今回は、ALLPOWERSから提供頂いた「フレキシブルソーラーパネルSF100」を実際に使用してみた感想や使い勝手などのレビュー・レポートです。
筆者はすでにBougeRV製のフレキシブルソーラーパネルを車両ルーフに設置しています。BougeRV製は一般的な「結晶シリコン」性ではなく「CIGS」素材を使った新世代パネルで、曇天でも発電する発電力の高さは特筆ものです。BougeRV製フレキシブルソーラーパネルは今年上半期の「買ってよかったランキングでも上位に入るお気に入りアイテムです。今回のALLPOWERS製は「結晶シリコン」性なので、パネル素材による違いなども見えるといいな…と思っています。
フレキシブルソーラーパネルとは
フレキシブルソーラーパネルとは何か。
そもそもフレキシブルとは「フレキ的なもの」という意味ですが、では「フレキ」とは何かが気になります。実は「フレキ」とは『柔軟性があって伸び縮みし曲がるもの』を表わすそうです(引用:t-techno.com)。
つまりフレキシブルとは、「フレキのように柔軟性があり伸び縮み屈曲可能な」といういみであり、フレキシブルソーラーパネルとなると、「曲面にも設置できる柔軟性のあるソーラーパネル」ということになります。
冒頭吹き出しで紹介したアルトピアーノのルーフに設置したBougeRV製のフレキシブルソーラーパネルは、画像のように丸めた状態(直径30cmぐらい)で梱包されるなど、かなり柔軟性に富んでいて最初驚いたものです。
こちらのパネルは、CIGS(Copper Indium Gallium Selenide=セレン化銅インジウムガリウム太陽電池の略)素材でできており、特に柔軟性に優れる上、太陽光が直接当たらないような状況でも明るささえあれば発電できるので非常に重宝しています。
今回提供頂いたALLPOWERS製のフレキシブルソーラーパネルは現在主流の「結晶シリコン」性です(SF100は単結晶シリコン製)。平らな状態で梱包されていました。
こちらは開梱した状態(表面・裏面)。
見比べるとかなり違いがあります。拡大なので見にくいですが、ALLPOWERS製はシリコンセルが規則正しく整列していて、いかにも結晶シリコン製らしいです。一方BougeRV製のCIGSパネルは、まったく見た目が違います。
結晶シリコン製の特徴は、発電効率が良く小さなパネルでも大きな発電量を得られます(発電効率とはそういう意味です)。反面、自分の体験上では条件の悪化に弱く少し影がかかったり、薄曇りなどで太陽光が弱まると一気に発電量が落ちてしまいます。
パネルには四隅と左右中間点にこうした取付用のホールが6か所設けられており、固定用ベルトも6本付属します(ホールは付属のベルトにあった角丸長方形)。
車体にパネルと立てかけたところ、一応自立できる程度の固さは持っていましたが、CIGSパネルのようにグニャリと曲がるような柔軟性には若干かける印象でした。
ALLPOWERSの公式サイトにはこんな画像が掲載されていますが、かなり固さがあり抵抗感があるので先の立てかけた状態以上に折り曲げてみる勇気はありませんでした(結晶シリコン製は割れるので結構怖いのです)。曲面への設置は自己責任でお願いします。
ちなみに、球面に設置できるフレキシブルソーラーパネルは今のところ見たことがありません。縦方向か横方向いずれかに湾曲できるだけで、SF100も左右上下同時に湾曲することはできません。
薄型軽量(2.4kg)で自立できるのは使い勝手良好
SF100は、1008mmx580mmx3mmのサイズで、重量は2.4kgしかないので、設置するにしても移動するにしても、角度を変える、設置方法を変える…など、何をするにしても腕力が不要で、女性でも楽々作業できる軽量さが魅力と感じました。
また比較ですが、BougeRV製のCIGSパネルは自立するほどの固さがないので、逆に移動や角度を変えるなどは非常にやりにくいです。そう考えると、CIGSパネルは完全に固定設置向けですが、SF100は固定使用でも問題ありませんが、逆に可動式で使える点がメリットと感じました。
太陽の位置が高い今の時期は、ルーフ上に水平に置いた方が発電量が多いですが、冬場にはパネルを立てて角度をつける方が発電量が多い傾向があります。そんな時でも…。
こちらはタウンエースのレインモールにS字フックでぶら下げた様子ですが、100均の安いフックでも問題なく吊り下げられます。
