今回は新たに購入した電気ケトル「HAGOOGI GEK-1701」の実機レビューです。これまで使用していた無印良品の電気ケトルの代替品として新たに購入したガラス製の中身が見える電気ケトルです。
我が家ではこれまで2台の電気ケトルを使い分けてきました。別記事でも紹介している山善「YKG-C800-E」は細口ノズルのいわゆるドリップケトルで、もっぱらコーヒードリップと緑茶や紅茶専用です。もう1つはドリップ以外全般に使用する無印良品の電気ケトルです。
今回、訳あって無印良品製ケトルの使用を中止することとなり、新たにドリップ以外用に購入したのが『HAGOOGI GEK1701』です。
無印良品製ケトルが製品回収に!
無印良品から、2024年1月16日付で『「電気ケトル」商品回収のお知らせ』というい告知が出されています(詳しくはリンクをご参照ください)。
対象製品の型番は「MJ-EK5A」で、製造番号は以下の5種類です。
- DR4C191
- DR4D172
- DR4J073
- DR4L013
- DR5A063
回収の理由は『本体上部と下部の接着部分が外れ、中身がこぼれる恐れがあることが確認されたため』、万全を期すため、当該商品を回収することといたしました…とのことで、我が家のケトルも「DR4J073」にがいとうするので回収して貰うことにしました。
実は最近、ケトルを置いているシンク前のカウンターに水がこぼれていることがよくあって、湯沸かしの際に水量が多すぎて沸騰した際に溢れたのかな?と思っていたのですが、あまりに多いので不思議に思っていたところでした。
無印良品が言う「中身がこぼれる恐れ」が、我が家の水たまりができていることを指しているのかはわかりませんが、電気製品で水漏れはちょっと怖いので回収して貰うことにしました。
無印良品の電気ケトルを使用している方は、一度、型番と製ぞ番号を確認した方がよいかもしれません。
でも、製造から10年も経っているので経年劣化だって考えられるので自分的には単に使用中止でも文句はなかったと思います。企業としてそうはゆかないのかもしれませんが、律儀だなと感じました。無印が多くの人に愛される理由なのかもしれません。
新しいケトルの条件
無印良品のケトルは、カップ麺用を含め「お湯がほしい」状況全般で使ってきました。コーヒードリップと、緑茶・紅茶を淹れるのは山善製ドリップケトルに任せて、キッチン周りでの湯沸かしは無印が活躍してきました。
ケトルの紹介記事でも書いたのですが、樹脂の臭いがしないのは非常に重要で重宝してきましたが、商品回収ということで、代わりのケトルを探さなくてはなりません。
以下が新しいケトルの購入条件です。
- 容量は800ml~1,000ml
夫婦二人なので容量は800mlあれば十分です。逆に多くても1,000ml程度でコンパクトさを重視します。 - 消費電力は1,000W以下
イザという時を想定して我が家にあるポータブル電源で湯沸かしができるように、消費電力は1,000W以下、できれば900W以下を条件にしました。 - 細口ノズルではない
ドリップケトルは別にあるので、逆に一気にお湯が注げるような「広口」の注ぎ口がベターです。 - 温度調節機能(不要)
特にこだわりません。無くてもいいです。湯温を気にするコーヒーやお茶類は山善が担当するので、早く沸騰してくれる方が重要です。温調はあってもいいですが「沸騰」がデフォルトでないと困ります。 - 保温機能(不要)
保温も特にこだわりません。無くてもいいです。沸かしたお湯はすぐに使うので保温してくれなくてもOKですが、逆に保温機能が付くなら「OFF」にできることが必須条件です。 - お湯が残らないこと
お湯の注ぎ口からケトル内のお湯がすべて注ぎ出されることを重視します。1滴も水が残らず出せることが重要です。過去のケトルではフチの折り返しや、ノズルの取付位置の問題で最後に僅かな湯が残るのが衛生的に気になったので、すべてを注ぎ出せる構造であることを重視しました。 - 水量が見やすいこと
ケトル内に注いだ水量が確認しやすいことを重視します。できれば注いだ水量が具体的に「○○ml」と分かるとベターです。もちろん注いだ後の残量も確認しやすいことが重要です。節電のためには必要な湯量をぴったり沸かすことが重要です。今ケトルに何ml入っているのかがわかるといいなと思いました。 - 火傷をしにくい構造であること
本体やハンドルが熱くならず火傷をしにくい構造であることがベターです。 - 余計な臭いがしないこと
樹脂や部品などの金属臭がしないことが重要です。特にケトル内部に樹脂を使っている場合は樹脂臭はなかなか抜けないので、できればステンレス製が望ましいです。 - 5,500円以内であること
無印良品製ケトルが5,500円だったため(いちおう目安)。
並べると条件がずいぶんと多いので自分でも驚きました(笑)が、過去に使った電気ケトル(今回の購入で4台目)で得た経験則から、「これは外せない」という条件をピックアップするとこんな感じになりました。
特に赤文字の項目は重視した要素です。
