ポータブル電源・バッテリー

【EcoFlow RIVER 2】Pro発売でシリーズ完成!リン酸鉄リチウム化RIVER2のスペックチェック

EcoFlow River 2 ポータブル電源・バッテリー
この記事は約12分で読めます。
Sponsered Link


Sponsered Link


2023年4月、他のRIVER2シリーズに遅れること6か月、ついに上位機種「RIVER2 Pro」が発売されシリーズラインナップが完成しました。

KAZ
KAZ

待ちに待った「Pro」の登場ですね。容量1024Wh/出力1500WのDELTA2と、容量512Wh/出力500Wの中間がやっと埋まったという感じで、Proの発売を待ちかねた方も少なくなかったのではないでしょうか。

初代RIVERは「X-Boost」と呼ばれる定電圧機能や、拡張バッテリー、スマホ遠隔操作など当時としては画期的な先進技術てんこ盛りで登場し驚かされました。筆者もEcoFlowからデモ機を借りて実機テストして、その使い勝手の良さに「イチオシ」の評価をしていました。

しかし残念なことに、新型RIVERとして先に発売された「RIVER2」と「RIVER2 Max」では、そうした初代の特徴やメリットが失われていて、筆者としてはあまり食指が動かなかったのも事実です。

先の2機種の半年遅れで「やっと」登場したProを加えて、新たに「RIVER2」について深堀してみたいと思います。

本記事は「RIVER2」「RIVER2 Max」が発売された2022年10月の段階で公開されたものに2023年4月の段階で追加発売された「RIVER2 Pro」を加えてリニューアルしたものです。

Sponsered Link


Sponsered Link


新RIVERシリーズの外見画像と各スペック

旧RIVERとはかなり印象が違います。

旧モデルでは上部中央に配置されていたハンドルは、本体上部後方に固定のワンハンドルで設置され、持ち歩く際には前のめりの斜めの状態になります。

上部シルバー+下部ブラックつや消しのデザインは如何でしょうか。すべて真っ黒だった旧モデルに比べて軽快な印象がありますね。筆者的には「おかっぱ」を連想しました(どこかの某国営放送の番組に登場する女の子のよ?)^^;

中央に液晶パネルを配しているのは共通です。

出力端子は、AC100Vも含めてすべて正面に集約されており、筆者が以前から唱えてきた「出力端子やON/OFFスィッチの場所がバラバラで使いにくい」問題は改善されたようです。

サイズと重量は、

  • RIVER 2 … 214×245×142mm 3.5kg
  • RIVER 2 Max … 260×270×196mm 6.0kg
  • RIVER 2 Pro … 260×270×226mm 7.5kg

旧モデルは288×185の横幅と奥行きは共通で、高さがRIVERが194mm、MaxとProが253mmだったので、横幅が28mm小さくなり奥行きが85mmも大きくなっています。高さはすべてのモデルで少しずつ小さくなっています。

同じ容量や出力でもEcoFlowの電源は他社製品より若干計量な場合が多い印象を持っていますが、例えば、Pro(768Wh/800W)で7.5kgはかなり軽量な部類に入るのではないでしょうか。軽量さはアウトドアでは重要な性能です。

リン酸鉄リチウム化、USB-C入力・Bluetoothアプリ接続

新型RIVER2の最大のポイントは、やはりリン酸鉄リチウムイオン電池の採用と、その結果として、電池としての安定性や安全性と、充電サイクル3000回という長寿命を手に入れたことでしょう。

リン酸鉄は電池として非常に安定しており熱暴走を起こしにくい特性を持っており、もし過熱した場合でも発火・爆発の危険性が非常に低い安全性をもっています。これはコンシューマーユース(個人利用)では非常に重要な性能です。

※リン酸鉄リチウムの詳細を知りたい方は以下の別記事をご参照ください。

また、リン酸鉄リチウム電池は充電サイクルが3000回以上で容量の残存率も80%とのことで、非常に長寿命です。仮に毎日容量をすべて使い切るような使い方をしても、容量が80%まで劣化するのに8年以上かかることになります。もっと使用量が少ない場合には10年以上でも使い続けることが可能です。

※充電サイクル等、ポータブル電源の性質の詳細を知りたい方は以下の別記事をご覧ください。

リン酸テルリチウム以外の部分の注目点は「USB-C入力」です。上図で「入力」項に「USB-C」と記載があるように、新型RIVERではUSB-CからのDC充電が可能となっています。

また、アプリ接続方法が従来のWiFiのみから、WiFi・Bluetoothの2系統になることも見て取れます。

アプリでポータブル電源を操作中はスマホのデータ通信用のWiFiを切断していた従来型に比べ、データ通信はそのままにBluetooth接続で電源を操作できるのは地味ながら有難い進化かもしれません。

価格のスペック

価格旧モデル差額
RIVER 229,900円39,600円-9,700円
RIVER 2 Max64,900円63,800円+1,000円
RIVER 2 Pro88,000円79,800円+8,200円