こちらは、園芸用のポールに上下左右4カ所を結束バンドで固定しただけですが、脱落することもなく普通に発電させることができました。
以前、EcoFlow製折りたたみ式の結晶シリコン製110Wパネルで試したことがありましたが、その際は重量(5.65kg)が重く、園芸用ポール2本と結束バンドでは支えきれませんでした。SF100の2.4kgはかなり軽量であるため、設置場所・設置方法方が容易ですし間口が広いと言えます。
我が家に適切なサイズのものがなかったので試せていないのですが、おそらく園芸用の「ラティス」に貼り付けて使うと使い勝手がいいんじゃないか…と思います。横幅60cmのラティスならサイズ感もピッタリです。ラティス自体が軽量にできているので、設置も移動も楽だと思います。また軟らかい木製なので取り付けも簡単そうです。結束バンドや木ねじなどでも簡単に固定できると思います。
IP68の防塵防水性能は重要スペック
ほぼ屋外での使用が前提のソーラーパネルにとって、防塵防水機能は重要です。特にコネクタ部分の防塵防水がしっかりしていないと製品寿命に大きな影響を与えかねません。
その点、『水没しても大丈夫』なIP68なら、豪雨の最中に屋外に出し放しで風雨に晒しても問題は起きない仕様です。こうした目立たないけど重要なスペックを確保していることも良い製品の条件です。
23%の高変換効率
SF100の反感効率は23%で「業界先端」の値だそうです。
それはそれで優れたスペックだと思いますが、多くのパネルは変換効率20%以上を謳っていますし、ポータブル型のソーラーパネルの場合は変換効率はあまり気にする必要はないと思います。
変換効率とは簡単に言うと同じ発電量を得るのにどれだけの大きさのパネルが必要か、逆を返すと同じ大きさのパネルでどれだけ発電できるかを表しています。
住宅用に何枚も屋根に設置する場合には屋根の広さには限りがあり設置できるパネル数も限界があるため、1枚1枚のパネルが効率よく発電できることが重要です。同じ大きさ・枚数のパネルでもより多く発電できた方がいいですから。
でもポータブル型の場合には複数枚連結で使うことはあまりありませんし、あったとしても2~3枚程度ですし、限られたスペースに目いっぱいパネルを設置する…というシチュエーションではないので、多少効率が悪くても(つまりパネルが大きくても)さほど問題にはならないのです。
ただ、少し小さなパネルでも同等量の発電ができるという点で、発電効率が良ければサイズを小さくできるため、より設置や移動が楽で簡単という点で多少は影響する理屈ですが、1~2%違ったからといってパネル面積がまったく違うということはないはずです。
接続プラグは汎用性の高いMC-4
MC-4は非常に汎用性の高い接続端子で、多くのポータブル電源に付属のソーラー充電ケーブルの片方にMC-4が採用されています。SF100の出力ケーブルの先もMC-4なので、別途アダプターを購入することなくほとんどのポータブル電源と接続可能です。
MC-4は防水性能にも優れるので、雨天にパネルを出し放しにしてケーブルも繋ぎ放しでも浸水することはありません。
安心の3年保証、各国の認証取得
SF100は、公式サイト及びメーカーストアがあるAmazonでALLPOWERSから購入することができ(楽天市場とYahoo!ショッピングには公式ストアがない)、各々36か月間の保証が受けられます。
またALLPOWERS社は日本ではまだあまり著名とは言い難いメーカーですが、実は世界的には各国で評価を得ているグローバルな企業で、その製品は各国の認証を受けています。
単結晶パネルとしては割安な価格設定で高コスパ
価格も重要なスペックですが、SF100を含めALLPOWERS製品は、対性能・機能に置いて高コスパな価格設定が魅力です。SF100の通常価格19,999円は結晶シリコン製100Wソーラーパネルとしては割安な価格設定になっています。
ちなみに他社製品と比較すると
Allpowers | AF100 | 19,999円 |
Ecoflow | 110Wパネル | 33,000円 |
Bluetti | 120Wパネル | 32,800円 |
Jackery | 100Wパネル | 34,800円 |