Amazonで購入
公式サイトとAmazonで迷ったのですが、最終的にはAmazonで購入しました。
カラーは「Black」にしました(3色あります)。
ヒーターと操作系がまとめられた「操作盤」とケトル本体、取説に「特典」の説明用紙が1枚入っていました。特典は、購入後2週間以内にLINE友だちになると延長保証(2年)になるというものでした。
HAGOOGI GEK1701の特徴
HAGOOGI電気ケトルの特徴をまとめると以下のようになります。
- 容量1,000ml 消費電力900W
- 温度調節機能(7段階+沸騰)、保温機能(24時間)、自動電源OFF、空焚き防止
- 本体サイズ(操作盤含む) 幅170mmx奥行215mmx高220mm 1.49kg
- 本体:硬質ガラスと耐熱フードグレードPP素材(ポリプロピレン樹脂)の二重構造
内層に3mm厚の高硼珪酸ガラス、中空層を挟んで外層をPP素材にすることで断熱性を確保 - 操作盤にも強化ガラス採用
- 加熱時LEDF照明点灯(青色)
14℃→沸騰まで7分45秒
14℃の1,000mlの水を沸騰機能で加熱したところ、100℃に至るまで7分45秒46かかりました。ちなみに、緑茶や紅茶に適した68℃に到達するのに4分59秒87かかりました。
正確には測っていませんが、無印良品のケトルよりも湯沸かしには時間がかかるようになりました。MUJIケトルが1200W、HAGOOGIが900W、その差300Wあるのでその辺りは致し方ないところです。
ただ、MUJIケトルの1200Wは、停電時(つまりAC100Vが使えない状況)で、電源を選ぶ(電源側も1200W超の定格出力が必要)のに対して、HAGOOGIの900Wはミドルクラスのポータブル電源でも湯沸かしができるのはメリットです。
具体的には、MUJIケトルは我が家では「EFDELTA」「EB3A」で湯沸かし可能ですが、HAGOOGIの方は「EFDELTA」と「AC70」「EB3A」で湯沸かし可能…といった感じで対応範囲が広くなります。
HAGOOGIケトルを実際に使ってみた印象
到着後、すぐに消毒のために沸騰させて(2回)から、実際に使ってみました。実際に使ってみて感じたメリット・デメリットを紹介します。
GOOD:ガラス製で透明、中が見える、加熱時LED点灯、PP素材で熱くない
まず最初に紹介するのはこのケトル最大の特徴である「ガラス製で透明」という点です。
購入候補を探している際には特に「透明」であることにはこだわっていませんでしたが、水量が確認しやすいことを条件に挙げていましたので、水量を確認しケトル内が見えるという点ではこれ以上の「確認しやすさ」はありません。
また、本体側面に水量(0.5/0.8/1.0L)目盛が刻まれていて水量を目視で確認できるのは「透明」ゆえのメリットです。
また加熱時に青色のLEDが点灯するのは、最初は見た目のギミックなんだと思っていたのですが、これ、遠くからでも加熱中であることがわかる点で、実は意外に実用的な機能であることに気づきました。
電気ケトルの加熱ランプってこういうタイプが多いと思うんですが、これだと角度によっては見えないこともありますし、何かの陰に隠れてしまうことも少なくありませんが、ケトル全体が青く光っていれば加熱中であることの確認はかなりしやすくなります。
ちょっと「青色LED点灯」を侮っていました。HAGOOGIの公式サイトにも「雰囲気アップ」みたいに書いてあるので「夜とかきれいなのかな」なんて大して期待していなかったのですが、どうしてどうしてなかなかの実用性を持っていました。
少し暗くなるとかなり青色が濃く出ますが、この写真で見てほしいのはそこではありません。LEDが点灯しているので加熱中であり温度表示は100℃ですが筆者の手でガッツリ触っています。
外層のPP素材は最大で45℃までにしかならないので、触っても火傷しないのもメリットです。ただし、桃色矢印の上の部分はガラス素材のままなので熱くなります。注ぎ口周辺は触ると火傷します。
これもガラス製ゆえのメリットだと思うのですが、注ぎ口に段差や折り返しがないので、ケトル内のお湯をすべて注ぎ出すことが可能です。ガラス製なので複雑な構造にはしにくくシンプルなカタチになったものと思いますが、お湯を注いだ後に中に1滴も残らないので、衛生的な観点でメリットとなっています。
沸騰してボコボコ泡が立つのが見えるのはギミックとしても面白いですが、「お湯が沸いた」ということをすごく実感します。「中が見える」ことぐらいしかガラス製で透明であることに期待はなかったのですが、意外に透明でLED照明点灯、二重構造と色々なメリットがあることが使ってみて分かりました。
GOOD:ステンレスとガラス素材なので嫌な臭いがない
筆者はケトルを選ぶ際に「樹脂の臭いがしない」ことをかなり重視しています。購入したケトルは、ケトル内部にステンレスとガラス素材しか使われていないので、苦手な樹脂臭がありません。