本体価格は、ベーシックな「RIVER 2」が1万円近い値下げで、単価の安いモデルだけに25%近いプライスダウンになっています。

「RIVER 2 Max」は旧モデルと同等価格、「RIVER 2 Pro」は8,200円の値上げです。

容量単価
新型
容量単価
旧型
出力単価
新型
出力単価
旧型
RIVER 2116.8円137.5円99.7円66.0円
RIVER 2 Max126.8円110.8円129.8円106.3円
RIVER 2 Pro114.6円110.8円110.0円133.0円

こちらは、「容量単価」(価格÷容量)と「出力単価」(価格÷定格出力)の比較です。「容量単価」は1Wh当たりのコスト、「出力単価」は1Wあたりのコストを表します。

価格を大幅に引き下げた「RIVER 2」は、容量単価では割安になっていますが、600Wの定格出力が300Wに半減した「出力単価」は大幅に悪化しています。

新旧でほぼ同等価格の「Max」は、容量単価・出力単価いずれも悪化(割高)しました。

価格は8,200円値上げしたもののスペックをスープアップしたため、容量単価・出力単価いずれも良化しています。

容量・出力関係のスペック

容量・出力スペックをまとめると以下のようになります。

容量定格最大XB時
旧RIVER288Wh600W1200W1200W
旧RIVER Max576Wh600W1200W1200W
旧RIVER Pro720W600W1200W1200W
RIVER 2256Wh300W600W450W
RIVER 2 Max512Wh500W1000W750W
RIVER 2 Pro768Wh800W1600W1000W

容量も旧型よりも若干減少していますが、出力に関してはかなり残念なことになりました。

旧RIVERでは、定格出力/最大瞬間出力はシリーズ各機種共通の600W/1200Wでした。これは特に下位の小型モデルほど「そのサイズでその出力?」と評判になりましたが、新モデルでは「RIVER 2」と「2 Max」の出力は旧型よりも縮小されました。

さらに「X-Boost(定電圧機能)」による対応可能な家電消費電力もいずれも低下、旧モデルで1200Wまで対応できていたのに、新型ではRIVER2:450W、RIVER2 Max:750Wとなってしまいました。

旧型は小さなモデルでも最上位モデルの「Pro」と変わらない出力を持ち、やろうと思えば電子レンジや電気ケトルなどの大出力家電も使うことができるのが大きな魅力でした。

最小の「RIVER」でも、1000Wの電子レンジが使えてしまうことで単純に「すごいな」と思わせてくれましたが、新モデルはごく普通の『小さいモデルは小容量・小出力』のモデルになってしまいました。

追加で先日発売になった「Pro」も傾向は同じで出力関係は縮小傾向ですが、それでも、定格出力800W/X-Boost時1000Wまで対応できるので、何とか、1000Wクラスの電子レンジやケトルが利用可能です。

拡張バッテリーという仕組みを失った

画像出典:jp.ecoflow.com

失ったのは出力だけではありません。

旧RIVERが驚きをもって迎えられたスペックの1つに「エクストラバッテリー」という仕組みがありました。

エクストラバッテリーとはいわゆる拡張バッテリーと呼ばれるもので、本体とは別の電源を接続することで全体の充電容量を増しながら、操作は本体で一括して行える仕組みです。

旧型では、最小のRIVERに、本体と同容量のエクストラバッテリーを接続することで容量2倍の「RIVER Max」にアップグレードすることができました。RIVER Proにはまた別の専用エクストラバッテリーが用意され、720Whの容量を2倍にすることが可能でした(2倍にした際の呼び名は特にありません)。

残念なことに新型RIVER2では、シリーズ全機種で拡張バッテリーの仕組みが採用されませんでした。

容量が小さなコンパクトモデルだからこそ、拡張バッテリーの良さが生きるのではないか…と思うので非常に残念な仕様変更です。

入力関係のスペックは

AC入力ソーラー入力
旧RIVER 250W200W
旧RIVER Max500W200W
旧RIVER Pro660W200W
RIVER2360W110W
RIVER2 Max660W220W
RIVER2 Pro940W220W

入力に関してはACコンセントからの場合は全モデルで拡大されていますが、下位モデルではソーラー受電が110WがMAXとなっています。

縮小といえば縮小なのですが、268Whの最も小型の電源なのでMAXパワーで発電充電できれば2時間半ほどで満充電になるので特に支障はないはずです。

では200W→110Wと大幅に縮小しています。

出力端子関連

RIVER 22 Max2 Pro
AC100V244
USB-A233
USB-C111
シガー111
DC552122
RIVERMaxPro
AC100V333
USB-A333
USB-C111
シガー111
DC5521222

Max/Proについてはほぼ同等の端子数ですが、出力端子の数でもベーシックな「RIVER 2」のダウングレード感が強いです。

RIVER2シリーズの印象

やはり、全モデルで定格出力600W/瞬間最大出力1200W/X-Boost時1200Wという共通スペックが廃止されたことには残念な印象は否めません。特に小さい方の2機種は「小さいけど凄いやつ」的な驚きが失われたのは惜しいところです。

