直火ができる場所ならこの方法が一番…と今でも思っているのですが、直火で温めをするとなると大ごとになってちょっと面倒です。しかも帰途途中に車内で…となると車内火気厳禁の我が家のアルトピアーノにはそぐわない方法でもありました。
電子レンジ調理器レンジクックを使えばメスティンをレンチンできる
この記事を見に来てくださる方の多くは、
『メスティン 電子レンジ』
『メスティン 温め 電子レンジ』
等のキーワードで本記事に辿り着いた方が多いのですが、メスティンがアルミ製である以上、直接電子レンジに入れてマイクロ波で温めることはできません。
レンジクックを使えばメスティン弁当をレンチンできる
どうしたらメスティン弁当を電子レンジで温められるのか…と考えると、実は案外答えは簡単でした。それは、電子レンジのマイクロ波がメスティンに直接当たらないようにすればいいんです。

だったら日ごろ使い慣れている「レンジクック」です。
レンジクックは、マイクロ波を遮断する容器で底面に貼られたセラミックシートがマイクロ波で熱を発し、容器のアルミ製の底面で食材を焼いて調理できる道具です。

こちらは「レンジクック」の構造と温めの仕組みの図解です。
レンジクックは本体も蓋も金属製のため、蓋をして電子レンジ加熱しても容器の内部にはマイクロ波は届きません。容器の底面に貼り付けたセラミック板がマイクロ波で加熱され、その熱が伝導の良いアルミ製の容器の内側に伝わり、食材を「焼く」ことができる調理器具です。
この「マイクロ波を通さない」機能を利用することで、アルミ製のメスティンであってもバチバチ火花を飛ばさずにレンチンでの温めができる…というわけです。
金属と共に電子レンジの「天敵」といえば『玉子』ですが、

ご覧のように、レンジクックなら玉子も爆発せずにきれいな目玉焼きを焼くことができます。このことから、アルミ製のメスティンも火花が飛ばずに加熱できることが良く分かると思います。
熱伝導だけでは弁当は温まらない
レンジクックもメスティンもアルミ製で熱伝導に優れている…とは言っても、熱伝導だけでお弁当は温まりません。メスティンのアルミの鍋肌に触れている部分は温まりますが、そこからご飯やおかずに熱が伝搬してゆくのは気が遠くなるほど時間がかかります。
そもそもレンジクックは電子レンジで「焼き調理」をする道具なので、メスティン弁当をそのまま入れてレンチンしたら、弁当の底の部分が焦げてしまうのは必至です。
そこで結局のところ温め方法としては「蒸す」ことでは第1弾と一緒になってしまいますが、レンジクックに水を入れ、その中に蓋を外したメスティンを置いてですがレンチンすることで、セラミック板から伝わる熱で水が沸騰し、メスティンの中のお弁当を温める…ということになります。


- レンチンしても火花は飛ばないか
- 異常な高温にならないか
- 食品の中までちゃんと温まるか
等々を確認するため、まずは「焼売」でテストしてみました。
少量の水を入れたレンジクックにメスティンの蓋を外した状態で入れて、網を敷き焼売を置いて電子レンジで加熱してみました。
結果は成功で、2分+α程度の加熱でホカホカに温めることができました。
レンジクックでメスティン弁当を温めてみた

この方法でメスティン弁当を温めてみたところ、普通にお弁当を温める感覚で時間設定した場合の出来上がりは微妙な感じでした。お弁当の下の方はほかほかに温まるのですが、上部への熱の伝わりが少ないようで冷たいんです。
想像するに、熱伝導のよいアルミ製のメスティンは、ご飯がぴっちり詰まっている下の方は、直接セラミック板に触れていて熱が伝わりやすかったが、上の方は、空間があって間に空気が挟まることで熱が直接は伝わらず温まらなかったものと思います。
メスティンの底に割りばしなどを挟んで直接熱が伝導しないようにして、加熱時間を伸ばしたところ、沸騰した水蒸気のみで温めることができたようで、ぜんたいにほんわかと暖まりました。
ちょっと一工夫必要ですが、手軽簡単という意味ではメスティン内に水を入れて直火加熱するより数倍手軽でした。十分「暖かいお弁当」といえる程度に温めることができました。