さらに現在、公式サイトとAmazonで20%OFFのセールを開催中で、15,999円で購入可能です。容量299Wh/定格出力600Wのリン酸鉄リチウム電池採用の小型ポータブル電源「R600」も半額セールを開催中なので、セット購入が非常にお得です。
ALLPOWERS SF100
フレキシブルソーラーパネル
20%OFF
単結晶シリコン製100Wソーラーパネルです。薄型軽量で設置場所や設置方法を選ばず、移動も簡単です。
■通常価格:19,999円
→ 15,999円(20%OFF)
ALLPOWERS R600
リン酸リチウムイオンバッテリー
50%OFF
ALLPOWERSの新世代ポータブル電源で安全性と長寿命に優れるリン酸鉄リチウム電池採用の新製品。パススルー10ms、スマホ操作等を搭載しています。
■通常価格:51,700円
→ 25,499円(50%OFF)
電源とパネルセットで購入の場合、通常価格71,699円→41,498円(約42%OFF)で購入可能です。5万円以内で、600Wのポータブル電源と100Wのソーラーパネルが手に入るのはなかなかすごいです。
実際の充電能力を検証
結果から書くと、最大値で「97W」まで出ていました。100Wパネルで97Wはすごいことで、通常は、80%程度発電できれば合格と言われています。
ただこの日は雲が多く風もあったため、90%超の発電時間が短く、すぐに雲がかかるなどで太陽光が弱まり、必然的に発電量も大きく増減する状況と、屋外撮影だったためポータブル電源の液晶が反射してしまって実際の発電量を撮影できていません。
また別の機会に撮影出来たら追加掲載しますが、現時点では画像なし…です^^;
結晶シリコン製パネルの特性が如実に表れた
前述のとおり、結晶シリコン製パネルの特徴は、発電効率が高く小さなパネルでも高出力が望めることや、環境が良い場合の発電量はハンパじゃありません。
SH100も最大100Wのパネルで97Wまで発電していましたので、非常に発電効率の良いパネルであることは間違いありません。
ただ反面、状況が悪化すると急激に発電量が落ちてしまう傾向があります。
例えば、太陽の移動によってパネルの端に少し樹木の陰がかかった…とか、薄雲がかかって太陽光が弱まったなどでも発電量は大きく落ち込みますし、太陽の位置とパネルの角度も発電量に大きく影響します。さらに厚い雲がかかると発電量「0」になってしまうケースも少なくありません。
結晶シリコン製パネルは設置場所や角度などがシビアですし、雲が多い日にはトータル発電量は思ったより多くないケースもあり得ますが、SF100もそうした結晶シリコン製パネルの特性が如実に表れている印象でした。
ただ、それは結晶シリコン製パネルの特性なのでマイナスポイントと言うことにはならないと思います。
SF100を使用する上での注意点
良くできたソーラーパネルだと思いますが、気になる点もいくつか見えたので記しておきます。
電圧高め(開放電圧・Vmp)
SF100の「開放電圧=30.6V」「Vmp=25.5V」で。100Wパネルとしては大きめです。
100Wパネルは小型ポータブル電源と組み合わせて使われることが多いですが、小型のポータブル電源の中にはSF100の電圧を受け入れられない製品もある可能性があります。
例えば、EcoFlowの人気電源「RIVER 2」のソーラーパネルからの入力は「11-30V」です。Bluettiの小型電源の名作「EB3A」のDC入力は「12-28V」です。
Vmpで見た場合には両電源ともギリギリAF100からの充電が可能ですが、開放電圧で見ると両モデルともSF100からの充電はNGとなってしまいます。
Allpowersの同クラスのポータブル電源「R600」のDC入力は「12-60V」なのでまったく問題ありませんが、すでに手持ちのポータブル電源との組み合わせを検討するなら、DC入力値をよく確認するようにしてください。
多くの参考記事が「開放電圧」で考えるようにと記載されていますが、筆者は某メーカーのサポートに「Vmp」で判断して大丈夫と言われたのをタテに、Vmp基準で電源を組み合わせていますが今のところ故障や不具合なく充電できています。
収納性はよくない
SF100は折りたたみ式ではないので、コンパクトに畳んで持ち運びしやく…と言うことはできません。
