突き上げが酷くて長距離ドライブは疲れ果ててしまうタウンエースバンの乗り心地改善のため、ダンパーオイル交換によるチューニングを実施しました。サンコーワークスの「ネオチューン」を施工しました。施工の様子と施工後に実際に走行してみた印象をレポートします。
タウンエースバン・アルトピアーノに「ネオチューン」を施工しました。タウンエースバンやアルトピアーノの乗り心地を改善したいと思っている方は少なくないと思いますが、今回、自分は「ネオチューン」を施工してみました。ネオチューンが気になっている方もいるかもしれませんね。興味のある方はぜひご覧ください。
「ネオチューン」って名前だけは聞いたことあるけど、実際のところどうなの?サンコーワークスなんて聞いたことないけど大丈夫なの?等々、知っていて気になっているけど施工に踏み切れない…なんて方も少なくないかもしれません。
正直自分も、サンコーワークスなんて聞いたこともなかったですし、効果や耐久性については最初は半信半疑でした。それなりのコストもかかるので「溝に捨てる」ことにならないか心配でした。
というわけで、今回はネオチューンの施工の様子と、取り付け後に実際に走行して感じた印象(直後と施工後半年の状況)などをお話ししようと思います。実際にやってみて分かったこともあるので、興味のある方はぜひお読みください。
ちなみに「ネオチューン」はアフィリエイト広告でも紹介制度もなく、単純に「乗り心地をよくしたい」と思って実際にネオチューンを施工したレポートに過ぎません。紹介してもなにも損得はありませんので、記事内容については筆者の実感です。
ネオチューンとは?概要をおさらい
ネオチューンとは、オリジナルの純正ダンパーのオイルを抜き、好みの硬さ・軟らかさにチューニングしたオイルを注入して、乗り心地を改善しようとするもので、千葉県にある「サンコーワークス」が開発した技術です。
ネオチューンにはいくつかの種類があります。
スタンダードは純正ノーマルよりも若干硬めで、硬めの方向にスペシャル、カスタム、ハード1、ハード2、ハード3があります。逆に軟らかめの方向へは、コンフォート、ベリーコンフォート、スーパーコンフォート、エクストラコンフォートが用意されています。
ショップで伺ったところでは、コンフォート寄りのスタンダードといったもっと細かなチューニングも可能なようです。
今回自分はショップのスタッフと相談して「コンフォート」を選択しました。「ベリーコンフォート」と悩んだのですが、タウンエースでは固い乗り心地と突き上げに悩んでいますが、元々は比較的硬めの締まった足回りが好きなので「コンフォート」に決定しました。
この選択が良かったのか、悪かったのか…は後半の「半年後」の項でお話しします。
ネオチューンを施工しようと思った理由
ネオチューンというものがある…知って、その直後に「これ、やろう」と決めました。
自宅から近い神奈川県下の取扱いショップに問い合わせメールを投げるまで2日かかっていません。存在を知ってからYOUTUBEやWEBで情報を集め、翌日夜にはメールを投げていました。
自分がネオチューンを施工しようと思ったのには3つの理由があります。
- 純正のままで乗り心地を変えられる
- リセッティングが可能
- コスト
1つずつ詳細をお話しします。
純正ダンパーのままなので車検OK
ネオチューンの最大の特徴は、ダンパー自体を交換することなく、純正ダンパーのオイルを入れ替えることで乗り心地を変える…ということです。
そのため、純正ダンパーのままなので「車検の心配がない」というのは大きかったです。
実はあまりの乗り心地の悪さに、ネオチューンを見つけるまでの過程では「ダンパー交換」も視野に入れていて、ダンパーメーカーのHPなどを見たりしていました。
ただ、調べたところでは車検OKのダンパーそのものがあまり見つからず、交換しても毎年車検のタウンエースバンで車検ごとにダンパーを純正に戻す…なんて高いハードルがあってなかなか踏ん切れずにいました。
毎年車検のたびにダンパー4本を純正に戻す…なんて自分には到底無理なので、ネオチューンの「純正のままで車検OK」は大きな魅力でした。
リセッティングが可能
ショップで相談する中で、一度仕様を決めて施工した後でも、「もう少し固い方が…」「もっと軟らかく」といった要望に応じてリセッティングが可能だという提案を貰って、施工に大きく気持ちが動きました。
サスペンションは人によって好みが違ってまさに千差万別ですし、ショップもタウンエースバンへの施工は実績がないので施工後の想像がつかないとの事だったので、リセッティングが可能というのは魅力的でした。
ハイエースには施工事例があるとのことでしたが、スプリングのない板バネのハイエースと、スプリングありのタウンエースでは「おそらく全然違う」とのことだったので「リセッティング可」は施工を決意するのに大きなポイントだったと言えます。
もちろんリセッティングにはそれなりのコストがかかりますが、施工したら終わりでなく、自分好みの乗り心地に近づける選択肢があるのは安心感がありました。それに「リセットは割安で」という言葉も貰えたのも大きかったです^^
コスト~リセッティングまで含めても15万円以内?
