キャンプや車中泊の朝食に焼き立てのパンが食べたいと思っている方もいると思いますが、今回は、ポータブル電源から給電してホームベーカリーでパンを焼いてみたので、その模様をレポートします。

実は、ホームベーカリーって電気の使い方がかなり特殊です。トータル5~6時間にわたって動き続けますが、途中「捏ね」「発酵」「焼成」と消費電力が異なる動きをしたり、途中で動作を完全い停止したりします。EFDELTAはホームベーカリーの特殊な動作に適切に給電できるのかが気になるところです。特に寝かせている間に電源がオートオフされないかが一番の気がかりです。
EcoFlow製の大容量×高出力ポータブルバッテリー『EFDELTA』からの給電で、Panasonic製ホームベーカリー『SD-BMS106』を使って食パンを焼いてみました。
ホームベーカリーの消費電力は370Wなので、1600Wもの定格出力を持つEFDELTAにしてみれば苦も無くこなせる作業だろう…という予想はしていたものの、途中で動いたり止まったりを繰り返すホームベーカリーの特殊な動きにうまく給電できるかに一抹の不安要素もありました。
その辺を交えてパン焼きテストのお話しです。
ポータブル電源から給電して食パンを焼く

食パンのレシピは普段我が家が食べている食パンのもので、特別なことは何もありません。
小麦粉や水、バターなどの材料をホームベーカリーの釜に投入、ドライイーストの自動投入もセットして「スタート」ボタンを押します。

はじめは粉と水、バターなどが分離した状態で釜の中の羽根が回転し、徐々に生地を練り上げてゆきます。写真では、生地が団子状にまとまる程度まで捏ねられてきています。

記事を練っている際の出力をEFDELTAの表示で確認すると「63W」でした。
ホームベーカリーの消費電力の表示は焼成時もので、材料をこねている間の消費電力は60~70W程度です。
捏ねては止まり、捏ねては止まりを繰り返し、「ねり」の行程を終了し、「発酵」の状態になり、ホームベーカリーはタイマーだけが作動している状態となりましたが、【EFDELTA】はファンが回り続けていました(※)。
※これはEFDELTA特有の動作かもしれません。他モデル(特に新しいモデル)ではあまりファンが積極的に回らないように設定が変更された感じがします(EFDELTAはファンがちょっと過敏なところがあって手動で止めないと不必要と思われる状況でもファンが回り続けます)。

発酵を経て、動作はいよいよ「焼成」に入りました。

でき上がり予定時刻の35分前から最終行程である「焼成」に入りましたが、EFDELTAからの給電は380W前後(消費電力の記載と同等値)になりました。

無事に食パンが焼きあがりました。
ポータブル電源からの給電だからといって時間が長くかかることもなく、焼きが「濃い」「薄い」もなく普段通り美味しそうに焼きあがりました。
これならキャンプや車中泊の「朝食に焼き立てパン」という贅沢も十分可能かと思いますし、災害などによる停電時でもパンを焼くことができそうです。
※我が家で使用しているホームベーカリーはこちら。パナソニック製のSD-BMS106です。
最も電力を消費するのは「焼成」
「焼成」の間は消費電力と同等の電力(380W前後)を使い続けるので、今回の場合は380W×35分間ということで、380÷60分×35分で「221.7Wh」の電力を消費しました。
EFDELTAの充電量は、ホームベーカリースタート時点で90%でしたが、焼き上がりで58%になっていましたので、32%(403.2W)を消費していました。
最も大きな電力を使うのは「焼成」ですが、他にも「捏ね」「発酵」「捏ね」「二次発酵」と長時間にわたって電気を使い続けるので、トータルではそこそこの容量を消費しました。
今回はEFDELTAを使いましたが、400W程度の電力使用量であれば、容量576Wh/定格600WのRIVER Maxでもパン1斤を焼くことはできそうです。もちろん、それ以上の容量・定格出力のモデルであれば問題なくパン焼きができるはずです。
ホームベーカリーでパンを焼くのって、意外と波乱なくすんなり焼けた印象でした。
«参考»我が家の定番食パンのレシピ

今回、焼いた食パンは、我が家の定番となっているレシピで焼いたものです(レシピに興味なければ飛ばしてください)。
- 強力粉 … ゴールデンヨット 150g
- 強力粉 … 北海道産HB専用粉 100g(小麦粉計250g)
- 塩 … 3g
- 甘味料 … 23g(上白糖10g+ラカント13g)
- スキムミルク … 8g
- 無塩バター … 25g
- ドライイースト … フェルミパン15g
- 水 … 南アルプス天然水 180g
強力粉は、膨らみの良いゴールデンヨットに国産小麦をブレンドしています。
甘味料は、冬場はすべて上白糖にする事もありますが、過発酵しやすい夏場は一部をラカントに置き替えています。
砂糖は単に甘くするだけではなく、イーストの餌となり、パンを膨らませたり、色づきを良くしたり、生地をしっとりさせるなどの働きがあるので、全量をラカントに置き替えることはしません。
20~25g全量を砂糖で作った場合、6枚切りのスライスでも1枚当たりの砂糖の量は3.34gです。小麦粉も大量の糖質を含んでいますので、砂糖だけで3g超は糖質摂りすぎです。
ドライイーストは、本来は「白神こだま酵母ドライ」を使いたいのですが売り切れで購入できず、香りが気に入っているフェルミパンを使っています。HBがパナ製で自動投入なので材料には混ぜません。
もしよければこの配合を試してみてください。

ポータブル電源でホームベーカリーパンを焼く まとめ

EFDELTAは大容量・高出力が特徴ですが、そのうち「高出力」に関しては、370W程度のホームベーカリーなど問題なく使用する事ができ、パンも普段と何ら変わりなく焼きあがりました。
最大消費電力が370W程度なのであれば、ミドルクラスの「AC70」や「AC60」でも十分にパンが焼けるので、意外に適用範囲は広いように思います。
さほど大きな電源を必要とせずにパンが焼けるようなので、車中泊へホームベーカリー持参でもいいかもしれませんね。
今回は、EFDELTA給電でホームベーカリーの食パン焼きの実験をしてみました。
では今日はこの辺で。
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