「樹脂臭はありません」と言っていますが、開梱した際には樹脂臭さがありました。新品のケトルにはよくあることで、何度か使用してゆくうちに消える臭いなんですが、使いはじめから樹脂臭を消す方法もあります。「重曹」や「クエン酸」を入れて沸騰させることで1~3回で大抵の臭いは消えます。今回は自宅にあった「クエン酸」を入れて1回沸騰で消えました。ケトル内部の臭いがすぐ消えたのもステンレス+ガラスの本体のおかげかもしれません。
GOOD:シンプルでわかりやすい操作盤
ともすると、操作系のボタン数を減らしてシンプルにしたいために様々な機能を兼用させてしまって、かえって操作系がわかりにくくなってしまいがちですが、このケトルは必要以上に簡略化せずにボタン3つ、ランプが2つ、液晶パネルが1つの構成です。
左から「電源ボタン」「100℃ボタン」「液晶」「加熱ランプ」「保温ランプ」「温度調節ボタン」です。
電源を入れ「100℃」を押せば沸騰する『沸騰デフォルト』の仕様が使いやすいです。沸騰が温調の一部に組み込まれていると、いちいち温調しないといけませんが、ボタン1つで沸騰させられるのは使い勝手がよいです。
温調は、40/45/50/60/70/80/90℃に設定ができます。
筆者はせっかちなので温調は使いません。温調は設定温度に近づくと加熱を止めたり弱めたりしてちょうどよく設定温度にしようとするので時間がかかるんです。それよりは沸騰ボタンで目的の温度になったらケトルを持ち上げる方が早く目的の温度にしやすい…と山善ケトルを使っていて学びました。ケトルによって癖があって、ケトルを持ち上げてから数℃上がる場合がありますが、それは経験則で覚えてしまえばいいこと。そんな風に思っています。なので、筆者はあまり温調を重視しないのです。
操作盤にもガラス素材(4mm)が使われていて、手触りが良いのものです。ピアノブラックなシックな色合いも気に入りました。カラーを「黒」を選んで正解だったかなと思います。
Bad:蓋が全開しない、水が入れにくい
蓋が全開になりません。画像が最大に開いた状態です。
ケトルに水をそそぐ際に、水道の蛇口やペットボトルの口なら問題ないですが、水差しのような容器からそそぐ場合は、ケトルを置いた状態では水差しの水をすべてそそぐことができません。
ケトルを傾ければすむことで、小さなことですが、小さなことだけにクリアしておいて貰いたかったと思います。
BAD:蓋の開け方が不自然
このケトルの数少ない欠点の1つが「蓋の開け方」です。
ケトルの蓋を開けるのは、ハンドルの上の開閉ボタンを押すのですが、画像で見ると「上下に押せる」構造に見えるじゃないですか?
でも、実際には①の写真のように後方の突起を押しても何も起こりません。そもそも押せません。だったらなぜ、動かない突起をここに付けたのかという疑問がわきます。
②のように前方の部分を押さないと蓋は開かないのですが、推す方向が桃色矢印の方向です。つまり親指を押し上げるように押さないと開きません。でも、人間の手はハンドルを握った状態で上方向へ押し上げる動きはできないので、ケトルを持ち上げた状態ではワンハンドで蓋を開くことができません。
ハンドルを握っている位置も比べて貰うと分かるのですが、意識的にかなり上方を握らないと開く部分に親指が届きません(筆者の指が短いこともあるかもですが)。
結局、蓋を開けるにはケトルを置いた状態で②のように持って押し上げるか、逆の手で空けるしかありません。
この辺りはUI(ユーザーインターフェイス)に長けたiPhoneと比べると、人の手の動きや、見た目などでユーザーに疑問を抱かせたり、不自然な動作を強いる点で褒められたものではないと言えます。
Bad:蓋の質感と取付けがチープすぎ
ガラスとPP素材を用いたケトル本体や、ガラスを貼ってある操作盤などの質感は悪くないのですが、蓋そのものと、蓋の取付けと動作だけがチープ感丸出しで、チャチです。
広口なので中の洗浄がしやすいことも売り文句になっていますが、正直、手を入れて洗う際に蓋が壊れそうで怖いです。完全に取り外せるようにするか、触ってもちょっとやそっとでは壊れなさそうな強度を持たせるとか何らか対応して欲しかったと感じます。
このケトルの欠点はすべて「蓋」がらみです。と言うことは、言い換えれば「蓋」がこのケトルの弱点ということになります。まあお値段がお値段なので贅沢は言えませんが、もう少し何とかならなかったかなあ…というのが本音です。
HAGOOGI電気ケトルまとめ
HAGOOGIの電気ケトルを紹介しました。
硬質&耐熱ガラス採用で、透明で中が見えるのが最大の特徴ですが、使ってみて初めて分かったメリットがいくつもある、意外にも「実力派」の電気ケトルでした。
見た目のギミックかと思われたBLUE-LEDも、実は遠くからでも加熱中であることがわかる便利な機能と捉えることも可能で、唯一「蓋」の難点を除けば、かなりコスパのよい使い勝手のよいケトルであることがわかりました。
そそぎ口の形状からコーヒードリップは苦手ですが、カップ麺用に一気にお湯をそそげるケトルをお探しなら十分おすすめできる製品だと思いました。
おすすめ度:☆4.5(5☆満点)
それでは今日はこの辺で。