「アツアツ」というにはイマイチな感じもしました。「アツアツ」がいいのか「ほんわか」がいいのか微妙なところですが、メスティンを持つ側の手(たいてい左手)のことも考えるとあまり「アツアツ」でない方が良いように思いました。
おまけ:まるごと「湯煎」したらどうなる?
もう1つ思いついた方法は「湯煎」です
レトルトカレーなどをお湯で煮て温めるあの手法ですね。
方法は簡単!メスティンをお湯の中に放り込みます。

とはいっても、そのまま放り込んだら、メスティンの蓋はそこまで気密性は高くないので、弁当は確実に「おかゆ」になってしまいます。
そこで、沸騰しているお湯で加熱しても大丈夫な「耐熱袋」に入れ、「レンジクック方式」で学んだ「空気は温まりにくい」を活かして袋とメスティンの間の空気をできるだけ取り除きます。
幸い、我が家には110℃までOKな食品保存袋があったので、これにメスティンを入れて空気を吸いだして口を硬く閉じ、鍋の沸騰したお湯の中へ放り込みました。

これがなんと大成功!
メスティンが入る程度のサイズの鍋にお湯を沸かし耐熱ポリ袋に入れたメスティンを入れる、この方法なら直火を使ったり特殊な電子レンジ調理器を使わなくても済むので、温められる場所も範囲が広がりそうです。
耐熱ポリ袋を使った湯煎での温めで注意すべき点は以下です。

また、ポリ袋は空気を抜く(吸い出す)事をお勧めします。
ポリ袋とメスティンの間に空気層があると熱伝導が悪くなることと、密着している方がお湯が浸水した際に分かりやすいので、手遅れになる前に対処しやすくするためです。

実験では、最初15分間湯煎した時点で、上の画像のように楊枝を刺し、唇に当てて温まっているかを確認したところ、予想に反して、中心部より上部が温まっていませんでした。
メスティンは、無垢のアルミ製で熱伝導に優れるため、ご飯やおかずが直接触れている底部と周囲は、メスティンの熱が伝わりやすく温まった一方、隙間のあった上部は熱伝導が直接ではなく、空気が温まるのに時間がかかった…という点はレンジクックと同じ現象でした。
また、トータル25分の温め時間もあまり現実的とは言えません(温め時間としては、レンジクックの方がかなり早かった)。
お腹がすいてお弁当を食べちゃったので今回の実験はここまでです。
メスティ弁当は熱くて食べられないほどには熱くなりませんでしたが、たぶん50~60度ほどにまあまあ温まっていたので、レンジクック方式も、湯煎方式も充分な熱を伝えていたと考えられそうです(玉露の適温が60℃と言われているのでぬるい温度ではありません)。
という訳で、2回の記事を重ねてメスティン弁当の温め方法について考えてきました。
くれぐれも、メスティンにマイクロ波が直接当たるような温め方をしないようご注意ください。本記事で使用しているのはマイクロ波を遮断するタイプの電子レンジ調理器「レンジクック」です。
また、「湯煎」の場合は、耐熱じゃないポリ袋は一瞬で溶けてしまいますし、メスティン弁当はあっという間に「おかゆ」になること間違いなしですし、メスティンを入れた袋をぶつけて「ピンホール」ができてもお湯が侵入しますので十分にご注意を。
メスティンって、手軽だしまあまあ旨いコメが炊けるし、焦げ付きにくいし、見た目レトロで可愛いし…で、いいとこだらけなんですが、弁当箱として使おうと思うと直火以外では「温め」が難しい道具です。
今回は新たに「レンチン」と「湯煎」という方法を考えてみましたが、自分的にはレンジクックで蒸して温める方々が一番手軽だし面倒がない…と思いました(レンジクックがあればの話しですが)。
それでは、今日はこの辺で。
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