1008mmx580mmのサイズをそのまま収納しておかなければならないので、せっかく薄型軽量で設置・移動が楽…という特徴を持っていながら、固定設置向きであることは残念ポイントです。
収納するには、製品の梱包材をそのまま利用するしかないので、自宅内や車内に収納しておくにはちょっと邪魔です。
もしかするとこのパネルの最大の弱点は収納性かもしれません。
ALLPOWERS SF100ソーラーパネルまとめ
やはり最大の特徴は薄型軽量である点で、重量はわずか2.4kgしかありません(米の2kg袋を想像すれば代替の重さ感がわかります)。
この軽量さは大きな武器で、設置場所や設置方法の間口を広く取れ、S字フックや結束バンドなど簡易的なものでも簡単に設置することができます。
発電する力も申し分なく、100Wパネルでありながら80~90W超まで発電を確認できました。
少し気になったのは「電圧」の大きさで、組み合わせるポータブル電源によっては充電できないケースもあるので、購入前に「開放電圧」「Vmp」の確認は必須です。
また、レビューを終えてから気づいた弱点として「収納性」が挙げられます。常に固定設置しておくのであれば問題ないですが、必要な時にその都度設置するような使い方では収納性が気になりました。裏面はと突起のないつるつる処理になっているので、強力両面テープなどで車両ルーフに固定設置するのいが向いているように思いました。
それでは今日はこの辺で。
おはようございます>nemo3さん
>「3万円以上の買い物で使える7千円引きクーポン」
な~る^^
31800でもやすいんじゃないかと思いますけどね。
そういえば自分もあったっけ?と調べたら4000P持っていました。
額面は大きな割引が得られますが、最低購入金額が…。使えそうもないです。
>という形で使うしかなさそうです
そうですねえ。
3,000回の寿命を活かしてRIVER2+SF100を文字通り「パワーバンク」、、、確かに。
RIVER Maxの方は車載専用と割り切って、走行充電で充電することにすれば辛うじて持続可能な…ですけどね^^;
>やれやれ
おやおや。。。
返信ありがとうございます>KAZさん
整備済みRIVER Naxの購入価格で書き忘れがありました。
エコフロー社もユーザー登録や製品登録で独自ポイントが貰えることはご存知だと思いますが、そのポイントを「3万円以上の買い物で使える7千円引きクーポン」に引き換えた上での購入価格24,800円だったので販売価格は31,800円でした。m(_ _)m
で、2台のRIVER+SF100の運用方法をどうするかなんですが。
3,000回の寿命を活かしてRIVER2+SF100を文字通り「パワーバンク」とし、そこから適時RIVER Maxへシガレットプラグ入力で充電する。
という形で使うしかなさそうです。(非効率でも仕方ない、やれやれ)
こんばんわ>nemo3さん
本日は終日外出しておりまして、スマホから承認だけさせていただきましたがお返事が遅くなり申し訳ありません。
>RIVER Maxが24,800円
なかなかの安さですねえ^^
>0.5Vオーバー程度なら大丈夫だろう
電圧は多少の±あるんで大丈夫そうな感じですが、Vmp超えでは無理かもしれませんね。
ご報告ありがとうございました^^;
お久しぶりです、パススルーの件ではお世話になりました。
さて、RIVER2を使い続けているうちに、やはりというべきかソーラーパネルにも興味を持つようになり、この記事を読んで調べてみるとSF100が15,999円というEcoFlow純正よりだいぶ安い価格を目にして思わずポチりました。
で、RIVER2で問題なく使え、満足していたところに、たまたまEcoFlow公式ストアで整備済み品のRIVER Maxが24,800円で買えると知り「容量が2倍強で定格600Wなら三元素系でも悪くはないのでは」と追加購入してみたんですが…
甘かった。
SF100に繋いでも何の反応もありません。(RIVER2なら繋げば即スリープから復帰する)
試しにRIVER2のシガーライターソケットからXT60で給電してみたらきちんと充電が開始されたので故障の線はなさそうですよね?
最大電流が0.5Vオーバー程度なら大丈夫だろうと高をくくった自分のミスです。
という事で「ALLPOWERS SF100はEcoFlow RIVER Maxでは使えない」という報告でした。(T T)
2023/10/28