施工にかかる費用=「コスト」も、ネオチューンを選んだ理由としては大きかったです。
最初にショップから貰った見積もりでは「スタンダード」仕様のもので10万円を切る価格だったことで、「この金額ならリセッティングまで考えても15万円以内で収まるのでは?」と、一気に施工を具体的に考えるきっかけになりました。
タウンエース用があるなしに関わらず、ショックを交換する…となれば4本で工賃込みで10万円は超えると思っていたので、リセッティングまで勘案しても15万円以内の予算は大いに魅力的でした。
ネオチューンに期待したこと
ネオチューンを施工するにあたって期待していたことがいくつかあります。
そもそも…のダンパーに手を加えようと考えた大元は、「脳みそまで揺すられる」ような乗り心地と突き上げを何とかしたい…と言うことでした。
製造販売元である「トヨタモビリティ神奈川」がオプション設定している「ボディダンパー」も装着していますし、タイヤ交換も高反発マットも、すべて乗り心地したいがための自分なりの対策です。
それぞれに効果があり多少の改善が見られたのは確かですが、逆の意味で「そもそも」を言えば、足の硬さ(柔軟性のなさ)が変わらなければ何をやっても根本的な改善は望めない…ということで、『やっぱりサスか』『サスを何とかしないとダメだ』と考えていました。
そんな中で見つけたネオチューンに求めるのは、当然「乗り心地改善」なんですが、もう少し細かく言うと以下のような事がらに分解できます。
- 脳天までガツンとくる突き上げを軽減あるいはまろやかにしたい
- 波状(波打った)路面での揺れを締まった感じにしたい
- マンホール等の小さな窪みはタイヤとサスだけで乗り越えてほしい
- 荒れた路面での微振動を抑え、路面のノイズを軽減したい
突き上げ感の軽減
特に(1)の「突き上げ」は酷く、駐車場入り口などの低くなった歩道などに乗り上げた際の車体全体に及ぶ突き上げはつらいものがあります。道路の継ぎ目などでも、もう少し軽快に乗り越えてくれないものか…と思っていました。
また、都市部はまだしも地方へ出かける(レジャー車なのでその機会は多い)と、悪路(ガタガタ道)での突き上げの連続には辟易していました。
今回のネオチューン施工の最大の眼目はこの「突き上げ感の軽減」にあるといっても過言ではないほど、日々アルトピアーノを使う中で感じていた不満でした。
タイヤ交換は荒れた路面で一定の効果があったが…
ギザギザの砂利を固めたような粗いアスファルト路面でのバイブレーションのような微振動や、骨伝導で聞こえているのか…と思うような身体で感じるゴツゴツ感もかなり疲労を蓄積していました。
長めの距離を運転した際の疲労感、脳が痺れるような倦怠感の原因はここにあるのではないか…と思っていましたが、この点については今年に行ったタイヤ交換が一定の効果がありました。
微細な路面の荒れをタイヤが吸収してくれるようになり、サスが介入せずに済む程度の粗さであればずいぶん快適になっていました。サスが介入した際のゴツゴツ感が改善できれば乗り心地はかなり改善されるのに…と思っていました。
揺れの収束が改善したのはボディダンパーの効果
まるで硬いタイヤがボディに直付けされいるのでは?と思うような、小さな凹凸でもいちいちボディ全体が揺すられるような感じが不快で堪りません。
しかも悪いことにその揺れの収束が遅れるので不快な揺れが続き、波状路など揺れが連続するような場面では、揺れい揺れが乗っかる感じで、これもまた運転による疲労を助長しているようでした。
これについてあはボディダンパーが効果的で、揺れの収束は装着以前よりかなり改善していましたが、足が硬いので揺られた際の突き上げは酷いもので、やはり足回りを何とかしないことには根本的な改善は見込めないものと思っていました。
地元のショップを選んだ理由
今回のネオチューンの施工は、地元のショップに依頼しました。
開発元であるサンコーワークスは千葉のショップなので、行こうと思えば行けない距離ではないし、実際、YOUTUBEでは遠方からサンコーワークスへ出向いている方もいるようですので、一瞬は「やはり本家で」とも思いました。
けれど、「リセッティング」のためにショップに通うことになるかも…と考えると、できるだけ近い方がいいのではないか…と思いました。また、自分はクルマ屋さんの知り合いがいなくて、クルマ関連を相談できるがいないという事情もあって、できれば今回のことを契機に親しくなれて、何かと相談できるようになればいいな…という思いもありました。
WEBに車内内装のコンプリート系の画像もあったので、アルトピアーノの内容なども相談できるといいな…と思っています。
そんな経緯で、今回のネオチューンの施工を依頼したのは『T-STYLE AUTO SALES』。
最初のメールでの問い合わせから、丁寧な対応で「これなら千葉まで行かずとも大丈夫かな」と思いました。
その後、ショップに出向いて話しを聞いた際には、ネオチューンを施したNV200に同乗試乗できたのは「こんな感じか」を掴むのに役立ちました。NV200には「コンフォート寄りのスタンダード」が施工されているようで、思っていたより「軟らかいかな」という印象でした。
とはいえ、日ごろからNV200に乗っているわけではないので、オリジナルと比べてどう違うのか…は分からないんですが、何と言うか、伝わってくる振動や突き上げの「角が丸い」感じは十分に体感できました。この試乗が最終的に施工を決断する要因になりました。
T-Style Auto Sales
http://www.t-style08.com/neotune/
ちなみにこの「T-Style Auto Sales」は、以下の記事のコンプリートカーを製造しているショップです。実際に店頭に実車が置いてありましたよ^^ 近くへ行ったら立ち寄ってみては?
