今回は、EcoFlowの最新小型ポータブル電源「RIVER mini」の実機レビューです。

このRIVER mini、小さいながらも「X-Stream」「X-Boost」「スマホ遠隔操作」などのEcoFlowの先進テクノロジーを積んだ新世代ポータブル電源の一員なんです。
RIVER miniは、10万円を切る価格にも関わらず、最大1200Wまでの家電を動かすことができる「X-Boost」機能を搭載して話題&人気のRIVERシリーズの末弟にして最新モデルです。
片手でひょいと持ち上がる小ささや軽さが特徴的で、スマホやタブレットへの充電や、ノートパソコンやゲーム機などのガジェットへの給電向きのポータブル電源と言えます。
これまで、どちらかというと家電製品を使うためのポータブル電源を発売してきたEcoFlowですが、今回のRIVER miniは、どちらかというとガジェット向けのモバイルバッテリー寄りの製品と言えるかもしれません。
EcoFlow Japanからデモ機をお借りできたので、実機をレビューしてみたいと思います。
RIVER miniの諸元データを確認しておこう

RIVER mini ワイヤレス充電タイプ | RIVER mini 通常タイプ | |
容量 | 210Wh | ← |
サイズ | 24.9×14.0x13.3cm | ← |
本体重量 | 2.85kg | ← |
充電温度範囲 | 0℃~45℃/±3℃ | ← |
動作温度 | -20℃~45℃/±3℃ | ← |
入力 | AC充電入力(X-Stream): 最大300W AC | ← |
充電電圧:100~120V (50Hz/60Hz) | ← | |
ソーラーチャージャー入力: 最大100W、11 ~39VDC、8A | ← | |
車載充電入力:12V/24V DC, 8A 最大 | ← | |
出力 | AC 出力(×2):300W(サージ600W), 100V AC(50Hz/60Hz) | ← |
X-Boost機能で600Wまで対応 | ← | |
USB-A 出力(×3):各ポート最大12W、 5V DC、2.4A | ← | |
車載充電出力(×1):最大126W、 12.6V DC、10A | ← | |
USB-C 出力(×1):最大100W、 5/9/12/15/20V DC、5A | ← | |
ワイヤレス充電対応 | 〇 | ✖ |
アプリ対応 | 〇 | ← |
セル種類 | 三元素リチウムイオン | ← |
充電回数 | 500サイクル(残存容量80%想定) | ← |
同梱物 | ユーザーマニュアル | ← |
保証書 | ← | |
1.5m AC充電ケーブル | ← | |
1.5m シガーソケット充電ケーブル | × | |
MC4 to XT60ソーラーパネル充電ケーブル | × |
RIVERの名は関していますが、他のシリーズの定格出力600W/X-Boost時最大1200Wの仕様とは異なり、定格出力300W/X-Boost時最大600Wの出力です。
容量も210Whと小さめで、従来のRIVERシリーズの最小モデル「RIVER」の288Whと比べてもさらに小さめです。
RIVER miniには、本体上面に「ワイヤレス充電」の有無で2タイプが用意されており、ワイヤレスタイプでは、「シガーソケット充電」と「ソーラーパネル充電」のケーブルも同梱となっています(通常タイプは必要に応じて別途購入可能)。
RIVER miniのサイズは、24.9×14.0x13.3cm、重量は2.85kgで小型軽量ではありますが、3kgを僅かに切る重量は、実はまあまあの重さがあります。米の2kg袋1.5袋分と考えると、手持ちでの移動が楽…という重さではありません。
自宅内や車内などで置き場所を変える程度の移動であれば負担はありませんが、手持ちハンドルはないので持ってお出かけ…は少々きついかもしれません。
あくまでも自宅やオフィス内で自由に持ち運んで、どこでも好きな場所で使える…と捉えるべきでしょう。
スマホやガジェットの充電や給電向け~家電の使用は想定外?

定格出力300W(瞬間最大600W)・X-Boost時最大600Wの出力+210Whの容量は、キャンプや車中泊で家電を使う…といった使途は想定されておらず、スマホやタブレット、ノートパソコンやゲーム機などへの充電・給電を想定されているように思えます。
もちろん、家電も使えないことはありませんが、あまり得意ではないかもしれません。
例えば、X-Boost時でも最大600Wの消費電力までしかカバーできないので、キャンプや車中泊で電子レンジや電気ケトルを使用することはできませんし、電気毛布(50W)は使えますが、4時間ほどで充電量は枯渇しますので、就寝時の防寒目的の面でも実用的とは言い難いです。
同じ50Wほどの消費電力であれば、ノートパソコンを4時間使えたり、210Wh=58,400mAhの容量は、5,000mAhのスマホを11台(11回)超も充電することができるのは、リモートでもワーケーションでも十分に実用的です。
RIVER miniの外観や端子類をチェック

正面から見たRIVER mini。
中央にインフォメーションを表示する液晶パネルを設置、充電残量(%)、入出力などの情報を確認することができます。

シガーソケットにはゴム製のキャップが付きます。

USB出力端子は、USB-A端子×3口、USB-C×1口。
出力端子の下には、USB用のON/OFFスイッチがあります。
さらにその下に、スマホアプリとの連携の際に利用する「IOT RESET」スイッチがあります。