旧型RIVERに対抗すべく登場した「Bluetti EB3A」は未だにモデルチェンジがないので、定格600W/電力リフト時1200Wの性能を未だに保持(電力リフトはX-Boostと同様の定電圧機能です)しているため、対応可能家電の範囲ではEB3Aに負ける…という逆転現象が起きてしまいました。

さらに、各社からこのクラスにライバルモデルの投入があり、旧RIVERが登場した時のような「独壇場」にはならない様相です。

RIVER 2

「RIVER 2」は、リン酸鉄リチウムを採用していながら価格が1万円近く値下げとなったのは大きなメリットです。手軽にローコストでエントリークラスの電源を入手できます。

性能的にも機能的にも、スマホやガジェットへの充電などが中心の使途であれば過不足のない内容でコスパも充分だと思いますし、買って損はないポータブル電源だと思います。

ただ、「こいつ小さいのにスゲーな」的な驚きは失われました。最小モデルでも定格600Wの出力を持たせていた旧型と違い、新しいRIVER2は300Wまでしか出力できません。

KAZ
KAZ

「X-Boost」の縮小に関しては、256Whの容量の電源で1回3分の加熱で約40W(容量の15%に相当)の電力を消費する電子レンジの使用が果たして現実的かどうかは一概に言えません。メーカーもこのクラスにそうした機能は現実的ではないと判断した可能性もあると思います。

RIVER 2 Max

「RIVER 2 Max」は、リン酸鉄リチウム化しても旧型とほぼ同等価格で購入できる点はプラス要素です。新旧の通常価格の差はわずかに1000円高くなっただけです。これは物価等の状況を勘案すると実質的には値下げになっていると考えてもよいのかもしれません。

容量512Wh/出力500Wはこのクラスとしては標準的なもので、1泊の車中泊やキャンプなどでは、大出力家電を使わない限り容量が足りなくて困ることはないはずです。

旧型と比べると、ベースモデルにエクストラバッテリーを組み合わせたら「Max」になるという面白い仕組みはなくなり、初めにRIVERを買って後から拡張バッテリーを買い足して「RIVER Max」にすることはできなくなってしまったのは惜しいと感じます。

決して性能が悪いわけでも機能が不足しているわけでもないので、問題なく気がるに便利に使えることは間違いありません。

RIVER2 Pro

半年遅れで登場した「RIVER 2 Pro」は、定格出力800WとX-Boost最大1000Wのスペックを持っているため、辛うじて電子レンジや電気ケトルなどの1000Wクラスの大消費電力家電も動作させることができるのはプラス要素です。

若干の値上げもありましたが、その分、容量も出力も拡大していますので、ほぼ価格据え置きと考えてよいと思います。

このクラスには強いライバルが存在しないこともあって、いかにもRIVERシリーズの中心を担う…といった定番感に溢れていると感じましたし、また不足ないスペックを持ち合わせています。

ご時勢を間変えれば、旧モデルから僅か約8,000円の値上げで済ませた「88,000円」というプライスは良心的だと感じますし、細かな部分で地味にスペックアップしているのは好感が持てました。

拡張バッテリーや高出力家電への対応を望むなら、もう1ランク上の「DELTA2」へどうぞ…という感じでしょうか。そう考えると、そうした付加価値を省いて10万円以内に収めたのは「棲み分け」なのかもしれません。

KAZ
KAZ

もし自分がRIVERシリーズを購入するとすれば、おそらく「Pro」を選ぶと思います。自分の使い方を考えると、800Wの出力があれば定格で電子レンジを動かせますし、X-Boostを使って1000Wの電気ケトルで湯沸かしもできるからです。車中泊やキャンプでも十分以上の電力を賄ってくれるものと思います。

RIVER 2シリーズのスペックチェックまとめ

リン酸鉄リチウム電池採用で、耐用年数が飛躍的に伸びた新型「RIVER」。10年は軽くイケてしまうはずですが、逆に怖いのは基板や配線の劣化になってきそうです。

ベースモデルは定価で3万円を切ることから入門機として人気が出そうです。「Max」は「Pro」ほどのスペックが必要ないユーザーには「ちょうどよい」サイズとスペックかもしれません。

価格をあまり上げずにリン酸鉄リチウム化してバランスよく仕上がっていると思うので、筆者的には、もしRIVER2を買うなら「Pro」かな~と思っています。

それでは今日はこの辺で。

  1. KAZ Enjoy Camper より:

    こんばんわ~
    いつもご覧いただきありがとうございます。
    やっぱり出ましたね。まあ多くの方が予想していたとは思うんですけど。
    買いますかねえ。どうでしょう。
    買うなら移動しやすいコンパクトな電源が1個欲しいな…とは思っていますが、
    果たしてRIVER 2になるかはまだ分からないです^^

  2. まさ より:

    こんばんわ。
    いつも拝見しています。
    river 2、でましたねえ。
    さすがエコフローLOVEのKazさん、的中ですね。
    River2買いますか?