最初のメール応対からずっと面倒見てくれたのは「刑部(ぎょうぶ)」さんというスタッフさん。気さくに相談に乗ってくれるので『EnjoyCamper見たんだけど』と伝えると親身に話をきいてくれると思いますよ。
実際にネオチューンを施工
車体をリフトアップして、まずはフロントのタイヤを外すところから作業スタート。
下回り意外ときれいですね。初めて見ました。
外したダンパーに穴をあけて充填されていたオイルを抜きます。
オイルを抜いた後に、仕様に応じたチューニングオイルを注入し蓋をします。
これでダンパーの中は、自分が注文した仕様のオイルに入れ替わったことになります。
オイルを入れ替えたダンパー含むサス一式を組みつけて完成。
施工されたダンパーには「Neo Tune」と「T-Style Inc」のステッカーが…。
真ん中の黄色いステッカーには(おそらく)施工した仕様が記載されているんだろうと思います。
タウンエースはネオチューンの効果が出やすい?
キャンピングカーやバンコンのベース車のうち、後輪にもコイルを使っているのはタウンエースだけです。ハイエースもキャラバンも、NV200も他のバンのリアサスペンションはリーフスプリング(板ばね)です。
ショップで聞いたところによると、板バネとコイルではかなりネオチューンを施工した際の効果の出方が違うのだそうです。ラッキーなのかそうでないのか分かりませんが、アルトピアーノはリアにもコイルを使っているので、好みのセッティングにしやすい…と言うことなのかもしれません。
※サスペンションにまったく詳しくないので、話しをちゃんと理解できていないかもしれません。その辺は割り引いてお読みください。
3~4年でリセットが必要?
ネオチューンに特にデメリットは感じないですが、1点挙げるとするとメンテナンスでしょうか。
というのも、ネオチューンは純正ダンパーに穴を開けて、オイルを交換することで好みの乗り味にチューニングする技術ですが、やはり本来は開いていない穴を開けるので、ある程度の時間が経つと場合によってはオイルが漏れる等が発生することがあるようです。
必ず…ではないようですが、仕事で毎日乗るようなハイエースで2年ぐらいでリセッティングをした事例があるそうで、『日ごろの足とレジャーで使う程度なら3~4年』程度で症状が出る可能性があるそうです。
ショップでそう言われた時に、さほど「えー」という違和感は感じませんでした。考えてみると3~4年でリセッティングというのは特にコスパが悪いとは感じませんでした。
ごく普通にダンパーを使っていれば4~5年での交換が推奨されていますので、それより若干早めのリセッティングになったとしても、オイルの交換だけで済むのでコストが安く済むとすれば、約1年短くてもさほど大きな負担増にはならないように思いました
逆に乗り味をそこで再セッティングできるので、換えてみないと乗り味がわからないダンパー交換より、さらに自分の好みの乗り味に進化させることも可能ではないかと思います。
今回は前後とも「コンフォート」でしたが、全体にもう1段階軟らかく「ベリーコンフォート」にする…とか、リアだけもう「少しベリー寄りのコンフォート」的に軟らかくする…等々です。
もう1点ショップから言われたのは「しばらく乗っていると少し硬くなるかもしれない」ということでした。過去の施工事例からすると、施工後しばらくすると若干硬くなる傾向があるとか。その辺りはまた別途レポートしたいと思います。
ネオチューンまとめ~施工後の実走行で感じた印象
施工完了後、エンジンを始動させ、ショップの入口付近に止めてあったアルトピアーノを動かして一般道へ出る際、低くなった歩道から車道へタイヤが下りた瞬間、「あ、違う」と感じました。
さすがにそこは、初めて乗った試乗車のNV200とは違い、乗りなれたあうとピアーノだからわかる部分だろうと思います。
ずっと対応してくれていたフロントマンを助手席に乗せて、少しの間、ショップ周辺をテストドライブし問題ないことを確認し、帰途につきました。
せっかくなので遠回りをして、思いつくだけの様々な路面を走行して乗り心地を確認した印象は…
『いいじゃん!これ』
でした。