RIVER miniの上面は、スマホやタブレットなどのワイヤレス充電が可能です(ワイヤレス充電タイプのみ)。
有線の充電より時間はかかりますが、乗せて置けば充電されるのは手間なしで便利です。

正面に向かって右側の側面にはファンが設置されています。

反対側の向かって左側には、AC出力×2口と、AC100Vスイッチがあり、入力端子は蓋付きです。

蓋の中には、DC入力、AC入力端子があります。
DC入力は、シガーソケットからの入力やソーラーパネルからの充電に使用します。
AC100V入力は、家庭やキャンプ場などのAC100Vコンセントからの給電を受け充電することができます。

こちらは付属品です。
AC100V用の充電コード×1
DCシガーソケットの充電コード×1
ソーラーパネル用(MC4)の充電コード

本体には持ち手ハンドルが出てくるわけではなく、本体裏面に指がかかる窪みがあり、画像のような持ち方をします。
重量が3kg未満なのでこの持ち方でも問題ないのですが、持運び時間が長くなるとちょっと手首や指の負担を感じます。

こちらは手持ちの「110Wソーラーパネル」から充電中のRIVER miniです。
あまりしっかり晴れていない日だったので、32Wでしか充電できていませんが、別日には70~80W程度で充電できていましたので、容量210Whであれば、3時間程度で満充電にできそうです。
このクラスの容量であれば、充電量のすべてをソーラーで賄うことも可能に思われます。
専用アプリでスマホから遠隔操作

RIVER miniには、最近のEcoFlow製ポータブル電源と同様に、専用アプリによる遠隔操作機能を搭載しています。
入力・出力の状態、満充電までの時間や充電量の持ち時間、X-Boost時の出力など様々な情報をモニターすることができます。

電源を使用する上での様々な設定もアプリ画面から変更設定が可能です。
一番利用するのは、50Hz/60Hzの切り替えではないかと思います。
まだスマホ遠隔操作機能のなかった筆者のEFDELTAでは、本体から設定するのですが、操作方法がわかりにくく手間がかかった印象がありますが、スマホから操作なら簡単です。
EcoFlow RIVER mini を実際に使ってみた感想

RIVER miniは、従来のEcoFlowのポータブル電源のように、キャンプや車中泊での家電利用に…といった使途向きではありません。
キャンプや車中泊での使用を想定するなら、容量的には288Whと近い「RIVER」の方がおすすめです。定格600W/サージ1200Wの出力はこのクラスでは突出した大出力ですし、さらに「X-Boost」によって1200Wまでカバーしてくれるので電子レンジ利用もOKです。
スマホ充電やガジェットへの給電で、モバイルバッテリーの量量が物足りない、もう少し充電量が多ければいいのに…という方には「RIVER mini」は最適な小型ポータブル電源ではないでしょうか。
そうした利用を想定するなら210Whの容量は十分ですし、片手で持てる小柄なボディと3kgを切る重量は、フットワーク軽く好きな時に好きな場所でリモート・デスクワークを…という要望にこそ最適と言えます。
身内にライバル~ベーシックなRIVERとどっちを選ぶ?
大人気のRIVERシリーズのベーシックモデル「RIVER」は、miniが登場するまではシリーズ最小モデルとして、小容量派ユーザーの最大の選択肢になってきました。
スペックを比べてみると、
- 定格出力: RIVER(600W)× RIVER mini(300W)
- 瞬間最大:RIVER(1200W)× RIVER mini(600W)
- 容量: RIVER(288Wh)× River mini(210Wh)
定格出力/瞬間最大出力は、RIVERはminiのそれぞれ2倍の値となっており、小さいながら家電使用を想定している「RIVER」と、スマホやノートPCなどのガジェット充電を主に想定する「RIVER mini」とでは明確な違いがあります。
容量はあまり大きな差はないように見えますが、実は「RIVER」には「エクストラバッテリー」という容量アップの秘密兵器があるので、MAXへと進化したRIVERの容量は2倍の576Whになります。
使途によって優劣は付けられませんが、価格に関してはminiが大きなアドバンテージをもっていて、セールでの値引額はminiの方がかなり大きい傾向があります。
ただ、家電を使うか、ガジェットのみかで自ずと選択肢は変わると思いますし、さらに車載家電で電子レンジやケトルなど消費電力の大きな家電の常用を前提にしているなら、選ぶのはRIVERではなく、DELTAシリーズだと思います。
RIVER mini 1台あれば、大容量と言われる5000mAhのスマホを述べ11回も充電できる充電量は、災害発生時でも通信手段を途絶させない充分な容量を持っています。
総体的に、スマホ、ガジェット派にはメイン電源として、家電派にはメイン電源の負担を軽減するサブ機とし役立ちそうだな、気軽に使えて小回りが利きそうだな…、そんな印象を持ちました。
余談ですが、こうした分野の電源はこれまで他社が得意としてきましたが、EcoFlowがついに進出…といった印象です。これって、もしかしたらEcoFlowの新たな分野への進出の第1歩だったりするのかもしれません。
それでは今日はこの辺で。
当ブログの管理人KAZです。
モバイル通信やガジェット関連、アウトドア関連のフリーライターをしています。2020年3月、コロナによる緊急事態宣言直前に購入した小型バンコン「アルトピアーノ」でバンライフに目覚め当ブログを立ち上げました。