- すべての入力がまるくなった
NV200でも感じましたが、アルトピアーノでは余計にタイヤを通じて伝わる振あ動やショックの角が取れ丸くなった印象です。 - 微振動や小さなショックが消えた
路面の粗さはタイヤが吸収、マンホール程度の小さな凹凸はサスが吸収して、車内にはほとんど伝わって来ません。足がよく動いていなしているな…と感じます。 - 突き上げが脳まで届かない
突き上げられるたびに「ガツン」と脳天まで届くような刺々しい衝撃が消え、大きな入力もシートまでで収まるような印象に変わりました。 - 静粛性が高まる
「音」というより「体感音」というか「音的な振動」というか、ざらざらした体感音がなくなったことで、全体的に静かになったように感じます。
乗用車のよう…とまではいいませんが、1つグレードが上がったような、最上位モデルに変えたほうな乗り心地の良さを手に入れました。
それは、足が極端に柔らかくダブついているわけではなく、基本的な足の硬さは残っている中に、角のまろやかさや、ザラザラした感じがなくなったことで上質感が生まれたのだと思います。
ある程度の速さで流れるバイパスや、高速道路は非常に快適に走れるようになり「コンフォート」の仕様がぴったりな印象です。市街地など一般道では、ガタガタする場面が残っていて、もう1つ軟らかい「ベリーコンフォート」でも良かったかなという印象です。
結局、どんな道を走行する割合が多いのか…ということだと思います。
高速中心であれば今のまま「コンフォート」で問題ないと思いますが、自宅周辺の買い物や駅への送迎など最も多い日ごろの足としての走行では「ベリーコンフォート」の方がいいかも…と感じています。
とはいえ、今までと比べれば「角」や「尖った感じ」がないぶん、快適と感じています。
しばらくすると乗り味が変わってくる場合もあるそうなので、そうなればまたレポートしますし、リセッティングするばあいにはそれもレポートする予定です。
施工から6か月経過時点の状況と印象(追記)
アルトピアーノにネオチューンを施工(2023.06)してから約半年が経過しました。
9月に年1回の車検を迎えましたが特に問題なくすんなり車検を通過しました。民間車検場での下回りの点検の際に見せてもらいましたが、ダンパーのオイル漏れなどは目視で確認できませんでした。
タイヤの片減りなども含めて、特に整備士からの指摘もありませんでしたので、施工による不具合や耐久性に関しては、半年では短いかもしれませんが「大丈夫そうかな」と感じています。
乗り心地についてはどうか…というと、ショップの指摘通り若干硬くなった印象です。
施工後はオリジナルとのあまりの違いに驚いた部分もあるので、余計に柔軟にしなやかに感じた可能性もあるので実際に固くなったのかどうかは、施工直後と比較のしようがないので正直分かりません。ただ、半年間乗り続けていて思うのは『もう少し軟らかくてもいいかな』です。
舗装状態のよい高速道路などでは非常に快適です。少し硬めだけれどしなやかでフラットライドです。レカロシートとの相乗効果で非常に快適に長距離を移動できるようになりました。
ただ悪路での突き上げ感はもう少し改善したいと思います。オリジナルの時と比べれば、段差の乗り越えなどで感覚を覚えている場所では明らかに違う(良く違う)のは事実ですが、伊豆などへ出かけた際にはもう少し穏やかになって欲しいと感じます。
できれば早い段階で、リセッティングしたい気持ちが強いです。
タウンエースバンにネオチューン施工まとめ
正直、ここまで劇的に改善するとは予想していませんでした。
タウンエースバンやアルトピアーノにお乗りの方で「乗り心地」に不満がある場合には、改善策の1つとしてネオチューンを検討されても良いかもしれません。
半年経過時点で特に問題ありませんし、車検もすんなり通過しました。ただ施工直後と比べると若干硬くなった印象があるので、リセッティングしたいとは思っています。
足周りのカスタムとしては自分的には満足のゆく改善ができたと思います。
それでは今日はこの辺で。
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